2012/10/07 - 2012/10/08
49位(同エリア216件中)
ハンクさん
ベルリンのモダニズム住宅ジーメンスシュタット地区を発って、Uバーンでローアダム駅まで行き、ポツダム行きのSバーンで約40分、ポツダム中央駅は近代的な駅舎を持つ駅だ。ポツダム市は人口約15万人のベルリンの衛星都市であるが、ブランデンブルク州の州都であり、かつてプロイセン王のフリードリヒ2世(大王)が夏の居城サンスーシ宮殿を構えた町、また第2次世界大戦末期に、米、英、仏、ソ連の首脳がドイツの戦後処理について話し合った町でもある。
「サン・スーシ(Sans Souci)」とはフランス語で「憂いなし」を意味するが、無憂宮などという翻訳は迷訳であろう。1745~1747年にフリードリヒ大王の「夏の離宮」として建てられたが、35歳から亡くなる74歳までほとんどをこの宮殿で過ごした。大王自ら設計に関わり、王の趣味を反映した、こじんまりとした瀟洒な建物である。ほぼ同時代のヴェルサイユ宮殿、シェーンブルン宮殿、エカテリーナ宮殿などの巨大な建築と比較すると拍子抜けする位だ。
フリードリッヒ大王(1712-1786年)について、同時代のルイ太陽王、マリア・テレジア、またロシアのピョートル大帝との比較は非常に興味深い。優れた軍事的才能と合理的な国家経営でプロイセンの危機を救い、その強大化に努め、また啓蒙専制君主の典型と評価されることも見逃せない。後に政治的な宿敵となるハプスブルク家のマリア・テレジアとの婚約の検討もあった、という事実には驚かされる。
フリードリッヒ大王で思い出されるのは、バッハ作曲の「音楽の捧げもの」である。1747年に62歳の大バッハがポツダムを訪問した際、大王がバッハの即興演奏のためにテーマを与え、作曲されたと言われる名曲である。大王は自らフルートを演奏し、フルートソナタなどを作曲している。また宮殿の横に、世界ではじめての博物館と言われる、名画を集めた画廊を設けた。ロココ的な宮廷人らしい万能ぶりを発揮し、学問と芸術に明るく、哲学者のヴォルテールと親密に交際し、自ら書を著し哲人王とも呼ばれる。ドイツ人は親しみを込めてフリードリヒ大王と尊称しているのだ。
さて、ポツダム中央駅からサン・スーシ宮殿までは4kmほど離れており、徒歩では少し時間がかかるのでここはタクシーを使った。途中映画博物館、ブランデンブルク門などを横目に見て宮殿前に到着する。宮殿は小振りだが、庭園は非常に広く、新宮殿やオランジェリーなど周囲の建物を見て回ると1日がかりになる。なお、サンスーシ宮殿は入場制限があり、11時ころ購入したチケットは2時間待ちであった。世界遺産の宮殿そのものは30分もあれば十分見て回ることができる。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 徒歩 飛行機
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ポツダム中央駅に到着したSバーン、昔ながらの塗色だ
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近代的なポツダム中央駅
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宮殿風のポツダム映画博物館
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タクシーに少し待ってもらって撮影したブランデンブルク門
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教会の遠景
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宮殿の庭園の西に建つ風車小屋、サン・スーシ宮殿完成後フリードリヒ2世が取り壊しを命じたが、農夫から生活を奪わないでほしいと訴えられ、王はこの風車小屋をそのまま残したという。大王の人柄をうかがわせる。
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サン・スーシ庭園の入り口
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サン・スーシ宮殿から眺める庭園
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サン・スーシ宮殿から眺める広大な庭園
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ヴェルサイユ宮殿の影響を感じさせるサン・スーシ庭園
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フリードリッヒ大王の墓、ジャガイモ栽培を奨励したため、いつもジャガイモが捧げられる
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フリードリッヒ大王の墓とサン・スーシ宮殿
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サン・スーシ宮殿横の絵画館の内部
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サン・スーシ宮殿横の絵画館の展示品
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サン・スーシ宮殿横の絵画館の展示品
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サン・スーシ宮殿横の絵画館の内部
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サン・スーシ宮殿横の絵画館の内部
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サン・スーシ庭園の噴水
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庭園から眺めるサン・スーシ宮殿
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庭園から眺めるサン・スーシ宮殿
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イチオシ
サン・スーシ宮殿のファサード
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サン・スーシ宮殿のファサード近景
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サン・スーシ宮殿の内部
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サン・スーシ宮殿の廊下
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サン・スーシ宮殿の内部の絵画
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サン・スーシ宮殿の内部の居室
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サン・スーシ宮殿の内部のシャンデリア
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サン・スーシ宮殿の内部
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サン・スーシ宮殿の内部の絵画の展示
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サン・スーシ宮殿の寝室
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サン・スーシ宮殿の寝室
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サン・スーシ宮殿の庭園
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この旅行記へのコメント (2)
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- tadさん 2013/02/01 18:34:34
- いきたいところです!
- 昨年のベルリン訪問でここも計画を立てたのですが断念しました。やはり、春や秋がいいだろうと思ったのです。大王は、私もトラベルソをやるので、関心があります。
- ハンクさん からの返信 2013/02/17 22:05:36
- RE: いきたいところです!
- お久しぶりです。またまたサンクトペテルブルクに出張滞在中で、久々の休日、ゆっくりパソコン(iPad)に向かっています。ドイツ(ヨーロッパ)の旅はやはり歴史の知識が不可欠ですね。旅行記を書くようになったおかげで、訪れる街の歴史を深読みするようになったような気がします。次はスペインですか?実は私はスペインはマドリッド空港以外まだ訪れたことがなく、何年も前から家族で出掛けたく思っています。tadさんの旅行記を楽しみにしています。ハンク
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