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平成24年(2012年)秋の臨時公開「まんだら堂やぐら群(逗子市)」が始まっています!<br /><br />期間:2012年10月6日(土)〜12月9日(日)までの土日祝日のみ<br />時間:10:00〜16:00<br /><br />平成26年度からの常時公開に向けて臨時公開期間が長くなった。<br />しかし、今年は秋が遅いために紅葉の時期と重なるのは公開最終週あたりがどうにか引っかかる程度か?<br />Webにある枝垂れ桜が見られるようになるまでにはまだまだ先の数年後だ。<br />入口奥の枝垂れ桜の巨木は忘れずに確認しておきましょう。<br /><br />逗子市ホームページ<br />(http://www.city.zushi.kanagawa.jp/syokan/syakyou/new%20bunkazai/nagoe/mandarado.pdf)<br /><br /> なお、この春からゴールデンウィークにも公開するようになったが、入口奥の枝垂れ桜(鎌倉界隈随一の巨木)の満開の時期とは外れてしまう。<br /> また、まんだら堂やぐら群は世界遺産の推薦書(暫定版)で唐突に構成資産8の「名越切通」にかっこ付きで「まんだら堂やぐら群」−表記は「名越切通(まんだら堂やぐら群)」−が追加されたが、同様に推薦書(暫定版)で唐突に構成資産1の「建長寺」にも(かっこ付きで)追加された「朱垂木やぐら群」、「覚園寺」に(かっこ付きで)追加された「百八やぐら群」とはおよそ性格が異なるやぐら群であると考えられる。<br /> 朱垂木やぐら群や百八やぐら群は武士や僧侶の墓とそれらのお祭りを行うお堂(岩窟寺院)がやぐら群を構成しているが、まんだら堂やぐら群にはお祭りを行うお堂(岩窟寺院)がなく、その代わりに曼荼羅堂が建てられていたのだろう。<br /> また、朱垂木やぐら群や百八やぐら群は上流階級の奥津城で、いわば、戸建住宅に相当する墳墓であるが、まんだら堂やぐら群は上流階級よりは下の階層の墓で、いわば、集合住宅(アパート)から思い起こされる集合墓地であろう。各やぐらの大きさが画一的であり、規格化されているのではないかとさえ思えてくる。弥生時代以降であれば、奥津城(墓)に生前の階級(地位や権力、財産)が反映されないことなど在り得ないことだが、ここまんだら堂やぐら群ではそうした差異がほとんど見られない。<br /> あるいは、そうした庶民クラスが埋葬されているために、江戸時代になると、大山詣に出かけた江戸町民が、名越切通の峠あたりから曼荼羅堂を参拝し巡礼古道を通って鎌倉中にある杉本観音などの古刹を巡礼し、金沢八景あたりも物見遊山して江戸の町に帰って行ったのであろう。<br /> また、まんだら堂やぐら群は4段からなっているが、現状では最下部1段目は地中に埋まっており、上部3段しか地表には出ていないのだという。4階建てアパートが3階建てになっているのである。何やら半世紀近く前になるが、新潟地震で4階建てアパートの1階部分が崩壊したのと似た話だ。新潟地震では、震災後に上部の3階部分を海に沈めて魚礁(魚のアパート)にしたのだが、そのことを思い出してしまう。<br /> 1階部分が埋没したままで、集合墓地の観を呈するまんだら堂やぐら群を世界遺産の構成資産とするのは手抜き過ぎはしまいか?4階全て、やぐらが4層に積み上がっている風景、を目の当たりにすることで集合墓地であることが誰でも実感できるはずだと思う。<br /> 鎌倉に残る2000とも5000あるとも言われるやぐらを吟味して朱垂木やぐら群、百八やぐら群、まんだら堂やぐら群の3つのやぐら群が選ばれたのではなく、「武家の古都・鎌倉」を特徴付け、奈良や京都の古都には全くのところ存在しない「やぐら」がその違いを明確にしていると20年も経ってからようやく気が付いて、急遽、「やぐら」を鎌倉の世界遺産の構成資産に泥縄的に追加しただけであろう。<br /> 「まんだら堂やぐら群」の平成24年(2012年)秋の臨時公開に訪れたら、こうしたことにも気付き、鎌倉に残る他の多くのやぐらややぐら群にも注目してもらいたい。<br />(表紙写真はまんだら堂やぐら群)

平成24年(2012年)秋の臨時公開「まんだら堂やぐら群」(逗子市)

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2012/03/07 - 2012/10/25

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

平成24年(2012年)秋の臨時公開「まんだら堂やぐら群(逗子市)」が始まっています!

