2012/09/15 - 2012/09/26
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2012年9月15日から9月26日までポルトガルに行ってきました。
ポルトガルと聞いて思いつくのは何でしょう。
大航海時代?フランシスコ・ザビエル?南蛮文化?それともサッカー?
現在のポルトガルはユーラシア大陸の最西端、ヨーロッパの果てにある小国にすぎず、日本との関係もそれほど深くありません。
観光地としての人気もそれほど高いわけではなく、どちらかと言えばマイナーな国と言えるでしょう。確かに世界的に有名な観光地や誰もが知る名物料理はありません。
私も首都リスボンは坂が多くレトロな路面電車が走り回っているとか、第二の都市ポルトはポートワインが有名だとか、ポルトガルについてはそれぐらいの知識しかありませんでした。
そんな私がなぜポルトガルに行こうと思ったのか。
きっかけは今年の2月、九州の天草地方を旅している時、ある博物館で見た天正遣欧使節団のビデオでした。
天正遣欧使節団は1582年(天正10年)に九州のキリシタン大名である大友宗麟、大村純忠、有馬晴信の名代としてローマへ派遣された4名の少年を中心とした使節団です。発案者であるイエズス会の神父アレッサンドロ・ヴァリニャーノによれば、この使節団の目的はローマ教皇にキリスト教の日本への布教のための援助を依頼すること、そして日本人にヨーロッパのキリスト教世界を実際に見聞させ、帰国後にそのすばらしさを語らせることによって、布教に役立てたいということでした。
画面に映るリスボンの街並みや歴史ある教会。日本から2年をかけてようやくたどり着いたヨーロッパの地リスボンで、彼らはどれほど驚き、感動したことでしょう。
そんなことに思いを馳せるうち、どうしてもポルトガルに行きたくなりました。
ポルトガルはサウダージの国と呼ばれています。
サウダージ(Saudade)とはポルトガル語で、郷愁、憧憬、思慕、切なさ、など複雑な意味合いを持つ言葉です。
大航海時代に建設された歴史的建造物が今も残り、どこかで見たことがあるようななつかしい光景に出会える国。
有名観光地を巡るばかりが旅ではありません、なんでもない街角の一光景にこそ旅の醍醐味があると思います。
今回もブログ『マリンブルーの風』に掲載した旅行記を若干省略の上再編集して掲載しています。
写真も大きなものを使用しておりますので、ブログ版の旅行記もぜひご覧ください。
『マリンブルーの風』
http://blog.livedoor.jp/buschiba/
2012年ポルトガル・パリ旅行記目次
http://blog.livedoor.jp/buschiba/archives/52300742.html
■ 日程
2012年9月15日〜2012年9月26日
9/15 成田→ミュンヘン→リスボン
9/16 リスボン→シントラ観光→ロカ岬→カスカイス→リスボン
9/17 リスボン→オビド観光→ナザレ観光
9/18 ナザレ→コインブラ観光→リスボン観光
9/19 リスボン→エヴォラ観光→リスボン観光
9/20 リスボン観光→ポルト
9/21 ポルト→ブラガ観光→ギマランイス観光→ポルト
9/22 ポルト→ドウロ渓谷ローカル線乗車→ポルト観光
9/23 ポルト観光→コインブラ→夜行列車乗車
9/24 アンダイエ→パリ観光
9/25 パリ観光→帰国
9/26 成田着
ポルトガル旅行記の第14回です。
3日目の9月17日はオビドス、ナザレを観光します。
高台にあるシティオ地区を散策し、夜は地元料理の店でおいしい晩御飯を食べました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
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■ 3日目 2012年9月17日
コスタ・デ・プラタ(銀海岸)に面したポルトガル屈指のリゾート、ナザレを散策しています。
美しい海岸と素朴な漁師町が同居するプライア地区、丘の上の住宅地ペネルデイラ地区を散策し、次は旧市街のシティオ地区に向かいましょう。
シティオ地区にはノッサ・セニョーラ・ダ・ナザレ教会という荘厳な教会が建っており、他にも見どころがたくさんある、観光には外せない場所です。
しかし、シティオ地区は丘の上、歩いて登るのはとても大変です。
そこで、海沿いのプライア地区からシティオ地区へ登るにはケーブルカーが便利です。往復で2.3ユーロ、約250円とお値段もお手頃。この手のケーブルカーはボったくりますからね。日本なら往復800円は取られるでしょう。 -
発車。ケーブルカーはナザレの街並みを見下ろしながら丘を登っていきます。
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すれ違いました。ナザレはひなびた町ですが、ケーブルカーは新しいです。
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17:50、丘の上のシティオ地区の駅に到着。
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駅舎を出るとアズレージョやお土産を売る露店がありました。
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なかなかきれいなアズレージョです。トイレに飾るといいかもしれません。
