2015/05/02 - 2015/05/05
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icyfireさん
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国内旅行のターゲットとしてはこの数年ずっと上位にあった熊野。熊野本宮大社、熊野那智大社、熊野速玉大社の三山を参拝するのはもちろん、熊野古道を歩いてその景色、香り、音など五感で吸収したいものがあった。季節としては、暑すぎないGWがよいと思っていた。そして、幸いにして今年は霧雨という絶好のコンディション。神秘的な古道を満喫できた。
いよいよ熊野古道を歩いて熊野本宮大社を目指す。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 高速・路線バス レンタカー 新幹線 JR特急 徒歩
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熊野古道は紀伊半島に複雑に張り巡らされた、長い長い参詣道です。その中で今回挑むのは中辺路というルートのうち、大雲取越と小雲取越と呼ばれる山越えの難所とされるところです。京都の皇族・貴族が淀川を下って海に出た後、現在の和歌山県田辺市から中辺路を通って熊野本宮大社に参拝し、その後熊野川を下って熊野速玉大社、熊野那智大社とお参りした後に本宮に戻る時に通ったのがこの大雲取越・小雲取越です。
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熊野那智大社・青岸渡寺の手前から始まった熊野古道大雲取越え。序盤は比較的急な坂です。苔生した石畳の階段と杉林が早速熊野古道の趣全開。ここで苔をちょっと拡大。いろんな種類のものがありました。雨に濡れてきれい。苔の写真ばかりだと旅行記としてどうかと思うので多くはアップしませんが。
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名前は分からないけど新しい葉が美しい木。高山植物はだいぶ覚えましたが、木は弱い。
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ツツジ。奥多摩のミツバツツジに似ていますが、ちょっと感じが違いますね。西日本と東日本では微妙に種が異なる植物が多いようで、よく見るといろいろ発見があります。例えば、東日本で多いブナやナラの木よりも、タブノキなどが多かったと思います。
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霧雨のおかげで神秘的な雰囲気がどんどん盛り上がります。晴れていたら違った趣があったのでしょうが、熊野古道には霧が似合うような気がしますね。
霧雨だと土や木々の香りが強くなるのも嬉しいところ。那智山 自然・景勝地
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熊野古道には、このような番号の付いた道標が立てられています。500メートルごとに1つ進むということで、ペース配分の目安になりますが、疲れてくると「まだ次の道標出てこないのかよ」と邪念が頭をもたげます。熊野古道を歩いているとはいえ、都会人の心は簡単には洗浄されません。
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結構急なアップダウンがあります。さすがは熊野古道中辺路の難所といわれる大雲取越。ちなみに、熊野古道は中辺路が一番メジャーですが、当初は高野山から続く小辺路を行こうと思っていました。小辺路の方が険しいようです。また、吉野と熊野を結ぶ修験道の道であり、紀伊山地の主要峰を縦走する大峯奥駈道は全然レベルが違うと思います。
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多くのお地蔵様がいらっしゃいます。道祖神ということで、熊野詣の旅の安全を祈願したのでしょう。
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大雲取越は基本的に杉の森の中です。広葉樹はほどんど見かけません。薄暗い杉の森は植林なのでしょうか。ここまで徹底して杉だと、どこまで歩いても果てしない森のように感じて、それはそれで迫力があります。
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沢沿いの道を歩くところもあります。まあ、それほど景色に変化はないです。
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大雲取越えの中間チェックポイントとも言える地蔵茶屋跡に到着しました。熊野古道は、熊野詣が盛んだった頃に旅人を迎えた茶屋や宿場の跡があり、その一部には今でもトイレなどが設置されて休憩場所になっています。ちなみに、那智勝浦の展望が自慢の舟見茶屋跡は霧雨のために展望がなくて少し残念。
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地蔵茶屋跡というだけあって、小さなお堂の中にたくさんのお地蔵様がいらっしゃいます。ここまで3時間程度歩いてきていますので、少し休憩しておにぎりなどを食べました。
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ここからは石倉峠という峠を目指して石段の急な登りが続きます。斜めの写真が幾つかあって見難いかもしれません。すみません。コンデジで機能に限界があるので、対角線を使って石畳の道から杉の木のできるだけ高いところまで収めようとしています。
