2013/06/01 - 2013/06/01
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ゆうこママさん
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大好きな大好きな湖北を訪れた。
滋賀県湖北地方は、「観音の里」と呼ばれている。
無住の寺や小さなお堂に多くの観音がひっそりと住まっており、それらをそれぞれの集落の住人が大切に守っている。
戦国時代の湖北地方は、姉川、小谷城、賤ヶ岳の戦いと十数年にもわたり断続的に戦乱の舞台となり、村々や寺院はそのたびに焼き打ちの被害にあってきた。そんな苦難の時代、信仰篤い村人は、ほとけさまを地面に埋めたり、川に沈めたりして、守ってきたと伝わる。
観音と人々の歴史に思いを馳せながら拝観すると、いずれの仏像もいとおしくてならなくなる。
行程:
北びわこホテルグラツィエ、医王寺、石道寺、己高閣・世代閣、赤後寺、西野薬師観音堂、渡岸寺観音堂(向源寺)
なお、今回の仏像めぐりには、4トラ「近江路をゆく」コミュのrokoさまが、同行ご案内くださった。
拝観予約や時間管理など面倒なことを全て引き受けて、湖北をご案内くださったrokoさま、どうもありがとうございました。
- 旅行の満足度
- 4.5
PR
-
大見の医王寺を出て、次に向かった先は、石道寺(しゃくどうじ)。石道(いしみち)集落を見渡す高台に佇むお堂だ。
もともとの石道寺は、さらに1キロほど山側に登ったところにあったそうだが、大正3年(1914年)に現在地に移されたそう。旧石道寺の跡には、今では、石垣や墓石などが残るのみとのこと。 -
駐車場に車を止め、小さな橋を渡って向こう岸のお堂へ。
-
緑に包まれた石段を少し登ると、目指す石道寺だ。
石道寺も無住の寺で、石道集落の方たちが交替で世話人となり、寺の管理をしているようだ。 -
お堂とは別棟の受付にて拝観をお願いすると、おじいさんが出てきて、お堂へご案内くださる。順に厨子を開け、解説のカセットテープを流す準備を済ますと、ほとけさまの近くまでどうぞと声を掛けてくださる。
それだけではない。厨子内の仏像がよく見えるようにと、懐中電灯まで差し出してくださる。 -
まじめに誠実に年輪を重ねてきた人生が、穏やかな面相に滲み出ているおじいさん。
美しい観音をすぐお側でお世話しているご利益だろうか。
私には、おじいさんが生き仏様に見えた。 -
堂内には、3人の十一面観音菩薩立像が並んでいる。
中央の平安中期の十一面は、重要文化財で、井上靖が小説の中で村娘にたとえたことで知られている。元々の石道寺の本尊で、173センチ。
右足の親指を上げ、動き出そうという気配を表している。
右手の中指で輪を作り、愛らしさを表現。
二の腕はどちらかといえばムチッとして肉感的といってもよい。あごもふっくらしている。
左に立つ十一面も旧石道寺の出身。口をへの字に結び、どちらかといえば男顔。
右側の十一面は、石道観音堂(旧高尾寺)の出身とのこと。リボン飾りを左右の耳から垂らし、きりっと中性的な都風のお顔。
3人を比べると、右の子は、街の子で、洗練され垢抜けた美しさを持っている。
一方、真ん中の本尊(重文)は、都会の水で磨けば物凄く光る素質を持つ、素朴な田舎娘といったところか。
この雰囲気が、多くの人の心を惹きつけるのだろう。 -
ほかに、両脇の持国天、多聞天も国の重要文化財。いずれもウエストに男面の大きなバックルを飾り、お洒落。足下の邪鬼もいい味を出している。
-
お堂の前に供えられている花は、
-
境内に咲く真白いカラー。
春の遅い石道では、花祭りをつい先日、5月26日にやったばかりとのこと。
花の咲くのを待って、花祭り。全国共通のカレンダーではなく、自然に合わせて生きる、こんな暮らし方にあこがれる。 -
境内の片隅の趣のある石段は、
-
鶏足寺につながるそうだ。
つづく
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この旅行記へのコメント (4)
-
- rokoさん 2013/06/11 10:31:27
- おじいさんが生仏様にみえた・・・
- ゆうこママさん
こんにちは
こうして自分の時間の空いたときにゆっくりお邪魔しています。
あの時の楽しさ、心地よさがじんわりともどってきます。
ゆうこママさんのこの言葉
>まじめに誠実に年輪を重ねてきた人生が、穏やかな面相に滲み出ているお じいさん。
美しい観音をすぐお側でお世話しているご利益だろうか。
私には、おじいさんが生き仏様に見えた。
私ももっと歳をとったらこういうお世話ができたらいいなぁ〜
と、ちょっぴり羨ましく感じました。
トップの画像、鶏足寺へとつながる山道、私も大好き!
