北京の一日、Ａ君との出会い：9日目

2012/09/18 - 2012/09/27

９日目：９月２６日（水）：晴れ


北京の一日、Ａ君との出会い


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２０１２／平成２４年９月２６日（水）

北京「首都大酒店」にて

昨日は雨にたたられたが、今日は晴れのようでホッとする

４階の窓から前門東大街を写す



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■北京の朝

いつものように６時に起き朝風呂に入って心も身体も覚醒させ準備万端、出かける準備をする。

今日も朝からＣＣＴＶは尖閣問題で喚いている。それとロシアの中古空母の「交接入列儀式」なる様子を放映していた。朝食もないので、果物を部屋で食べた後気合を入れて、午前７時２０分頃部屋を出る。

エリア 張家口(中国)

ロシアの中古空母の「交接入列儀式」

お前らに命を賭して戦う気概はあるのか？
機会の平等なき国民が
率先己が命を投げ出せるってのか？

首都大酒店

Ａ楼（五星）に正面玄関がある

Ｂ楼（四星）は右側はずれ
なるほど差をつけてこその料金だ

午前７時３５分、故宮or人民大会堂へと人波は続く

一体この人たちは何時に起きて此処に出向いているのだろう？

やはりここは聖地なのか？

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■“東交民巷”を歩き、行き先は天安門広場へ。

今日も朝早くから全国各地から故宮詣でなのか？中国人団体旅行者の人の波が続いていた。午前７時半にこんな行列で、ここを歩いているということは、相当朝早くから起きてここに来たのだろう。故宮ではなく人民大会堂に入って行く中国人が長蛇の列を作っていた。空は青空雲一つない晴天気、それに明日は帰国なので気分も爽快！これがいつもの私のパターン。「そんなんで何で来るの？」と言われそうだが・・・。

８時前には、あちこちにある検問を通り抜け、天安門を潜った。今日も制服の警備員と並んで、ジーンズ姿の若い警備員があちこちに突っ立っている。こうやって一見して分るように私服の警備員を立たせているのは、人混みの中にも沢山紛れ込ましていることことを暗に示唆したものだろう。法輪功・新疆ウィグル・チベット・内蒙古・他、反政府活動を押さえ込むには軍事予算よりも多くの治安維持予算が必要な支那共産党の現実がある。

天安門を潜れば武装警官の部隊官舎があり、訓練する人工芝の広場もある。そこで朝から整列したり行進したりの訓練が行われている。若者にとって武装警官というのは憧れの職業なのかどうなのか？しばし訓練を見ていた。この部隊の前には「天安門国旗防衛隊」と書かれた看板があった。

胡錦濤から習近平へ・・・か

中国共産党の崩壊はいつのことなのか？

どうせなら生きているうちに見たいものだが

ソ連崩壊はあっけなかった
ドイツ統一もあっけなかった

天安門を潜ったところの広場が訓練場

人工芝で行進・整列等々の訓練がある

武装警官は狭き門なのか？若ければ良いのか？
とにかく解放軍・武装警官等々山ほどいるように思う

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2012/9/26/天安門国旗防衛隊

http://youtu.be/GEgUbs0kIRM

１９４９年、昭和２４年１０月１日
　この天安門で毛沢東が建国宣言をした

ここは象徴的な場所で
反政府パフォーマンスは厳禁だ


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■天安門に登る

私の今朝の目的は、１９日に警備にイチャモンを付けられ登れなかった天安門に登ることだ。この門には２００２年に登っているので今回１０年ぶりになる。８時半前回と同じように検問はあったが、すんなり入れた。門の上から見る広場は、これぞ中国共産党の聖地であることを感じさせる。と言うのも何かにつけて、ここでパレードをし、この門上で毛沢東はじめ首脳陣が居並ぶ姿を何度も映像で見ているからだ。

私の意識では「中国共産党」イコール「天安門広場」である。建屋の中には土産物店があり、写真の展示もある。「?勿?像照相。」（写真を撮らないで下さい。Qǐng wù shèxiàng zhàoxiàng.）の看板があったが誰もお構いなしに写真を撮り、警備員も注意しない。昔の広場の様子が興味深かった。義和団鎮圧に来た八ヶ国連合部隊が１９００年８月１５日、天安門「牛門」に到着した写真もあった。

