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大好きな大好きな湖北を訪れた。<br /><br />滋賀県湖北地方は、「観音の里」と呼ばれている。<br /><br />無住の寺や小さなお堂に多くの観音がひっそりと住まっており、それらをそれぞれの集落の住人が大切に守っている。<br /><br />戦国時代の湖北地方は、姉川、小谷城、賤ヶ岳の戦いと十数年にもわたり断続的に戦乱の舞台となり、村々や寺院はそのたびに焼き打ちの被害にあってきた。そんな苦難の時代、信仰篤い村人は、ほとけさまを地面に埋めたり、川に沈めたりして、守ってきたと伝わる。<br /><br />観音と人々の歴史に思いを馳せながら拝観すると、いずれの仏像もいとおしくてならなくなる。<br /><br />行程:<br />北びわこホテルグラツィエ、医王寺、石道寺、己高閣・世代閣、赤後寺、西野薬師観音堂、渡岸寺観音堂(向源寺)<br /><br />なお、今回の仏像めぐりには、4トラ「近江路をゆく」コミュのrokoさまが、同行ご案内くださった。<br />拝観予約や時間管理など面倒なことを全て引き受けて、湖北をご案内くださったrokoさま、どうもありがとうございました。<br /><br /><br /><br /><br />

アイラブ仏像めぐり 初夏の湖北観音めぐり(2)石道寺

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2013/06/01 - 2013/06/01

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11

ゆうこママ

ゆうこママさん

大好きな大好きな湖北を訪れた。

滋賀県湖北地方は、「観音の里」と呼ばれている。

無住の寺や小さなお堂に多くの観音がひっそりと住まっており、それらをそれぞれの集落の住人が大切に守っている。

戦国時代の湖北地方は、姉川、小谷城、賤ヶ岳の戦いと十数年にもわたり断続的に戦乱の舞台となり、村々や寺院はそのたびに焼き打ちの被害にあってきた。そんな苦難の時代、信仰篤い村人は、ほとけさまを地面に埋めたり、川に沈めたりして、守ってきたと伝わる。

観音と人々の歴史に思いを馳せながら拝観すると、いずれの仏像もいとおしくてならなくなる。

行程:
北びわこホテルグラツィエ、医王寺、石道寺、己高閣・世代閣、赤後寺、西野薬師観音堂、渡岸寺観音堂(向源寺)

なお、今回の仏像めぐりには、4トラ「近江路をゆく」コミュのrokoさまが、同行ご案内くださった。
拝観予約や時間管理など面倒なことを全て引き受けて、湖北をご案内くださったrokoさま、どうもありがとうございました。




旅行の満足度
4.5

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  • 大見の医王寺を出て、次に向かった先は、石道寺(しゃくどうじ)。石道(いしみち)集落を見渡す高台に佇むお堂だ。<br /><br />もともとの石道寺は、さらに1キロほど山側に登ったところにあったそうだが、大正3年(1914年)に現在地に移されたそう。旧石道寺の跡には、今では、石垣や墓石などが残るのみとのこと。

    大見の医王寺を出て、次に向かった先は、石道寺(しゃくどうじ)。石道(いしみち)集落を見渡す高台に佇むお堂だ。

    もともとの石道寺は、さらに1キロほど山側に登ったところにあったそうだが、大正3年(1914年)に現在地に移されたそう。旧石道寺の跡には、今では、石垣や墓石などが残るのみとのこと。

  • 駐車場に車を止め、小さな橋を渡って向こう岸のお堂へ。<br />

    駐車場に車を止め、小さな橋を渡って向こう岸のお堂へ。

  • 緑に包まれた石段を少し登ると、目指す石道寺だ。<br /><br />石道寺も無住の寺で、石道集落の方たちが交替で世話人となり、寺の管理をしているようだ。<br />

    緑に包まれた石段を少し登ると、目指す石道寺だ。

    石道寺も無住の寺で、石道集落の方たちが交替で世話人となり、寺の管理をしているようだ。

  • お堂とは別棟の受付にて拝観をお願いすると、おじいさんが出てきて、お堂へご案内くださる。順に厨子を開け、解説のカセットテープを流す準備を済ますと、ほとけさまの近くまでどうぞと声を掛けてくださる。<br /><br />それだけではない。厨子内の仏像がよく見えるようにと、懐中電灯まで差し出してくださる。

    お堂とは別棟の受付にて拝観をお願いすると、おじいさんが出てきて、お堂へご案内くださる。順に厨子を開け、解説のカセットテープを流す準備を済ますと、ほとけさまの近くまでどうぞと声を掛けてくださる。

