2014/03/16 - 2014/03/18
420位(同エリア771件中)
ケロケロマニアさん
- ケロケロマニアさんTOP
- 旅行記689冊
- クチコミ12309件
- Q&A回答10件
- 2,290,056アクセス
- フォロワー89人
2014年3月、あの東日本大震災から3年が経過しました。私自身は直接の被災者ではありませんので、あの震災に関して何かを語る、という権利は全くありませんので、ちょっと違った視点から、災害の姿というものを捉える思索の旅に出ました。災害、というものは非道なもので、それが起こったときは大騒ぎされたり色々な支援があったりするものですが、一番恐ろしいのは時間軸に対する復興の曲線というのはすこぶる緩慢に経過するのに対して、忘却の曲線というのは、極端に鋭角で進んでしまうことだと思います。
私は”忘れてしまう”ことが一番の犯罪だと常日頃感じていますが、災害に直接関わりのなかった者が、災害を語るのは傲慢以外の何物でもありませんので、せめて”忘れてしまう”ことへの警鐘を、一旅人の視点から時々でも鳴らしていければと思っています。
北海道民として忘れてはならないのは有珠山の存在です。この山は定期的に大噴火を繰り返していますが、ある意味予兆があるということで、予測はできる山なので、世界的な注目度は高いのですが、やはり実際に被災された方の立場、というのはあまり表に出ていないのが現状でしょう。2000年の大噴火から10数年が経過して、そろそろ次の噴火に対する注意もしていかなければならない時期になってきています…。
何もできない自分へのもどかしさ、そして自然災害の恐ろしさを目の当たりにした旅となりました。今後、どんな大災害が起きるのかもわからない漠然とした不安に苛まれている時代の中、現在の有珠山付近の世界は、ある意味、未来の東日本大震災の被災地の姿を映しているのかも、と、考えさせられることも多い旅となりました…。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
出発はいつも通り、JR和寒駅からとなります。18きっぷ利用なので始発の旭川行きに乗車します。
-
旭川・岩見沢で乗り継ぐいつもの黄金ルート(?)にて札幌へ。
今回はTポイントのキャンペーン狙いで、桑園の○ストにて昼食です。 -
その後、南千歳・苫小牧で乗り換えて東室蘭へ。
-
東室蘭からは長万部行きに乗車します。
-
今回は洞爺湖温泉に宿泊しますので、途中洞爺駅で下車します。
-
駅からは道南バスで洞爺湖温泉を目指します。
-
この日は3000円台の安い温泉宿に宿泊。
夜も適当なラーメン屋で、噴火ラーメンという、如何にもという名前のラーメンをオーダーしてみます。 -
翌日も近くでの宿泊ですので、朝もゆっくりと出発します。お天気も段々と良くなってきました。
-
洞爺湖サミットから6年近くが経過しましたが、メンバーも当時からは大分変わりましたね。独のメルケル首相だけでしょうかね。今でも同じポジションにいらっしゃるのは…。
-
2000年の有珠山噴火で生まれた、金毘羅火口付近に整備されているのが、こちらの災害遺構散策路です。こうした重々しい名前が付けられているのも、記憶の風化を恐れているかのように感じました。
-
但し、この時期は別な意味で散策路自体が埋まっていますので、全体を見て回れなかったのは残念でした。
-
しかし、冬季でも行ける災害遺構が遠景として望める場所には、2000年の噴火のみならず、その前の噴火に関してもその経緯が事細かに説明されていました。
-
次いで向かったのは、この災害遺構散策路のすぐ横にある火山科学館へ。
ここは噴火災害の恐ろしさを視覚・聴覚的に学ぶことが出来ますので、洞爺湖温泉街では必訪の場所といえるでしょう。 -
噴火の際に曲がったレールも、科学館の床下に、当時のままの姿で残されています。
-
噴火に関する対戦式クイズコーナーなんてのもありました。
-
地元の方の側からの視点として秀逸に感じたのは、こちらの展示でしょうか。被災した際に、避難所でどのように共同生活を営んでいくべきかを紹介しています。このような視点は、”外からの”立場では科学館の展示としては思いつかないでしょうね…。
-
火山科学館の隣には洞爺湖のビジターセンターもあります。
-
洞爺湖付近にはどんな動物が暮らしているのか、が紹介されているコーナー。
-
ここでカエルさんを発見。北海道にはほぼこの二種しかいらっしゃらないんですよね…(涙)。道南エリアではヒキガエルが繁殖中、という話がありますが、どちらかと言えばネガティブな論調で語られることが多いのが、カエルマニアとしては寂しい限りです…。
-
洞爺湖には関係ないですが、こんなパンフも発見!