天安門の前に並んでピンクのシャツにサングラスの若者が等間隔で立っているのがなんとも面白い。この象徴たる天安門の上で何か反共産党的パフォーマンスでもされることを心底危惧しているのだろう。

その極度な警戒心を隠すためにピンクのシャツを着せて誤魔化そうとするのがこの国の実態だ。もしかしたらこの優男たちも、いざと言う時は簡単に人をも葬る訓練と許可を受けているのかもと思う。何でもありの独裁国家には正義の欠片もない。あるのは権力維持だけだ。

中国共産党独裁国家は、１９４９年に建国されて２０１２年の今年でたかだか「比我大一歳、私より一歳年上」の出来立て国家だ。支那大陸の歴史は易姓革命の繰り返しの歴史であり、前王朝との血統の繋がりはなく前王朝を倒して新王朝を作る繰り返しだ。

それも同じ民族ではなくモンゴル・満州族といったように全く同一国家としての継続性はない。支那大陸という場所は変えようがないが、国の統治者も国名も次々と変わっていく。

いずれ今の国も時を経て消えてしまい、新たな権力者が新たな国を作る。出来て６３年、元が９７年だからもうすぐ崩壊してもおかしくないし、あと二百年続くかも知れない。その昔、元が日本に攻め込んできたように、力を付けた中華人民共和国が日本に侵攻の野望を抱くのは至極当然だ。

それに備える気はあるのか？無いのか？が今の日本人に問われている。無論たった６３年の国に２６００年以上紛れない血統で続いた万世一系の国体を有する日本が牛耳られることは何があっても防がねばならない。最早尖閣で戦いは始まっている。議論の余地も何も無い。いかに戦い守るか、その覚悟と戦略と、それを着々と実行することだけが求められている。

天安門を堪能し、ホテルへと向かった。

2000年0月0日、本日を持って中国共産党の解体を宣言する

今から６３年前国が成立した
まだ国としては出来たてだろうけど

元も1271年から1368年、９７年間で明に代わった
支那大陸の歴史を思い起こせばいつ崩壊しても不思議ではない

内部は写真の展示や土産物コーナーがある

そこそこ広い

写真は撮るな

といっても誰も言うことを聞かず
警備員も注意せず、この看板も
この国の文化を表す展示品なり

かくいう私も「郷に入っては郷に従え」
を実践したけど・・・何か文句でも

１９００年８月１５日

八ヶ国連合軍入城

１９４９年２４年１０月１日
毛沢東の建国宣言

天安門での反政府活動を監視する警備員

お揃いのピンクシャツは何を意味する


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2012/9/26/天安門に登る

http://youtu.be/dV6HPg8cbLk

変わらずごったがえす天安門付近

中国版「セグウェイ」に乗る警察官

とにかくやたらにいろんな制服で警備している


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■天安門広場は野外中国警察展示場

中国の警察と言ってもやたら沢山有って、制服も違う。大別すれば「公安警察」と「武装警察」ということらしいが、公安警察の中にも交通・刑事・生活・国民管理・外国人管理等々沢山あるようだ。それらの公安・武装警官が一堂に会するのがこの周辺だろう。天安門広場と言うのは中国警察展示場のようなものだ。

中国得意の米国発のパクリ製品、立ち乗りスクーター「セグウェイ」に乗ってる警察官もいた。警察犬部隊もいた。それらを見ながら、又“東交民巷”を通ってホテルに戻る。

警察犬まで常時用意して警備に当たるのは

それだけいろんなことが起こっているのだろう

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2012/9/26/天安門前の警察風景


http://youtu.be/ee5WIUTi7HI

工商銀行で両替しようとしたが
私の前の“オバチャン”が大金の両替だった
白壁の手前

１００元の札束を山ほど積み重ねて
数えるだけで待ち時間がうっとうしく
ここでの両替を諦め外に出た



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■最後の両替

ホテルに戻り、次の訪中に備えて最後の両替をしようと、１９日に行った工商銀行に入った。手続きをして窓口で待ったが、次の番になった時に、“オバハン”が大金の両替のようで延々と金の束を銀行員が数えだした。

