2015/02/21 - 2015/02/21
87位(同エリア266件中)
naoさん
日本の金魚養殖の主要産地として知られる奈良県大和郡山市では、近鉄郡山駅とJR郡山駅に挟まれた旧市街地一帯を中心に、2月21日(土)から3月8日(日)まで「大和な雛まつり」が開催されます。
早春を彩るイベントとして企画された『大和な雛まつり』は今年で4回目を数え、古い町家が点在する城下町に多くの見物客を集めるイベントとして定着しています。
会場となっている町家、商店、寺社等には、享保年間(1716年〜36年)の「享保雛」や明治時代の「御殿雛」など、それぞれのお宅に代々伝えられてきたお雛さまを始め、オリジナルの手作り雛に至るまで、さまざまな雛人形が飾られています。
中でも、普段非公開の、古い花街の名残をとどめる旧川本家住宅では、2階と3階をつなぐ階段を雛壇に見立てて、敷きつめた緋毛氈にお雛さまが飾ってあり、その圧倒的な迫力に訪れた人々は感嘆の声を上げています。
九州地方で「春一番」が吹いたとの一報が届くような、うららかな春の陽気に恵まれた『大和な雛まつり』初日のこの日、城下町を舞台に繰り広げられる雛まつりを楽しむべく、大和郡山を訪れました。
江戸時代から続いた藍染め商、奥野家が近年廃業したのを受け、大和郡山市に現存する町家の中で最も古いとされている旧奥野家住宅を市が買い上げ、観光案内所や藍染め体験工房などを備えた施設に再生・整備した、箱本館「紺屋」が、かつて藍染めを生業とする職人たちが集まっていた紺屋町にあるので、ここの駐車場に車を停めさせてもらってお雛さまめぐりを始めます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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大和郡山市に現存する町家の中で最も古いとされている旧奥野家住宅を再生した、箱本館「紺屋」の駐車場に車を停めさせてもらってお雛さまめぐりを始めます。
伝統的な藍染め技術を受け継ぐ職人が少なくなった中にあって、奥野家は今日まで藍染め技術を伝えてきた数少ない家のひとつだったそうです。 -
箱本館「紺屋」の外部には、大和郡山の代名詞とでも云うべき金魚のタペストリーが掛けられています。
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かつての藍染め商家の姿を今にとどめる、箱本館「紺屋」の店の間に飾られているお雛さまです。
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お内裏様と・・・
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お雛さま。
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箱本館「紺屋」には、観光案内所や展示コーナーとともに、藍染めの体験工房が設けられています。
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この日も、別棟の工房では小学生たちが藍染め体験にいそしんでいました。
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大和郡山の旧市街地一帯には、虫籠窓や格子などをしつらえた伝統的な町家が点在しています。
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煙出しの越屋根まで備えた町家もあります。
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郡山城のお濠から流れ出て、紺屋町の中心部を流れる紺屋川です。
かつてこの川は、藍染め職人達が染め上げた糸や布を晒すのに使っていたそうです。 -
杉板の外壁が特徴的な町家です。
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屋敷の奥の方には、白漆喰塗の2階が載った建物もあります。
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こちらは400年もの歴史がある、老舗の和菓子屋さんです。
現在の建物は、それまでの建物が安政2年(1855年)の大地震で倒壊したあと再建されたものだそうで、幕末頃の菓子屋のあり様を留める貴重な建物だと云われています。 -
店内のお茶席の一角には御殿雛が飾られ・・・
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傍らの吊るし雛が風に揺らぎながら、一段と華やかさを演出しています。
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かつては、お菓子を買ってもらったお客さんにお茶を振舞っていたようで・・・
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お茶席には、蓋に細工物の持ち手の付いた茶釜が置いてあります。
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電機屋さんのショウウィンドウに飾られた一刀彫のお雛さま。
一刀彫は、春日大社の祭礼用の飾り物をルーツに持つと云われています。 -
右側に「むくり」がある大きな屋根の架かった町家があります。
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この町家の格子の玄関戸は、異様に大きく感じます。
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こちらの薬局の店先には・・・
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手作りのかわいいお雛さまが飾られています。
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均整のとれた外観の町家です。
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この町家は江戸時代から造り酒屋を営んでいた旧家だそうです。
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玄関脇の犬矢来がリズミカルな影を落としています。
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建物には、袖卯建や煙出しの越屋根が設けられています。
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グリコ牛乳があったなんて、初めて知りました。
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2階に、虫籠窓と出格子の窓が並んでいる町家。
どう使い分けておられるんでしょうか・・・。 -
郡山城址が見えてきました。
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郡山城址のお向かいに「やまと郡山城ホール」があります。
こちらのエントランスホールにもお雛さまが飾られています。 -
お孫さんを思い起こされているんでしょうか・・・
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何となくこの子を見つめておられるように思えます・・・。
