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JR中央本線韮崎駅より徒歩約5分、仏窟山・雲岸寺(うんがんじ、山梨県韮崎市中央町)は南側は釜無川、東側は塩川に挟まれる信濃国富士見町から甲斐国韮崎駅手前に至る約28Kmに及ぶ七里岩(しちりいわ)という舌状台地の最突端、岩涯絶壁の下にある漕洞宗の寺院で穴観音の寺として著名です。<br /><br />雲岸寺境内に掲げてある由緒によると、寛政5年(1464)に弘法大師遊化(ゆけ)の遺跡である窟観音を護るため祖慶和尚が開基した真言宗の道場だそうです。<br /><br />慶長8年(1603)徳川家康が黒印地1石4斗4升余と屋敷105坪を寄進して当寺を保護、元和元年(1615)甲府市恵雲院六世の国州天越なる和尚が中興して漕洞宗に改宗します。<br /><br />さてこの七里岩なるものの形成の経緯ですが、地球が火山活動活発な頃に八ヶ岳連峰が噴火し、溶岩流が山麓から流れ現在の韮崎駅手前までの約28Km南まで押し寄せ塊を造り台地を成したという伝承が「七里岩」と言われる由縁です。<br /><br />地勢的には七里岩は場所によって高さ10mから40mほどの断崖が主として台地南側を流れる釜無川浸食によって形成され、その断崖絶壁を利用して戦国時代末期に武田勝頼が新府城を築城したことは御存じのとおりです。<br /><br />また交通事情としては道路については主要道路はいずれも七里岩を回避せざるを得ず、具体的には釜無川にほぼ平行して幹線道路の甲州街道(国道20号)が、反対側に流れる塩川に沿っては佐久甲州道(国道141号)がそれぞれ走り、そして山岳側に中央高速が走る状況になっています。<br /><br />ところが鉄道はJR中央本線ですが小淵沢方向の各駅は七里岩台地に駅が設置されている事情により、意識して設置した右カーブの韮崎駅ホームから七里岩東端(塩川より)のトンネルに入り、暫く東端を走った後は急勾配を緩和するため蛇行を繰り返しながら新府・穴山・日野春・長坂を経て小淵沢に至っています。<br /><br />いずれにしても韮崎市は七里岩によって分断されて不自由がある中で七里岩の最南端部からの展望は素晴らしく市内の他甲府盆地全域が見渡せ、そのはるか彼方には富士山まで展望が可能なので希少価値の高い場所といえると思います。<br /><br /><br /><br />2022年12月5日追記<br /><br />入手した「にらさき遺産巡り第27回」で紹介された当該寺院に関する記事には下記の通りです。<br /><br />『 韮崎の春を告げるお寺<br />     ~ 仏 窟 山  雲 岸 寺 ~<br /><br />(最初の導入部分10行は記載省略)<br /><br />雲岸寺が創建されたのは、室町時代の寛正5年(1464)今から約650年前までさかのぼります。さらに窟観音は、平安時代の天長5年(828)に弘法大師空海が七里岩に立ち洞窟に石造の観音像を安置したことが始まりであると伝えられています。<br /><br />空海は、言わずと知れた真言宗の開祖です。現在の雲岸寺は漕洞宗なのですが、最初は真言宗のお寺として建てられたのです。漕洞宗に宗派を改めたのは、江戸時代の初め、蔵前院の天越和尚によるものとされています。<br /><br />その後、雲岸寺は、徳川家から建物の造営を命じられます。国家の平和祈念のためだと当時の手紙に記されています。この造営を命じられた年は、慶長8年(1603)の3月で、前月の2月に徳川家康が征夷大将軍となり、江戸幕府が始まった直後になります。<br /><br />雲岸寺は、徳川家が末永く繁栄するために祈って欲しいと思われるほど有名なお寺さんだったことが、うかがい知られます。江戸幕府が約350年も続いたのは、もしかしたら雲岸寺の平和の願いが通じたからかもしれません。』

甲斐韮崎 八ヶ岳溶岩流出により造られた七里岩台地先端部の峡谷地に在し宗派変遷しながらも家康を始めとする徳川幕府の崇敬を寄せた『雲岸寺』散歩

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2014/09/27 - 2014/09/27

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滝山氏照

滝山氏照さん

JR中央本線韮崎駅より徒歩約5分、仏窟山・雲岸寺(うんがんじ、山梨県韮崎市中央町)は南側は釜無川、東側は塩川に挟まれる信濃国富士見町から甲斐国韮崎駅手前に至る約28Kmに及ぶ七里岩(しちりいわ)という舌状台地の最突端、岩涯絶壁の下にある漕洞宗の寺院で穴観音の寺として著名です。

