2013/01/02 - 2013/01/02
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鯨の味噌汁さん
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韓国三日目、慶州の朝。
この日は午後4時の新幹線でソウルに戻る予定。
つまり、8時に始動したとして、実際に動けるのは7時間である。
が、行きたい場所は3か所あり、仏国寺、石窟庵、それに街中の古墳公園・大陵苑だ。けっこうテンコ盛りである。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
駅前でバスを捕まえて、まず仏国寺、それから石窟庵によって、また市内に戻って・・・と、考えながら宿を出る。
ケツの時間が決まっているから、乗換ミスをしたらその時点でアウトだ。
こういうところが、短期旅行はツライ。
「うーん。どうしよう。駅前でタクシーを拾おうか」
「どっちでもいいよー、私は」
この町に興味がない配偶者は、ワシの後をテクテクついてくるだけ。お気楽モードなのだ。
地べたはカチカチに凍っているけど、スノーシューズであるから、もうコケる心配もない(後でコケてたけど)。
と、駅に近い四つ角で、ワシらの目の前でタクシーが停まり、お客さんを下した。
そのタクシーのおっさんが、ワシのほうを見て「おいでおいで」をする。
窓をするする開けるので、とりあえずゆってみる。 -
「キャンニュスピークジャパニーズ ?」
顔をしかめる。そうかダメか。
「イングリッシュ?」
やっぱり「ノー」とゆわれる。うーむ。
ここで鯨旅の必携、大判のノートとペンが登場する。
ガイドブックの「石窟庵」「仏国寺」「大陵苑」を指さし、かつ、新慶州の駅を指さし「新慶州、15:30」と書いてみる。
「イエス、オーケー」
このおっさん、「いえす・のー・おーけー」くらいは言えるらしい。
つまりはワシレベルだな。なんとかなるな。
ガイドブックをカンニングすると、慶州におけるタクシーのチャーター料は、半日8万ウォン、終日14万ウォン、とある。
交換レートは1000ウォン75円前後だから、一日乗って1万円か。
日本ならバカ安だけど、当地の体感物価は、日本の半分以下である。なんとなーく、4割くらいだ。
それに今はシーズンオフ。
であれば、ここは強気に出るべきだろう。
ノートに「50,000」と書いてみる。
とんでもない、とおっさんは顔をしかめ、「120,000」と書く。
お。良心的ではないか。ガイドブック相場に沿った価格である。
このおっさんは信用できる。
「60,000」
ワシが書きなおすと、ペンをとっておっさんが書く。
「100,000」
書きながら、時計を指さし、ナイン、テン、と指を折り、7本まで数えてみせる。
7時間拘束じゃないか、とゆっているらしい。
それもそうだ、と納得し、10万ウォンで握手する。 -
荷物をトランクに詰め込み、最初に石窟庵を目指す。
市内から20キロ。山の奥まったところに鎮座する、新羅の石仏だ。
凍った山道をくねくねと登っていき、到着。
立派な門をくぐり、山道を10分ほど歩き、石窟庵にしてたどりつく。
天気はいい。風は少しあるが快晴。
お客さんはパラパラで、お土産屋さんがヒマそうだ。 -
作家の宮脇俊三は、今から20年前、この石仏を訪ねている。
そのさい、案内してくれた韓国人から「これはニセモノです」と言われ、ガッカリしたそうな。
よってワシも疑いのマナザシで見るのだが、新羅仏らしい、ぽってりとした大顔で(百済は細い)、それなりにオーラが出ている。
「古仏」という感じではないが、クレンザーなんぞで洗えばこのくらいはキレイになりそうだし。
--本物だと思うよ、宮脇さん。
と天に向かってつぶやく鯨の味噌汁53歳。 -
お賽銭を上げ、石窟庵を出る。
冬の日差しの中、はるばると眼下に慶州の町が遠望できた。
狭い平野の真ん中に河が通り、その両岸に町が広がる。そして町の周囲には低い山がある。
さらにその奥に、幾重にも青い山脈がつらなる。
うむむ。
この景色、どこかで見たがな、と思う。
「おお、平泉ではないか」
昨年の秋に、中尊寺金色堂から見た平泉の景色と重なった。
さらには、昔よく訪ねた、奈良盆地にも似ている。
生駒から奈良を望むと、ちょうどこんなかんじだった。
奈良は仏教文化が日本で最初に花開いた土地。
平泉はそれから500年の後、仏教がはるばる旅してたどりついた、いわば「終点」だ。