偽札横行の危惧があってなのか最高が１００元（￥１，３００円相当）の紙幣しかないので、金額に寄ってその枚数たるや半端ではなく、待つのを諦めて首都大酒店で両替しようと銀行を出た。そしてホテルのフロントで両替を頼んだら、な、な、なんと自動両替機なる物がホテルに一台置かれていた。服務員に「両替はあれで・・・」と示されたが使用方法が分らず、教えを乞う。そしたら何と簡単に身分証明も何も不要で、１万円札を二枚入れてボタンを押せば元が出てきた。

最初の両替は“東交民巷飯店”で「７７５元」、二回目は工商銀行で「７７７元」、そしてこの自動両替機は「７８３元」、でもこの機械の手数料が「一万／１０元」のようだから「７７３元」となるから、やはり三件の比較では工商銀行が若干お得と言う結果だった。でも簡単さを考えればみんなそれなりだ。損は無い。

首都大酒店の自動両替機

めちゃ簡単、すぐに出てくる
初めて使ったが驚いた
日本にもあるのだろうか？

ホテルロビーの喫茶コーナー

ここでＡ君とお茶を飲みながら
まず今日の段取りを話す


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■Ａ君との再会

部屋に１０時半ごろ戻って準備をしようと思った時に電話があった。Ａ君から「昨日からこっちに来ています。今、ロビーに来ています。そっちに行きましょうか、ここで待ちましょうか？」と言うので「すぐ降りるからそこで待っていて」と言って電話を切り、散らかっている荷物を整理し、日本から持ってきたＡ君の頼まれ物を渡す準備してロビーに下りた。

Ａ君にメールで購入を頼まれたのは、「日本における陽明学の系譜」安藤 英男（著）、アマゾン中古書￥６００、送料￥２５０、計￥８５０円。「タバコ：MarlboroのMentholタイプ、￥４４０円」。この本が単行本ではなく、そこそこ大きいので面倒だった。それに最後の今日まで持ち歩かないと行けない。

それでなくてもバックはぎゅうぎゅう詰めなのに、それにタバコの箱が“へしゃげて”しまうし嵩も大きい、５個頼まれたが３個しか持って来ず、一個は丸一陣地跡に供えて来た。実はホントうっとうしい頼まれ物だった。

ロビーに行ったがＡ君の姿は見えず、表に出たりウロウロ探し回った。一体どこに行ったんや？と思っていると、飄々とした顔で正面喫茶コーナーから出てきた。「こっちから出て来ると思って待っていました」とＡ君はＡ楼からの通路に正対して座っていたそうだ。

私はＢ楼から来たから出会えず互いに姿も見えずだった。この５月１日、一年間の日本のＫ大学大学院への公費留学を終えて天津行きの船で帰国するＡ君を神戸で見送って以来の再会である。

年齢３７歳、既婚、子供まだ、身長１７０、体重８５キロの堂々とした身体強健頭脳明晰の青年だ。

まずさっきまでＡ君が座っていた喫茶コーナーでコーヒーを頼み、ひとまず頼まれ物を手渡し、近況を語り、今日の段取りを相談した。私の今日の目的は奈良のＭさんに頼まれた「夜光杯、Yèguāng bēi」の購入と、反日騒動渦中、厳戒態勢の日本大使館の様子を見に行くことだった。

夜光杯購入の相談も、ここで初めてＡ君に持ちかけたが、早速Ａ君は重慶にいる奥さんに携帯メールをして、奥さんがパソコンでネット検索して折り返し教えてもらうという方法で探してくれた。それによって行き先が決まり出かけることになった。

日本大使館の隣はフランス大使館


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■日本大使館に向かう

まず最初に日本大使館に向かった。大使館の場所も１９日ガイドが間違ったように、私が移転したと言っているのに、Ａ君は「ここだ」と思い込んでいたようで地下鉄に乗って案内してくれたのは移転前の場所だった。

移転先が分らないので奥さんに電話で聞いて、その度に奥さんがネット検索の上、折り返して教えてくれる。結局、１９日と同じ間違いをし、タクシーで日本大使館に向かった。私が北京に来た９月１８日は満州事変勃発の契機となった「柳条湖事件」（1931年：昭和6年9月18日）の日であり、その時の北京日本大使館周辺は大変だったようだが、今日も警戒は厳重だった。日本大使館前は二重のバリケードで封鎖され、その間を一応人は通れるが誰一人歩く者なし。