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「やまと郡山城ホール」のメインエントランスの前に広がる郡山城址です。
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大和郡山市役所へやって来ました。
玄関前の池では、鷺達がふざけあっています。 -
茶釜のある、老舗の和菓子屋まで戻って来ました。
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柳町商店街で見つけた大和郡山市の汚水桝の蓋。
さすがに金魚がモチーフになっています。 -
きんぎょカフェに飾られたお雛さまのそばには・・・
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「束ね熨斗」模様が鮮やかな、子供用の着物も飾られています。
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お雛さまが着ている十二単。
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こちらは三人官女を従えたお雛さま。
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左近の桜も添えられています。
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こちらはステンドグラスでできた立雛と・・・
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座り雛。
お雛さまも、時代の流れとともにいろんな手法で作られます。 -
こちらは酒屋さんの店内に飾られたお雛さま。
白酒も置いてあるんでしょうか・・・。 -
お酒の臭いでお酔いになられたのか、お内裏様のお顔がほんのり紅くなっているように思います。
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酒屋さんの建物にも、伝統的なしつらえを見ることができます。
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先ほどの酒屋さんも面している、近鉄郡山駅前商店街です。
東西方向に延びる商店街の西側に近鉄郡山駅があります。 -
カフェのショウウィンドウに飾られた、手作りのお雛さま。
お洒落なドット模様の衣を身にまとっています。 -
近鉄郡山駅へやって来ました。
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駅前交番は、お城の天守閣かと思わせる威風堂々とした建物です。
さすが城下町と云ったところでしょうか・・・。 -
駅の西側に続いている商店街にある、美容室に飾られているお雛さま。
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このお雛さまは、髪が乱れても安心ですね。
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駅へ戻ってくると、折しも橿原神宮前行きの電車が入線して来るところでした。
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こちらのお雛さまは京雛なので、御所での玉座の位置にならって、お内裏さまは向かって右側に座っています。
ちなみに、お内裏さまが向かって左側に座っているのは関東雛と呼ばれています。
こちらのお店で、「南都銀行のショウウィンドウに年代物のお雛さまが飾ってあるよ」と教えていただいたので、早速行ってみます。 -
このお雛様のそばには、享保雛の特徴と云われる・・・
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装飾のついた冠が置いてあるので、享保雛なんでしょうか・・・。
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先ほどのお店の方のお話では、三人官女の持っているお道具が素晴らしいんだと云っておられたんですが・・・。
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一般的には三方(さんぼう)を持っているんですが、この官女は神楽鈴を持っています。
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こちらは提子(ひさげ)です。
銚子の一種で、かつては宴席で酒を注ぐのに使われていたものです。 -
こちらは長柄(ながえ)。
酒を注ぐ道具ですが、長い部分を長柄というところからきています。 -
1階の窓に頑丈で誇らしげ格子が入っている町家です。
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こちらは江戸中期の創業以来、300年余り続いている老舗のお米屋さんです。
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軒下には、東大寺二月堂のお水取りで使われた松明が吊ってあります。
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そのお米屋さんの店内に飾られたお雛さま。
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酒屋の看板があがっているのに、ショウウィンドウや店内には酒に関係のない道具類のみが並んでいます。
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屋根の上に鍾馗さんが居られるのは・・・
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こちらの町家です。
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享保雛の特徴とされる・・・
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装飾のついた冠をかぶるお雛さま達。
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雨戸の所々に繕いの跡が見えます。
木造の建物や建具は、部分的に修繕できるからいいですよね〜。 -
味のあるこの町家は、小間物屋さんのようです。
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通りに置かれたホーロー製の手洗いで金魚が泳いでいます。
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幕末から明治初期に建てられたと云われるこちらの町家には・・・
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懐かしい磁器製の碍子が使われています。
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江戸時代から続く老舗呉服屋だった町家です。
敷地の南には郡山八幡宮の境内が接しています。 -
こちらは江戸時代から続いた旅館だった建物です。
漆喰塗籠めの虫籠窓の回りには鏝絵で屋号を浮き出させています。 -
玄関上部の二階部分に掲げられた、欄間風の看板。
旅館の南の方の町並みにも伝統的な町家が残っているようなので、向かってみます。 -
