2015/02/21 - 2015/02/21
104位(同エリア324件中)
naoさん
奈良県大和郡山市稗田町には、かつて大和平野に数多く造られた環濠集落の遺構の一つで、概ね260m四方に濠が巡らされた築造当時の姿を、ほぼ完全な形でとどめる代表例として全国的によく知られている、稗田環濠集落があります。
文安元年(1444年)の文献に稗田環濠集落の存在を示す記述が見られるものの、ほとんど史料が残っていないので、詳しい形成過程が解明された訳ではありませんが、室町時代にはすでに現在のような形になっていたと考えられています。
戦国時代の争乱の中、農民たちが自衛のために造った環濠は、城砦的な機能はもちろん、環濠が有する貯水能力から、農業水利や治水上も重要な役割を担っていました。
集落の鬼門にあたる北東側の濠は、「七曲り」と呼ばれるクランク状の形態を成し、集落内に巡らされた道路は、いたる所に見通しがきかない曲がり角や三叉路を配置し、道路の端は行き止まりの袋小路にするなど、防衛を考慮した構造となっています。
造られた当時の時代背景を反映した、一種独特の姿を見せる稗田環濠集落は、豊かに水をたたえた濠が創りだす水辺空間と、落ち着いた佇まいの町並みが見事に溶け合い、ゆったりとした時間の流れの中に佇んでいました。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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稗田環濠集落に着きました。
集落にある賣太神社の駐車場に車を停めさせていただいて、環濠に沿って歩きます。 -
先ずは賣太神社の南側から、時計回りに進みます。
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水際で亀さん達が休憩しています。
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大きなお屋敷が見えてきました。
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人が造った土壁が、風雨に打たれて、決して人の手ではおよばない景色を生み出しています。
何とも言えない温かさを感じます。 -
塀の上で微笑む大黒様。
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環濠が南の方へ迂回しているので、集落の中を進みます。
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この光景を見ていると、ゆっくりとした時の流れを感じます。
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とても背の高い土蔵です。
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先ほどの土塀を振り返って見たところです。
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綺麗に手入れされたサザンカの生垣です。
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お庭の植木の手入れも手抜かりがありません。
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家並みを抜けて、西側の環濠へやって来ました。
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この辺りが環濠の南西の角にあたります。
戦国時代、自衛のために造ったものだとは云え、これだけの貯水量ですから、農業水利や治水上も重要だったことが窺えます。 -
波ひとつない穏やかな水面に、空をただよう雲を映しています。
では、北の方に向かって歩きます。 -
水面に姿を映す椿。
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先ほど渡った橋から北側の光景です。
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屋根の上に、もう一段高く屋根が架けられています。
別々の建物を、この屋根で繋いでいるのかな〜? -
環濠に面しているこの辺りのお屋敷は・・・
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長い塀に囲まれた広大なお屋敷が続いています。
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ナマコ壁の土蔵が・・・
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水に姿を映しています。
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この辺りは、環濠の北西の角にあたります。
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南の方を振り返って見たところです。
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ほぼ直線だった環濠が・・・
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集落の北側では少し蛇行しています。
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環濠に面して、荷揚げ場を設けている民家が・・・
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所々に見受けられます。
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北側から集落内へ通じている道路際には、環濠集落の標柱が立てられています。
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その道路を過ぎた辺りから東側の濠は・・・
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集落の鬼門にあたるので・・・
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「七曲り」と呼ばれるクランク状に造られています。
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「七曲り」を過ぎると、ほぼ直線的に南側へ延びています。
おおよそ環濠をひと通り見て廻ったので、北側の入口から集落内へ向かいます。 -
肘木で屋根の荷重を受けた、軒の出の深い門があります。
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集落民家でよく見かけるのが、この板壁です。
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集落内の道路は、いたる所に見通しがきかない曲がり角や三叉路を配置し、道路の端は行き止まりの袋小路にするなど、防衛を考慮した構造となっています。
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曲がり角の手前で、歩いて来たところを振り返って見ました。
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曲がった先も、同じような光景が広がっています。
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土蔵に付けられた銅板製の樋と錺枡。
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この道路も緩やかに弧を描いているので、先が見通せません。
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土壁を繕ったトタン板の赤錆がアクセントになっています。
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樹形の良い木は、シルエットで撮っても素晴らしいですね。
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通り抜けられると思ってこの角を曲がったんですが、手前側は袋小路になっていました。
この集落の迷路のような道路は、初めて訪れた者にとっては厄介この上ないものです。
まあ、逆に言い換えれば、防衛的な機能は十分果たしていると云う事なんでしょうがね・・・。 -
無造作に置かれた竹の切り口は、格好の被写体です。
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屋根の上から町を見下ろす鍾馗様。
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写真では判りにくいですが、節分の厄除けとして昔から行われてきた、柊鰯(ひいらぎいわし)が門の格子戸につけられています。
柊の葉の棘と、鰯を焼いた煙に悪霊を寄せ付けない効果があると伝えられています。 -
迷路のような道路を歩いていると、いつの間にか賣太神社の裏口に差し掛かっていました。
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この日はうららかな春の陽気に恵まれたので、「梅一輪 一輪ほどの 暖かさ」と云ったところでしょうか・・・。
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一部に下見板が張られ、格子戸のデザインに一工夫凝らした門のある民家。
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土塀の瓦が、規則正しい直線を描いています。
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大きな門と土蔵のあるお屋敷です。
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格子戸から見えるお屋敷の中も、余裕をもって建物や樹木が配置されています。
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集落南側の環濠まで戻って来ました。
この先の左手に賣太神社があります。 -
賣太神社の正面参道へやって来ました。
この神社は、日本最古の『古事記』の編纂者の一人、稗田阿礼(ひえだのあれ)を主斉神として祀っています。
せっかくですから参拝して行きます。 -
先ずは手水舎で身を清めて・・・。
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境内西側の奥まったところに、朱塗りの社殿が建っています。
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この実は、形からしてレモンでしょうか・・・。
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一人ひとりの願いが籠ったおみくじ。
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では、そろそろ家路につくことにします。
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一種独特の姿を見せる稗田環濠集落は、豊かに水をたたえた濠と、落ち着いた佇まいの家並みが見事に溶け合い、ゆったりとした時の流れの中に佇んでいました。
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