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<br /> この時期の層雲峡は、ほんとうにいいです。<br /><br /> ここを見ずして、北海道を語るなかれ、と、かの明治の文豪、大町桂月先生も申しております。(出典不明)

錦秋の層雲峡、朝に夕に

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2013/09/30 - 2013/10/01

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ちびのぱぱ

ちびのぱぱさん


 この時期の層雲峡は、ほんとうにいいです。

 ここを見ずして、北海道を語るなかれ、と、かの明治の文豪、大町桂月先生も申しております。(出典不明)

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
交通手段
自家用車

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  • <br /> 旭川方面から道央自動車道で、冠雪の旭岳の見え隠れする道を進めば、上川まではほとんど無料区間です(永山ICから朝の通勤割りで300円=軽)。<br /><br /> やがて、3万年前の大雪山大噴火の際に降り積もった千メートルにも及ぶ火山灰が作り上げたという、幽谷の層雲峡。<br /><br /> そして、ぼうっと走っていると、あやうく通り過ぎてしまいそうになる、こぢんまりとした温泉街に。<br /><br /> 中心にある無料駐車場に車を停めて振り返ると、見上げるような険……<br /><br /> 函谷関もものならず……と口ずさみながら、メインストリートの石畳を歩いてみます。<br />


     旭川方面から道央自動車道で、冠雪の旭岳の見え隠れする道を進めば、上川まではほとんど無料区間です(永山ICから朝の通勤割りで300円=軽)。

     やがて、3万年前の大雪山大噴火の際に降り積もった千メートルにも及ぶ火山灰が作り上げたという、幽谷の層雲峡。

     そして、ぼうっと走っていると、あやうく通り過ぎてしまいそうになる、こぢんまりとした温泉街に。

     中心にある無料駐車場に車を停めて振り返ると、見上げるような険……

     函谷関もものならず……と口ずさみながら、メインストリートの石畳を歩いてみます。

  • <br /> 近頃の層雲峡温泉街は、ずいぶんとオシャレになっていました。


     近頃の層雲峡温泉街は、ずいぶんとオシャレになっていました。

  • <br /> スイスのツェルマットか、はたまたグリンデルワルドか。<br /><br /> へそ曲がりなので、何か一言いいたくなりますが、まあ、北海道には似合わなくはありませんか。<br /><br /> きれいになったんだから、そこのところを評価。


     スイスのツェルマットか、はたまたグリンデルワルドか。

     へそ曲がりなので、何か一言いいたくなりますが、まあ、北海道には似合わなくはありませんか。

     きれいになったんだから、そこのところを評価。

  • <br /> 午前中の谷底には陽も差さず、文字通り底冷えがします。<br /> すると、駐車場のすぐ横に見つけました!<br /><br /> 「足湯だ!」<br /><br /> 喜んで、荷物から「タカハシ車輌」の手ぬぐいを引っ張り出し、いさんで赴くと……<br /><br />


     午前中の谷底には陽も差さず、文字通り底冷えがします。
     すると、駐車場のすぐ横に見つけました!

     「足湯だ!」

     喜んで、荷物から「タカハシ車輌」の手ぬぐいを引っ張り出し、いさんで赴くと……

  • <br /> 残念、空だ!<br /><br /> 場所は、温泉街中心にある層雲峡駐車場(無料)奥、湯本銀泉閣の運営によるようですが、なぜ空なのかは、知りません。


     残念、空だ!

