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この日曜日、大和三山回遊コース(14キロ)を踏破!<br /><br />橿原神宮前駅からスタートし、橿原神宮に参拝。つつがなく大和三山を完歩できるように祈ったうえで、畝傍山に登った。先週金曜日の早めの忘年会での食べすぎで、体調は良くないのだが、足の方は、問題なかった。畝傍山を下り、神武天皇陵、畝傍御陵前駅まで来ると、後のコースの道程は、一部経験済みなので、気分的に楽になった。本薬師寺跡を左手に見て、真っ直ぐに(東に)進むと香久山だ。香久山から藤原宮の大極殿跡へ、大極殿跡からその真北に位置する耳成山へと向かった。<br /><br />朝の10時頃に歩き始め、耳成山を下りたのが、3時半。昼食休憩は30分程だったので、5時間歩き続けた計算になる。心地よい疲労が溜まっている。<br /><br />何故今回、大和三山を登ろうと思ったのか?それは、万葉歌−舒明天皇の国見の時の歌を紹介しよう、と思ったからだ。<br /><br />その万葉歌は、国見の時、香久山に登り、大和の国を褒めたたえたものだが、それに相応しい写真は、国原を俯瞰したもの以外にないと思った。<br />

万葉ロマン 言霊 − 改訂 2015/01/12

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2014/11/23 - 2014/11/23

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k.s

k.sさん

この日曜日、大和三山回遊コース(14キロ)を踏破!

橿原神宮前駅からスタートし、橿原神宮に参拝。つつがなく大和三山を完歩できるように祈ったうえで、畝傍山に登った。先週金曜日の早めの忘年会での食べすぎで、体調は良くないのだが、足の方は、問題なかった。畝傍山を下り、神武天皇陵、畝傍御陵前駅まで来ると、後のコースの道程は、一部経験済みなので、気分的に楽になった。本薬師寺跡を左手に見て、真っ直ぐに(東に)進むと香久山だ。香久山から藤原宮の大極殿跡へ、大極殿跡からその真北に位置する耳成山へと向かった。

朝の10時頃に歩き始め、耳成山を下りたのが、3時半。昼食休憩は30分程だったので、5時間歩き続けた計算になる。心地よい疲労が溜まっている。

何故今回、大和三山を登ろうと思ったのか?それは、万葉歌−舒明天皇の国見の時の歌を紹介しよう、と思ったからだ。

その万葉歌は、国見の時、香久山に登り、大和の国を褒めたたえたものだが、それに相応しい写真は、国原を俯瞰したもの以外にないと思った。

旅行の満足度
4.0
同行者
一人旅
交通手段
私鉄
旅行の手配内容
個別手配
  • 橿原神宮前駅<br /><br />ここからスタート。<br /><br />今回のコースは、近鉄が発行している”てくてく まつぷ”大和三山回遊コースに従った。イラストを丁寧に使って、かなり詳しく書かれているので、それ程迷うことはなかった。優れものだ。無料というのもいい。

    橿原神宮前駅

    ここからスタート。

    今回のコースは、近鉄が発行している”てくてく まつぷ”大和三山回遊コースに従った。イラストを丁寧に使って、かなり詳しく書かれているので、それ程迷うことはなかった。優れものだ。無料というのもいい。

  • 橿原神宮<br /><br />駅を背にし、参道風景を撮る。

    橿原神宮

    駅を背にし、参道風景を撮る。

  • 橿原神宮 鳥居

    橿原神宮 鳥居

  • 橿原神宮 南神門

    橿原神宮 南神門

  • 橿原神宮 本殿

    橿原神宮 本殿

  • 畝傍山 登山口の案内板<br /><br />本殿から北に向かって歩くと、直ぐにこの案内板があった。

    畝傍山 登山口の案内板

    本殿から北に向かって歩くと、直ぐにこの案内板があった。

  • 畝傍山 登山口の案内板

    畝傍山 登山口の案内板

  • 畝傍山の登山道<br /><br />写真よりもっと暗い道だった。

    畝傍山の登山道

    写真よりもっと暗い道だった。

  • 畝傍山の登山道<br /><br />道幅が狭くなったところも多く、足元を見て歩いた方がよい。

    畝傍山の登山道

    道幅が狭くなったところも多く、足元を見て歩いた方がよい。

  • 畝傍山の山頂<br /><br />畝傍山は、標高199mで、大和三山の中では一番高い山。写真は、山頂から西北を望んだもの。横に白く走っている道路は、南阪奈道路で、葛城山系の麓近くで大きく右に曲がり、奈良と大阪方面を繋ぐ。

