2014/10/03 - 2014/10/03
65位(同エリア191件中)
玄白さん
10月3日は、前日の月山登山が天候不良で延期となった場合に備えての予備日でしたが、予定通り登れたので、この日は鶴岡周辺の観光に当てることにしました。行ってみたい場所はいくつかありましたが、出羽三山のひとつである月山に登ったので宗教文化的に関係が深い羽黒山を訪れてみることにしました。
時折小雨が降るあいにくの天気だったが、羽黒山神域の静謐で清々しい杉木立の中に佇む無数の社は、雨に濡れて凜とした美しさがありました。国宝羽黒山五重塔を見たあと、2446段の急勾配の石段を登って羽黒山頂上にある出羽三神合祭殿まで行きます。その後、今回の旅行で一番豪勢な昼食として、著名なイタリアンレストラン「アル・ケッチャーノ」で、フルコースランチです。さて、そのお味は? それは旅行記の中で・・・
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 1.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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10月3日、朝から雨。
月山志津温泉「変若水の湯つたや」旅館で、朝風呂を浸かったりして、のんびり過ごし、9時にチェックアウト。
昨日登った月山は雲の中である。今日は羽黒山に行ってみよう。羽黒山は月山、湯殿山と合わせて出羽三山と称される日本有数の山岳宗教の拠点である。特に、密教仏教(天台宗、真言宗)と日本古来の古神道が融合してできた神仏習合の固有の宗教である修験道の聖地である。羽黒山は、標高こそ414mで、月山の1984m、湯殿山の1504mより圧倒的に低いが、その分、冬でも参拝、修行の場として適しているということで、数多くの社が建てられ、宗教的には三山の中心的役割を果たしている。
参道入口近くの駐車場に車を止め、参道入口に向かう。参道入口付近には茅葺の立派な宿坊がある。 -
月山神社、湯殿山神社、羽黒山の出羽(いでは)神社3社をまとめて出羽三山神社と称し羽黒山山頂にまとめて祭神を祭っている三神合祭殿がある。
どうでもよいことだが、神仏習合なので、3社の神道の祭神と仏教の本地仏の関係は
月山:月読命 ー 阿弥陀如来(天台宗)
湯殿山:大山祇神、大己貴命、少彦名命 ー 大日如来(真言宗)
羽黒山:伊氐波神、稲倉魂命 − 正観世音菩薩(天台宗)
となっている。神道系の八百万の神と様々な宗派の仏教が混在し比較的ルーズな宗教観の日本ならではの複雑な関係である。異なる神仏を祭る神社が一緒になっているというところが、日本らしいおおらかなところである。イスラムやキリスト教もこういうおおらかさを持ち合わせていれば、歴史的にも現代社会的にも宗教上の争い事は、ずっと少なくなるのではないだろうか。 -
参道入口脇には名もなき夫婦杉がある。特に夫婦杉とは謳われていないが、他に見所がなければ、これも羽黒山夫婦杉と称して喧伝されていたかもしれない。
ちなみに、玄白が住んでいる宇都宮市郊外にも羽黒山神社というのがあって、ここ本家本元の羽黒山の分神として祭られている。その境内にも夫婦杉があって、縁結び、夫婦和合の信仰の対象になっている。 -
参道入口に立つ随神門。明治の神仏分離令までは、神仏習合だったので、仁王門と呼ばれ、仁王像が安置されていたという。明治以降は神道系の門番の神々(随神)、豊石窓神(とよいわまどのかみ)と櫛石窓神(くしいわまどのかみ)が安置されている。
この門をくぐると、そこは世俗と分離した神域ということになっている。この神域は、羽黒山だけでなく、遠く月山、湯殿山まで含まれるのだそうだ。 -
随神門をくぐると、登り始めるのかと思いきや、いきなり下りの石段がある。継子坂という。
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下りきったところに小さな社が散在している。
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まだ、そんなに大勢の観光客は来ておらず、杉木立の中に佇む社の屋根が雨に光って、すがすがしい雰囲気が漂っている。
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今下ってきた雨に煙る継子坂を振り返る。
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奈良県御所市にある葛木御歳神社の末社らしい。こんな全国の社の末社が羽黒山境内には101もあるという。
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祓川にかかる神橋。朱塗りの欄干が緑の中で映えている。
