世良田交差点辻の家

2014/04/25 - 2014/04/25

　銅山街道と例幣使街道が交差する世良田交差点の辻にある家は曳家（ひきや）工事中であり、銅山街道と例幣使街道からそれぞれ5mほど奥に引っ込めている。元々は道路際一杯に家が建っていたのだという。左折車線を増やすので用地を空けたということらしい。
　土蔵はそのままのようだが、表門は移設して引っ込め、2階建ての木造母屋は曳家で移動させ、真新しいコンクリート土台に乗っている。この母屋には入母屋屋根の玄関はないが、裏に庭があり、おそらくは建物を道路脇に間を空けないで建てるために庇の下に玄関入口を設けたのであろうか？母屋の2階入母屋屋根は左端が洋風に設えてあり、そちら側には庇を取り払い切妻屋根の小さな玄関（裏口か？）を設け、出っ張らないようにしている。道路（銅山街道）際一杯に家が建てられたことが伺える。
　入母屋の玄関を増築もせず表側はそのままにしているが、裏側は切妻屋根の庇を途中までで切り、横に寄棟屋根の庇を増築している。道路沿いの表側はそのままにして、裏側には手を入れて改築（増築と減築）していることになる。
　鎌倉を例に取ると、和館に少しばかりの洋館棟を付けるのは大正時代から昭和初期に多く見られる。この地方でも少し遅れてそうした建築様式が流行したとすれば、この母屋の建物は築90年前後となろうか？
　そうした古建築を曳家工法で残そうとしているのである。やはり、世良田は徳川氏発祥の地というだけのことはあり、侮れない。
（表紙写真は世良田交差点辻の家）

エリア 太田(群馬)

土蔵が見える。

土蔵。

土蔵と工事車両。

土蔵。母屋より後の建築の可能性もある。

表門。

表門。

表門と母屋。表門に比べて母屋が引っ込んでいる。

表門と母屋。

母屋の表側。

母屋。和風建築部分。

母屋。洋風建築部分。

母屋側面。

母屋側面。無理やり洋風にした感じだ。

1階庇部分は和風だ。

母屋の裏側。