「北京市亮馬橋東街1号」の日本大使館、西隣はフランス大使館が並んでいる。私は、Ａ君に「大使館に入ってくる」と言ってＡ君と別れ、フランス大使館の前を通って、二重のバリケードの間を歩いて日本大使館に向かった。道路を隔てて南側は、人は普通に沢山いるが、日本大使館前はバリケードの金網越しなので警備の武装警官の姿は近くで目を凝らして見ないと分らない。

不気味な静けさのなか、ビビリながらデジカメを構えて時折シャッターを押しながら歩いた。金網フェンス越しに警官に「写真は撮るな！」と言われるかもと思っていたが、何もなく、「なんやコイツ」くらいに見ていたのだろう。私は日頃ビビリだがカメラを持つと報道カメラマンになった如く少し大胆になれる。

大使館の正面玄関には、左右に警備室があり、まず右側の武装警官の居るほうから当然のように「何の用事か？」と聞かれた。「私は日本人だ。大使館を見学したい。中に入れてくれ」と言ったら、「少し待ってください、聞いてきます」と言うようなことを言われ待っていた。

今度は左側のすりガラスの向こうから、はっきり顔は見えないが“おっさん”が直接ではなくマイクを通しての声で、「今日は休みですので見学は出来ません」と嘘八百で断られた。「水曜日なのに何が今日が休みだ」、私と日本語で応対したのは中国人だ。日本人職員は誰も出てこない。そして写真を撮っていた私に対して、その“おっさん”が「写真はこんな時期だからやめて下さい」と制止された。

まあこんな時に「見学」と言って入ろうとする日本人など大使館も入れたくないだろう。日本人だと言ってもどんな輩か不明だし。「直接日本人職員に話がしたい、困っていることがある」といえば入れたと思うが、そこまで演技する勇気もなく、ここまで来たことに満足し緊張感を楽しんで戻った。

しかしこの大使館に売国大使：丹羽宇一郎がいると思うと腹立たしい。つい一ヶ月前の8月27日、大使の乗った車のフロントに立てていた日本国旗を暴漢に易々と取られている。それを恥辱とも国辱とも思わぬ大使など何の威厳が保てよう。

恥を知れ！昔なら切腹ものだろう。こんな“へたれ商人”が外交の表舞台に出ることが今の民主党政権、日本の無様さを表している。それを選んだのは愚かな国民だ。私は民主党になど投票していない。自民党も糞だが、それでも民主党よりマシだから。

フランス大使館前は金網バリケードはない

しかしズラーと警察車両が
日本大使館前まで隙間なく並んでいる

異様な光景ではある

日本大使館前の通路は二重のバリケード

人が通れるよう通路はあるが歩く人なし
左側の金網の向こう側に武装警官が
間隔をあけて立っていた

写真を撮りながら歩いても文句言われず

北京：日本大使館

ここに売国国賊大使：丹羽宇一郎がいるのか？
商人道すらなき商人に国の誇りも名誉も守れない

中に入ろうと思ったがダメだった

私以外に武装警官以外、人っ子一人いず

歩く者なし

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北京「日本大使館」前にて

http://youtu.be/FLUrm4R7NdU

この通りは

ほとんどと言って良いほど日本料理店が並んでいた



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■日本大使館の近くで昼食を

Ａ君が対岸から大きな声で。「ここで待ってますよ」と日本語で呼びかけてくれた。また二重のバリーケードの間を歩き対岸に戻る。この辺りは日本大使館が移転して来たからなのか、それとも元々大使公邸があったので以前からなのか、多くの日本料理店が並んでいた。

日本料理の店と言ってもオーナーは、日本人とは限らないだろうが店は競うかのように反日横断幕を掲げていた。その一画にある中国料理店に入り午後2時の遅い昼食となった。Ａ君が頼んでくれた料理は美味かった。

