2014/08/31 - 2014/08/31
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世界胃さん
イスタンブールがコンスタンチノープル(コンスタンティエ)と呼ばれ、オスマントルコに征服されて東ローマ帝国が滅ぼされたのは1453年。ローマ帝国という響きが大昔のように思わさせるところがあるが、日本でいえば応仁の乱の14年前、コロンブスがアメリカを発見するわずか40年前のことである。十字軍も去り、トルコ帝国がヨーロッパに向けて勢力を拡大していく時代の出来事である。この陥落についてはいろいろな本が出ているが、実際にどんな風であったのか、金角湾やボスボラス海峡の関係など地図でしか知らない私にとって、現地を訪れることはずっと夢であった。そこで今回の旅行でまず真っ先に訪れたのはアヤソフィアでもハーレムでもなく、この博物館でした。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 3.0
- グルメ
- 3.5
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 3.5
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途中にもたくさんの説明図がありますが、やはり何と言ってもこのパノラマ館がすべて。
ゆるりと地下深く階段を潜って行き、そこからまた階段を上がっていくとこの360度戦場の世界の真ん中に現れます。解説のための日本語オーディオはよく出来ていて、英語の表示はなかったと思いますので必ず借りるべきでしょう。 -
この類のパノラマ館はいくつか見てきました。ナポレオンのワーテルローの戦いや、ライプチヒの戦い、など。でもここは特に臨場感があるのはなぜでしょう?
私がこの地に興味があったとすれば、ワーテルローも同じこと。
おそらく城塞がどのようなものであり、それがどのように破壊されたのかに興味があったからでしょうか。城壁にウルバン砲という当時でいえば巨大な500?の石を砲弾とした大砲が堅牢なテオドシウスの城壁にぶつかっています。 -
たしかにこれは勝利したトルコ軍側の立場で、トルコを鼓舞する意味で作られているのですから、日本でいえば日本海海戦か旅順の203高地占領といったところなのでしょう。もし今遼東半島が現在日本領だったら、きっとこうしたパノラマ館ができるのでしょうね。中国からすると植民地時代の、地元中国の土俵の上での日露の勝手な戦争ですが。
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テオドシウスの城壁は3重に作られていて、最も高い内壁は12メートルでしたか、そして20メートルの物見の塔が55メートル間隔にあったというから、よくこれだけのものを造ったものです。でも結局コツコツと削っていけばいずれは穴があいてしまうということ。といっても十倍以上の兵力で、巨額のお金をかけるということにもなり、また壊す間に修理も進められてしまい、攻めるのも容易ではなかったという話です。
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大変な戦いになっていますが、実際には鍵をかけ忘れたところから侵入されたという話があります。こんな命がけの戦いをしている時に、いくらなんでも鍵のかけ忘れというのは、ほんとかなー。わざとあけたスパイがいるんじゃないのかなーと思いながら見ていました。
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ローマ帝国側が使った火器もここでは強調されそれなりの効果はあったようですが、むしろトルコ側のウルバンの大砲が城壁を壊すのに効果があったとされています。
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大砲音なども轟いて、結構臨場感があります。しかし30分以上熱心に見ていたのは私だけのようでした。
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メフメト2世はわずか21歳。ここを攻略することも決して部下たちの間では議論があったという話。すでに孤立化していたコンスタンチノープルは多額の戦費をかけて獲得する戦略的意味はもはやなくなっていた(ちょうど昭和20年のラバウルのようなもの、古いですね)ただその象徴的意義から、これを攻略したかったとのこと。21歳という若気の至りになりかねないほどの血気盛んな若者がたまたま王になった時代背景に歴史的な必然があるのでしょう。
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ボスボラスと金角湾との関係。右がアジア側、左の三角形がコンスタンチノーポリ。これを見るとむしろ当時はアジア側の方が広い街になっているようにみえます。
やはりイスタンブールをとらなければ、トルコは現在ヨーロッパ国家として認められなかっただろうし、イスタンブールを失ったことでベネチアジェノバといった都市国家は衰退していったし、ヨーロッパ人の眼が大西洋、そしてアメリカ大陸に移って行ったし、ビザンチン文化がイタリアへ移動することでルネサンス文化が花開いたことにも影響することなど、ここが陥落したということは世界史に大きな影響を与えているんですね。 -
パノラマ館の説明図。でもよくわからず。
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意外に外国観光客は少ないですが、歴史好きな人は必ず訪れるべきところでしょう。小説はたくさんありますが、この陥落を扱ったハリウッド映画はないようです。キリスト教国からすると屈辱的な話だから???そうはいっても十字軍のエルサレム陥落(キングダムオブヘブン)や、アラモの砦のような悲劇は映画になっているわけだし、皇帝も見事な最期を遂げたのだから。トルコで作られた映画はあるのだそうですが、これは日本では残念ながらほとんどみることができません。とにかくここを見た後で町にある城壁を見るとよく理解ができるでしょう。地下鉄のトプカプ駅(トプカプ宮殿とは全然違います)下車徒歩3分くらい。
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