雲岸寺境内に掲げてある由緒によると、寛政5年(1464)に弘法大師遊化(ゆけ)の遺跡である窟観音を護るため祖慶和尚が開基した真言宗の道場だそうです。

慶長8年(1603)徳川家康が黒印地1石4斗4升余と屋敷105坪を寄進して当寺を保護、元和元年(1615)甲府市恵雲院六世の国州天越なる和尚が中興して漕洞宗に改宗します。

さてこの七里岩なるものの形成の経緯ですが、地球が火山活動活発な頃に八ヶ岳連峰が噴火し、溶岩流が山麓から流れ現在の韮崎駅手前までの約28Km南まで押し寄せ塊を造り台地を成したという伝承が「七里岩」と言われる由縁です。

地勢的には七里岩は場所によって高さ10mから40mほどの断崖が主として台地南側を流れる釜無川浸食によって形成され、その断崖絶壁を利用して戦国時代末期に武田勝頼が新府城を築城したことは御存じのとおりです。

また交通事情としては道路については主要道路はいずれも七里岩を回避せざるを得ず、具体的には釜無川にほぼ平行して幹線道路の甲州街道(国道20号)が、反対側に流れる塩川に沿っては佐久甲州道(国道141号)がそれぞれ走り、そして山岳側に中央高速が走る状況になっています。

ところが鉄道はJR中央本線ですが小淵沢方向の各駅は七里岩台地に駅が設置されている事情により、意識して設置した右カーブの韮崎駅ホームから七里岩東端(塩川より)のトンネルに入り、暫く東端を走った後は急勾配を緩和するため蛇行を繰り返しながら新府・穴山・日野春・長坂を経て小淵沢に至っています。

いずれにしても韮崎市は七里岩によって分断されて不自由がある中で七里岩の最南端部からの展望は素晴らしく市内の他甲府盆地全域が見渡せ、そのはるか彼方には富士山まで展望が可能なので希少価値の高い場所といえると思います。



2022年12月5日追記

入手した「にらさき遺産巡り第27回」で紹介された当該寺院に関する記事には下記の通りです。

『 韮崎の春を告げるお寺
     ~ 仏 窟 山  雲 岸 寺 ~

(最初の導入部分10行は記載省略)

雲岸寺が創建されたのは、室町時代の寛正5年(1464)今から約650年前までさかのぼります。さらに窟観音は、平安時代の天長5年(828)に弘法大師空海が七里岩に立ち洞窟に石造の観音像を安置したことが始まりであると伝えられています。

空海は、言わずと知れた真言宗の開祖です。現在の雲岸寺は漕洞宗なのですが、最初は真言宗のお寺として建てられたのです。漕洞宗に宗派を改めたのは、江戸時代の初め、蔵前院の天越和尚によるものとされています。

その後、雲岸寺は、徳川家から建物の造営を命じられます。国家の平和祈念のためだと当時の手紙に記されています。この造営を命じられた年は、慶長8年(1603)の3月で、前月の2月に徳川家康が征夷大将軍となり、江戸幕府が始まった直後になります。

雲岸寺は、徳川家が末永く繁栄するために祈って欲しいと思われるほど有名なお寺さんだったことが、うかがい知られます。江戸幕府が約350年も続いたのは、もしかしたら雲岸寺の平和の願いが通じたからかもしれません。』

旅行の満足度
3.0
交通手段
JRローカル 徒歩
  • 窟観音入口<br /><br />韮崎市役所の通りから韮崎駅に近づくと窟観音と標する神社があります。

    窟観音入口

    韮崎市役所の通りから韮崎駅に近づくと窟観音と標する神社があります。

  • 雲岸寺・山門

    雲岸寺・山門

  • 雲岸寺・本堂

    雲岸寺・本堂

  • 雲岸寺・説明板<br /><br /><br />『 仏 窟 山  雲 岸 寺<br /><br />宗派及び本山  漕洞宗  福井県永平寺<br /><br />本尊薬師如来  合祀 聖観世音菩薩(窟観音本尊)、不動明王(成田山不動尊)、弘法大師(弘法大師御尊像)、千体仏(千体地蔵)、日限地蔵尊<br /><br />由緒、雲岸寺は、室町時代の寛正5年(1464)2月弘法大師遊化の遺跡として遠近に著名な霊場窟観音を守るべく大師の法流ををくむ祖慶和尚が開基した真言宗の道場で慶長8年(1603)3月徳川家康は黒印地一石四斗四升余と屋敷百五坪を寄せて寺を保護したのち寺運がやや衰えたが、元和元年(16151)甲府市塚原町恵運院六世の国州天超和尚が中興して漕洞宗に改めた。境内の七里岩洞窟と懸屋造りの窟観音堂は弘法大師の開基で多くの仏像を安置していた。現在の本堂、庫裏は昭和58年12月に3年の歳月を要して完成した。( 以下 七里岩地図は省略 ) 山梨県 韮崎市 』

