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アウランガバード、エローラ、アジャンターの仏教遺跡をみて、何か日本と違う感じがします。<br />日本では仏教といえば、仏像ですが・・・・・<br />インドでは日本ではまったく見られない「ビール瓶」のようなストゥーパ(仏塔)が必ず見られました。<br />なぜでしょうか?・・・・<br />今回はこのストゥーパと仏像について、お勉強したいと思います。<br /><br />「ストゥーパ」はサンスクリット語で、「土を盛り上げたもの」を意味する言葉です。これが「仏塔」の意味に転嫁して現代インドで使われています。<br /><br />お釈迦さまが亡くなった後、残された弟子や信徒たちは、偉大な師への敬慕の念から、遺骨(仏舎利)を土に盛った塚に納めて崇拝の対象にしました。これがストゥパーの始まりです。<br />この時、お釈迦さまの遺骸はクシナーガルで荼毘に付されましたが、この遺骨の配分をめぐって争いが起こりました。<br />最終的には、8つの国に分けられたといわれています。<br /><br />その後、紀元前3世紀のショーカ王の時代には、インド各地に8万4,000ものストゥーパを建て、また高さ10mもある石柱をたて、表面に法(ダルマ)の教えを刻んだといわれています。<br />やがて、実際に仏舎利が納められているかどうかにかかわらずストゥーパはお釈迦さまの象徴の意味を持つようになりました。<br />またストゥパーにはお釈迦さまの弟子や高僧の遺骨が納められることもありました。<br /><br />現在、インドに残るストゥーパとしては、サーンチーのものが、原型をとどめているといわれています。<br /><br />上写真はその第1塔です。<br /><br />

インド悠久文明の旅13日間(13)仏教のお勉強? ストゥーパ(仏塔)と仏像

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2006/12/02 - 2006/12/14

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魅々

魅々さん

アウランガバード、エローラ、アジャンターの仏教遺跡をみて、何か日本と違う感じがします。
日本では仏教といえば、仏像ですが・・・・・
インドでは日本ではまったく見られない「ビール瓶」のようなストゥーパ(仏塔)が必ず見られました。
なぜでしょうか?・・・・
今回はこのストゥーパと仏像について、お勉強したいと思います。

「ストゥーパ」はサンスクリット語で、「土を盛り上げたもの」を意味する言葉です。これが「仏塔」の意味に転嫁して現代インドで使われています。

お釈迦さまが亡くなった後、残された弟子や信徒たちは、偉大な師への敬慕の念から、遺骨(仏舎利)を土に盛った塚に納めて崇拝の対象にしました。これがストゥパーの始まりです。
この時、お釈迦さまの遺骸はクシナーガルで荼毘に付されましたが、この遺骨の配分をめぐって争いが起こりました。
最終的には、8つの国に分けられたといわれています。

その後、紀元前3世紀のショーカ王の時代には、インド各地に8万4,000ものストゥーパを建て、また高さ10mもある石柱をたて、表面に法(ダルマ)の教えを刻んだといわれています。
やがて、実際に仏舎利が納められているかどうかにかかわらずストゥーパはお釈迦さまの象徴の意味を持つようになりました。
またストゥパーにはお釈迦さまの弟子や高僧の遺骨が納められることもありました。

現在、インドに残るストゥーパとしては、サーンチーのものが、原型をとどめているといわれています。

上写真はその第1塔です。

同行者
一人旅
交通手段
観光バス
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行あり)
利用旅行会社
ユーラシア旅行社

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  • サーンチーのストゥーパ第3塔です。<br /><br />このストーパは紀元後2世紀に建てられ、仏陀の高弟として知られる舎利弗と目犍連の遺骨が納められていました。

    サーンチーのストゥーパ第3塔です。

    このストーパは紀元後2世紀に建てられ、仏陀の高弟として知られる舎利弗と目犍連の遺骨が納められていました。

  • 6世紀に造られたサルナートのダメーク・ストゥーパです。

    6世紀に造られたサルナートのダメーク・ストゥーパです。

  • アジャンターの石窟でも、古い石窟では、お釈迦さまを象徴するシンプルなストゥーパだけがまつられていました。<br /><br />写真はアジャンターの第10窟です。<br /><br />