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苔生した石畳。熊野古道ブランドのせいもあってありがたいものに感じる。雨に濡れた森の空気は香りがとてもいいです。時々小鳥の声も聞こえます。
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お地蔵様も苔生して雰囲気がよくなっている。
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この辺りから、多くの歌碑が現れます。短歌だけでなく俳句もあります。
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霧が濃いですね。私は那智から本宮に向かったのですが、逆方向に歩いている人もいました。外国人が多かったように思います。熊野古道を歩いて楽しむ外国人旅行者が多いのは事前のリサーチで知っていましたが、確かに多かった。
熊野古道 名所・史跡
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この辺りから道標が石造りでなくなってちょっと趣がなくなる。
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大雲取越の最高地点である越前峠に着きました。かなり急なアップダウンを繰り返しているので、テント泊装備を背負っていると思ったより疲れます。熊野詣で行き倒れた人は、「ダル」という妖怪に取り付かれたと信じられたらしいですが、草鞋履きだったであろう当時の装備では行き倒れる人も出たでしょうね。
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ここからは急な下りです。
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胴切坂という一気の下りで、標高差は500メートルほどです。逆方向からこれを登るのも大変でしょうが、大雲取越も後半にきて疲労がたまり始めたところでの急な下りも危険です。雨で濡れた石畳が滑りまくるので。
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写真だとあまり分かりませんが、かなり急です。
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そんな旅人を見守る道祖神。ありがたや。
熊野古道 名所・史跡
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白いツツジが咲いていました。
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大雲取越最後のチェックポイントである円座石(わろうだ石)です。まあ、読めません。3つの梵字が刻まれていて、これらは熊野三山の神々を表すようです。神様が揃って談笑した石らしいです。
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円座石全景。
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かなり下ってきて、山道はほぼ終わりです。一般道に出る直前に少し展望が開けたところがありました。深い山に霧がかかっていて神秘的な感じでした。
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5時間ほどで大雲取越を歩き切ると、小口という集落に出ます。西行がこの地にちなんで詠んだ歌の歌碑がお出迎え。
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小口には「小口自然の家」という宿泊施設・キャンプ場があるのですが、一人用の山岳テントで泊まるにはハイスペック過ぎて割高なので、赤城川沿いにある小和瀬渡し場跡の川原にテントを張りました。
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トイレや飲料の自販機があるので、テント泊に向いています。川でカヤックをやりながらオートキャンプしている家族もいました。
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紀伊半島南部の川は清流ばかりのイメージ。そして、この写真ではよく分からないのですが、深い青の色がとても濃いのです。
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翌日は6時半ごろ出発。やはり天気は霧雨で、神秘的な雰囲気の熊野古道を楽しめそうです。
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ところがここでアクシデント。本日通る小雲取越で土砂崩れが発生していたようで、全体の半分くらい行ったところから林道に迂回しないといけない模様。幸い、最終的な目的地である熊野本宮大社方面に出られるようですが、古道を行けないのと長い林道への迂回はやはり残念。
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とにかく歩かないことにはテントを張って眠るところにもたどり着かないので、気を取り直して歩き始めます。やはり滑る石畳。注意しながら行きます。
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小雲取越もたくさんのお地蔵様がいらっしゃりました。
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階段よりも、この手の傾斜になった石畳が危ない。まあ、趣はあるんですが。
