チェコ8日間のはずが9日間　プラハ旧市街篇

2014/09/13 - 2014/09/21

中欧というと、○ヶ国周遊○日間という旅行プランが多いのですが、私はいろんな国を駆け足で回るのが好きじゃないので、あえてチェコのみ8日間。プラハに5泊、チェスキー・クルムロフに1泊して、現地ツアーでチェコのいろいろな場所を廻ることに。プラハはコンサートや食事など夜の楽しみも充実しているので、5泊しても全然飽きることはありませんでした。
当初の予定はこんな感じ。
9/13 KLMオランダ航空でアムステルダム乗り継ぎ、プラハへ。
9/14 午前プラハ旧市街観光。午後現地ツアーでクトナー・ホラ。
9/15 現地ツアーでカルロヴィ・ヴァリ。
9/16 プラハ城とマナー・ストラナを自分で歩く。
9/17 現地ツアーでフルボカー城、ホラショヴィツェ、チェスケー・ブディェヨヴィツェを経由してチェスキー・クルムロフへ。
9/18 午前中、チェスキー・クルムロフ観光。午後、テルチ経由でプラハに戻る。
9/19 プラハ観光。夜のエールフランス便でパリ経由で羽田へ。
9/20 羽田空港に帰国

しかし！　帰国便のエールフランスが、旅行中にまさかのスト突入で欠航。ツイッターを見ていてたまたまストのニュースを知り、慌てて旅行会社に連絡。なんとか翌日のヴェネツィア経由のアリタリア航空便をとってもらい、Booking.comで空いているホテルを探し、1日延泊して帰ることになりました。いやあ、帰れて本当によかった。

エリア プラハ(チェコ)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 徒歩
• 航空会社: KLMオランダ航空
• 利用旅行会社: ユーラシア旅行社

プラハ空港の案内板は、英語、チェコ語、ロシア語、ハングルの順。
アジアの言語から唯一ハングルが記されているのは、ソウルからの直行便が出てるし、大韓航空がチェコ航空の筆頭株主になっているかららしい。

「ヴルダヴァ川の霧の中では夢と現実の境界はあいまいになる」なんてこともいわれてるくらいで、幻想の中世都市のイメージを抱きつつプラハに到着したわけですが、旧市街はいきなりこの人の群れ。
ここは幻想都市ではない、現実の観光都市なのだという事実を突きつけられます。

有名な観光名所、天文時計の付近もものすごい人波。いや、わかってはいたのだけれど。

それでも天文時計はとても神秘的で美しい。

泊まったのは旧市街にあるSAVIC HOTEL。
カレル橋からも旧市街広場からも近い上に静かでたいへん便利。
ちょっと遅いけどWi-Fiも使えます。

室内はこんな感じ。もと修道院として使われていた建物ということで、天井は高くてまるくなっています。

旧市街は何日かに分けて訪れたので、ここからは順不同で。
旧市街広場の有名なヤン・フス像は修理中。後ろの聖ミクラーシュ教会も修復中（中には入れます）。

旧市街広場は、朝以外はいつ行っても人でごった返しています。路上で歌う歌手やパフォーマーも。

オウムを連れた王様。

この楽器はなんていうのかな。カリブのスティールドラムっぽいけど、ちょっと違うような。

旧市街広場に面した美しい建物。一階がタイマッサージ店というミスマッチがなんともまたいい。
しかし、プラハにはタイマッサージ屋がやたら多いのですよ。なんでだろうと思っていたのだけど、一日歩き廻って気づきました。
プラハの石畳は、非常に硬い上にでこぼこしていて、歩くと異様に疲れる！　30分くらい歩いただけで、かなりの体力を消耗します。マッサージも受けたくなるというものです。
「世界ふれあい街歩き」的な気分で一日優雅に街歩きなんてのはあれは嘘ですからね。一日歩いたらもうへとへとです。

観光シーズン中のこの季節、プラハが幻想的な雰囲気をまとってくれるのは、明け方から早朝のごくわずかな時間だけのようです。
これは午前8時ごろのカレル橋。「逆光は勝利」という某先輩の教えを守りました。

夕日を浴びるティーン教会も美しいんですが、やっぱり広場はものすごい人。

旧市街の北側にあるユダヤ人街にも行ってみました。
これはスパニッシュ・シナゴーグの隣にあるフランツ・カフカの銅像。カフカはこの街で生まれユダヤ人街で人生の大部分を過ごしました。