    アジャンターの石窟でも、古い石窟では、お釈迦さまを象徴するシンプルなストゥーパだけがまつられていました。

    写真はアジャンターの第10窟です。

  • 写真は、アウランガバードの石窟のシンプルなストゥーパです。

    写真は、アウランガバードの石窟のシンプルなストゥーパです。

  • 写真はインドネシアのボロブドール遺跡ストゥーパです。<br /><br />インドのストゥーパと少し形が変わっています。

    写真はインドネシアのボロブドール遺跡ストゥーパです。

    インドのストゥーパと少し形が変わっています。

  • 中国、西安の大雁塔です。

    中国、西安の大雁塔です。

  • 「ストゥーパ」という言葉は、「卒塔婆」と漢訳されていますが、インドで発したストゥーパはその形を変えて日本に伝わってきています。<br /><br />仏教寺院の五重の塔などの塔の起源は、このインドのストゥーパです。<br />

    「ストゥーパ」という言葉は、「卒塔婆」と漢訳されていますが、インドで発したストゥーパはその形を変えて日本に伝わってきています。

    仏教寺院の五重の塔などの塔の起源は、このインドのストゥーパです。

  • 墓地で供養のために立てる「卒塔婆」や五輪塔の起源も、このインドのストゥーパです。<br /><br />

    墓地で供養のために立てる「卒塔婆」や五輪塔の起源も、このインドのストゥーパです。

  • 紀元前後、仏像がガンダーラ(現在のパキスタン北部)で、初めて作られるようになりました。<br />もともとこの地方はアレキサンダー大王による東方遠征の結果、一時期ヘレニズム(ギリシャ文明)の支配下にありました。ヘレニズム文明は、神像を制作し祀る風習があったため、その影響によって、仏像がつくられたといわれています。<br /><br />ガンダータの仏像は、写真の通り、いかにもギリシャ的です。髪の毛もギリシャ風で、日本や東南アジアで普通に見かける仏像とは違っています。

    紀元前後、仏像がガンダーラ(現在のパキスタン北部)で、初めて作られるようになりました。
    もともとこの地方はアレキサンダー大王による東方遠征の結果、一時期ヘレニズム(ギリシャ文明)の支配下にありました。ヘレニズム文明は、神像を制作し祀る風習があったため、その影響によって、仏像がつくられたといわれています。

    ガンダータの仏像は、写真の通り、いかにもギリシャ的です。髪の毛もギリシャ風で、日本や東南アジアで普通に見かける仏像とは違っています。

  • まるでミロのヴィーナスのような感じの仏像です。

    まるでミロのヴィーナスのような感じの仏像です。

  • 衣装も髪型もギリシャ的です。

    衣装も髪型もギリシャ的です。

  • ガンダーラの影響を受けてか、アジャンターでも、後期窟ではストゥパーと仏像が一緒に安置されているのを見かけました。<br /><br />写真は第19窟の、ストゥーパと仏像です。

    ガンダーラの影響を受けてか、アジャンターでも、後期窟ではストゥパーと仏像が一緒に安置されているのを見かけました。

    写真は第19窟の、ストゥーパと仏像です。

  • アジャンター第26窟のストゥーパと仏像です。

    アジャンター第26窟のストゥーパと仏像です。

  • アジャンター第26窟の涅槃像です。

    アジャンター第26窟の涅槃像です。

  • アジャンター第7窟の仏像です。仏像だけが単独でまつられていました。

    アジャンター第7窟の仏像です。仏像だけが単独でまつられていました。

  • エローラ第10窟のストゥーパと仏像です。

    エローラ第10窟のストゥーパと仏像です。

  • エローラ第11窟の仏像です。

    エローラ第11窟の仏像です。

  • エローラ第11窟の仏像です。

    エローラ第11窟の仏像です。

  • 中国龍門石窟の仏像です。インドとは少し雰囲気が変わっています。

    中国龍門石窟の仏像です。インドとは少し雰囲気が変わっています。

  • 中国大同雲崗の仏像です。

    中国大同雲崗の仏像です。

  • 最後は日本の東大寺の大仏さまです。<br /><br />インドの仏像より、ますます雰囲気、形が変わってきています。<br /><br /><br />以上をまとめますと、<br /><br />仏教では、お釈迦さまがなくなってしばらくは、仏像はまだ存在していなくて、ストゥーパ(仏塔)が崇拝の対象でした。<br />ガンダーラで、ヘレニズム文明の影響を受けてようやく仏像が作られるようになって、世界に仏像が広まりました。<br /><br />

    最後は日本の東大寺の大仏さまです。

    インドの仏像より、ますます雰囲気、形が変わってきています。


    以上をまとめますと、

    仏教では、お釈迦さまがなくなってしばらくは、仏像はまだ存在していなくて、ストゥーパ(仏塔)が崇拝の対象でした。
    ガンダーラで、ヘレニズム文明の影響を受けてようやく仏像が作られるようになって、世界に仏像が広まりました。

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