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霧が出ていなければ眺望がありそうな場所もありました。深い青色をたたえた川を眼下に眺められれば、それは絶景だったと思います。まあ、多くを望んでもしょうがない。
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小雲取越は大雲取越と植生が少し異なりました。杉の深い森が中心なのは同じですが、場所によっては広葉樹林になっていました。光が入りやすいのか、羊歯なども多く茂っていました。
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小雲取越にもかつての茶屋の跡があります。この茶屋の周りには桜が茂っていたとか。
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小さな花のツツジがきれいでした。
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小雲取越でも歌碑が多く設置されています。読んでみると、歩いている自分の心境と重なる所があったりして楽しい。
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基本は杉の森ですが、大雲取越と違って羊歯も茂っているのが分かると思います。アップダウンは小雲取越の方が小さくて、ハイキングコースとして悪くないと思いました。
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このような広葉樹の林もあります。これだと熊野古道というより、東京近郊の奥多摩の森のようです。
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そして、ついに通行止め地点に到着。ここからは林道に入り、大きく迂回します。さらば熊野古道小雲取越。いつかリベンジして最後まで歩ききりたいものです。
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林道はどうしても退屈ですが、下りなのでまだよかったです。逆方向から来る人にとっては登りなので、より辛かったでしょう。林道でも小鳥の声が聞こえるし、花もきれいでした。木々の香りもします。熊野古道ブランドはないですが、悪くないハイキングでした。
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写真ではあまり伝わらないのが残念ですが、深い山奥に霧がかかっているのは雰囲気がありました。
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そして、10時少し過ぎに熊野古道との合流地点である請川の集落に到着。ところが、ここから熊野本宮大社まではさらに3キロもあることを知る。請川と本宮が直ぐ近くだと勝手に思い込んでいたのでショック。山道と林道を10数キロの距離を歩いたあと、13~14キロ程度の重さのテント泊装備を担いで一般道をさらに3キロ行くのは気が重い。
途中、青の濃い熊野川を眺めながら足早に歩きました。 -
本宮の町に入ったところに、ボヌールというカフェがあります。事前のリサーチでも知っていたお店ですが、当初はもっとボリュームあるものを食べる可能性が高いし、お洒落な感じのお店に2日間の山行後のおっさんが入るのはどうかと思うのでおそらくここで食事はとらないと思っていました。しかし、この時時刻は11時ごろで腹が減り、いい加減歩き疲れて少し休みたい気分だったのでここで昼食を取ることに決定。
ボヌール グルメ・レストラン
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若いご夫妻と思われる男女で運営されているようです。内装はとてもセンスが良く、対応もとても親切でした。豆腐ハンバーグのベーグルサンドとコーヒーを美味しくいただきました。
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ボヌールの向かいは大斎原(おおゆのはら)。熊野本宮大社は、明治22年の洪水まではこの地(熊野川の中州)にありました。熊野川、川幅も広いし悠々と深い青色の水をたたえていて母なる川って感じなのに、いざ洪水になると激しいんですね。
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少しだけ碑が残っていたり解説の看板が出ていますが、基本的に流された跡なのでなにもありません。
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この鳥居以外は。日本一の巨大な鳥居だそうです。
旧社地 (大斎原) 名所・史跡
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そして、いよいよ熊野本宮大社に到着。熊野三山をいよいよ踏破です。
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狛犬。凛々しい。
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右側通行で階段を登ります。高い杉が左右にそびえていて、熊野古道の続きのようなイメージ。
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山門に来ました。やはりご紋は十六八重菊。まあ、巴紋もあるのですが。
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熊野速玉大社や熊野那智大社と同様、社殿は複数あります。主祭神の家津美御子大神は第三殿に祭られています。まずはここからお参り。