日本料理店ではない店に入る

中国料理の店

Ａ君が頼んだ料理はみんな美味しかった

国旗が暴漢を防ぐ守り神か？

警察官自らが暴漢に扮し自作自演の暴動を起こす
こんなつまらぬ国に生まれず良かった、ホンマに難儀な国だ

国旗を掲げお許しを乞う姿か、惨めなものだ

潘家園舊貨市場

いかにもここなら中国の工芸品なら
何でもあるだろうという雰囲気の市場だった



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■夜光杯を買いに

目的の一つは達成し、次に夜光杯を買いに行く

夜光杯はホテルの売店で聞いたら「王府井にある」と言われたので、Ａ君にもそう言ったが、Ａ君は「専門店街があるのでそこなら必ずありますよ」と自信たっぷりに私を案内してくれた。タクシーで行ったが、Ａ君も初めて行くようで降りたあとも、あっちで聞きこっちで聞き、やっと辿りついたのが「潘家園舊貨市場」というところだった。

成るほど一見して、ここなら夜光杯もあるだろうと思える市場だった。というより中国の工芸品ならなんでも揃うだろうぐらい多くの店がひしめき合っている。骨董品・工芸品・その他興味のある人にとっては、一日いても全部は見れない。早速、それらしき店に入ってＡ君が「夜光杯はどこにある？」と聞いてくれたが、品物は知っているが「ここには無い」と一蹴された。何人聞いても返事は一緒。

あれだけ自信満々に、Ａ君は私を案内してくれたが夜光杯はなかった。そこでＡ君は、また重慶の奥さんに電話をかけて王府井のどこの店に売っているのか、ネット検索を頼み、その店が分った。頭脳明晰のＡ君にしては、いささか遠回りだったが彼は淡々として慌てず騒がず、場所を特定しその店に電話して夜光杯があることを確認してくれた。

誰に聞いてもあっさり

「夜光杯はここにはない」

だった

夜光杯は王府井の

「工美大厦」４階に売っていた

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■王府井で夜光杯を購入

そして地下鉄で王府井に行った。北京の地下鉄は料金が一律２元なので切符を買う時、降車駅を探す必要は無いのが便利だった。王府井で目的のビル「工美大厦」を見つけて迷わず４階へ。このビルは名前のようにビル全部が専門店のようだった。夜光杯の店はすぐ見つかり、Ａ君も電話でこの店の主人と話していたので、互いに前置きなく早速現物を見た。

陳列棚の奥に、箱に入った夜光杯があった。二種類あったが、メーンは１０個入りの夜光杯、価格は￥４００元（￥５，２００円）。ついでに２個入りのも買った。価格は￥１４０元（￥１，８２０円）。どっちが良いのか？一個辺りの単価は二個入りの方が高いけど。値打ちは良く分からない。二つで計５４０元だが、やはり中国での買い物はどこでも一応値切らねばならない。「二つで５００元にして」と言ったら、ちょっと考えるふりしてＯＫだった。

実はこの夜光杯、日本で旅行前にネットで購入していた。もし見つからなかった手ぶらで帰らなければならないしと思って。私にはそんなええ加減なところがある。帰国後その三つを持ってＭさんにちゃんとお渡しした。日本で買ったのは、二個入り￥５，５１３円。やはり現地購入の方が断然安い。

１０個入りと同じ品物のように思うから。１０個￥５，２００円と２個￥５，０００円、１個￥５２０円ｖｓ￥２，５００。ならば、ほぼ「五分の一」とはこれいかに？

このビルも工芸品専門のようだった

客は少なかったけど・・・。

この陳列棚に夜光杯が置いていた

種類も少なく、品物としては希少なのかも

無事に購入できてホッとした

楽天ショップで旅行前に買っていた夜光杯

箱入り二個￥５，０００円
消費税：送料、計￥５，５１３円

やはり王府井で買った方が断然安い

王府井の「東来順飯庄」

この店はイスラム教徒が作ったので
当然豚肉はご法度、「羊肉しゃぶしゃぶ」の店

http://japanese.china.org.cn/travel/archive/shinise/2007-08/22/content_8728183.htm



