青年は荒野をめざす Vol.45　ウィーン　シベリア鉄道で帰国する手続きの為に16日間滞在

1975/02/05 - 1975/02/20

　今から41年前の昭和49年7月23日から3月7日までの225日間かけて
ナホトカ航路、シベリア鉄道を往復して
ヨーロッパ、モロッコを船、列車、バス、ヒッチハイクで旅しました。
高所恐怖症なので飛行機には現在まで一度も乗った事がありません。
乗り物による移動距離は60,806.8キロ、地球1.52周でした。
　観光白書によると昭和49年の日本人の海外旅行者数が200万人、
平成24年度は1849万人、40年ほどで10倍近くなりました。
　そんな当時の旅行の資料と写真を少しづつアップして行きます。

　今回は、ウィーン、シベリア鉄道で帰国する手続きの為に16日間
滞在した。16日間あればほとんどウィーンを巡る事が出来たが、
2月の為、街には緑はなく殺風景だった。
観光的にはシーズンオフだったので写真を撮って貰えるような日本人にも
出合わなかったので写真は1枚も無く、掲載は絵葉書4枚だけで、
それもグリーンシーズンである。
https://www.youtube.com/watch?v=HC1R3bnWyTE

エリア ウィーン(オーストリア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

旅行記の周辺地図

ウィーン滞在中利用したHOSTEL RUTHENSTEINERのカード
1月30日、2月5日から19日までの16日間宿泊。
西駅のすぐ近くだったので便利が良かった。
1泊40シリング682円

このホステル今も営業している！
http://www.tripadvisor.jp/Hotel_Review-g190454-d263766-Reviews-Hostel_Ruthensteiner-Vienna.html

昭和50年2月5日
ウィーン　　市内電車9時50分乗車

昭和50年2月5日
ウィーンのアメリカ銀行で100ドル旅行小切手を10ドル旅行小切手に両替

昭和50年2月5日
ウィーンのアメリカ銀行で100ドル旅行小切手を10ドル旅行小切手に両替

昭和50年2月5日
ウィーンの旅行代理店JOSEFSTADTに
パスポートを預けている事の証明代わりのメモ書き
オーストリア国内のみ有効だった。

昭和50年2月5日
ウィーンの中央郵便局で日本からの手紙を受け取った。
保管料0.5シリング9円

昭和50年2月5日
ウィーン　スーパーマーケットKONSUMの領収書32.45シリング553円

昭和50年2月6日
ウィーン　市内電車7時40分乗車

昭和50年2月6日
ウィーン　シュテファン大聖堂の絵葉書

　シュテファン広場に107メートルの尖塔を持って聳えているゴシック建築様式
の大聖堂で12世紀に着工され、その後、数世紀にわたって正面の大門や左右2つ
の八角形の塔、ゴシック建築様式の大尖塔などが加えられ、大尖塔の完成は
15世紀半ばであった。
　創立以来数々の戦火で破壊され、第二次世界大戦中にもロシア、ドイツの
空襲で崩壊したが戦後再び復元された。
金色や青色のタイルの美しいモザイク屋根のこの大聖堂は市民から
シュテッフェルと呼ばれてウィーンのシンボルで、観光名所のひとつである。

昭和50年2月6日
ウィーン 　市内電車20時40分乗車

昭和50年2月7日
ウィーン市立公園　ヨハン・シュトラウス像の絵葉書

　当時は、普通の銅像で今の黄金色に輝く像ではなかった。
また銅像の周りの木々はすっかり落葉していて緑豊かな絵葉書の様では無く
寒々としてしていた。
https://www.youtube.com/watch?v=J9OBaaErzCc

昭和50年2月7日
ウィーン　市内電車10時50分乗車

　ベートーベンが好んで散歩し、交響曲「田園」の想を練ったと言われる
ベートーベンの小路を訪れた。
　季節が冬でもあり鳥のさえずりは聞こえなかったが、路ぞいの小川の
せせらぎは雰囲気を出していた。
小路にはベートーベンがよく休息したと伝えられるベートーベン・ルーエには
彼の胸像とベンチがあった。
ベンチに腰掛けて目を閉じるとごく自然に「田園」のメロディーが浮かんで来た。
https://www.youtube.com/watch?v=OSr-NQHvhUM