期間:2012年10月6日(土)〜12月9日(日)までの土日祝日のみ
時間:10:00〜16:00

平成26年度からの常時公開に向けて臨時公開期間が長くなった。
しかし、今年は秋が遅いために紅葉の時期と重なるのは公開最終週あたりがどうにか引っかかる程度か?
Webにある枝垂れ桜が見られるようになるまでにはまだまだ先の数年後だ。
入口奥の枝垂れ桜の巨木は忘れずに確認しておきましょう。

逗子市ホームページ
(http://www.city.zushi.kanagawa.jp/syokan/syakyou/new%20bunkazai/nagoe/mandarado.pdf)

 なお、この春からゴールデンウィークにも公開するようになったが、入口奥の枝垂れ桜(鎌倉界隈随一の巨木)の満開の時期とは外れてしまう。
 また、まんだら堂やぐら群は世界遺産の推薦書(暫定版)で唐突に構成資産8の「名越切通」にかっこ付きで「まんだら堂やぐら群」−表記は「名越切通(まんだら堂やぐら群)」−が追加されたが、同様に推薦書(暫定版)で唐突に構成資産1の「建長寺」にも(かっこ付きで)追加された「朱垂木やぐら群」、「覚園寺」に(かっこ付きで)追加された「百八やぐら群」とはおよそ性格が異なるやぐら群であると考えられる。
 朱垂木やぐら群や百八やぐら群は武士や僧侶の墓とそれらのお祭りを行うお堂(岩窟寺院)がやぐら群を構成しているが、まんだら堂やぐら群にはお祭りを行うお堂(岩窟寺院)がなく、その代わりに曼荼羅堂が建てられていたのだろう。
 また、朱垂木やぐら群や百八やぐら群は上流階級の奥津城で、いわば、戸建住宅に相当する墳墓であるが、まんだら堂やぐら群は上流階級よりは下の階層の墓で、いわば、集合住宅(アパート)から思い起こされる集合墓地であろう。各やぐらの大きさが画一的であり、規格化されているのではないかとさえ思えてくる。弥生時代以降であれば、奥津城(墓)に生前の階級(地位や権力、財産)が反映されないことなど在り得ないことだが、ここまんだら堂やぐら群ではそうした差異がほとんど見られない。
 あるいは、そうした庶民クラスが埋葬されているために、江戸時代になると、大山詣に出かけた江戸町民が、名越切通の峠あたりから曼荼羅堂を参拝し巡礼古道を通って鎌倉中にある杉本観音などの古刹を巡礼し、金沢八景あたりも物見遊山して江戸の町に帰って行ったのであろう。
 また、まんだら堂やぐら群は4段からなっているが、現状では最下部1段目は地中に埋まっており、上部3段しか地表には出ていないのだという。4階建てアパートが3階建てになっているのである。何やら半世紀近く前になるが、新潟地震で4階建てアパートの1階部分が崩壊したのと似た話だ。新潟地震では、震災後に上部の3階部分を海に沈めて魚礁(魚のアパート)にしたのだが、そのことを思い出してしまう。
 1階部分が埋没したままで、集合墓地の観を呈するまんだら堂やぐら群を世界遺産の構成資産とするのは手抜き過ぎはしまいか?4階全て、やぐらが4層に積み上がっている風景、を目の当たりにすることで集合墓地であることが誰でも実感できるはずだと思う。
 鎌倉に残る2000とも5000あるとも言われるやぐらを吟味して朱垂木やぐら群、百八やぐら群、まんだら堂やぐら群の3つのやぐら群が選ばれたのではなく、「武家の古都・鎌倉」を特徴付け、奈良や京都の古都には全くのところ存在しない「やぐら」がその違いを明確にしていると20年も経ってからようやく気が付いて、急遽、「やぐら」を鎌倉の世界遺産の構成資産に泥縄的に追加しただけであろう。
 「まんだら堂やぐら群」の平成24年(2012年)秋の臨時公開に訪れたら、こうしたことにも気付き、鎌倉に残る他の多くのやぐらややぐら群にも注目してもらいたい。
(表紙写真はまんだら堂やぐら群)

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  • まんだら堂やぐら群。<br />4段構成でほぼ同一規格のやぐらが並ぶが、1段目は地中に埋もれているのだという。4段全部が見えて、初めて誰もがまんだら堂やぐら群が鎌倉に残る他のやぐらややぐら群とは明確に異なることが実感できるはずだ。<br />まんだら堂やぐら群のある逗子市は、フォアトラベルでは「鎌倉・湘南」ではなく「横須賀・三浦半島」に地域分が行われているが、鎌倉市域に隣接するところにある。

    まんだら堂やぐら群。
    4段構成でほぼ同一規格のやぐらが並ぶが、1段目は地中に埋もれているのだという。4段全部が見えて、初めて誰もがまんだら堂やぐら群が鎌倉に残る他のやぐらややぐら群とは明確に異なることが実感できるはずだ。
    まんだら堂やぐら群のある逗子市は、フォアトラベルでは「鎌倉・湘南」ではなく「横須賀・三浦半島」に地域分が行われているが、鎌倉市域に隣接するところにある。

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