2013/04/24 - 2013/04/25
439位(同エリア1432件中)
玄白さん
2013年の桜の見納めはNHK大河ドラマ「八重の桜」の舞台となっている会津の桜です。ドラマそのものは昨年に続いて低視聴率にあえでいるようですが、地元の「八重の桜」にあやかった観光への力の入り具合は大したものでした。会津若松市内の桜はちょうど見頃を迎え、平日にもかかわらず、大勢の観光客で賑わっています。大河ドラマの観光へのインパクトの大きさには、あらためて驚かされました。
後編は2日目の記録です。幸い旅行出発時の天気予報がはずれ、朝から晴れて花見には絶好の天気となりました。2日目は、「八重の桜」のオープニングで使われている石部桜と鶴ヶ城がメインです。それぞれ、午前中と夕方、夜のライトアップと2回楽しみました。時間は十分あったので、午後には会津若松の隣町の会津美里の名桜を見て回りました。
今回の会津花見旅行では、単に桜を楽しんだだけではなく、飯盛山白虎隊資料館、鶴ヶ城天守閣博物館の展示などを通じて会津史、特に激動の幕末期の歴史に理解を深めることができました(いずれも撮影禁止のため、写真はありませんが)。それらを通じて強く印象づけられたことが二つ、あります。
第一は、戊辰戦争の敗北という大きな痛手を負った会津藩士の中から、その困難にもめげず明治という新しい時代に様々な分野で新国家建設に貢献した人材が数多くいた事(もちろん新島八重もその一人)、そして彼ら、彼女らに共通することは、自分の信念を強く持ち、前向きに生き抜いたであろうということです。その姿は、必然的に東日本大震災、原発事故という未曾有の困難に立ち向かっている現代の福島の人達に重なります。ただし、幕末・明治期と現代の決定的な違いは、現代日本の政治リーダーの中に、明治期のような大きな革新的国家ビジョンを語り実行できる人物がいないということだろうか。
第二は、江戸期の会津藩祖、保科正之という人物のこと。彼は二代将軍徳川秀忠の側室の子で、三代将軍家光の異母弟であったが、謹直有能で家光から後事を託された。老中として、それまでの武断政治から民生政治へと大きく舵を切り、様々な革新的政策を実行し天下泰平の時代を作り上げた。会津藩政でも、飢饉対策の社倉制度、身分を問わず老人への一人扶持の米支給という年金制度創設、漆、冶金、蝋など稲作以外の新産業育成など福祉政策と成長戦略を実行し、会津藩を当時としては最も先進的で豊かな地方国家に育て上げた。あまりにも有能な政治リーダーが家訓15か条の第一に徳川宗家への忠誠を揚げたたため、後の会津藩がこれを墨守するあまり、幕末の大きな情勢の変化にフレキシブルに対応できず、戊辰戦争の悲劇に結び付いたとも言えよう。ともかく、この人物は、もっと研究され、取り上げられても良いと思うのだが、賊軍の藩祖ということで明治新政府が意識的に低い評価を与えたというのは穿った見方すぎるだろうか。歴史は勝者が作り上げると言うが、敗者の側からも見なければ真実は見えないということを心したいものです。
今年は、あちこち数多く桜を見て回りましたが、これにて2013年観桜記は終了です。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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まずは石部桜へ。飯盛山にほど近い田んぼの中の一本桜です。樹齢600年の江戸彼岸桜です。中世会津の領主葦名氏の重臣、石部治部大輔(いしべ じぶだゆう)の庭にあったと伝えられています。
何といっても、大河ドラマ「八重の桜」のオープニングで使われたことで、今年は超人気の桜になってしまいました。 -
イチオシ
別のアングルから眺めます。高さ11m、枝張り19m、幹の太さ0.5〜2.2mの10本の、幹から成ります。
江戸時代から名木として知られていて、歴代会津藩主も花見を楽しんだそうです。 -
朝から花見客が押し寄せ、団体旅行のバスから降りた人たちも入れ替わり立ち代り訪れています。周囲は田んぼなので、桜を見る場所は限られています。あぜ道を勝手に歩くことは禁止です。
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600年の風雪に耐えた太い幹に風格がただよいます。
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八重の桜のオープニングの冒頭シーンはこんなアングルだったでしょうか
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イチオシ
遠くから、道端の水仙と一緒に撮影
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休耕田には雑草のオオイヌノフグリとヒメオドリコソウがびっしりと生えています。
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ヒメオドリコソウ
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石部桜の近くに浄水場があり、その構内にも見事に満開の桜が咲いています。むしろ石部桜より花の勢いはありますが、名も無い桜ゆえ、あまりこちらまで足を延ばす人はいません。
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いよいよ、鶴ヶ城(会津若松城)へ。城内敷地には1000本のソメイヨシノほか、江戸彼岸、枝垂れ桜が咲き乱れています。
三の丸駐車場に車を停め、東側から二の丸と本丸を繋ぐ廊下橋を渡って城内に入ります。 -
二の丸と本丸の間の堀端には満開の桜並木が続いています。
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苔むした石垣と桜の取り合わせも情趣があります。
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昼近くなって薄い雲が出てきたため、真っ青な空にはなっていませんが、桜に囲まれた天守閣は絵になります。
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イチオシ
2011年に、瓦をオリジナルの赤瓦に葺きなおす工事が行われました。
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天守閣の中は地階から5階までテーマごとに様々な展示がされている博物館になっています。
地階には、創建当時の石垣が残されています。 -
天守閣最上階からの眺め。360度のパノラマが楽しめます。
西方向は、城内の桜、会津若松市街、遠くには雪をかぶった飯豊連峰を臨むことができます。 -
飯豊連峰
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北東方向には鶴ヶ城稲荷神社の赤い鳥居、上辺右側には磐梯山が見えます。
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磐梯山遠望
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東方向には本丸跡の芝生広場が広がっています。
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はるか上空から眺める桜も面白い