昭和50年2月7日
ウィーン 　市内電車14時45分乗車

昭和50年2月7日
ウィーン　スーパーマーケットKONSUMの龍収書54.10シリング922円

　朝食はゲストハウス近くにあるスーパーマーケットKONSUMで買った
パン、牛乳、それと野菜にマヨネーズを付けて食べた。
昼食はもっぱらウィーン大学の学食、夕食はゲストハウス近くにある
大衆食堂で取った。
その大衆食堂でこんな事があった。自分のテーブルの通路を隔てた斜め向かいの
テーブルで一人の老婦人が夕食を食べていたが、多すぎたのか店の主人を呼んで
残りを持ち帰りたいと言ったところ、店の親爺は厨房から容器を持って来て、
フォークとスプーンで残った食べ物を容器に丁寧に入れ始めた。
老婦人とにこやかに話しながらのいつもの事のような自然の動作だった。
食べきれなかった食べ物は家に持って帰る、それが当たり前という感じで
店の親爺も嬉しそうだった。
そんな光景は当時の日本では見られなかった。食べ残した物はそのままにして
帰り、店はそれを廃棄する、ましてや、勿体ないからと持って帰りたい
などとは恥ずかしくて言えないのである。
それが当たり前だったので、ふたりを見ていた自分もほのぼのと
温かい気持ちになったのである。
その時の二人の優しい笑顔は今でもはっきりと憶えている。

昭和50年2月8日
ウィーン　市内電車12時20分乗車

昭和50年2月8日
ウィーン　シェーンブルン宮殿の絵葉書

　シェーンブルン宮殿はハプスブルク王家の夏の離宮で、もとは狩猟の為の
館であった。
1696年にレオポルト1世がバロック建築様式の巨匠フョン・エルラッハに命じ、
遠大な離宮造営計画にあたらせ、更にマリア・テレサ女帝の時代1744年から
1749年にかけてパカッシの手によって完成された。
　建物は、あらゆる部屋を合計すると1,441室あり、両翼の端から端まで180mあり、正面右側翼には宮廷劇場がある。

昭和50年2月8日
ウィーン　シェーンブルン宮殿のフランス式庭園とグロリエッテの絵葉書

　水の精の噴水、海神ネプチューンの泉水と多くの花壇がある広い
フランス式庭園を挟んで宮殿に向かい合う丘の上にはグロリエッテという
対プロイセン戦の勝利と戦没者の慰霊の為に立てたギリシャ建築の記念碑(未完成)があり、ここからは周囲が一望できる

昭和50年2月8日
ウィーン 市内電車12時50分乗車

昭和50年2月8日
ウィーン　シェーンブルン宮殿の入場券3シリング51円

昭和50年2月8日
ウィーン　市内電車15時30分乗車

昭和50年2月8日
ウィーン　スーパーマーケットKONSUMの領収書9.2シリング157円

昭和50年2月8日
ウィーン　スーパーマーケットKONSUMの領収書34.60シリング590円

昭和50年2月8日
ウィーン　スーパーマーケットKONSUMの領収書16.45シリング280円

昭和50年2月8日
ウィーン　スーパーマーケットKONSUMの領収書34.60シリング590円

昭和50年2月9日
ウィーン　市内電車11時30分乗車

　

昭和50年2月9日
ウィーン　連国営旅行社インツーリストの旅行日程表日本へを送る。
切手代6シリング102円

　昨夏、ソ連国営旅行社インツーリストで抜き取った旅行日程表を
入国検査の際、没収されるかもしれないので日本の友人宛てに送った。

昨夏のソ連国営旅行社インツーリストの旅行日程表
　
　これは日本に絶対日本まで持って行かなければならない資料だった。
原本は日本の友人宛てに送り、念の為、コピーを1枚取って携行する事にしたが
ソ連入国の際、没収されないにはどこに隠すかが大きな問題であった。
http://4travel.jp/travelogue/10958780

昭和50年2月9日
ウィーン　市内電車13時30分乗車

昭和50年2月10日
ウィーン　市内電車11時40分乗車

　

昭和50年2月10日
ウィーン王宮ホーフブルク 宮殿
子供用入場券

　毎週日曜日にはホーフブルク宮殿の王宮礼拝堂でのミサでウィーン少年合唱団が
歌うことになっていたので、9時過ぎに着いたら礼拝堂は人でいっぱいだったが、
中から天使の歌声が聞こえるので無理矢理、中に入り込んだが、合唱団はいなくてテレビモニターで歌っているのである。
どうしても生で観たくて、そこで礼拝堂から出て階段を2階、3階へと走り昇って彼らが歌っている部屋を探したが、どの部屋にはいないのである。
歌声だけは礼拝室から階段にいても2階、3階にいても聞こえてくるのである。
一体彼らはどこで歌っていたのだろうか？
未だに謎なのである。録画してテレビモニターで流していたのだろうか？
誰かご存知の方教えてください。
　https://www.youtube.com/watch?v=NmHM_kxYP2c