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屋根が格好いい。速玉大社は朱塗りの社殿が並んでいて壮観でしたが、こちらは檜皮葺で荘厳な感じ。社殿は重要文化財に指定されているとのこと。
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第二殿。速玉大神が祭られています。
熊野本宮大社 寺・神社・教会
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これが一番大きい第一殿。順番としては、家津美御子大神の祭られた第三殿、速玉大神の祭られた第二殿、夫須美大神の祭られた第一殿、天照大神の祭られた第四殿の順に参拝します。熊野三山ではお賽銭の小銭をたくさん用意しておきましょう。
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なかなか全体が収まらない。GWということで参拝客が多く、余裕を持って撮影できなかったのも一因。まあ、しょうがない。
これで熊野三山詣では目標達成。最後に写真を載せますが、三山それぞれでお守りと牛王符を購入しました。 -
参拝を終え、大社の向かいにある世界遺産熊野本宮館に向かいます。ここからこの日テントを張る予定の場所までバスが出ます。この施設は情報量が豊富で見ていて楽しかったし勉強になりました。案内の方もとても親切で、一人でGWにテントを張るなら川湯温泉よりも渡瀬温泉の方がいいとアドバイスいただきました。ありがとうございます。川湯はオートキャンプの人でテント場が混むのと、テント場から温泉施設が遠いのが難点のようです。
世界遺産熊野本宮館 美術館・博物館
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ということで、渡瀬温泉へ。本宮の周囲には、世界遺産に登録された公衆浴場である「つぼ湯」を要する湯の峰温泉、川をせき止めた湯に入れる川湯温泉など魅力的な温泉地が多いです。その中では比較的地味ですが、清流に囲まれたアウトドアの雰囲気がよいのが渡瀬温泉です。つり橋を渡ってテント場に向かいます。
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クアハウスさんという施設運営事業者がやっている温泉宿泊施設で、バンガローなどもあるところにテント場もあります。時期が時期なので満員でした。温泉は広く、湯温も高めで温まりました。
渡瀬温泉 温泉
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さて、翌日は新宮までバスで出てから東京に帰るのみです。この路線バスは熊野川沿いを走るのですが、熊野川の青の深さに驚くばかり。バスの窓ガラス越しに写真を撮るのは難しいのですが。
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そして、川が大きい。ゆったり流れる母なる川のイメージ。
朝7時頃のバスに乗って約1時間で新宮へ。その後、マグロのリベンジ目当てに那智勝浦へ移動。紀伊勝浦駅は帰りの電車の始発駅なので、自由席で確実に座席を確保するという目的もあります。 -
那智勝浦に戻る頃にはすっかり晴れ。熊野古道を歩いた日は霧雨で神秘的な雰囲気でしたが、やはり青空は気持ちよい。
初日に見られなかった漁港の市場で近海マグロにご対面。築地の完全冷凍マグロの巨大競り大会とは違う雰囲気。 -
漁港では5月5日ということで、子供連れの家族向けにマグロの解体ショーなどをしていました。観光客向けとは思われますが、即席の食堂になっているところがあったのでここで近海マグロリベンジ。トロと赤身の2色丼を頂きます。
勝浦漁港魚市場 名所・史跡
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1700円だったかな。流石に旨かった。こういうのは食べるところの雰囲気もありますけど。マグロのアラで出汁を取った潮汁もいただきました。那智勝浦でマグロを食べるという目的も達成。あとは帰るだけです。
12:23紀伊勝浦発の特急南紀6号で名古屋に出て、新幹線で帰ります。新幹線、自由席でも座れました。6日まで休みなので、5日の夕方はまだ余裕があったようです。 -
お土産は熊野地方でこれでもかというほど看板の出ていた那智黒飴、熊野古道地ビール、そして熊野サイダー。サイダーは本宮では普通に売っていますが、那智勝浦や新宮では売っていないので注意です。那智勝浦の魚市場でマグロ丼を提供している業者さんが、たまたま本宮のメーカーから買い入れているとのことで、本宮を離れた場合はここで買うしかありません。
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そしてこれがお守りと牛王宝印。牛王宝印は牛王符などほかの呼び方でも呼ばれますが、熊野のシンボルキャラである八咫烏を使った文字で書かれた護符です。
これは速玉大社のもの。 -
これは那智大社。
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そして本宮大社。家族の安全を祈願します。
熊野、とても森深く五感で感じるべき自然があり、そしてその自然の中に溶け込んだ信仰が生きていると感じるところでした。日本の森、山、川の美しさが凝縮されたようなところです。同時に1,000年の熊野信仰を支える祈りの道である熊野古道と熊野三山があり、とても神秘的です。外国人に人気なのも分かりますね。次回は吉野、または高野山と結ぶ道を歩いてみたいです。あとは小雲取越のリベンジ。
最後にテント泊中に詠んだ戯れ歌:
ちはやぶる神のまします那智熊野霧ぞ集めて滝となりぬる
霧を深み濡れて苔むす道祖神祈りの道の木々のまにまに
たらちねの母なる流れの熊野川恵み荒ぶる悠久の青
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