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■王府井で豚しゃぶ鍋を食べる

これでひとまず今日の北京の一日の目的は達成した。ちょっと歩き回って移動疲れもあったので、露天で氷入りジュースを飲む。冷たくて胃袋と頭がしびれた。Ａ君とは、歴史・戦争・政治・どんな話題でも彼は、何でも良く知っているので話は尽きない。それも日本語ですらすら話せる。英語力は大学で英語を教えていたくらいだから「TOEIC」は軽く９００点を超えるようだし、語学力は素晴らしいの一語に尽きる。

将来は中国語・英語・日本語を生かして、日本の為に働きたいという意思を持っている。私から見たら不思議な青年だ。正論「談話室」の投稿仲間として知り合った縁だが、自らを日本人と称し日本を叱咤激励する過激な論文で、スパイ扱いをされながら皆を驚かせていた。実際に出会えば過激な文章とは違って「おおらか天然系・マイペース」で、日本留学中も“Ａ叔父さん”とのニックネームで同宿の中国人留学生仲間に信頼され人気があるということが良く分かる。

北京でのＡ君の様子も、誰にでも気軽に話しかけ、どこでも人気者になる要素を持っている。私にとってはまだまだ不思議な中国人青年で、一体彼がこの先、どんな道を歩み活躍するのか？気になる存在であり是非とも成功してもらいたい。帰国後もらったメールの末尾の一文だけでもＡ君の人柄の一端が察せられると思う。



９月２８日、Ａ君からの返信

今後とも、正義のため、日本の尊厳と国益のため、かつ自分の信念を貫き○○さんの期待に応えるように、ご激励と諭しを胸に受け止めて、一層の奮励と活躍をお誓いします。そして、願わくば、これから二、三年間のうちに、広くて自然的歴史的な興味深い場所に数多く恵まれる重慶へ、また遊びに来てくださいとお願い申し上げます。今度こそ、きちんと、此方の地主たる情誼を尽くさせて頂きたいと強く望んでおります。

最後になりますが、前に紹介を申し上げたいくつの面白い人物や文章をお探しする際に、便利に探すために、ここに簡単にその相関するリンクを提供させてご一助になれればと思います。

1．雲井龍雄の「討薩檄」とその人物
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%8E%E8%96%A9%E6%AA%84

2．村上一郎の人物紹介
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%91%E4%B8%8A%E4%B8%80%E9%83%8E

3．以前も紹介いたしたが、ご印象が薄まったので、もう一回のご紹介したい読み応えのある「ヒトラーの日本観」
http://inri.client.jp/hexagon/floorB1F_hss/b1fha506.html

4．最近「最右翼勢力」に改名したばかりの元・「極右勢力」
http://blog.livedoor.jp/samuraiari/

写真の通り

満員御礼待ち客多し
あきらめて出る

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露天で椅子に腰掛けジュースを飲みながら話しをしていたら、あっという間に一時間が過ぎ、午後７時前になっていた。最初はＡ君が以前勤めていた学校近くの店に行くつもりだったが、この王府井で食事となった。そして休憩していた目の前にＡ君お勧めの「東来順飯庄」があり迷わずそこに入ったが空席待ちの人が沢山いたので別の場所を探す。

そして入ったのは「王府井餐食広場」というところ。地下だったと思うが広場と言う名前のようにいろんな食べ物店が集まっている。その一画のカウンターだけの「しゃぶしゃぶ鍋店」に腰掛けた。野菜に豚肉で個々の鍋で食べる。ほぼ若者で満席状態。反日騒動渦中の北京王府井の食堂。Ａ君はまったく気にせず大きな声で日本語でしゃべりまくる。

私には周囲の若者たちの視線が気になった。実際わざとらしく私たちを睨みつけて来る若者もいた。そしてＡ君もそんな状況を感じているのかいないのか？私に斜め前方の若者たちをチラッと目配せし「あそこで小日本と、言ってますよ」と言う。

そして相変わらず我関せずとマイペースで、語り、美味そうに食っていた。筋トレをし８５キロの体格のＡ君は恐い者なしだろうけど、私は敵に囲まれた中で食っているようで落ち着かなかった。

「ここを出たら後を付けられるのでは・・・」と、その後の心配をしていたほどである。今になってみれば何のこともなかったが、若者の敵意ある視線にその場では、そんな思いがしたものだ。