     場所は、温泉街中心にある層雲峡駐車場(無料)奥、湯本銀泉閣の運営によるようですが、なぜ空なのかは、知りません。

  •  「元々、アイヌ語でソウウンベツ(滝の多い川の意)と呼ばれていた。これにちなんで大町桂月が1921年(大正10年)に層雲峡と命名。」<br /><br /> と、ウィキペディアにありますが、それは先刻承知です。<br /><br /> かの土佐生まれの明治の文豪は、道内各地に足跡を残していますから気になって、本を探したら、地元の図書館にはほとんど置いていません。<br /><br /> そうなると、余計に読みたくなってネットで探すと、Amazonの無料本(電子版)に「層雲峡より大雪山へ」を発見。<br /><br /> 専用のタブレットを購入して読んでみると、名文調でどうも読みづらい。<br /><br /> がんばって、なんとか読んでいると、<br /><br /> やれ、ワラジが切れて困った、仕方がないから、自分のふんどしを解いて差し出しただの、<br /> やれ、余の(自分の)ふんどしは白かったが、案内の嘉助氏のふんどしは黒かっただの、<br /><br /> 挙げ句の果ては、ふつう四日の山行を八日も掛けたから、北海タイムス(かつて北海道でもっとも読まれていた新聞)に行方不明の記事が書かれて大騒ぎになっただの……。<br /><br /> とっても面白いんです。<br /><br /><br /> 黒岳に登るロープウェイの駅には、朝の9時というのに、大型バスが並んでいて、中国語が飛び交っています。<br /><br /> ふんどしの白い明治の文豪も、100年後の層雲峡に、きっとびっくりするのではないでしょうか。<br /><br />

     「元々、アイヌ語でソウウンベツ(滝の多い川の意)と呼ばれていた。これにちなんで大町桂月が1921年(大正10年)に層雲峡と命名。」

     と、ウィキペディアにありますが、それは先刻承知です。

     かの土佐生まれの明治の文豪は、道内各地に足跡を残していますから気になって、本を探したら、地元の図書館にはほとんど置いていません。

     そうなると、余計に読みたくなってネットで探すと、Amazonの無料本(電子版)に「層雲峡より大雪山へ」を発見。

     専用のタブレットを購入して読んでみると、名文調でどうも読みづらい。

     がんばって、なんとか読んでいると、

     やれ、ワラジが切れて困った、仕方がないから、自分のふんどしを解いて差し出しただの、
     やれ、余の(自分の)ふんどしは白かったが、案内の嘉助氏のふんどしは黒かっただの、

     挙げ句の果ては、ふつう四日の山行を八日も掛けたから、北海タイムス(かつて北海道でもっとも読まれていた新聞)に行方不明の記事が書かれて大騒ぎになっただの……。

     とっても面白いんです。


     黒岳に登るロープウェイの駅には、朝の9時というのに、大型バスが並んでいて、中国語が飛び交っています。

     ふんどしの白い明治の文豪も、100年後の層雲峡に、きっとびっくりするのではないでしょうか。

  • <br /> 右手を見ると、立派なビジターセンターがありました。<br /><br /> すでに、開館中です。


     右手を見ると、立派なビジターセンターがありました。

     すでに、開館中です。

  • <br /> まず、巨大なヒグマの剥製が出迎えます。


     まず、巨大なヒグマの剥製が出迎えます。

  • <br /> ヒグマに続いて、窓口の事務の方が、<br /><br /> 「おはようございます。いらっしゃいませ。」<br /><br /> と、感じよく声を掛けてくださいました。<br /><br /> 入場は、無料。中で上映される、層雲峡の四季や成り立ちを描いたビデオは、必見です。<br /><br /> 空撮や、コンピューターグラフィックを駆使してのオリジナル映像が、大型の液晶テレビで流されています。<br /><br /> 私たちの前に、中年のご婦人二人連れが、むちゅうで見入っており、その後ろで私たちも思わず目を奪われてしまいました。<br /><br />