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ケーブルカーの駅を出るとすぐ大きな広場があります。
マヌエル・デ・アリアガ広場です。 -
マヌエル・デ・アリアガ広場にはお土産屋などが軒を連ねています。
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お皿やおもちゃなど、様々なものが売られていました。
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そしてマヌエル・デ・アリアガ広場の正面にはノッサ・セニョーラ・ダ・ナザレ教会が建っています。
現在の建物は17世紀のもので、ナザレの守護聖人たちが祀られているのだとそうです。 -
礼拝堂は撮影不可なのですが、0.5ユーロ払って礼拝堂の奥の部屋に入るとそこから撮影可らしいです。しかも奥の部屋から礼拝堂の祭壇に登る通路がありました。
祭壇には由緒あるマリア像を至近距離から見ることができます。
私はキリスト教徒ではありませんが、ある種の神々しさを感じる像でした。 -
奥の部屋にはキリストや宗教画が飾られていました。
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奥の部屋へと続く通路。アズレージョのタイル装飾が素晴らしいです。
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20分ほど見学して、教会の外に出ました。
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教会の下にあるお土産屋。ヒマそうにしています。
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マヌエル・デ・アリアガ広場に面したお土産屋。
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色とりどりのお皿が売られています。かなり派手です。
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お土産屋の横に小さな礼拝堂がありました。メモリア礼拝堂です。
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この礼拝堂には聖母マリアの奇跡という言い伝えがあります。
1182年のとある霧の朝、ドン・ファス・ロピーニョという城主が馬に乗って狩をしていました。
鹿を追いかけて岬の端まで追いかけましたが、鹿は急に姿を消してしまいました。崖から落ちたのです。
ドン・ファス・ロビーニョ自身も崖から落ちかけましたが、そこに突然聖母マリアが現れました。
彼が乗っていた馬は聖母マリアを見ると逆戻して、奇跡的に崖から落ちずに済みました。
その後彼は聖母マリアの加護に感謝して、この礼拝堂を建てたのだそうです。 -
礼拝堂に入り、階段を下りるとマリア像がありました。
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礼拝堂を出て広場をぶらついていたらナッツ売りのおばさんに声をかけられ、無理やりナッツを持たされました。試食しろということらしいです。
食べましたが、あまりおいしくありません。ナッツは買わずに、この場を離れました。 -
広場にはナッツ売りの屋台が2つ出ています。 -
もうひとつの屋台では、ミニスカートのばあさんがたくましくナッツを売っていました。
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広場は崖に面しており、海とナザレの街並みを見下ろせる展望台になっています。
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展望台からの眺め。曇っているのが残念ですが、いい景色です。
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ちょっと場所を変えてみました。ベンチのようになっており、座りながらのんびりと景色を眺めることができます。
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いな海。そして白い壁とオレンジの屋根で統一された街並み。
とてもきれいですね。日本の雑多な景色もいいですが、こうした景色もすばらしいです。 -
広場から岬の突端を目指して歩いてみましょう。
しばらく歩くとおっさんから声をかけられました。
「日本人かい?」
「そうです」
「日本には行ったことがあるよ。いいところだね。自分の親族が住んでいるんだ」
「そうなんですか」
「日本のどこから来たんだ?」
「千葉です」
「チバ!知ってるよ。ノコギリヤマー」
千葉の名峰である鋸山を知っているとは、このおっさん只者ではありません。
「ナザレはきれいなところだろ。ほら、このナッツを食べなよ。それじゃいい旅を」
おっさんは私に手を出すように言うと、持っていたナッツを袋から手渡しし、のんびりと去っていきました。私にもっと英語力があればもうちょっと会話が弾んだのでしょうが、残念です。 -
大量にもらったナッツをかじりながら岬の突端への道を歩きます。
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目の前には大西洋。茫洋とした海岸が続いています。