    畝傍山の山頂

    畝傍山は、標高199mで、大和三山の中では一番高い山。写真は、山頂から西北を望んだもの。横に白く走っている道路は、南阪奈道路で、葛城山系の麓近くで大きく右に曲がり、奈良と大阪方面を繋ぐ。

  • 畝傍山の山頂<br /><br />山頂から西南を望んだ写真。山の彼方は、和歌山県だ。

    畝傍山の山頂

    山頂から西南を望んだ写真。山の彼方は、和歌山県だ。

  • 畝傍山の山頂<br /><br />北を見ると、建物がひしめき合っている。恐らく近鉄八木駅が見えると思うのだが、不甲斐ない、確認できなかった。

    畝傍山の山頂

    北を見ると、建物がひしめき合っている。恐らく近鉄八木駅が見えると思うのだが、不甲斐ない、確認できなかった。

  • 畝傍山の山頂<br /><br />北東部の風景。耳成山が見えている。

    畝傍山の山頂

    北東部の風景。耳成山が見えている。

  • 畝傍山の山頂<br /><br />畝傍山から東を望むと、香久山が見える。<br /><br />今回紹介する、舒明天皇の国見の時の歌は、国見の時、香久山に登り、大和の国を褒めたたえたもの。国見をするのは、春農民が種を撒く前に行われるので、冬に向かおうとする今の風景では、相応しくない。春、レンゲの咲き乱れている風景が似つかわしい。<br /><br />堅苦しく考えると、何もできなくなる。いつもの&quot;まあ、いいか”が出てしまった。<br />

    畝傍山の山頂

    畝傍山から東を望むと、香久山が見える。

    今回紹介する、舒明天皇の国見の時の歌は、国見の時、香久山に登り、大和の国を褒めたたえたもの。国見をするのは、春農民が種を撒く前に行われるので、冬に向かおうとする今の風景では、相応しくない。春、レンゲの咲き乱れている風景が似つかわしい。

    堅苦しく考えると、何もできなくなる。いつもの"まあ、いいか”が出てしまった。

  • 畝傍山の山頂<br /><br />二上山も見える。方角は、西北。

    畝傍山の山頂

    二上山も見える。方角は、西北。

  • 畝傍山<br /><br />畝傍山を訪れる人は結構いる。大和三山では群を抜いている。慌てず、騒がず、ゆっくりと付いて行く。

    畝傍山

    畝傍山を訪れる人は結構いる。大和三山では群を抜いている。慌てず、騒がず、ゆっくりと付いて行く。

  • 畝傍山口神社<br /><br />来た道を戻るのは面白くないので、畝傍山を中心に、その麓を時計回りにし、神武天皇陵、畝傍御陵前駅を目指す。

    畝傍山口神社

    来た道を戻るのは面白くないので、畝傍山を中心に、その麓を時計回りにし、神武天皇陵、畝傍御陵前駅を目指す。

  • 畝傍山口神社<br /><br />二上山が望めたので、思わず写真を一枚。

    畝傍山口神社

    二上山が望めたので、思わず写真を一枚。

  • 畝傍山から神武天皇陵、畝傍御陵前駅までの途中<br /><br />川は、高取川。桜の季節に訪れたら、さぞ綺麗だろう。

    畝傍山から神武天皇陵、畝傍御陵前駅までの途中

    川は、高取川。桜の季節に訪れたら、さぞ綺麗だろう。

  • 畝傍山から神武天皇陵、畝傍御陵前駅までの途中<br /><br />大師堂。迷いそうになったが、この建物で助かる。

    畝傍山から神武天皇陵、畝傍御陵前駅までの途中

    大師堂。迷いそうになったが、この建物で助かる。

  • 畝傍山から神武天皇陵、畝傍御陵前駅までの途中<br /><br />入り口は、薄暗く”痴漢に注意”の立て札もあり、日中でも好んで選びたくない道。一人も出会うこともなく、突然神武天皇陵の参道に出た。

    畝傍山から神武天皇陵、畝傍御陵前駅までの途中

    入り口は、薄暗く”痴漢に注意”の立て札もあり、日中でも好んで選びたくない道。一人も出会うこともなく、突然神武天皇陵の参道に出た。

  • 神武天皇陵<br /><br />ここで昼食を摂る。弁当は、いつもの太巻き。日曜なので、団体のハイカーがお参りしていた。お参りついでに、このおっさん、何を食べているのか、覗き込まれる。気にせず、美味しくいただきました。<br /><br />

    神武天皇陵

    ここで昼食を摂る。弁当は、いつもの太巻き。日曜なので、団体のハイカーがお参りしていた。お参りついでに、このおっさん、何を食べているのか、覗き込まれる。気にせず、美味しくいただきました。