    それだけではない。厨子内の仏像がよく見えるようにと、懐中電灯まで差し出してくださる。

  • まじめに誠実に年輪を重ねてきた人生が、穏やかな面相に滲み出ているおじいさん。<br />美しい観音をすぐお側でお世話しているご利益だろうか。<br />私には、おじいさんが生き仏様に見えた。<br />

    まじめに誠実に年輪を重ねてきた人生が、穏やかな面相に滲み出ているおじいさん。
    美しい観音をすぐお側でお世話しているご利益だろうか。
    私には、おじいさんが生き仏様に見えた。

  • 堂内には、3人の十一面観音菩薩立像が並んでいる。<br /><br />中央の平安中期の十一面は、重要文化財で、井上靖が小説の中で村娘にたとえたことで知られている。元々の石道寺の本尊で、173センチ。<br /><br />右足の親指を上げ、動き出そうという気配を表している。<br />右手の中指で輪を作り、愛らしさを表現。<br />二の腕はどちらかといえばムチッとして肉感的といってもよい。あごもふっくらしている。<br /><br />左に立つ十一面も旧石道寺の出身。口をへの字に結び、どちらかといえば男顔。<br />右側の十一面は、石道観音堂(旧高尾寺)の出身とのこと。リボン飾りを左右の耳から垂らし、きりっと中性的な都風のお顔。<br /><br />3人を比べると、右の子は、街の子で、洗練され垢抜けた美しさを持っている。<br />一方、真ん中の本尊(重文)は、都会の水で磨けば物凄く光る素質を持つ、素朴な田舎娘といったところか。<br /><br />この雰囲気が、多くの人の心を惹きつけるのだろう。

    堂内には、3人の十一面観音菩薩立像が並んでいる。

    中央の平安中期の十一面は、重要文化財で、井上靖が小説の中で村娘にたとえたことで知られている。元々の石道寺の本尊で、173センチ。

    右足の親指を上げ、動き出そうという気配を表している。
    右手の中指で輪を作り、愛らしさを表現。
    二の腕はどちらかといえばムチッとして肉感的といってもよい。あごもふっくらしている。

    左に立つ十一面も旧石道寺の出身。口をへの字に結び、どちらかといえば男顔。
    右側の十一面は、石道観音堂(旧高尾寺)の出身とのこと。リボン飾りを左右の耳から垂らし、きりっと中性的な都風のお顔。

    3人を比べると、右の子は、街の子で、洗練され垢抜けた美しさを持っている。
    一方、真ん中の本尊(重文)は、都会の水で磨けば物凄く光る素質を持つ、素朴な田舎娘といったところか。

    この雰囲気が、多くの人の心を惹きつけるのだろう。

  • ほかに、両脇の持国天、多聞天も国の重要文化財。いずれもウエストに男面の大きなバックルを飾り、お洒落。足下の邪鬼もいい味を出している。<br />

    ほかに、両脇の持国天、多聞天も国の重要文化財。いずれもウエストに男面の大きなバックルを飾り、お洒落。足下の邪鬼もいい味を出している。

  • お堂の前に供えられている花は、

    お堂の前に供えられている花は、

  • 境内に咲く真白いカラー。<br /><br />春の遅い石道では、花祭りをつい先日、5月26日にやったばかりとのこと。<br />花の咲くのを待って、花祭り。全国共通のカレンダーではなく、自然に合わせて生きる、こんな暮らし方にあこがれる。<br />

    境内に咲く真白いカラー。

    春の遅い石道では、花祭りをつい先日、5月26日にやったばかりとのこと。
    花の咲くのを待って、花祭り。全国共通のカレンダーではなく、自然に合わせて生きる、こんな暮らし方にあこがれる。

  • 境内の片隅の趣のある石段は、

    境内の片隅の趣のある石段は、

  • 鶏足寺につながるそうだ。<br /><br />つづく

    鶏足寺につながるそうだ。

    つづく

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この旅行記へのコメント (4)

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  • rokoさん 2013/06/11 10:31:27
    おじいさんが生仏様にみえた・・・
    ゆうこママさん

    こんにちは

    こうして自分の時間の空いたときにゆっくりお邪魔しています。
    あの時の楽しさ、心地よさがじんわりともどってきます。


    ゆうこママさんのこの言葉

    >まじめに誠実に年輪を重ねてきた人生が、穏やかな面相に滲み出ているお じいさん。
     美しい観音をすぐお側でお世話しているご利益だろうか。
     私には、おじいさんが生き仏様に見えた。


