観音の里

2018/05/06 - 2018/05/06

滋賀県長浜市には、観音の里と呼ばれるエリアがあります。高月駅や木ノ本駅のあたりです。

このエリアには己高山という900mほどの山のあるのですが、かつてここには、鶏足寺という比叡山に並ぶ一大仏教寺院を始め多くの有力寺院があったそうです。ただ、戦国時代の動乱、北陸からの一向宗の流入、明治の廃仏毀釈、自然災害などの影響で己高山の寺院はほとんどが堂宇を失ってしまいました。

ただ、そんな中でもこのエリアの人たちは各寺院にあった観音さまを土に埋めたり、川に沈めたりして隠し、機をみて集落内にお堂を建てて現在まで大切に守っています。

そんなこのエリアの観音さまを始めとした仏像を見れるのが、己高山麓の己高閣・世代閣です。かつての鶏足寺の本尊など数十体の仏像があり圧巻です。同じく己高山の麓には石道寺があり、こちらでは重文の観音さまを観ることができます。

また、高月駅近くの渡岸寺観音堂では、国宝の十一面観音像を観ることができます。この十一面観音像は奈良時代のものですが、立ち姿がヨーロッパの彫刻を思わせる傑作です。一説によると、インドからの渡来品ではないかとのことですが、いずれにせよ凄まじい技量で彫られた仏像だということです。

他にも沢山の仏像がこのエリアではお祀りされているのですが、今も地域の人の手で大切にされており、拝観には事前予約が必要です。今回は事前予約なしで拝観できるところを周りましたが、あまりにも感銘を受けたので、今度は事前予約が必要なところも含めて周りたいなと思います。

エリア 浅井・湖北・高月(滋賀)