  • 畝傍御陵前駅

    畝傍御陵前駅

  • 畝傍御陵前駅と畝傍山

    畝傍御陵前駅と畝傍山

  • 畝傍御陵前駅から香久山まへ途中<br /><br />本薬師寺跡

    畝傍御陵前駅から香久山まへ途中

    本薬師寺跡

  • 香久山 (畝傍御陵前から香久山への途中)<br /><br />タイトルに”言霊”と入れた。古臭い言葉だと思われた方が多いと思うが、私には、違和感はない。<br /><br />言葉には、”いのち”が宿っている!万葉集全巻を通してその思いは、脈々と流れているという。<br /><br />平たく言うと、良いことを言うと、良いことが起こり、悪いことを言うと、悪いことが起こる。<br /><br />舒明天皇が香久山に登り、大和の国を褒めたたえた、その言葉は、眼前の景色と違っていたかも知れない。恐らく違っていただろう。それは、祈りだったと思う。このようにあって欲しい、という祈りだった。<br /><br />歌の調べは、気取りも衒いもなく、素朴。テンポが良くて、思わず口ずさまずにおれない歌でもある。私は、その歌に穢れを知らない童心を感じる。

    香久山 (畝傍御陵前から香久山への途中)

    タイトルに”言霊”と入れた。古臭い言葉だと思われた方が多いと思うが、私には、違和感はない。

    言葉には、”いのち”が宿っている!万葉集全巻を通してその思いは、脈々と流れているという。

    平たく言うと、良いことを言うと、良いことが起こり、悪いことを言うと、悪いことが起こる。

    舒明天皇が香久山に登り、大和の国を褒めたたえた、その言葉は、眼前の景色と違っていたかも知れない。恐らく違っていただろう。それは、祈りだったと思う。このようにあって欲しい、という祈りだった。

    歌の調べは、気取りも衒いもなく、素朴。テンポが良くて、思わず口ずさまずにおれない歌でもある。私は、その歌に穢れを知らない童心を感じる。

  • 畝傍御陵前駅から香久山への途中<br /><br />法然寺。このお寺も目印になりました。

    畝傍御陵前駅から香久山への途中

    法然寺。このお寺も目印になりました。

  • 畝傍御陵前駅から香久山への途中<br /><br />香久山の登山口までもう少しです。

    畝傍御陵前駅から香久山への途中

    香久山の登山口までもう少しです。

  • 香久山の登山道

    香久山の登山道

  • 香久山の登山道

    香久山の登山道

  • 香久山の登山道

    香久山の登山道

  • 香久山の登山道

    香久山の登山道

  • 香久山<br /><br />香久山の山頂からは、雑木に隠れてこの風景しか見えなかった。見えている山は、畝傍山。<br /><br />頭をこんこんと叩き、舒明天皇の国見の歌を思い出す。 (巻1-2)<br /><br /> 大和には<br /> 群山(むらやま)あれど<br /> とりよろふ<br /> 天(あめ)の香具山<br /> 登り立ち<br /> 国見をすれば<br /> 国原は<br /> 煙立ち立つ<br /> 海原は<br /> 鷗(かまめ)立ち立つ<br /> うまし国そ<br /> 蜻蛉島(あきづしま)<br /> 大和の国は<br />

    香久山

    香久山の山頂からは、雑木に隠れてこの風景しか見えなかった。見えている山は、畝傍山。

    頭をこんこんと叩き、舒明天皇の国見の歌を思い出す。 (巻1-2)

     大和には
     群山(むらやま)あれど
     とりよろふ
     天(あめ)の香具山
     登り立ち
     国見をすれば
     国原は
     煙立ち立つ
     海原は
     鷗(かまめ)立ち立つ
     うまし国そ
     蜻蛉島(あきづしま)
     大和の国は

  • 香久山 登山口<br /><br />もう一つの香具山の登山口まで下りると、視界が開けた。見えている山は、耳成山。<br /><br />視界が開けた途端、心の扉も開かれたようだ。思わず歌の一節が心で踊った。<br /><br /> 国原は<br /> 煙立ち立つ<br /> 海原は<br /> 鷗(かまめ)立ち立つ<br /><br />

