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冬の日本海側の天気は、本当に読むことが難しい。<br />過去のデータと天気図を観察していれば、降雪範囲がどこかを見るのはおおよそわかる。しかし、雪がある程度積もり、且つ青空が垣間見える天気を予測するのは本当に難しく、平野部ならまだしも、天候の変化が激しい山沿いの天気を観測するなんて、ほとんど運が左右するのではなかろうか、と思うくらいである。<br /><br />予てから、蔵王の樹氷についてはこの目で行きたいと思っていた。数多くの写真家やBlogでの写真を見て、いつも指をくわえて眺めているだけだった。実際にこの目で確かめるには、樹氷が既に形成されていて、且つ晴れの日を狙うしかない。しかし、蔵王地方の1月〜2月の天気は、1〜2週間に晴れの日が1日あるかないか。単に樹氷を見るだけでなく、晴れ渡る空の下で見たい! という思いだけが募る。<br />そんな中、他の日がことごとく雪に見舞われる中で、この日だけが山形県内全域で概ね晴れの予報を出していたので、満を持して決行した。<br /><br />仙台から仙山線に乗り換え、山寺で知られる立石寺に立ち寄った後、山形駅からバス。蔵王温泉まで約40分。思ったほど、便も多い(それでも1時間に1本だが…)。樹氷でなくても、スキーリゾート地でもあるし、温泉地でもあるから、それだけ観光客も多いということだろう。<br />蔵王温泉に到着したら、ロープウェイで樹氷高原を経て地蔵山頂まで。標高の高いところに来たからか、山形駅周辺では雲一つない青空だったのに、だんだんと雲行きが怪しくなってきた。それでも、雲の流れが速いため、青空も時々垣間見えるが、それでも雲が空を覆う時の方が多く、少しハラハラした。<br /><br />樹氷高原駅に乗り換えた地点で、遠くに樹氷らしいものが見えた。しかしまだはっきりしない。そのままロープウェイに乗り、さらに山頂を目指す。しばらくして、僕の時間と息が止まった。<br /><br />見渡す限りの、白の造形。『スノーモンスター』というその名の通り、様々な形の屹立する白の巨人たちが、視界いっぱいに広がっている。樹氷高原駅を出た直後は、まだ樹の表面に氷の粒が付着する程度で、むしろそれだけでもその造形は見張るものがある。そして、実際に地蔵山頂駅に到着する直前からの光景は、まさに僕がこれまで追い求めていたものなのだ。<br />『樹』氷という名の通り、日本海から吹き付ける過冷却水によって形成される樹氷。その全てが雪と氷に覆われているため、元は樹なのだというのは想像もつかない。しかし、どれも見上げるほど高く、そして雪が積もっているため下部の多くが雪中に埋もれているあたり、やはりそうなのだろう。と言ってすぐに納得できるものでも無いが。しかしこの筆舌しがたい感動は、実物を見るまで、想像の中でしか無かったことになる。<br /><br />ちなみに僕はスキーは人生で数回程度。スノーボードは未経験である。勿論、-10℃の世界であるし、雪が積もる(場合によっては降りしきる)山ということもあるので、ロープウェイで乗り降りできる範疇での行動しかしていないものの、ある程度の山の装備をしてきた。樹氷を見るためで、スキーやスノーボードは一切行わない観光客も多い。とても気軽に楽しめるところだと思う。<br />が、やはりマイナスの気温の世界。もし怪我をしたら即刻治療を。ほんの小さな切り傷でも、そこから一気に寒さを感じることもある(←経験者)。

蔵王が織りなす奇跡

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2011/02/08 - 2011/02/08

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Cyber

Cyberさん

冬の日本海側の天気は、本当に読むことが難しい。
過去のデータと天気図を観察していれば、降雪範囲がどこかを見るのはおおよそわかる。しかし、雪がある程度積もり、且つ青空が垣間見える天気を予測するのは本当に難しく、平野部ならまだしも、天候の変化が激しい山沿いの天気を観測するなんて、ほとんど運が左右するのではなかろうか、と思うくらいである。

予てから、蔵王の樹氷についてはこの目で行きたいと思っていた。数多くの写真家やBlogでの写真を見て、いつも指をくわえて眺めているだけだった。実際にこの目で確かめるには、樹氷が既に形成されていて、且つ晴れの日を狙うしかない。しかし、蔵王地方の1月〜2月の天気は、1〜2週間に晴れの日が1日あるかないか。単に樹氷を見るだけでなく、晴れ渡る空の下で見たい! という思いだけが募る。
そんな中、他の日がことごとく雪に見舞われる中で、この日だけが山形県内全域で概ね晴れの予報を出していたので、満を持して決行した。

仙台から仙山線に乗り換え、山寺で知られる立石寺に立ち寄った後、山形駅からバス。蔵王温泉まで約40分。思ったほど、便も多い(それでも1時間に1本だが…)。樹氷でなくても、スキーリゾート地でもあるし、温泉地でもあるから、それだけ観光客も多いということだろう。
蔵王温泉に到着したら、ロープウェイで樹氷高原を経て地蔵山頂まで。標高の高いところに来たからか、山形駅周辺では雲一つない青空だったのに、だんだんと雲行きが怪しくなってきた。それでも、雲の流れが速いため、青空も時々垣間見えるが、それでも雲が空を覆う時の方が多く、少しハラハラした。

樹氷高原駅に乗り換えた地点で、遠くに樹氷らしいものが見えた。しかしまだはっきりしない。そのままロープウェイに乗り、さらに山頂を目指す。しばらくして、僕の時間と息が止まった。

見渡す限りの、白の造形。『スノーモンスター』というその名の通り、様々な形の屹立する白の巨人たちが、視界いっぱいに広がっている。樹氷高原駅を出た直後は、まだ樹の表面に氷の粒が付着する程度で、むしろそれだけでもその造形は見張るものがある。そして、実際に地蔵山頂駅に到着する直前からの光景は、まさに僕がこれまで追い求めていたものなのだ。
『樹』氷という名の通り、日本海から吹き付ける過冷却水によって形成される樹氷。その全てが雪と氷に覆われているため、元は樹なのだというのは想像もつかない。しかし、どれも見上げるほど高く、そして雪が積もっているため下部の多くが雪中に埋もれているあたり、やはりそうなのだろう。と言ってすぐに納得できるものでも無いが。しかしこの筆舌しがたい感動は、実物を見るまで、想像の中でしか無かったことになる。

ちなみに僕はスキーは人生で数回程度。スノーボードは未経験である。勿論、-10℃の世界であるし、雪が積もる(場合によっては降りしきる)山ということもあるので、ロープウェイで乗り降りできる範疇での行動しかしていないものの、ある程度の山の装備をしてきた。樹氷を見るためで、スキーやスノーボードは一切行わない観光客も多い。とても気軽に楽しめるところだと思う。
が、やはりマイナスの気温の世界。もし怪我をしたら即刻治療を。ほんの小さな切り傷でも、そこから一気に寒さを感じることもある(←経験者)。

同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円 - 3万円
交通手段
高速・路線バス 新幹線
旅行の手配内容
個別手配

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  • 樹氷 - 一 (蔵王 地蔵山頂)<br />Snow Monsters (Soft rime) at Zao

    イチオシ

    樹氷 - 一 (蔵王 地蔵山頂)
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  • 樹氷 - 二 (蔵王 地蔵山頂)<br />Snow Monsters (Soft rime) at Zao

    樹氷 - 二 (蔵王 地蔵山頂)
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  • 樹氷 - 三 (蔵王 地蔵山頂)<br />Snow Monsters (Soft rime) at Zao

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