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風が強く、さびしい道です。
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反対側を見るとナザレの街が見えています。
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広場から10分ほど歩き、岬の突端にある砦に着きました。サン・ミゲル要塞です。残念ながら入ることはできません。
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しかし、砦の脇の道から崖下に降りることができます。
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大西洋に突き出た険しい断崖。遠いところまで来たと実感できます。
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岩場の近くに小さな小舟が浮いています。釣りでしょうか。
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よく見ると岩場の上にも釣り人がいます。どうやってあの岩の上に登ったのでしょう。
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岬の砦から再びマヌエル・デ・アリアガ広場にもどってきました。時刻は19時を過ぎ、もうすぐ日没です。
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ケーブルカーに乗って再び海岸沿いのプライア地区に戻ってきました。
明日に備えてケーブルカーの駅の近くの雑貨屋で水を買います。1.5リットルが1ユーロしないのでかなり安いです。 -
ホテルに戻って一休みしましょう。
シーフードレストランの横を通ったら、カニが丸ごと机の上に置かれていました。 -
夜はリスボンからナザレまで一緒になった女の子と夕食を食べました。
ヨーロッパのレストランは一人では入り辛いですから、ちょうどいいです。
入ったお店の名前は「ロサ ドス ベントス(Rosa Dos Ventos)」、「ケブラマール」というレストランが有名らしいのですが、お値段がかなり高いので、この店にしたのです。
店内に入ると客は2組ほど。あまり多くありません。地球の歩き方に日本語のメニューがあるということで、見せてもらいました。なるほど、確かに日本語が書いてありますが、店が用意したものではなく、日本人の旅行者に頼んで書いてもらったようです。一番下には「大変おいしかったです」と書かれていました。期待大ですね。 -
まずはワインで乾杯。750mlのハウスワインが4.5ユーロ。ボトル1本分ですからレストランにしては安いです。美味しいワインで、どんどん飲んでしまいました。
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2人でシェアしたのはあんこうとエビとあさりのリゾット。2人前からの注文ですが、2人分でもかなりの量がありました。トマトベースでホタテなども入っておりおいしいです。お値段も11.5ユーロと手ごろでした。
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「ロサ ドス ベントス(Rosa Dos Ventos)」は当たりでした。安くておいしくて店員さんの愛想もいいです。
女の子も満足そうにしていました。
彼女は明日ナザレからバスで世界遺産の修道院があるトマールに行き、列車かバスでリスボンに戻るとのこと。自分の行程を調べるついでに彼女の分のバスや鉄道の時間をネットで調べて教えてあげました。リスボンに戻ってた後は1泊して、翌日夕方の飛行機で帰国するとのこと。彼女の帰国日は私もリスボンで観光予定です。いっしょに観光しようかという話になりました。 -
後日彼女と別れ、ホテルに戻ります。
夜のナザレの街はあまり人気がありません。昼間はそこそこ人がいましたが、泊まる人は少ないのでしょうか。
明日はポルトガル中部の都市コインブラに向かい、その後リスボンに戻ります。
コインブラからは鉄道に乗って北上し、途中から内陸方面に分岐する1日1本のローカル線に乗りたいのですが、ナザレからコインブラへの路線も1日1本のローカル線もストライキにより運行するかどうかわかりません。
とりあえず早朝のバスに乗ってコインブラに行き、コインブラ駅の窓口で運行状況を確認するつもりです。残念ながらもし運休であれば、ローカル線はあきらめてコインブラの街を観光し、その後リスボンに戻ることになるでしょう。
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この旅行記へのコメント (1)
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- Bonheurさん 2014/04/27 15:50:53
- はじめまして
- オーストリアの旅行記を検索し、kunyuさんの記事にたどり着きました。
ブログの方も拝見しました。
とても計画的なご旅行をされていますね。しかもコメントが面白い!!
この夏・秋はどちらへ行かれるのでしょう。
ポルトガル旅も楽しみに拝見させて頂きますね。
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