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かつては、この橋を境に手前は妻帯者の修験の場である「山麓」、奥は清僧修験の「山上」と峻別されていたという。昔は「山上」に入るには、祓川で禊をしなければならなかったと言われている。
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神橋の右側に滝が見える。須賀の滝という人工の滝である。江戸時代の50代別当、天宥法印が作ったものだそうだ。別当というのは、神仏習合の時代の羽黒山の最高位の僧のことである。
天宥という人物は、徳川家康の側近で江戸幕府初期の朝廷政策、宗教政策にあずかった天台宗の天海和尚(慈眼大師)の弟子となり、真言密教系だった羽黒山、月山を天台宗系に改宗した。しかし、湯殿山の改宗には失敗し、師匠の天海が亡くなると後ろ盾を失い、晩年には伊豆の新島に島流しになった。 -
こういう歴史を紐解くと、高邁な宗教修行、霊場と言えども世俗権力との結び付きなくしては存立しえず、権力闘争の歴史があったというのが興味深い。
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滝の前のお堂の脇に安置されている不動明王像
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イチオシ
須賀の滝の前から眺めた神橋。深緑と欄干の朱のコントラストが美しい。
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イチオシ
苔むした灯篭と小さな社が好い味を出している。
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爺杉という樹齢1000年の杉の巨木。高さ48.3m、根元の幹回り11.5mもあり、国指定天然記念物。
隣りには国宝の羽黒山五重塔が木立の間に見えている。 -
イチオシ
東北最古の塔で、1966年に国宝に指定されている。平安時代中頃に平将門によって創建されたと伝えられているが、定かではない。現存する塔は、14世紀後半に羽黒山別当の大宝寺政氏が再建したということが文献で裏付けられている。
派手さはないが、優美な立ち姿は、この角度からが見るのが一番美しいと思う。 -
参道から見た塔。 高さは29.4m
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明治の神仏分離で、寺院、僧坊など仏教建築は取り壊されてしまったが、この五重塔だけは生き延びた。復古主義に凝り固まった明治新政府の役人達も、この塔の文化的価値は認識できたということだろうか。
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建築様式は、和様、こけら葺きの素木作りで、彩色は一切施されていない。厳しい修行が課せられる修験道の聖地にふさわしい、質実剛健な作りである。
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山頂への参道入口から見た五重塔
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羽黒山頂上に通じる参道の石段。坂は一の坂、二の坂、三の坂と3つに区分され、ところどころは急坂になっている。冒頭記したとおり、2446段の石段であり、ここを登って頂上の出羽三山神社に参拝するということは、ちょっとした難行苦行であるが、多少苦しい思いをして参拝することで、その霊験が増すということなのだろう。
もっとも、今ではこの石段の参道を登らなくても、有料の参拝専用自動車道が作られていて、車で一気に頂上まで行けてしまう。ほとんどの観光客は、五重塔を見たあとは、随神門に戻り、車で山頂に行くようだ。 -
一の坂の途中にある火石。修験道では火は万物の基本で、もっとも重要とされる要素なのだそうだ。
修験道の山には、その象徴とされるモノが必ずあるという。羽黒山ではそれが火石であり、その昔は光を放ち、麓がまだ浜だったころ、漁師が灯台代わりに、これをたよりにしたという言い伝えがあるそうだ。また、火石に対して水石というのもあると言い伝えられているが、どこにあるのか、定かではない。 -
一の坂を登り切ったあたりの杉並木。息が切れ呼吸が苦しいところだが、静寂の中に凜として佇む杉の巨木の下で深呼吸すれば、清々しい気分になれる。
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二の坂が始まる。
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どこからか、風に乗って飛んできた紅葉が一枚、雨に濡れた石段に落ちている。緑と無彩色の風景の中で紅の一葉は印象的だ。
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急坂の二の坂を登ったところに江戸時代から続く二の坂茶屋がある。茶屋の前は開けていて、庄内平野が見渡せる眺望の良いところだ。