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南側には鉄門(くろがねもん)、南走長屋、干飯櫓が続いています。
南走長屋は武器庫、干飯櫓は食料庫として使われました。これらの建物は2000年に復元されたものです。 -
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天守閣を降り、干飯櫓方面に行ってみます。走長屋は売店になっており、鉄門の上では、山本八重の生涯を紹介する紙芝居をやっていました。
さらに行くと、南走長屋です。 -
壁には銃眼が穿たれています。戊辰戦争の時には、山本八重も、どれかの銃眼からスペンサー銃で官軍を狙撃していたのでしょう。
スペンサー銃というのはアメリカで開発された元込め7連発の当時の最新式銃でした。ドラマ「八重の桜」では、八重の兄、山本覚馬が長崎でドイツ人商人から譲り受けたものということになっていますが、実際はどうだったのでしょうか。 -
イチオシ
雲が取れて青空が戻ってきました。
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鉄門と天守閣
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本丸の南東角にある茶室「麟閣」。千利休の子、小庵が作ったものを復元した茶室です。
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待合。茶事に招待された客は茶室に入る前にここで待機します。
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茶室の塀越しに眺める天守閣
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麟閣の庭の枝垂れ桜越しの天守閣
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鶴ヶ城のライトアップまでには時間があるので、いったん会津若松を離れ、隣町の会津美里町の桜のスポットへ。
町の中央を流れる宮川沿いに桜並木が続いていて、通称「宮川千本桜」と呼ばれる桜の名所です。 -
およそ1kmに亘って500本の桜が川辺を彩っています。
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桜並木の奥には、磐梯山が聳えています
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宮川のほとりに伊佐須美神社があります。この境内にご神木となっている薄墨桜という名木があるのですが、時期尚早で開花していませんでした。神社の前にはあやめ苑があり、その園内では桜が満開を迎えていました。
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特に名前が付けられた銘木というわけではありませんが、風格ある彼岸桜の古木にも巡りあえました。
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あやめ苑の隣りに高天が原という伊佐須美神社境内の一部となる広場に、樹齢300年の神代桜があり、見頃を迎えていました。江戸彼岸桜です。
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反対側に回ると幹は2つに分かれていて、片方だけが花を咲かせていることがわかります。江戸彼岸桜は長寿命の桜ですが、さすがに樹齢300年にもなると、花を咲かせる勢いは衰えてくるのでしょう。
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太い幹には注連縄が巻かれています。
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神代桜の隣りに咲いている桜の枝にとまっているスズメも神代桜を眺めているようです。
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伊佐須美神社の近くに清龍寺文殊院という文殊菩薩を祀ったお堂があります。この寺の文殊菩薩は「筆の文殊」として信仰を集め、「紙の文殊」(天の橋立て)、「硯墨の文殊」(大和桜井)と並び日本三文殊に数えられています。いずれも書道上達の霊験があらたかで、この文殊堂の中には、4本の大筆が奉納されているそうです。
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その境内に咲いている樹高が高い紅彼岸桜です。会津三里町の桜の名木を紹介するパンフレットには濃い紅色の花を咲かせると紹介されていますが、そんなに濃いピンクではありませんでした。しかし、見応えのある桜ではあります。文殊菩薩にちなんで、「知恵桜」という名前がついています。
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鶴ヶ城の夜桜までにはまだ時間があるので、会津若松市に近い大川のほとりにある「湯陶里」という日帰り温泉で、のんびりした後、再び石部桜へ。
5時過ぎともなれば観光客は減り、夕日に照らされる石部桜を静かにじっくり見たかったのであります。 -
観光客はほとんどおらず、地元の人が石部桜の写生をしていました。
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夕日を浴びて、オレンジ色に染まる桜も良いものですが、写真ではうまく表現できません。
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イチオシ
早めに夕食を済ませ、日没後の鶴ヶ城へ。
廊下橋の袂から見た二の丸側のお堀端の桜並木が、朧月とのコラボで幻想的な雰囲気を醸しています。 -
お堀の水面に写るライトアップされた桜も良い感じです。
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走長屋と天守閣も見事にライトアップされています。
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ライトアップされた天守閣と夜桜は見事としか言いようがありません。余計なコメントは不要でしょう。
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イチオシ
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イチオシ
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イチオシ
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茶室「麟閣」の夜桜
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8時半頃まで夜桜を楽しんでから、一路、磐越自動車道、東北自動車道経由で自宅へ。
桜の美しさと歴史の面白さを感じた東山温泉一泊会津花見旅行でした。
これにて、2013年の観桜記は完結です。
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