2013/04/30 - 2013/04/30
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ぺこにゃんさん
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ドイツの建築家ブルーノ・タウトが「泣きたくなるほど美しい」と絶賛した桂離宮。
タウトが初めて桂離宮を訪れたのは1933年5月4日のことでした。
5月上旬はちょうどツツジが咲いているころで,彼が残したスケッチにもツツジの植え込みが描かれています。
おそらくツツジが華やかに咲く光景にも感動したのでしょう…
そんなわけで,私も同時期に桂離宮を訪れてきました。
真っ赤なツツジ,新緑が庭園に調和し,まさにベストのタイミングでした。
ただ一つ,雨が降っていたことをのぞいて…
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ゴールデンウィークで最も楽しみにしていた桂離宮の見学。
ですが,生憎の雨となりました…
参観が予約制のため,晴れの日を狙ってというわけにいかないのが,離宮見学の難しいところです。
さて,阪急桂駅から歩いて桂離宮へと向かいました。
桂大橋の手前で曲がり,桂離宮東側の桂垣を見ながら行くのが私のお気に入りです。 -
桂垣は竹藪の竹をそのまま折り曲げている,生きた竹垣です。
それでも痛みが目立ってきたので,今年の3月頃まで修復工事が行われていました。
うん,確かに新しくなっている。
見慣れた人でないと,この違いは分からないでしょう。 -
桂離宮表門。
雨でしっとりと濡れた表門に青もみじが覆い被さります。 -
表門から続く穂垣に沿って歩いていけば,参観者の入口である黒御門に辿り着きます。
この道は紅葉の時期が特に美しいです。 -
と,写真をアップしたものの,実際は表門にも穂垣にも近づけませんでした。
「立入禁止 皇宮警察」と書かれたテープを張られると,さすがに入れません。 -
仕方ないので,別の道を歩いていきます。
表門や穂垣のあるところは,参観予約がなくても歩くことができます。
カエデが多く植えられているので,新緑や紅葉の季節は見応えがあります。 -
穂垣をバックに。
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時間が近づいてきたので,黒御門から桂離宮へと入ります。
受付は20分前からで,参観開始時間まで待合室で待機します(売店あり)。
10分前から案内DVDが流れます。
私はDVDの内容を把握しているので,5分前まで外で粘っています。
ご参考に。 -
ここから桂離宮内の写真になります。
雨は止むどころかますます強くなり,傘を差しながら撮影という厳しいコンディション。
さらに何故かカメラの手振れ防止機能がOFFに。
あとで確認したときにブレた写真ばかりで愕然としました。
楽しみにしてた見学だったのに…
そんなわけで写真はボロボロですが,お付き合いしていただければ幸いです。 -
桂離宮の庭園はどういうところかというと,
「お楽しみは後にとっておく」
というのが当てはまるのではないでしょうか。
木々や垣根で視界が遮られ,先が見えない。
で,目的地にたどり着いたときに一番の感動を与える。
そういうところです。 -
参観順路は,まず御幸門を通って表門が見えるところまで行きます。
奥に見えるのが表門。
今度は内側から見ています。
表門に近づくにつれて道幅が狭くなっています。
これにより遠近感が強調され,実際より遠くにあるように見えます。 -
青もみじの奥に見えるのが表門です。
カエデが多いので,赤く色づく紅葉の時期は見事です。
(京都市内でも南に位置するので,若干遅めです) -
まだまだ瑞々しいカエデの葉。
雨で濡れるのも良いものです。 -
見返して御幸門です。
あべまきの皮付き丸太を門柱に使用しています。 -
引き返して御腰掛(外腰掛)へと向かいました。
紅葉の馬場。
左へ曲がると御腰掛です。 -
御腰掛の写真はありません。
この先も建物の写真はほとんど出てきません。
雨宿りでみんな屋根の下に入ってしまうので,撮っても仕方なかったです。
そんなわけで屋根だけになりますが,茅葺屋根越しに見える新緑は鮮やかでした。 -
御腰掛前には切石と自然石を組み合わせた延段があります。
書院御腰寄の前の延段を「真の飛石」と呼ぶのに対し,それよりもくだけた「行の飛石」と呼びます。
石は雨に濡れると本来の色が出てきて綺麗です。 -
16.5mもの長さの「行の飛石」の先には生込燈籠があり,ツツジが周りを囲んでいました。
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御腰掛前の蘇鉄山。
薩摩の島津家から献上されたという蘇鉄が植えられています。 -
先へと進みます。
生込燈籠とツツジを別の角度から。 -
小川の手前の織部燈籠。
ブレてしまいましたが,カラフルな写真となりました。 -
小川を渡っていきます。
大堰川を模したもので,桂三景の一つ「鼓の滝」があります。
滝といっても10cm程度の落差しかないですけどね。 -
ここまで来ると視界が急に開けます。
洲浜から見た天橋立。
背後には松琴亭が見えます。 -
洲浜の先端には岬燈籠。
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先ほどの紅葉の馬場を進むと,写真の位置に出てきます。
昔はここに松琴亭へと通じる橋が架かっていたそうです。 -
松琴亭へは長さ6mの白川橋を渡っていきます。
白川橋は京都白川産です。
白川橋袂の池中には桂三景の一つ「流れ手水」があります。
くの字型の石と,その前方に数個の石を配して蹲としたものです。
ちなみに残り一つの桂三景は御腰寄前の「真の飛石」です(今回撮っていません)。 -
イチオシ
ここからは松琴亭から見た景色が続きます。
白川橋上流の青もみじ。 -
松琴亭前から見た天橋立。
その奥に見える石橋は,鼓の滝がある小川に架かる橋です。
よく見れば鼓の滝も見えます。 -