昭和50年2月10日〜16日
ウィーン市内電車・地下鉄7日間定期券

　この定期券の存在を知ったのは2月9日でどこで買えば良いのか、
どこで売っているのか、が分からず苦労したが、これで行動範囲が
大いに広がった。

昭和50年2月10日
ウィーン　カーレンベルグ〜グリンツィンクの帰りの電車切符9シリング153円

　ウィーンの森に行ったが、あいにく眼下のドナウ河はぼんやりとしか
見えなかった。
往く時は定期券で無料だったのに、なぜか帰りは9シリング払わされた。

ユーレイルパス1stクラス3ヶ月券
昭和49年11月12日〜昭和50年2月11日
十分元を取った感じであった。

昭和50年2月11日
ウィーン　日本へ小包送る。5.5キロ140シリング2,387円

昭和50年2月11日
ウィーン　ウィーン　スーパーマーケットKONSUMの領収書32.45シリング553円

昭和50年2月12日
ウィーン国立歌劇場　オペラ「マダムバタフライ（蝶々夫人）」
入場券25シリング426円

　同じゲストハウスに泊まっていたアメリカ人女性二人連れからオペラ観劇に
誘われた。オペラはそんなに興味が無かったが、プッチーニの「マダムバタフライ」だったので一緒に行った。
劇場に着くと眩いばかりのシャンデリアが輝き、来ている客はいかにも
上流階級、セレブそうな人たちばかり、ジーパンに安物コートの自分は
場違いの所に来てしまったという感じ、
礼服を着たボーイが来て、預かるために着ているコートを脱がせようとしたか、
長い旅のせいで汚れが目立ち、くたびれてしまっているので恥ずかしいし、
何よりもチップを要るのでは、と思って抵抗したが取られてしまった。
　席まで案内されたが一番安い席だったので2階席の端の一番舞台寄りで、
柱が邪魔して身を乗り出して顔を右に向けないと舞台が見えないのである。
ストリーのあらすじは知っていたが、日本人役のちょんまげ姿や着物姿が
酷すぎて見るに堪えず眠ってしまった。
目が覚めたのは蝶々夫人が「ある晴れた日に」を歌い始めた時だった。
https://www.youtube.com/watch?v=vyIsCjBglVE

昭和50年2月12日
ウィーン　スーパーマーケットKONSUMの領収書38.50シリング658円

昭和50年2月13日
ウィーン　スーパーマーケットKONSUMの領収書26.90シリング459円

昭和50年2月13日
ウィーン美術史美術館入場券1シリング17円
　
　古代から19世紀に至るヨーロッパ各地の美術品を収蔵している。
ディエゴ・ベラスケス 「青いドレスのマルガリータ王女」、
ラファエロ・サンティ 「草原の聖母」、ヨハネス・フェルメール
「絵画芸術」、ピーテル・ブリューゲル「雪中の狩人」が良かった。

昭和50年2月13日
ウィーン　フィルム現像した時の領収書
4本で87.60シリング、1本21.90シリング373円
ネガのカットが雑であった。

昭和50年2月13日
ウィーン　フィルム現像したネガの入っていた袋

昭和50年2月14日
ウィーン　フィルム現像した時の領収書　1本21.90シリング373円

昭和50年2月14日
ウィーン　フィルム現像したネガの入っていた袋

昭和50年2月14日
ウィーン　スーパーマーケットKONSUMの領収書52.30シリング892円

昭和50年2月14日
ウィーン　ウィーンの中央郵便局で日本からの手紙を受け取った。
保管料0.5シリング9円

昭和50年2月14日
ウィーン　買い物レシート　14シリング239円

昭和50年2月17日
ウィーン　スーパーマーケットKONSUMの領収書26.90シリング459円

昭和50年2月18日
ウィーン　ホーフブルク宮殿入場券1シリング17円

　ホーフブルク宮殿が最初に作られたのは13世紀頃と言われ、
その後ハプスブルク家の王宮となり、神聖ローマ帝国、
オーストリア・ハンガリー帝国の皇帝の宮殿として使用された。

昭和50年2月18日
ウィーン　スーパーマーケットKONSUMの領収書31.40シリング535円

昭和50年2月18日
ウィーン　25スイスフラン2,878円を168シリングに両替
1スイスフラン6.74シリング115.15円、1シリング17.08円

昭和50年2月19日
ウィーン　旅行代理店に支払う旅行代金7,519シリングの為、
460ドル131,107円を両替
1ドル16.435シリングで460ドル7,519シリング
　
　

昭和50年2月20日
ウィーン　ノイシュヴァンシュタイン城のポスター代
70シリング1,221円の領収書

　日本まで折り曲がらないよう、総統神経を使ったので買った事をを後悔した。

ウィーンから横浜までの日程表