ドイツ・クリスマスの周遊記４

2013/12/05 - 2013/12/05

２０１３年１２月にドイツを周遊した旅行記です。冬のヨーロッパは日が短いので、ちょっと観光には向きませんが、１２月は別の楽しみがあります。１１月の末から各地で始まるクリスマスマーケット。すぐに日の暮れてしまうヨーロッパに、夜ならではの美しい夜景を引き立たせる露店と遊園地。寒くてもウキウキ・ワクワク！グリューワインと呼ばれるホットワインも美味。クリスマスにしか食べられないお菓子も美味。ビール樽をテーブルに飲み交わす人々も楽しそう。そんなドイツの冬の旅を、ちょっと駆け足のツアーで訪れました。「ちょいと鉄」の私は、ツアーから離れてＩＣＥにも乗車。ケルン中央駅は「鉄」にとっては、最高の場所。
ツアーのコースはシュバンガウ・ローテンブルク・ニュルンベルク・ドレスデン・ベルリン・ビュルツブルク・ハイデルベルク・ケルン・フランクフルトです。
私の旅行記は、ガイドブックのような観光名所だけではなく、実際に行って見た状況を地道に語って行きたいと思っています。これから訪れる方の、参考になればと思います。限られたスペースなので、敢えて長い観光地の説明文は添付しません。それらはガイドブックの仕事ですから。

エリア バンベルク(ドイツ)

• 旅行の満足度: 2.5
• 観光: 2.5

• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 観光バス
• 航空会社: ルフトハンザドイツ航空
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）
• 利用旅行会社: クラブツーリズム

バンベルクに着いたのは、４時近く。もう日が暮れようとしていました。
クリスマスイルミネーションが点灯し、ユネスコの世界文化遺産にもなった
という美しい街並みは、夕闇の中に沈もうとしていました。
少しでもゆっくりと町並みを楽しみたいところでしたが、ツアーの悲しさ。
トイレに行きたいという人のために、ものすごい勢いで街中を通過し、
あっという間に半分過ぎてしまいました。どこを通ったのかもわかりません。こんなのってあり？

外国では珍しい、タバコの自動販売機を見つけました。
ドイツでは、たまに飲み物の自動販売機もありました。大抵は、レストランやホテルなどの屋内にあるのですが、このタバコの販売機は路上にあったので、猛進撃を続けるツアーの列から外れて、ちょっと立ち止まって撮りました。
ドイツのタバコは、最近値上げした日本のたばこよりも、さらに高く、
１箱５００円近いようです。それでも、喫煙率は日本より高いらしく、
吸っている人を随分見掛けました。

バンベルクの名物、旧市庁舎です。華やかな壁画も目を引きますが、
一番の見所はその立地にあります。この市庁舎はレグニッツ川の中洲に
建っているのです。
バンベルクの街は平地と丘陵地域の境にレグニッツ川が流れていて、
街を分断しています。そこで、平地を市民地区、丘陵地を司教地区とに分け、その真ん中に市庁舎が建てられたということです。

こうして見ると、かなり危なっかしい場所に建てられているのがわかります。
しかも、手前の部分は、後で増築でもしたのでしょうか本体の建築様式とは
まったく別の木組みの小屋みたいな物がくっついています。
この旧市庁舎の建物のある橋の隣の橋を戻る方向に渡ったところに
インフォメーションセンターがあって、そこに公衆トイレがあります。
ようやく、目的地に辿り着きました。

旧市庁舎から司教地区に入った辺りの街並み。
既に明かりが灯されだし、それはそれでいい雰囲気となっています。
建物は伝統的な造りの街並みで美しい景観を成していますが、
城壁に囲まれて車が入ってこないという隔離された街ではないので、
生活感があります。

左手奥が旧市庁舎です。司教地区に入ってすぐの角に、
クリスマスグッズの店ケーテ・ヴォールハールトがありました。

バンベルクの街並みの特徴に、左岸で出来た家と壁に彫られている
石像があるそuで、たまたま撮った写真にありました。
ヨーロッパの家には時折見受けられますが、なかなか興味深いものです。
こういった像には寓意の類が込められているのかもしれません。