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洲浜〜白川橋にある織部燈籠。
横のカエデは,秋になると離宮内で真っ先に色づくカエデの一つです。 -
たまには松琴亭内部の写真も撮りますか。
松琴亭一の間にある藍と白の襖。 -
石畳模様と呼ばれ,加賀奉書の白と藍の紙を交互に張った特徴ある意匠です。
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松琴亭の舟着場の真っ赤な霧島ツツジ。
背後に見える建物は月波楼です。 -
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松琴亭から賞花亭へと向かいます。
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賞花亭のある大山島へは蛍橋という名の橋を渡っていきます。
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途中で松琴亭を見返します。
先ほどの大きな霧島ツツジ,手前には舟着場と織部燈籠が見えます。 -
賞花亭へは木々の中を歩いていきます。
このあたりは木の根が地表に出ており,鞍馬の木の根道を想起させます。 -
イチオシ
雨に打たれたツツジ。
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賞花亭に到着。
ここが桂離宮で最も高いところです。
昔は愛宕山まで見えたらしいですが,いまは木々が視線を遮り,せいぜい離宮内が見渡せる程度。
それでも眺めはいいです。 -
中央の島は中島。
その背後は紅葉山のあたりです。 -
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こちらは賞花亭からの下り道。
中央の土橋は書院への架け橋です。 -
イチオシ
上の写真に写っている手水鉢。
五輪塔の水輪に見立てているそうです。
雨で水面に波紋が描かれていました。 -
では,賞花亭から下っていきましょう。
木々の間からツツジと書院が見えています。 -
イチオシ
土橋手前まで降りてきました。
書院群をバックに鮮やかな霧島ツツジが咲く光景は見事です。
訪れるタイミングはバッチリ。
ただ私の予定ではバックが青空だったのですけどねぇ…
(それも計算して午前中にしたのに) -
ツツジと古書院。
通り過ぎるだけの場所なので,悠長に写真を撮っている時間はありませんでしたが,太陽が出ていなくて良かったかも。
もし晴れていればコントラストが強すぎて,苦労していたでしょうね。 -
ただ雨は止む気配はなく,むしろ強くなったような気がします。
写真でもわかるぐらいですからね。 -
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土橋は渡らず,書院群を右手に見ながら園林堂へ。
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園林堂の脇,正方形の飛び石をリズミカルにポンポンと渡っていきます。
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イチオシ
園林堂前に架かる土橋の上から見下ろした霧島ツツジと楓の新緑。
主役の座は渡さないとばかりに両者鮮やかでした。 -
土橋を渡ったところで振り返り,園林堂を眺めます。
絵になりますね。 -
次に向かうのは笑意軒。
奥に見える建物です。 -
手前に見えるのは雪見燈籠。
小さなツツジの後ろにも三光燈籠が見えています。
ちなみに桂離宮内の燈籠の数は全部で24基。
全部見つけられたら,相当の桂離宮通です。 -
笑意軒前から見た園林堂。
レンズに水滴がついてしまっていますね。 -
イチオシ
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鮮やかなツツジに隠れて影が薄いですが,里桜が残っていました。
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笑意軒前の延段は自然石だけから構成されており,「草の飛石」と呼ばれます。
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笑意軒から引き返します。
途中に笠も火袋も中台も脚もすべて三角形の三角燈籠があります。 -
イチオシ
書院群へと続く道。
この周辺は楓が綺麗な場所です。
たいてい時間が押してるので,急いで通り過ぎていかなければならないのが残念です。 -
書院群前から月波楼まではツツジが多く咲いています。
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賞花亭から下ったところの土橋を反対側から見ています。
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月波楼まで来ました。
歩いてきた道を振り返って,古書院の月見台。
月見台の上からの眺めはさぞかし素晴らしいのでしょうね。 -
月波楼から松琴亭を眺めます。
水に浮かぶ舟からの眺めを想定しています。 -
中の間越しに見た紅葉山。
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こちらは一の間越しに見た紅葉山です。
よく見れば同じツツジを撮っています… -
イチオシ
中門を出たところで,「霰こぼし」の手法で敷き詰められた黒石とツツジ。
どちらも雨に濡れて,いい感じです。 -
最後は「住吉の松」。
池に突き出た「亀の尾」と呼ばれる芝地に松の木が立ち,左右の生垣とともに視界を遮っています。
以上で桂離宮の参観は終了です。 -
最初は雨で残念だと思っていましたが,雨に濡れた桂離宮は風情があって良かったです。
カメラの設定が終始間違っていたのが悔やまれます。
また来年是非とも訪れたいです。
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