仏教は太平洋を越えることはできなかったから、平泉は、正しく東の果てなのだ。
そこから先に、もう道はなかったのだ。
日本ってのは、ホントに世界のハジッコの、そのまたハジッコだったんだな。 -
ちなみにこれが中尊寺の境内から平泉の町を望んだ写真。
ね。なんとなく、上の写真と似てるでしょ。
韓国語と日本語が歴史の上で分岐したのは6000年ほど前だそうだ。
最初にコトバが海を渡り。
それから、そのコトバのルートをたどって、稲作が海を渡り。
それからまた、同じルートで、仏教が海を渡ったわけだ。
そして仏様は、慶州・奈良・平泉とゆう、まるで兄弟のようによく似た土地に、居を構えた。
それはきっと、偶然ではないんだろうな。 -
ふと、ヤマトタケルの辞世の歌が頭に浮かぶ(⇒ここら辺は司馬遼太郎ふうに)。
古代の王子は、奈良盆地を目前にした峠道で、こんな歌を詠み、みまかったのである。
「やまとは くにのまほろば たたなづくあおがき やまごもれるやまと しうるわし」
現代訳すると「大和ええとこ一度はおいで、酒はうまいし姉ちゃんはきれーだ」とゆう感じであろう(じぇんじぇん違うがな)。
それはともかく。
「この景色、ヤマトタケルの歌そのまんまじゃないか」
と意味不明にコーフンする鯨であった。
そういう話にまるで興味がない配偶者は、凍った足元を気にしつつ、ワシの前を退屈そうに歩いていたけどね。 -
石窟庵からタクシーで下って、仏国寺を目指す。
入場券を買っていると、入口で、赤ら顔のおじーちゃんから、きれいな日本語で声をかけられた。
「きょうは寒いですよ。今年一番の寒さですよー」
ああやっぱり。
「よろしければガイドしますよー」
名刺を出してくる。「名誉日本語ガイド」の肩書。申さん。ふむふむ。オサルさんかぁ。
「オカネはいりませんが、ガイドの後で、私のお店で買い物してください」
少し下ったところで青磁器の店をやっているのだという。
観光客が少ない時期は、がんばって、個別営業しているらしい。
うーん、青磁かぁ。なんだか高そう。
でも、旅に出たら記念のウツワをひとつは買うものな。
とゆうわけで、話に乗ることにした。(申さんにとって、本日唯一の獲物かもしれん) -
「この本殿は加藤清正に焼かれまして、再建しました」
ぎょぎょぎょー。いきなりその話から入るのか。
「すみませんすみません」
なんで謝ってんだよワシ。
「あははは、仕方ないです、ここに兵舎があったんです。加藤清正も、むやみに焼いたわけではありません」
それにしても韓国は、正しく受難の国だ。
西から漢族、北から女真・モンゴル、あげくの果てに日本からもワーワー海を渡ってやってくるし。
そのたびにローラーでつぶされるように全土が戦火につつまれ、歴史は灰になった。
一番最後の戦争は朝鮮戦争だ。これは戦線が半島を一往復したから、全土があまねく戦火に包まれた。
配偶者が説明を聞きながらつぶやく。
「だから歴史はあっても、古い建物はないんですね」
「はい。みんな燃えてしまいました。一番燃やしたのはモンゴルです。6回もきました」(⇒日本もそれくらい来てる気がする)
申さんはあくまで明るく言う。
そのたび国の歴史を残すために、がんばって再建したのだという。
奈良の法隆寺は「世界最古の木造建築」だったな。
島国の日本は、7世紀の木造建築が残るくらいに平和な国なんだ、と改めて気づく。 -
境内の仏様は、みんないい顔をしていた。
やっぱり、どすんと顔が大きい、新羅の仏だ。
野田前総理を思い浮かべていただければ近似値とおもわれる。(あの人、ものすごく顔が大きかった)
が、飛鳥大仏のような古色はない。表面には、いずれも美しい金や丹がほどこされている。
本来、仏像というのは、こういうものなんだろうな。
仏教が最初に伝わったとき、当時の日本人は
--仏のみかお「きらきらし」
とビックリした、と日本書紀にあるもんね。
「きらきらし」てなんだよ、ヘビメタかよ、宝塚かよ、なんて思ってたけど。
つまり仏教は「うっわー、はっでー」という感じの、華やかな宗教だったのだろう。
青年皇族だった厩戸皇子も「お、なにこれ、かっこいいじゃーん」なんてゆってたのかもしれん。 -
満足し、仏国寺から下り、約束通り申さんのお店へ。
ここからは申さんの「営業ターーーーイム」なのであるが。
申さんは奥でお茶などをノンビリすすっており、奥さんが一生懸命、高めの青磁やら紫水晶やらを、配偶者に薦めるのだった。
どうやら夫婦で「狩猟班」と「料理班」を分業しているらしい。
ふと、ヒマそうにしている申さんに尋ねる。
