2013/07/12 - 2013/07/21
5位(同エリア53件中)
風神さん
東トルコをひとめぐりしました。
ネムルートダー、ハラン遺跡、ワン湖、アクダマル島、ワン城址、イサク・パシャ宮殿、アニ都市遺跡、ララ・ムスタファ・パシャ・ジャミィ、イスタンブールのカーリエ博物館等です。
いくつかを選んで紹介します。
今回はトラブゾンの南約50km、標高1200mの山岳地帯にあるビザンツ時代の修道院であるスメラ僧院です。
スメラ僧院は谷底から300m上、切立った大岩壁にへばりつく様に建てられています。
スメラとはギリシャ語のメラス=黒いから来ていると言われていますが、確かに黒い大岩壁にあります。
創建は6世紀ですがたびたび火災にあい、現在の建物は14世紀のものです。表紙写真でわかるように、6階建ての大規模な建築ですが、公開されているのは上部のごく一部です。
往時は多くの修道僧が居たといわれて言われていますが、1924年トルコ⇔ギリシャ間の民族交換によって無人となりました。
建物の内外にたくさんのフレスコ画がありますが、筆致や表情の表現に明らかに異質なものが混在しており、それが時代や書き手の違いに因るのか、不適切な修復のためかはわかりません。
残念なことにたくさんの落書きや意図的破壊があります。
また同じ聖書に基づく絵画であっても、いかに異なった表現がされるのかを実感するには、こちらのイスタンブール・カーリエ博物館の旅行記をご覧いただくとよいかと思います。⇒http://4travel.jp/traveler/bnbnbn/album/10817001/
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スメラ僧院はとても厳しい自然環境に位置しています。
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この立地は、
異教徒の迫害から逃れるためという理由もあります。 -
ここが入り口です。
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急な石段と、狭いトンネルを抜けないと入れません。
守りも堅固です。 -
観光客も大変です。
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振り返っても深い谷。
この方向から登ってきます。 -
実際に見学できるのは、
大体この範囲です。
表紙写真にある大規模な建物は入れません。 -
大岩壁のオーバーハングの下にへばりついているような状態です。
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このような建物の内外に聖書に基づくたくさんの壁画があります。
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聖母マリアと、
幼子イエス・キリスト。 -
その部分。
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これも聖母マリア。
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イエス・キリスト。
左手に聖書、右手の指はイエス・キリストのギリシャ語表記を象徴している、典型的なスタイルです。 -
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右上が聖母マリアと、幼子イエス・キリスト。
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その拡大。
スメラ僧院の壁画では、
幼子イエス・キリストが、
聖書の代わりに巻物を左手に持っている、
典型的なパターンは目に付きませんでした。 -
その左。
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その下部。
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やはり、聖母マリアと幼子イエス・キリスト。
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旧約聖書、ダニエル記のダニエルとライオンの逸話です。
真の神のみに祈るダニエルには、ライオンは攻撃しません。逆さ釣りになり、ダニエルの足を舐めています。
http://www.youtube.com/watch?v=h9bYXZxjMwo
http://www009.upp.so-net.ne.jp/JESUS/kodomo/danieru.htm -
その左部分。
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十字架からおろされた、磔刑のイエスキリスト。
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イエス・キリストの復活。
イエス・キリストが棺の蓋を突き飛ばして、
真上に噴出しています。
発想も表現も素朴あるいは劇画的です。
ここのフレスコ画は、概して稚拙に見えてしまいそうな素朴な表現、迷いのない大胆な筆致のものが多いと思います。 -
その上部。
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「聖神女就寝」聖母マリアの死。
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その拡大。
中央の男性は聖人であり、その男性が左手で抱いているのは幼子イエス・キリストと説明されることがあります。
しかし中央の男性はイエス・キリスト、抱かれている乳児は聖母マリアの霊魂とするのが正しいと思います。
中央男性の光背(頭光)にギリシャ文字でο(オミクロン)ε(イプシロン)Ν(ニュー)と書かれていることでわかります。
また、イエス・キリストに抱かれている聖母マリアの霊魂が乳児として表現されているのは、穢れなき純潔性の象徴と考えられています。 -
見学・撮影も終わりです。
雨もよいです。
遠くの山ももやっています。 -
この石段を登り、
短いトンネルをくぐり、
先ほどの長く急な石段を下りて、
退出します。
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