    雲岸寺・説明板


    『 仏 窟 山  雲 岸 寺

    宗派及び本山  漕洞宗  福井県永平寺

    本尊薬師如来  合祀 聖観世音菩薩(窟観音本尊)、不動明王(成田山不動尊)、弘法大師(弘法大師御尊像)、千体仏(千体地蔵)、日限地蔵尊

    由緒、雲岸寺は、室町時代の寛正5年(1464)2月弘法大師遊化の遺跡として遠近に著名な霊場窟観音を守るべく大師の法流ををくむ祖慶和尚が開基した真言宗の道場で慶長8年(1603)3月徳川家康は黒印地一石四斗四升余と屋敷百五坪を寄せて寺を保護したのち寺運がやや衰えたが、元和元年(16151)甲府市塚原町恵運院六世の国州天超和尚が中興して漕洞宗に改めた。境内の七里岩洞窟と懸屋造りの窟観音堂は弘法大師の開基で多くの仏像を安置していた。現在の本堂、庫裏は昭和58年12月に3年の歳月を要して完成した。( 以下 七里岩地図は省略 ) 山梨県 韮崎市 』

  • 窟観音・石碑

    窟観音・石碑

  • 窟観音・参道案内板<br /><br />案内板によれば弘法大師御造聖観音、千体地藏尊弘法大師尊像が安置されています。<br /><br />

    窟観音・参道案内板

    案内板によれば弘法大師御造聖観音、千体地藏尊弘法大師尊像が安置されています。

  • 窟観音・参道<br /><br />観音はいわゆる七里岩最南端の下部にあり、従って狭くて急峻な石段を登っていくようです。<br /><br />

    窟観音・参道

    観音はいわゆる七里岩最南端の下部にあり、従って狭くて急峻な石段を登っていくようです。

  • 窟観音・本殿<br /><br />岩山を切削して造られた社殿なのでスぺースが限られ、従って天井が低く通路も狭くなっています。洞穴には区切られた部屋があり、最初の部屋は千体地藏尊となっています。

    窟観音・本殿

    岩山を切削して造られた社殿なのでスぺースが限られ、従って天井が低く通路も狭くなっています。洞穴には区切られた部屋があり、最初の部屋は千体地藏尊となっています。

  • 千体地蔵尊<br /><br />部屋内部を覗くと中央の大仏を取り囲む無数の地蔵尊が並んでいます。

    千体地蔵尊

    部屋内部を覗くと中央の大仏を取り囲む無数の地蔵尊が並んでいます。

  • 「韮崎窟観音の歴史」説明板

    「韮崎窟観音の歴史」説明板

  • 「千体仏(千体地蔵尊)」説明

    「千体仏(千体地蔵尊)」説明

  • 弘法大師・御尊像

    弘法大師・御尊像

  • 「弘法大師御尊像」説明

    「弘法大師御尊像」説明

  • 窟観音本尊聖観世音菩薩

    窟観音本尊聖観世音菩薩

  • 「窟観音本尊聖観世音菩薩」説明

    「窟観音本尊聖観世音菩薩」説明

  • トンネル<br /><br />道の反対側に抜けるトンネルが造られておりここを通って反対側に出ます。

    トンネル

    道の反対側に抜けるトンネルが造られておりここを通って反対側に出ます。

  • 七里岩に立つ平和観音像<br /><br />南端部に建つ平和観音めがけてカーブの道路を上がってゆきます。

    七里岩に立つ平和観音像

    南端部に建つ平和観音めがけてカーブの道路を上がってゆきます。

  • 平和観音像付近<br /><br />道路を渡り直進すると七里岩の最突端にとなります。

    平和観音像付近

    道路を渡り直進すると七里岩の最突端にとなります。

  • 山本周五郎・文学碑

    山本周五郎・文学碑

  • ふるさと回顧の碑

    ふるさと回顧の碑

  • 富士山<br /><br />七里岩最突端の正面には富士山がしっかりと見えます。

    イチオシ

    富士山

    七里岩最突端の正面には富士山がしっかりと見えます。

  • 富士山と市街地風景

    富士山と市街地風景

  • 韮崎駅展望

    韮崎駅展望

  • 平和観音像<br /><br />七里岩最突端の限られたスぺースから振り返ると平和観音像が見えます。

    平和観音像

    七里岩最突端の限られたスぺースから振り返ると平和観音像が見えます。

  • 平和観音像建立に至る経緯説明

    平和観音像建立に至る経緯説明

  • 平和観音像全景<br /><br />昭和36年(1961)に落成開眼の白亜像で総高18.3m(仏高16.6m)の規模を誇っています。

    イチオシ

    平和観音像全景

    昭和36年(1961)に落成開眼の白亜像で総高18.3m(仏高16.6m)の規模を誇っています。

  • 七里岩道路<br /><br />平和観音像見学を終えて韮崎駅に向かう専用道路を下ります。

    七里岩道路

    平和観音像見学を終えて韮崎駅に向かう専用道路を下ります。

  • 七里岩下山

    七里岩下山

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