茶屋は、杵つき力餅が名物。茶屋のおばさんが、さかんに食べていけと勧めるが、連れ合いは、きつい坂を登ることを断念して駐車場に戻っているので、先を急ぐことして茶屋には寄らず、三の坂へ。 -
茶屋の近く、三の坂のとっかかりに松尾芭蕉の三日月塚がある。ここで、「涼しさや、ほの三か月の羽黒山」を詠んだのだろうか。
写真は、塚の目印で、塚本体は、近くの小さなものだったようだ。帰宅して写真の整理をしているときに気がついた。 -
三の坂も杉並木に中にある。この辺りの並木はひときわきれいである。この杉並木は、国の特別天然記念物に指定されている。
この歩きやすく整備された石段は、江戸時代初期の別当、天宥(滝を作った人物)が作らせたものだそうだ。 -
イチオシ
この杉並木の参道は、ミシュランの日本観光ガイドブックである、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」でも三ツ星が付けられている。ミシュランの評価については賛否分かれるところであろうが、西欧人にとっても、この参道の良さ・美しさが理解されていると思えば、うれしいものである。
ちなみにミシュラン・グリーーンガイド・ジャポンで三ツ星がついている東北の観光スポットは、ここ以外には、松島、松島の瑞巌寺、平泉中尊寺金色堂の4つだそうだ。 -
三の坂を登り切る少し手前にある埴山姫神社。祭神は埴山姫命(ハニヤマヒメノミコト)。古事記によれば、この神は、イザナギ、イザナミの神産み神話でイザナミが火の神を産んで絶命する直前に、イザナミがしたウンチから生まれた神という、いささかばっちい神様である。色や形状の類推からであろうか、埴山姫命は土の神ということになっている。
土の粘っこさにものを繋ぐ霊力があるということで縁結びの神様ということでもある。昨今のパワースポットブームで、若い女性達が三神合祭殿で参拝し購入したお守りに同封されている赤い紐を扉の格子に結び付けると縁結びのご利益があるということらしく、社の扉だけ、異様に赤く鮮やかである。 -
ようやく表参道の石段が、この鳥居の下で終わる。
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鳥居をくぐると、すぐに蜂子神社という社がある。この社には異常に大勢の人が集まっていた。どうやら、めったにない蜂子神社御開扉というイベントが行われているようだ。
出羽神社社伝によると、飛鳥時代、蘇我馬子に暗殺された第32代崇峻天皇の皇子であった蜂子皇子が、難を逃れ飛鳥から鶴岡由良の浜にたどり着き、羽黒山で修行し、羽黒修験道を始めたということになっている。この神社は、その蜂子皇子を祭っている。ただし、この社伝は、江戸時代の別当、天宥らが言い出したものらしく、史実としては疑わしい。
御開扉では、その社の中の蜂子皇子の像が拝めるということのようだが、お祓い料¥500を支払わなければならないし、どうせ撮影禁止であろうから、中には入らない。 -
鏡池の縁から見た三神合祭殿
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三神合祭殿の前の鏡池。東西38m南北28mの楕円形の池である。銅鏡が埋納されているので鏡池というらしい。池そのものも、羽黒山の重要な信仰の対象なのだそうだ。
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月山、湯殿山、羽黒山の三神を合祭した大社殿。厚さ2.1mの萱葺の屋根がひときわ目を引く。
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中央に月山神社、両脇に湯殿山、羽黒山の祭神が祭られている。
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社殿内部は総漆塗りで、豪奢である。何度か火災で焼失し、今の社殿は1818年に再建されたものだという。
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本殿の隣りの参集殿。社務所機能に加え、参拝者の受入れ、神職養成所、儀式殿としての社殿で、比較的新しく、昭和63年に建てられたものだそうだ。
手前の茅葺の鐘楼は、1618年山形城主、最上家信が寄進したもので、五重塔についで古いものだそうだ。、鐘は建治元年八月二十七日の刻銘があり、鎌倉幕府より奉納されたと伝えられている。昭和48年に国の重要文化財に指定されている。 -
イチオシ
参集殿の隣りの霊祭殿。出羽三山は、修験道とともに、先祖の霊を祭る霊場としての信仰の場でもあり、三神合祭殿で参拝したあと、ここで先祖の霊に祈りをささげるということになっているようだ。
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羽黒山東照宮の山門。東照宮というからには、祭神は徳川家康である。これも、かの50代別当天宥法印が、徳川幕府の後ろ盾を強固なものにするために、勧請したものである。