想像していたとおり風情のある町家がありました。
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1階下屋の持ち送りに彫られた雲形模様。
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「山椒は小粒で ピリリと辛い」と云う表現がぴったり似合う町家がありました。
磨きこまれた木目が、きれいに浮き上がっているのには感動しました。 -
柳町商店街へ戻って来ました。
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柳町商店街の南端には、何ともお茶目な金魚鉢があります。
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四角いガラス張りの金魚鉢の中には・・・
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電話機が備えてあります。
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奈良県下の風情のある古い町を舞台に、「町家と現代アートの出会い」を通じて新たな町の魅力の創造に取り組んでいる、「はならぁと」の事務局です。
この活動がきっかけとなって、地域のつながりが芽生え始めているそうです。 -
「奈良三大遊郭」の一つに数えられた洞泉寺町にやって来ました。
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洞泉寺町にある源九郎稲荷神社の社殿にも・・・
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お雛さまが飾られています。
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源九郎稲荷神社の表参道の鳥居に掛かる扁額。
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源九郎稲荷神社の北側には、かつて遊郭や旅館だったと思われる大きな建物や・・・
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3階建ての建物などが連なっています。
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当寺、上流の花街とされていた洞泉寺町は、大正時代には18軒の遊郭が店を開いていたそうですが、昭和33年までには全て廃業しました。
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そんな花街の一角に、最大の規模を誇った旧川本家住宅があります。
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建物前面に細かい格子を嵌め込んだ外観は、華やかだった花街の面影を色濃く残しています。
旧川本家住宅は公開されているので、拝見させていただきます。 -
「大和な雛まつり」期間中、旧川本家住宅には、多数のお雛さまが飾られています。
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これは玄関に飾られている内裏雛。
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このお雛さまの横には、市松人形や・・・
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餅花が添えられています。
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中庭のガラス障子越しに見るお雛さま。
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建物内の随所で・・・
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風情のある行燈が・・・
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ほのかな灯りをともしています。
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中庭の手水鉢に、樹木の葉影が写っています。
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中庭を挟んだ反対側のお部屋に飾られたお雛さま。
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こちらのお雛さまには、お琴が添えられています。
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縁側に整列する、三人官女、随身の面々。
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旧川本家住宅のハイライト、2階と3階をつなぐ階段を雛壇に見立てて飾られたお雛さまたち。
「圧巻!」の一言です。 -
大和郡山らしい、金魚の人形が泳いでいます。
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餅花の奥に鎮座する内裏雛。
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こちらの竹筒は、五人囃子の面々が占めています。
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衣紋掛けに掛けられた優美な振袖が、お雛さまをより一層豪華に見せています。
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見せ方に一工夫凝らしたお雛さま。
筏に乗って急流を下ってきます。
今回、古い町家が点在する城下町を歩き廻りましたが、いろんなお雛さまを楽しむことが出来ました。 -
では、箱本館「紺屋」の駐車場へ戻ります。
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この旅行記へのコメント (2)
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- hiro3さん 2015/02/27 08:08:33
- またまた、naoさんを追いかけましたよ♪
- naoさん、おはようございます。
次の日の日曜日に行きましたよ。大和郡山!
今回もお天気は、くもりから雨、一時晴れ間も覗きましたが・・・。
神護寺の時よりは、全然マシな雨でしたよ。
細やかな町屋めぐりをされていますね。同じところを歩いたのですがね?
又どこかで・・・
hiro3
- naoさん からの返信 2015/02/27 10:05:24
- お先に、失礼しました!
- hiro3さん、おはようございます。
いつもありがとうございます。
私は土日に行動できるので、「天気の良い日」と云う選択肢があって助かっています。
日曜日しか行動できないとおっしゃっていたHiro3さんは、その点が厳しいですね。
でも、その雨をかいくぐって精力的に行動されているのには敬服します。
雨にも負けず、風にも負けずの精神は見習わなければいけませんね(笑)
nao
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