    香久山 登山口

    もう一つの香具山の登山口まで下りると、視界が開けた。見えている山は、耳成山。

    視界が開けた途端、心の扉も開かれたようだ。思わず歌の一節が心で踊った。

     国原は
     煙立ち立つ
     海原は
     鷗(かまめ)立ち立つ

  • 香久山 登山口<br /><br />二上山を望む。

    香久山 登山口

    二上山を望む。

  • 香久山 登山口<br /><br />畝傍山を望む。

    香久山 登山口

    畝傍山を望む。

  • 香久山 登山口付近の柿畑

    香久山 登山口付近の柿畑

  • 天香山神社

    天香山神社

  • 藤原宮 大極殿跡<br /><br />万葉集開巻第一番の歌は、雄略天皇の「籠(こ)もよ み籠(こ)持ち...」の歌である。泊瀬(はつせ)の岡で、籠を持ち、へらを持って、春の若菜を摘んでいる乙女に求愛する歌だが、その歌を紹介してもよかったのだけど、雄略天皇は伝承時代の人で、万葉集の中で、歴史に足跡を残した生身の人間はというと、舒明天皇になる。

    藤原宮 大極殿跡

    万葉集開巻第一番の歌は、雄略天皇の「籠(こ)もよ み籠(こ)持ち...」の歌である。泊瀬(はつせ)の岡で、籠を持ち、へらを持って、春の若菜を摘んでいる乙女に求愛する歌だが、その歌を紹介してもよかったのだけど、雄略天皇は伝承時代の人で、万葉集の中で、歴史に足跡を残した生身の人間はというと、舒明天皇になる。

  • 藤原宮 大極殿跡から見た 耳成山<br /><br />通常、万葉集は、4期に分かれる。第1期は、舒明天皇から、壬申の乱まで。第二期は、壬申の乱(672年)から和銅3年(710年)まで。つまり、壬申の乱の後、飛鳥浄御原宮を経て、藤原宮に移り、平城京に遷都した710年まで。<br /><br />そして、平城(なら)の都の時代を二つに分ける。710年から、天平5年(733年)を境として、それまでを第三期。733年から淳仁天皇の天平宝字3年(759年)正月1日までを第4期としている。<br /><br />このような時代の流れを顧みると、舒明天皇の国見の歌は、万葉の夜明けを告げる歌でもあると感じないではおれない。<br />

    藤原宮 大極殿跡から見た 耳成山

    通常、万葉集は、4期に分かれる。第1期は、舒明天皇から、壬申の乱まで。第二期は、壬申の乱(672年)から和銅3年(710年)まで。つまり、壬申の乱の後、飛鳥浄御原宮を経て、藤原宮に移り、平城京に遷都した710年まで。

    そして、平城(なら)の都の時代を二つに分ける。710年から、天平5年(733年)を境として、それまでを第三期。733年から淳仁天皇の天平宝字3年(759年)正月1日までを第4期としている。

    このような時代の流れを顧みると、舒明天皇の国見の歌は、万葉の夜明けを告げる歌でもあると感じないではおれない。

  • 藤原宮 大極殿跡から見た 二上山

    藤原宮 大極殿跡から見た 二上山

  • 藤原宮 大極殿跡から見た 畝傍山

    藤原宮 大極殿跡から見た 畝傍山

  • 藤原宮 大極殿跡から見た 香久山

    藤原宮 大極殿跡から見た 香久山

  • 藤原宮 大極殿跡から見た 三輪山

    藤原宮 大極殿跡から見た 三輪山

  • 耳成山

    耳成山

  • 耳成山 山頂<br /><br />雑木に視界が遮られ、山頂からの景色を楽しめなかった。

    耳成山 山頂

    雑木に視界が遮られ、山頂からの景色を楽しめなかった。

  • 近鉄八木駅<br /><br />五時間ほど歩いて、快い疲労感を感じた。ここ八木駅で14キロ完歩したことになる。途中、”香久山まででいいではないか”と悪魔のささやきもあったが、それを振り切ったことは、我ながら感心している。<br /><br />ところで、舒明天皇の国見の歌を再度詠ってみよう。ゆっくりとリズミカルに...。<br /><br /> 大和には<br /> 群山(むらやま)あれど<br /> とりよろふ<br /> 天(あめ)の香具山<br /> 登り立ち<br /> 国見をすれば<br /> 国原は<br /> 煙立ち立つ<br /> 海原は<br /> 鷗(かまめ)立ち立つ<br /> うまし国そ<br /> 蜻蛉島(あきづしま)<br /> 大和の国は<br />

    近鉄八木駅

    五時間ほど歩いて、快い疲労感を感じた。ここ八木駅で14キロ完歩したことになる。途中、”香久山まででいいではないか”と悪魔のささやきもあったが、それを振り切ったことは、我ながら感心している。

    ところで、舒明天皇の国見の歌を再度詠ってみよう。ゆっくりとリズミカルに...。

     大和には
     群山(むらやま)あれど
     とりよろふ
     天(あめ)の香具山
     登り立ち
     国見をすれば
     国原は
     煙立ち立つ
     海原は
     鷗(かまめ)立ち立つ
     うまし国そ
     蜻蛉島(あきづしま)
     大和の国は

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