    私ももっと歳をとったらこういうお世話ができたらいいなぁ〜
    と、ちょっぴり羨ましく感じました。


    トップの画像、鶏足寺へとつながる山道、私も大好き!
    青もみじのトンネルに誘いこまれそうだった。

    井上靖が小説の中で村娘にたとえた十一面観音菩薩立像
    心惹かれました。

    ゆうこママさんと同じ場所で同じものを見てる
    でも観察眼はわたしよりずっと深い

    全然、面倒だとは思わなかったです、むしろ楽しかったです。

    続きがあるのは嬉しいです。


    ゆうこママ

    ゆうこママさん からの返信 2013/06/11 20:10:13
    RE: おじいさんが生仏様にみえた・・・
    こんばんは、rokoさん
    >
    > こうして自分の時間の空いたときにゆっくりお邪魔しています。
    > あの時の楽しさ、心地よさがじんわりともどってきます。

    ⇒丁寧にご覧いただきありがとうございます。
    >
    > ゆうこママさんのこの言葉
    >
    > >まじめに誠実に年輪を重ねてきた人生が、穏やかな面相に滲み出ているお じいさん。
    >  美しい観音をすぐお側でお世話しているご利益だろうか。
    >  私には、おじいさんが生き仏様に見えた。
    >
    ⇒あのおじいさん、少し耳が遠くていらっしゃいましたが、私たちの質問ににこやかに丁寧に応えてくださって、お話していると、幸せな気分になりました。
    >
    > 私ももっと歳をとったらこういうお世話ができたらいいなぁ〜
    > と、ちょっぴり羨ましく感じました。
    >
    ⇒rokoさんは、車の中でもしみじみと同じことを仰ってましたよね。
    全く同感です。
    仏像のお世話をしながら、世話人仲間や拝観者との語らいを楽しみ、日々を送る老後。最高の幸せだと思います。

    > トップの画像、鶏足寺へとつながる山道、私も大好き!
    > 青もみじのトンネルに誘いこまれそうだった。

    ⇒あの道、いつか入ってみたいです。紅葉の時期は、大変な人出のようですが。
    >
    > 井上靖が小説の中で村娘にたとえた十一面観音菩薩立像
    > 心惹かれました。
    >
    > ゆうこママさんと同じ場所で同じものを見てる
    > でも観察眼はわたしよりずっと深い
    >
    ⇒観察眼なんて、とんでもない。単に何度も見ているからですよ。
    石道寺のお堂の中では、なんといっても、あの子が一番ですよね。

    彼女は、田舎暮らしなので、素朴で少し野暮ったいところもありますが、よく見ればすごく美形。都会で半年か1年ほど磨けば、目の覚めるような美女になりそう。
    なあんて妄想をしながら拝観してます。こういうのは、観察眼じゃなくて、妄想眼ですね。


    > 全然、面倒だとは思わなかったです、むしろ楽しかったです。
    >
    > 続きがあるのは嬉しいです。

    ⇒ありがとうございます。
    メモは手元にありますが、だんだん記憶が薄れてゆきます。
    早く作らなくちゃ。
  • のーとくんさん 2013/06/06 06:48:45
    湖北の仏像
    ゆうこママさん

    おはようございす。

    湖北の仏像巡り、いいですねぇ。

    NHKの仏像拝観でも放映されてこともあり、是非行ってみったいと思っているのですが、すこし遠いし、拝観には予約が必要そうだし、ふらっと出かけるにしては、ちょっと敷居が高いかななんて思っています。

    でも、行ってみたいですね。

    それにしても、こういったお堂や仏像を護っていってくださる、地元の人には拍手拍手です。
    ありがたいですね。

    続きを楽しみにしています。

     のーとくん

    ゆうこママ

    ゆうこママさん からの返信 2013/06/06 20:40:44
    RE: 湖北の仏像
    こんばんは、いつもありがとうございます。
    >
    > 湖北の仏像巡り、いいですねぇ。
    >
    ⇒いいでしょ〜。
    湖北は、奈良とも京都とも異なる独特の雰囲気がありますよ。

    > NHKの仏像拝観でも放映されてこともあり、是非行ってみったいと思っているのですが、すこし遠いし、拝観には予約が必要そうだし、ふらっと出かけるにしては、ちょっと敷居が高いかななんて思っています。
    >
    ⇒仰るとおりです。
    特に予約が必要なので、気軽にというわけにはいきませんね。
    今回は、そのめんどうな手配をroko さんがやってくださって、ありがたかったです。
    1ケ寺の拝観が終わるたびに、そこで次の寺に電話をし、今、○○寺にいるが、これからそちらの拝観をお願いできるかと問い合わせながら、廻ってきました。

    >
    > それにしても、こういったお堂や仏像を護っていってくださる、地元の人には拍手拍手です。
    > ありがたいですね。
    ⇒地元の人々と仏像との関係が、大変近く親しげで、好ましく、そして、うらやましく感じました。
    >
    > 続きを楽しみにしています。
    ⇒頑張って作成します!

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