青もみじのトンネルに誘いこまれそうだった。
井上靖が小説の中で村娘にたとえた十一面観音菩薩立像
心惹かれました。
ゆうこママさんと同じ場所で同じものを見てる
でも観察眼はわたしよりずっと深い
全然、面倒だとは思わなかったです、むしろ楽しかったです。
続きがあるのは嬉しいです。
- ゆうこママさん からの返信 2013/06/11 20:10:13
- RE: おじいさんが生仏様にみえた・・・
- こんばんは、rokoさん
>
> こうして自分の時間の空いたときにゆっくりお邪魔しています。
> あの時の楽しさ、心地よさがじんわりともどってきます。
⇒丁寧にご覧いただきありがとうございます。
>
> ゆうこママさんのこの言葉
>
> >まじめに誠実に年輪を重ねてきた人生が、穏やかな面相に滲み出ているお じいさん。
> 美しい観音をすぐお側でお世話しているご利益だろうか。
> 私には、おじいさんが生き仏様に見えた。
>
⇒あのおじいさん、少し耳が遠くていらっしゃいましたが、私たちの質問ににこやかに丁寧に応えてくださって、お話していると、幸せな気分になりました。
>
> 私ももっと歳をとったらこういうお世話ができたらいいなぁ〜
> と、ちょっぴり羨ましく感じました。
>
⇒rokoさんは、車の中でもしみじみと同じことを仰ってましたよね。
全く同感です。
仏像のお世話をしながら、世話人仲間や拝観者との語らいを楽しみ、日々を送る老後。最高の幸せだと思います。
> トップの画像、鶏足寺へとつながる山道、私も大好き!
> 青もみじのトンネルに誘いこまれそうだった。
⇒あの道、いつか入ってみたいです。紅葉の時期は、大変な人出のようですが。
>
> 井上靖が小説の中で村娘にたとえた十一面観音菩薩立像
> 心惹かれました。
>
> ゆうこママさんと同じ場所で同じものを見てる
> でも観察眼はわたしよりずっと深い
>
⇒観察眼なんて、とんでもない。単に何度も見ているからですよ。
石道寺のお堂の中では、なんといっても、あの子が一番ですよね。
彼女は、田舎暮らしなので、素朴で少し野暮ったいところもありますが、よく見ればすごく美形。都会で半年か1年ほど磨けば、目の覚めるような美女になりそう。
なあんて妄想をしながら拝観してます。こういうのは、観察眼じゃなくて、妄想眼ですね。
> 全然、面倒だとは思わなかったです、むしろ楽しかったです。
>
> 続きがあるのは嬉しいです。
⇒ありがとうございます。
メモは手元にありますが、だんだん記憶が薄れてゆきます。
早く作らなくちゃ。
-
- のーとくんさん 2013/06/06 06:48:45
- 湖北の仏像
- ゆうこママさん
おはようございす。
湖北の仏像巡り、いいですねぇ。
NHKの仏像拝観でも放映されてこともあり、是非行ってみったいと思っているのですが、すこし遠いし、拝観には予約が必要そうだし、ふらっと出かけるにしては、ちょっと敷居が高いかななんて思っています。
でも、行ってみたいですね。
それにしても、こういったお堂や仏像を護っていってくださる、地元の人には拍手拍手です。
ありがたいですね。
続きを楽しみにしています。
のーとくん
- ゆうこママさん からの返信 2013/06/06 20:40:44
- RE: 湖北の仏像
- こんばんは、いつもありがとうございます。
>
> 湖北の仏像巡り、いいですねぇ。
>
⇒いいでしょ〜。
湖北は、奈良とも京都とも異なる独特の雰囲気がありますよ。
> NHKの仏像拝観でも放映されてこともあり、是非行ってみったいと思っているのですが、すこし遠いし、拝観には予約が必要そうだし、ふらっと出かけるにしては、ちょっと敷居が高いかななんて思っています。
>
⇒仰るとおりです。
特に予約が必要なので、気軽にというわけにはいきませんね。
今回は、そのめんどうな手配をroko さんがやってくださって、ありがたかったです。
1ケ寺の拝観が終わるたびに、そこで次の寺に電話をし、今、○○寺にいるが、これからそちらの拝観をお願いできるかと問い合わせながら、廻ってきました。
>
> それにしても、こういったお堂や仏像を護っていってくださる、地元の人には拍手拍手です。
> ありがたいですね。
⇒地元の人々と仏像との関係が、大変近く親しげで、好ましく、そして、うらやましく感じました。
>
> 続きを楽しみにしています。
⇒頑張って作成します!
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