司教地区は、背後に山があり、大聖堂や宮殿が建ち並びます。
ここから、ちょっと上り坂です。距離はそんなにありませんが、結構急です。
そして、大聖堂の前に出ます。高台からの眺めは残念ながら記憶にありま
せん。
なぜなら、振り向く余裕も無く、大聖堂に直行したためで、
新宮殿の庭に入れれば、それなりに景色を堪能できたらしいのですが、
１６時に閉まってしまい、入れませんでした。

バンベルク大聖堂です。見ての通り、向かって右側の塔が工事中でした。
古い建物が多いので、どこかしらが修復作業中なのは仕方の無いことです。

大聖堂の中に大きな棺がありました。
両側に階段があり、上から見ることが出来ます。
こういったものに疎いのでよくわかりませんが、二人の人が描かれている
のを見ると、ご夫婦なのでしょうか。
しかし、どちらも女性には見えないような。
足元の獅子が持つ紋章が同じなので、やはり王と王妃なのでしょうね。

大聖堂の祭壇。至って飾り気の無い、ドイツらしい内部です。
もう外が暗いので、内部の写真を撮るのは難しいです。

大聖堂の中にある祭壇画。左右の扉を開くと中央のマリア像が現れます。
普段は閉じられていて、クリスマスなどの時にだけ開かれるものもあります。
この大聖堂の祭壇画が常時開かれているのかどうかは、不明です。
扉の画は、向かって左上が「受胎告知」、右上が「キリスト誕生」、
右下が「東方の三賢人の訪問」だと思われますが、左下はわかりません。
なかなか素晴らしい画です。祭壇画自体の形や装飾も素晴らしいし、
明るいうちに見たかったです。

大聖堂の中のどこにあったのか、覚えていないのですが、クリスマスなので
置かれていたのかもしれません。
こういう模型が教会内にあるのは珍しいですから。「受胎告知」の場面です。
絵画の世界では、受胎告知には処女の象徴である百合の花が出てくることが
多いですが、この模型には見られません。
聖霊の象徴である鳩が神々しい光に包まれて飛んでいます。

大聖堂広場です。なんだか、おどろおどろしい空模様です。
広場は石畳の緩やかな斜面で、まん中に車道があるので写真を撮るのに
気を取られていると危険です。結構、車通りはあります。
そして、全然停まってくれません。
左が、大聖堂と隣り合っている旧宮殿で、右側の工事中の建物が新宮殿です。
両者の間から伸びている白い線のあたりが車道です。車が走ってきて、
初めてそれとわかるような造りなので、危ないです。

旧宮殿です。大聖堂とは隣り合っているというか、繋がっているというか。
写真右寄りの壁のアーチ門をくぐって中庭に入ることが出来ます。

旧宮殿の中庭です。広い石畳の広場しかありません。
建物は、木造の回廊を巡らした珍しい物ですが、三方をそれらに囲まれて
いるだけで、中央にまったく飾りの無いツリーが１本あるだけ。
宮殿という名前にだまされたような気分です。
ドイツの「宮殿」には、実用的な物が結構あるのだということを、
この後も若干の失望とともに知ることになります。

バンベルクの観光の目玉、ベニス地区の街並みです。
漁師の古い家が並んでおり、その様子がベニスを思わせるという評判です。
暑い時期に訪れると素敵な街並みに見えるのでしょうが、いかんせん
宵闇迫るこの時期、この時間に見ても感動がいまひとつ。
あまりに暗いので、写真に写るかどうか心配でしたが、
無いよりマシ程度には撮れました。
ツアーの悲しさ、レグニッツ川の対岸から見るだけで観光終わり。
名物のラオホビアの顔も見ることなく、町の中を駆け抜けただけで、
バンベルクは終了してしまいました。