カフカの生家には銘板（左）が。道はフランツ・カフカ通りと名づけられ、生家は現在カフェ・カフカになっています。

スパニッシュ・シナゴーグの中は、スペインのアルハンブラ宮殿を模しているとのことで、きらびやかでたいへん豪華。

ふつうに見学するときには内部の撮影は許可されていないのですが、ほぼ毎日開催されているコンサートの前なら撮影可能です。
コンサート自体も、シナゴーグは響きがいいので、弦楽5重奏＋ソプラノだけとは思えない音の広がりで、たいへんいいものでした。

そしてプラハのユダヤ人街といえばゴーレム伝説。シナゴーグのおみやげにゴーレム人形を買ってきました。
ゴーレムはユダヤ教の伝説に出てくる土人形。額に???（エメト＝真理）の文字を書くと動き出します。
この小さなゴーレムにも胸にちゃんと「エメト」と書いてあります。
まあたいしたものじゃないんですけど、こういうの好きなんですよ。

さて、ウェブで時間を確認して、市民会館のツアーにも参加してみました。
あいにく夜の写真しか撮ってなかったんですが、これが市民会館です。
チケットは、40分くらい前に受付で取ったらまだ余裕でしたが、10分前に戻ってきたら定員になっていました。

まずはスメタナ・ホール。アールヌーヴォーな内装。

こちらは喫茶室。

オリエンタル・ホール。天井の装飾が独特。

どの部屋も、極端に華美というわけではないのですが、20世紀初頭の新しい時代の美意識を感じます。

しかし、やはり圧巻は、ムハ（ミュシャ）がデザインした市長の間でしょう。

天井画。この部屋を見るためだけでも、このツアーに参加する価値はあると思います。

ステンドグラスもムハのデザインです。

プラハの夜は、毎日あちこちの教会や劇場で、コンサートやマリオネット劇などをやってます。これはクレメンティヌムにある鏡の礼拝堂。ここではバッハやモーツァルトを聴けました。

鏡の礼拝堂の後ろの部分。この礼拝堂のオルガンはモーツァルトも弾いたことがあるとか。

そしてチェコといえばやっぱりビールですよね。チェコのビールはどこでも安くて旨い！　日本のビールより苦みが強くてコクがあります。私は毎日ビールばっかり飲んでました。

さてクレメンティヌムの向いに、立派そうな建物があるんですが（なんの建物だかはよくわからない）。

その建物の前の石畳が、QRコードになってたのには驚きました。石畳ってこういう使い方も出来るんだ！
このコードを読み取ると、チェコ語なのでよくわからないんですが、なんかプラハ情報を提供する携帯アプリのサイトにつながるようです。

プラハでは毎晩、コンサート三昧だったのだけど、日本で唯一予約して行ったのが、グランドホテル・ボヘミアの地下ホールで開催されるモーツァルト・ディナー。
3コースのディナーを食べつつ、間近でモーツァルトのアリアを聴くことができます（さすがに食べながらじゃなく、前菜→演奏→主菜→演奏→デザート→演奏という構成です）。

さて最初に書いたように、エールフランスのストの影響で、1泊延泊することになり、慌てて取ったホテルが、SAVIC HOTELから歩いて20メートルくらいのHotel u Kocku。石畳をスーツケース引きずって歩くのは勘弁なので、近いという理由だけで選んだのですが、ここがなかなかの当たり。地下にあるレストランCASSEROLEもうまかったし、なかなか便利でいいホテルでした。今時カードキーもないなど、セキュリティがちょっと気に掛かったけど。
ただし、唯一空いていたのは、リビングにキッチンもついていて、ベッドルームにバスルームも二つずつついているという、アパートメントタイプの部屋。ディスカウントされていて安かったのだけど、2人でこんな広い部屋どうするんだ、と途方に暮れたことでありました。

思いがけず1泊増えたので観に行ったのが、国立マリオネット劇場のドン・ジョヴァンニ。
感想としては、まあそれなりに楽しめたけど、日にちにあんまり余裕がないのなら、無理に観なくてもいいかな。一晩しかないんだったら、教会コンサートとかの方が満足度は高いかも。
それより今回は観なかったけど、街のあちこちにあった「ブラックライトシアター」が気になりました。トリップアドバイザーだと地雷扱いされてるのだけど、そう言われるとますます観たくなる……。話の種に、観ておけばよかったかとちょっと後悔しております。

というわけで、プラハ城と小地区（マラー・ストラナ）篇に続きます。
いよいよカレル橋の向こうへ！