     ヒグマに続いて、窓口の事務の方が、

     「おはようございます。いらっしゃいませ。」

     と、感じよく声を掛けてくださいました。

     入場は、無料。中で上映される、層雲峡の四季や成り立ちを描いたビデオは、必見です。

     空撮や、コンピューターグラフィックを駆使してのオリジナル映像が、大型の液晶テレビで流されています。

     私たちの前に、中年のご婦人二人連れが、むちゅうで見入っており、その後ろで私たちも思わず目を奪われてしまいました。

  • <br /> ジオラマを配して、大雪山系の成り立ちを説明しています。


     ジオラマを配して、大雪山系の成り立ちを説明しています。

  • <br /> 手前にあるボタンを押すと、該当する山のライトが点灯する仕組みのジオラマ。<br /><br /> 力作です。


     手前にあるボタンを押すと、該当する山のライトが点灯する仕組みのジオラマ。

     力作です。

  • <br /> 層雲峡をさらに分け入り、国道から銀河の滝、流星の滝を見に、脇道に進入します。<br /><br /> かつては、この道が国道でした。<br /><br /> 二十年以上前に、層雲峡を有名にした見上げるような柱状節理は、大惨事を引き起こしました。<br /> がらがらと崩れて、不幸にも通りかかったサイクリストと車を飲み込んだのです。<br /><br /> 当時は北見に住んでいましたので、国道39号線が崩れた柱状列石の下敷きになってしばらく封鎖されたとき、札幌方面に出るには迂回を余儀なくされました。<br /><br /> ようやく封鎖が解かれた後その場所を通ると、見上げるような岸壁の上方が赤茶けて、その部分の石が崩れ落ちたことを物語っていました。<br /><br /> 岸壁は川の向こう側ですが、その崩れた石がこちらまで飛んできて、人の命を奪ったのかと、強い恐れに捕らわれました。<br /><br /> 近くで見る列石は、思いの外大きいのです。<br />


     層雲峡をさらに分け入り、国道から銀河の滝、流星の滝を見に、脇道に進入します。

     かつては、この道が国道でした。

     二十年以上前に、層雲峡を有名にした見上げるような柱状節理は、大惨事を引き起こしました。
     がらがらと崩れて、不幸にも通りかかったサイクリストと車を飲み込んだのです。

     当時は北見に住んでいましたので、国道39号線が崩れた柱状列石の下敷きになってしばらく封鎖されたとき、札幌方面に出るには迂回を余儀なくされました。

     ようやく封鎖が解かれた後その場所を通ると、見上げるような岸壁の上方が赤茶けて、その部分の石が崩れ落ちたことを物語っていました。

     岸壁は川の向こう側ですが、その崩れた石がこちらまで飛んできて、人の命を奪ったのかと、強い恐れに捕らわれました。

     近くで見る列石は、思いの外大きいのです。

  • <br /> 川沿いの散策路。<br /><br /> 人通りが途絶えるまでけっこう待ちました。


     川沿いの散策路。

     人通りが途絶えるまでけっこう待ちました。

  • <br /> 流星の滝。<br /><br /> ソウウンベツ(滝の多い川)。<br /><br /> 時間があれば、背後の高台に上がると、この双子のような銀河の滝、流星の滝を一望のもとに見渡せます。<br /><br /><br />


     流星の滝。

     ソウウンベツ(滝の多い川)。

     時間があれば、背後の高台に上がると、この双子のような銀河の滝、流星の滝を一望のもとに見渡せます。


  • <br /> 別撮りですが、層雲峡を過ぎて石北峠に向かう途中、大函という景勝地があります。 <br /><br /> 気をつけていないと見落としてしまいそうな入り口が、左手あるのでそこを下ると、ごらんの景色があり、ちょっとした売店もあります。


     別撮りですが、層雲峡を過ぎて石北峠に向かう途中、大函という景勝地があります。 

     気をつけていないと見落としてしまいそうな入り口が、左手あるのでそこを下ると、ごらんの景色があり、ちょっとした売店もあります。

  • <br /> 大雪大橋


     大雪大橋

  • <br /> 錦秋の層雲峡。


     錦秋の層雲峡。

  • <br /> 天気が、すこし残念です。


     天気が、すこし残念です。

  • <br /> 翌日、北見の妻の実家から戻る折、ふたたび層雲峡温泉により、町営の黒岳の湯に入りました。<br /> 入浴料600円で、仄かに硫黄臭がします。<br /><br /> 場所は層雲峡温泉街の無料駐車場前。<br /><br /><br />