そして１時間以上が経過し腹も満腹、大食漢のＡ君も注文した肉や麺が食いきれず、お持ち帰りをしようと店員にナイロン袋をもらって、それからゆっくり麺をゆがき、肉も全部袋詰めにして準備完了。そしてＡ君におごってもらった。

王府井餐食広場

広場と言うだけあって

いろんな食い物屋が一同に集まっている

こんな中でＡ君は大きな声の日本語で私に話しかける

反日暴動渦中の北京、その地下食堂にて
周囲に敵に囲まれ、私たちは睨まれていた

Ａ君はどこ吹く風と悠然と食うが
私はどうも視線が気になり居心地悪かった

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Ａ君のおごりでたらふく食う

味は良かったが、どうも気が気でなく
早く出たかったが・・・。

北京飯店

清朝時代から営業されている高級ホテル

ホテルを横目に二人で歩く



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■王府井から歩いてホテルに戻る

地下鉄の駅で言えば王府井から天安門東までは一駅。Ａ君がホテルまで付き合ってくれ歩いて首都大酒店まで戻り、朝も休憩した喫茶コーナーで又お茶を飲み（二人で８０元：高い）、いろんな話をした。Ａ君の話好きの人柄なのか、私も気が合うのか年齢差国籍を越えて不思議と話は尽きない。重慶の奥さんと別居しながら日本関係の博士号取得を目指して天津の大学で学んでいる。国費による養成なので毎月手当があるようだが、３７歳にして月￥２，０００元（￥２６，０００円）くらいだと言っていた。

大卒後、中国Ｎｏ．１の石油会社に就職し、エリート街道をそのまま歩んでいれば、今頃それなりの高収入を得ていただろう。Ａ君自身はその時々で迷いもあったはずだが、お金に頓着なく「飄々」と「溌剌」と、我が道を進んでいるのがその言動から伝わってくる。午後１０時前頃まで私が酒を飲めないので喫茶コーナーで語り合い話を聞いた。

文革によってＡ君を含めて家族の運命は大きく変わった。明日は異母兄妹の二十歳の弟とこの北京で出会うと言っていた。中国ではエリートの友人も多く、日本留学中も日本人なら誰もが名前を聞けば分る保守派政治家の御大とも出会ったり等々、Ａ君の話を聞いていれば面白い。

今は「河井 継之助」と「雲井龍雄」等々を研究し論文を書いているそうだ。

又機会あればの再会を約束し、Ａ君はしゃぶしゃぶお持ち帰りの二重のナイロン袋ぶらさげて去っていった。博士号取得なったら子供を作るのがまず第一だそうだ。夢が叶い成功を祈る！幾ら成功してもきっと「同じ顔」「同じ態度」で私に接してくれるそんな人間だと思う。

長安倶楽部

説明では

富豪たちが集う場所　北京・上海の高級社交クラブ

首都大酒店一階ロビーの喫茶コーナーにて

テーブルの上のナイロン袋がお持ち帰りのしゃぶしゃぶ
袋をぶらさげて去っていった。好青年とは彼のことか！

Ａ君の将来の成功を祈る！

いろいろあったけど

明日は帰国するだけになった
無事に目的を果たした達成感でホッと一息

いつも帰国前夜が一番心ウキウキ
こんな俺っておかしい・・・かも？？



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■終わり良ければすべて良し

反日騒動の渦中「９月１８日」に北京に来て、９日が過ぎたが、張家口・宣化といった地方都市でも反日横断幕があちこちに貼られ、直接的な危険は何もなかったが気分は良くなかった。でも今日の北京での一日、Ａ君との出会いで気分もすっきりした。

明日はいよいよ帰国、一応目的を達成しての帰国は、それだけでも気分は爽快だ。土産でもらった高級茶のケースは嵩張るので、箱をばらし中味だけを持って帰る。外観と中味、その際立つ差にこの民族の文化がある。

一言で言えば無駄が多過ぎる。何でも長所短所は裏表があると思うが、「見栄面子」の良いところとは何なのだろう？良い意味での「意地を張る」とも近いような気がするが、私の生き様は、できれば見栄面子と対極でありたい。

明日は北京発９：５５分なので、２時間前の８時に空港到着なら、ホテルを７時頃に出る。さあ我が家に戻ろう。