「入口で、いきなり日本語で話しかけましたよね。なんで日本人だと思ったんですか」
「わかりますよぉ、服装が違いますもの」
いやいや、そんなはずはない。
ワシは海外ではまず日本人に見られず、(若いころから一貫して)韓国人に間違われることが多い。
服装だってダサダサのコーデュロイのズボンに毛糸のキャップに綿入りのボロボロジャンパー。
なんとゆうか「極東ファッションの最底辺」ともゆうべき服装センスである。
こんなどんくさい日本人はおらんと思うぞよ(自分でゆうなよ)。
申さん、ようやく白状する。
「ご主人は韓国人だとおもいましたが」
ふむふむ。
「奥さん見て、日本人だとわかりました」
なーんだ、コイツの顔でばれたのか。さすが原日本人・縄文系だけのことはある。
「確かに、このテの顔は韓国にいませんよねぇ」
と、深々とうなづく鯨であった。
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この旅行記へのコメント (5)
-
- usagiさん 2014/01/22 12:22:48
- はじめまして
- 3月にソウルに行くため、1泊まだ行ったことのない場所へ行こうと思い、カスピ海さんの慶州の記事からきました。
参考までに教えていただきたいのですが、申さんと会ってガイドをしてもらいお店に行った場合、商品はいくらくらいでしたか。
ガイドをしてもらいたいのですが、高いものは買えないので・・・。
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2014/01/22 12:47:13
- RE: はじめまして
- usagiさん
こんにちは、ご訪問ならびに投票もいただきありがとうございます。
> 3月にソウルに行くため、1泊まだ行ったことのない場所へ行こうと思い、カスピ海さんの慶州の記事からきました。
> 参考までに教えていただきたいのですが、申さんと会ってガイドをしてもらいお店に行った場合、商品はいくらくらいでしたか。
> ガイドをしてもらいたいのですが、高いものは買えないので・・・。
配偶者が紫水晶の加工品を薦められてました。
価格は1万円くらいからだったと思います。
「ソウルだったらもっと高いですよー」
と一生懸命説明されましたけど、ちと高いよそれ、とゆう感じでした。
ちなみに青磁なんかはもっとドッと高いのが置いてますけど、そもそも買えるわけないです、3万とかからですから
そもそも店内の価格がウォンではなく円でした。ウォンだったらよかったのに、と思いました。
- usagiさん からの返信 2014/01/23 20:44:17
- RE: RE: はじめまして
- 鯨の味噌汁さま
返信、ありがとうございます。
> 配偶者が紫水晶の加工品を薦められてました。
> 価格は1万円くらいからだったと思います。
紫水晶の相場がわかりませんが、興味もないし1万円もだせません・・・。
韓国のり5千円分だと買えますが。
参考になりました。
ありがとうございました。
-
- tabinakanotaekoさん 2013/06/22 00:07:52
- 申さんとのやりとり
- 鯨さん、
申さんの写真は無かったのでわかりませんが、
私も同じ条件で案内をしてもらいましたから、同じ方だったのでしょね。
「どうして日本人って分かったのか?」というクジラさんの質問に拍手です。
申さんの正直な返事もふるっていましたね。
奥方のお写真はときどき拝見できます。可愛いかたです。
クジラさんもたまには出ておいでになってくだしゃりませ。
Taeko
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2013/06/22 13:53:17
- RE: 申さんとのやりとり
- Taekoさん
> 私も同じ条件で案内をしてもらいましたから、同じ方だったのでしょね。
網張ってますよねー、入口で(笑)
でもって、お土産物屋さんが高いんだこれがまた。
しょうがないから買ったけど。ソウルのほうが安かったりして。
でもまぁたのしーガイドだったからよかったけど。
>「どうして日本人って分かったのか?」というクジラさんの質問に拍手です。
>申さんの正直な返事もふるっていましたね。
ワシ、北方民族顔。彼女は南方顔。
ミックスのペアなんで、日本にしかいない「つがい」だと思われたんでしょうねぇ。プロは違いますナ。。。
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