     翌日、北見の妻の実家から戻る折、ふたたび層雲峡温泉により、町営の黒岳の湯に入りました。
     入浴料600円で、仄かに硫黄臭がします。

     場所は層雲峡温泉街の無料駐車場前。


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  • <br /> 露天風呂からは絶景が望めます。<br /><br /> 湯船につかりながら、三重県からキャンピングカーで来ているという方とお話をしました。<br /><br /> 「キャンピングカーとは、うらやましいですね。」<br /><br /> 「まあ、自由というのが何よりです。朝起きて、その日の体調や、天気の具合で、どうするか決めます。」<br /><br /> お聞きするところでは、大病をされたので体力的に無理ができないのだそうです。<br /><br /> 「天気が悪くて、調子も出ないときは、一日中こんな温泉につかってます。」<br /><br /> アウトドア料理はしないのですかという問いには、<br /><br /> 「料理は、あまりしません。そうそう、ここ(黒岳の温)の一階のイタリアンレストラン、すばらしいですよ。」<br /><br /> ホテル代を浮かせた分、食べ歩きにはお金を掛けているのでしょう。<br /><br /> 「ああ、夕日が差しましたね。」<br /><br />


     露天風呂からは絶景が望めます。

     湯船につかりながら、三重県からキャンピングカーで来ているという方とお話をしました。

     「キャンピングカーとは、うらやましいですね。」

     「まあ、自由というのが何よりです。朝起きて、その日の体調や、天気の具合で、どうするか決めます。」

     お聞きするところでは、大病をされたので体力的に無理ができないのだそうです。

     「天気が悪くて、調子も出ないときは、一日中こんな温泉につかってます。」

     アウトドア料理はしないのですかという問いには、

     「料理は、あまりしません。そうそう、ここ(黒岳の温)の一階のイタリアンレストラン、すばらしいですよ。」

     ホテル代を浮かせた分、食べ歩きにはお金を掛けているのでしょう。

     「ああ、夕日が差しましたね。」

  • <br /> 朝から雨模様でしたが、この時間(午後4時)になって、にわかに夕日が差し込みました。<br /><br /> 渓谷は西から東に向かって切り込んでいるため、午後になると西日が差し込みます。<br /><br /> 天気の良い午後に錦秋の層雲峡を旭川方面から進入すると、背後から追いかける光が見上げる断崖に注がれ、錦絵のように紅や黄色、緑が織りなし、うっとりとするようです。<br /><br /> 「あしたは、どうするかな。」<br /><br /> 三重県の男性がつぶやきました。まだ予定は、何も決めていないのだそうです。自宅を出られたのは、もうはや一月も前だといいます。お年の頃は……、60代半ばかな。<br /><br /> そのつぶやく声が、どことなく愁いを帯びているように感じたのは、わたしの錯覚でしょうか。<br /><br /><br /><br /><br />


     朝から雨模様でしたが、この時間(午後4時)になって、にわかに夕日が差し込みました。

     渓谷は西から東に向かって切り込んでいるため、午後になると西日が差し込みます。

     天気の良い午後に錦秋の層雲峡を旭川方面から進入すると、背後から追いかける光が見上げる断崖に注がれ、錦絵のように紅や黄色、緑が織りなし、うっとりとするようです。

     「あしたは、どうするかな。」

     三重県の男性がつぶやきました。まだ予定は、何も決めていないのだそうです。自宅を出られたのは、もうはや一月も前だといいます。お年の頃は……、60代半ばかな。

     そのつぶやく声が、どことなく愁いを帯びているように感じたのは、わたしの錯覚でしょうか。




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