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ちゃんと三つ葉葵の紋所がついている。
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頂上の境内にもたくさんの末社がある。
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その中のひとつ、建角身(たけつぬみ)神社。
建角身命は、京都下鴨神社の祭神で、神話では、神武天皇東征のとき、熊野から大和に入るとき、八咫烏に変身して道案内をした神ということで、道中安全の神ということになっている。そのため、履物を奉納して道中安全を祈願する風習になったようだ。 -
出羽三山とも縁が深かった松尾芭蕉の銅像も境内にある。
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表参道の石段を登って参拝する人は少なく、ほとんどの人は有料の自動車専用の裏参道を通って参拝する。そのためか、裏参道の鳥居の方が表参道より立派である。
「現在」をあらわす羽黒山、「過去」をあらわず月山、「未来」をあらわす湯殿山に登拝して、”生まれ変わる”というのが、出羽三山詣の理念だという。今回の旅では現在、過去だけだったので、「未来」の湯殿山は未来に残しておこう。まだ、生まれ変われてはいない(^ ^)。 -
羽黒山登拝のあとは、予約を入れておいた鶴岡の有名イタリアンレストラン「アルケッチャーノ」へ。羽黒山からは車で30分ほどの距離。
オーナーシェフの奥田政行氏が、父親の経営していたドライブインを利用して始めたイタリアンレストランである。紅葉した蔦が絡まる外観が、これから味わう料理への期待を高めてくれる。 -
奥田政行氏やアルケッチャーノはマスコミでも取り上げられたこともある話題の店である。特に地元庄内の食材を活用した地産地消をモットーにして、契約農家との良好な関係を築きあげ町の活性化に貢献したり、東京など他県へも幅広く出店していて、レストラン界の成功モデルとして認められているようだ。
県外からも、わざわざここに食事に来る人も多いらしい。 -
メニューはすべてコース料理のみ。5皿の\3、800コース、8皿の\7,700コース、10皿の\12,000コースとある。初めてではあるし、ランチなので軽く\3,800コースを注文。
まずは前菜2品。上段は、岩魚の燻製とヒラメのテリーヌ、ハーブ添え、下段は、稚鮎となすのオーブン焼き。
第一印象、テリーヌの量が少ない! 味は・・・あれ〜・・・薄味なのだが、塩味だけが突出していて味に深みがない。鮎も同様。素材の良さを生かした料理という触れ込みだが・・
鮎に塩とオリーブオイルをかけてオーブンで焼くだけなら、自分でもできそうな気がする。 -
二つの前菜の間に出てきたスープ。白蕪の冷製クリームスープ、コンソメゼリー入り。
まずくはないのだが、コクがないな〜
レストランに入ったときの期待に膨らんだ高揚感が徐々にしぼんでいく。 -
メインディッシュ。
上段は小鯛のアクアパッツァ。素材の魚介は新鮮で、それぞれの食材の味、ドライトマトの酸味と甘みが調和していて良いのだが、この種の料理に求められる食材全体としての深みが出ていない。スープに旨みが出ていない。
下段は、連れ合いの注文した庄内牛のタリアータ。これは、出された料理の中では一番まともな味、おいしい。たしかに素材の味そのものが出ている。しかし、タリアータとは薄切り肉を焼いてたっぷりのグリーンサラダと一緒に食す料理なのだが、肉は厚め、野菜は少なめ!(野菜を食べてしまってからの写真ではない)
これはタリアータと言えるのだろうか?! -
フォカッチャ。 ローズマリー風味ということだが、そう言われればかすかにローズマリーの香りがしないでもない。どちらかというと、ただの厚切り食パンと変わらない。メインディッシュが終わり、残る料理はパスタだけというタイミングで出されてもな〜・・・
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最後はパスタ。上段は、庄内豚ベーコンとつるむらさきのペペロンチーノ、下段は連れ合い注文の生ハムとマッシュルームのクリームパスタ。ゆでたパスタに淡白なクリームソースを絡め、生のマッシュルームとハムをトッピングしただけ。
う〜〜ん! 言葉がない。
両方を食べ比べた連れ合いがボソリと一言つぶやいた。「両方とも○○ちゃん(家では玄白はこう呼ばれている)が作ってくれるパスタの方が断然おいしい!」
このつぶやきに集約されるパスタの味であった。 -
デザートは、だだちゃ豆入りのマスカルポーネムースにバニラアイス、黒蜜ソース。
デザートにうるさい連れ合いは、一言も発せず、不機嫌そうな顔で黙々と食べている。
有名店アル・ケッチャーノの料理は以上のようなコメントの評価と相成りました!
