ひっそり感がたまらないベルベルの村

2013/04/08 - 2013/04/13

日本の里山風景に無性に惹かれる私とって、アトラス山中を走っている時に突如現れるベルベルの村々は、私の心を掴んで離さない。もともとモロッコに限らず、マグレブと呼ばれる北西アフリカ全体に住んでいたベルベル人は、アラビア半島からアラブ人が入って来たことによって、どんどん生活空間が厳しい場所に追いやられたのだという。だから、アトラス山脈の山中や、砂漠の乾いた土地に、ベルベルの村が残っている。その集落の在り方も、家々がギュッと寄り添うようにたたずんでいるのだ。

タフロウトからワルザザードまでのアンチ・アトラス山脈超えの山中、ワルザザードからティネリールまでのカスバ街道沿い、ワルザザードからマラケシュまでのオート・アトラス山脈超えの道中。「なぜわざわざこんなところ（←失礼）に住むんだろう。」幾度となく、この疑問が頭の中を過る。

かまどで使う枝木を背中にたくさん乗せて山から下りて来る人々。家畜が食べる草を摘んで、ロバの背中に乗せて帰宅する女こどもたち。うつむき加減で、無心に草を食んでいるロバ。川で選択をしている女性たち。行き交う車の運転手に、手持ちの鉱物のキラキラした原石を見せて興味をそそろうとする男たち。数えきれない程の羊の群れを率いる牧畜の民。

今が2013年だということが信じられなくなるような、そんな光景がまだまだ残っている。誰もに平等に与えられた24時間という時間が、そこでは少しゆっくり流れている気がする。
(produced by Hikali Safari)

エリア その他の観光地(モロッコ)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 交通手段: レンタカー
• 旅行の手配内容: 個別手配

荒廃とした地にも人々の暮らしがある。

ひしめき合って集落を成す。

棚状に農地を開墾し、農業も営む。

起伏の緩やかな山肌には、タータンチェック状にカラフルな農地が広がる。

ベルベルの村で見かける洗濯の様子。乾かし中。