うーん、美幌にも調査に行かねば…。 -
2000年の噴火では、洞爺湖温泉街から見て金毘羅火口の奥に、更に西山火口が生まれました。元々この左折ルートは国道230号線だったのですが、噴火の際に分断されてしまい、結局、現在の国道230号は、かなり西寄りを迂回して造られています。
-
旧国道230号線沿いを歩いて登っていきます。後ろを振り返ると有珠山が…。静かなときのこの山は、穏やかな山容で本当に美しいんですけどね…。
-
勿論、洞爺湖側の景観も素晴らしいです!
-
午前中は雲の中だった羊蹄山(蝦夷富士)も、綺麗に望めました。
-
今晩のお宿はこちらです。
こちらのご主人は元々は国道230号線沿いの便利な立地に着目して、洞爺湖温泉で働く従業員向けのアパートを経営されていたのですが、2000年の噴火後、国道が使用不能となり、その後の復興で国道が別ルートに新設されてしまったために利用されなくなってしまい、アパートを遊ばせておくのは勿体ない、ということで宿として改装して頑張っていらっしゃいます。 -
宿のある泉地区からの有珠山はこんな感じの近距離で望めます。
噴火した時の光景を想像すると、恐ろしくなります…。 -
旧国道230号線の分断地点から先には、西山火口に向かう散策路も、金毘羅火口に向かう散策路も整備されていますが、冬季は残念ながら積雪のために、十分に歩くことは出来ません。
ただ、この日は天気も良かったですし、何となく歩けそうだったので、ちょっと冒険して、宿にチェックイン後、荷物を置いて身軽な状態で、金毘羅火口に向かう林道沿いを歩いてみることにしました。 -
恐らくは噴火から数年は、災害遺構を確認したい、という方が多くいらしたのでしょうが、今では大分少なくなってしまったようで、林道上の災害の様子を示した案内板も、大分朽ちてしまっている風情でした。
-
途中、こんな遺物も発見…。
-
金毘羅火口に向かう林道は、暫くは、どちらかと言えば太平洋側が見えそうなエリアに続きますが、最後の所で北側に旋回し、洞爺湖が望めるようになりました。
-
最近のものと思われる、かろうじて続いていた踏み跡がこの付近で途絶えました。”先駆者”はどのような思いからこの雪道を歩いてきたのか、と、ちょっと複雑な気持ちになりました。
そこから有珠山のピークの一つが小さく見えました。 -
噴火の眠り、冬の眠りにある金毘羅火口、後者は良い意味でもうすぐ目覚めますが、前者に関しては、いつまでも目覚めずに居てもらいたいものです…。
-
この時期にここまで足を運ぶ人は殆どいませんので、しばし、この角度での洞爺湖の風景を独り占めして過ごします。噴火さえなければ、こんな素晴らしい所はないんでしょうけどね…。
-
沢山の堰堤を築いて、土砂の流出を防ごうとしている様子が、大々的に看板で図解されていましたが、その奥で有珠山が不気味に笑っているように見えました…。
-
ジオパークって何やねん、と思ってしまうのですが、記憶の風化を防ぐためにも、”公園”として整備することも重要なことなのかもしれませんね…。
-
そしてもと来た道を引き返して、宿のすぐ前にある、旧国道230号線の分断地点へ。それが即ち、現在の西山火口散策路の入口にもなっている訳ですが、冬季は積雪のため通行は出来ません。
でも、災害当時の様子、そして変わってしまった今の姿は冬季でもこのような案内板を通じて、そして目の前に広がる隆起した景観で、十分に学ぶことが出来ますので、皆様も是非足を運んでみて下さい。(勿論、雪のない季節の方がおススメですが…。) -
宿の方には本当にお世話になりました。被災されて大変な状況を沢山ご経験されたことでしょうが、愚痴一つこぼさず、私のような何も知らない無知な旅人にも、温かく接して下さいました。
翌日は、丁度帰って来ていらした息子さんに、JR洞爺駅まで送迎して頂きましたが、噴火以降の災害以外の人災、そして洞爺湖サミットが洞爺湖温泉街を駄目にしてしまった話など、東日本大震災を経た今の日本人が、しっかりと学んでおくべき貴重なお話を色々と学ぶことが出来ました。
やはり重要なのは、まず現地に足を運ぶこと、それは東日本大震災の被災地にも共通することでしょう。それが旅人の存在意義でもあると自己弁護しながら、洞爺を後にします。 -
こうして翌日は、道南に向かって旅を続けます。
車内では色々なことを考えて過ごしました。 -
とかなんだか言いつつ、やっぱり”花より団子”のダメ人間ですので、車内では洞爺駅名物の駅弁を頂きながら、しばし至福の時を過ごします。
これにて洞爺湖エリアに関する本旅行記は終了となります。続編をどうするかまだ気持ちが定まっていませんが、もし記すことがあればまたお付き合い頂けましたら嬉しく思います。最後までご閲覧有難うございました。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
この旅行で行ったホテル
-
湯宿 大和旅館
3.21
この旅行で行ったスポット
もっと見る
この旅行で行ったグルメ・レストラン
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
39