誹謗中傷するつもりは全くないのだが、正直にコメントを書けばこうならざるをえない。オーナーの奥田シェフは、地産地消で、地元を活性化したり、全国に店を出したり、本まで出してビジネスとしては大成功しているし、毎週のように東北の被災地に赴き、現地の人を励ます活動もされていると聞く。そのビジネスのセンスや志の高さはすばらしいと思うが、皿の上で勝負するプロの料理人の技という観点からは、?マークが三つも四つも付いてしまう。残念!
料理とは素材の持つ味に手を加え、素材を一緒にしただけでは引き出せない高次元の味に昇華させることだと思う。「素材の味を生かす」という言葉を、味を創造する技の未熟さの言い訳にしてはならない。 -
羽黒山で時間を使い、ランチは午後1:30のスタートで、コース料理だったので、終わったのが3時過ぎ。午後の観光は時間がなくなったので、今宵の宿、遊佐町の鳥海温泉「遊楽里」に向かう。明日は鳥海山の紅葉である。
遊楽里は日本海の海辺の松林の中にある日帰り温泉施設と一緒の温泉宿。あいにく、建物の補修工事中で足場が組まれているので、眺望はよくないが、足場の鉄骨の間から夕日が注ぐ日本海が見える。 -
部屋は普通で写真を撮るほどでもないが、温泉はなかなかよい。本館の内湯と日帰り温泉施設両方を利用できる。ジャグジーやサウナ、露天風呂、じっくり浸かれるぬる湯風呂があり、設備は充実している。泉質は、志津温泉と同じくナトリウム塩化物泉だが、濁りがありかすかな硫黄の匂いがする良い湯である。入浴客が大勢いたので撮影はできず。
特筆すべきは夕食。宿泊料金は民宿もどきの志津温泉かしわやを除けば、今回の旅行では一番安いのだが、料理は今回の旅行中ベストだった。外壁工事で迷惑をかけているということで、ソフトドリンクはフリーというサービス付き。
焼き魚の鮭、いくらのおろし合え、小えびと食用菊の酢の物、茶碗蒸しといったあたりは、まあ普通だが・・・ -
インターネット予約の特典として、グラスワインがサービスされる。欲を言えばシーフード中心の和食なので白がよかったのだがな〜。タダだから文句は言えない。
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ふぐのから揚げが出た。下段は海沿いの庄内地方独特の芋煮で、味噌仕立てで豚肉入りという郷土料理。芋煮はこれで三夜連続だが、芋煮の味は、昨夜の志津温泉「変若水の湯つたや」に軍配!
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圧巻第1弾は、この舟盛り。たいした量ではなかろうとタカをくくっていたが、相当のボリウム。珍しいホウボウの活造りをメインに多種多様な魚介の刺身が並んでいる。しかも、切って並べただけでなく、サーモンは薔薇の花に模して盛り付け、鮪は海苔で巻くなど、しっかり仕事をしてあるのがうれしい。
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サプライズは、アワビの踊り焼き。予約のときにアワビ付き料理プランを注文しておいたのだが、高級旅館というわけではなし、どうせトコブシに毛が生えた程度の小さなアワビだろうくらいにしか思っていなかったのだ。
なんと、大きさ12、3センチはあろうかという日本海産の高級な黒アワビ。刺身ではコリコリした食感だが、バターをたっぷり塗って焼けば、身はふっくら柔らかく、潮の香が鼻腔をくすぐる。こりゃたまらん! 酒が進む。
連れ合いが珍しく、ここだったらまた来たいという。昼と夜の食事のギャップが大きい一日だった。今回は、めずらしく後半はグルメ旅行記になってしまった。
以下、山の紅葉と温泉を巡る山形の旅④に続く。
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