武蔵狛江　前身は舒明天皇の時世６３４年に大輪寺として多摩川対岸に在し鎌倉時代に執権職を辞した北条時頼が荒廃の草庵を再建した『玉泉寺』散歩

2013/04/24 - 2013/04/24

玉泉寺（ぎょくせんじ、東京都狛江市東和泉）は小田急線和泉多摩川駅下車すぐ東側に在しています。かつては駅舎のはるか彼方まで広がる寺領を有していましたが明治３６年以降、小田急電鉄が和泉多摩川駅新設、周辺住宅地開発及び商店街発展等により寺領を手放すことになり、現在では限られた寺域となっています。

太古には大輪寺として多摩川の対岸にあって、第３４代舒明天皇の時世６３４年の頃浄慶法印の開創で薬師・文殊像が安置されていたそうです。

以降建造物の荒廃が進む中、鎌倉時代中期文応年間に執権職を長時に譲り出家し最明寺入道と号した北条時頼（ほうじょう・ときより、１２２７～１２６３）が関東行脚の際、堂宇を再造営して再興させます。

戦国時代には打ち続く戦乱による兵火を避けながらも頻繁なる多摩川の洪水により被害を受け、ついに文殊像を失い現在では薬師如来のみの安置となっています。

永正元年（１５０４）尊祐法印が中興開山、堂宇を再建して行基製作の十一面観音像を薬師如来像と共に奉安し、同時に鬼門徐として熊野権現を祀って熊野山観音院玉泉寺と称し現在に至っています。

エリア 調布・狛江(東京)

• 交通手段: 私鉄

玉泉寺・山門

夕刻の訪問時だったためか門は閉じられていましたが、幸運にも別の入口から境内に入る事ができました。

玉泉寺・寺標

門の脇には「天台宗熊野山　玉泉寺」の石標が建っています。

玉泉寺・本堂

玉泉寺・本堂扁額

「熊野山」の扁額が本堂に掲載されています。

玉泉寺・観音堂

多摩観音霊場十九番札所となっています。

玉泉寺・境内風景

玉泉寺・境内風景

片隅には石仏群が配置されています。

玉泉寺・境内風景

比叡山開創一千二百年記念・石碑

天台宗の本山である比叡山の開創を記念する石碑です。