Saigon Paradox

2012/04/29 - 2012/05/04

サイゴンは「陥落」したのか、「解放」されたのか。

北部ベトナム（ベトナム民主共和国）によるベトナムの統一はこの国にとってどのように評価すべきなのか。

外から見ていると、社会主義の北部ベトナムがベトナム統一を成し遂げたことで、お隣のタイなどに比べて大きく経済発展は水を空けられるようになったようにも見える。

他方、南部ベトナム（ベトナム共和国）では、ゴ・ディン・ジェム政権による弾圧がひどかったことも事実であり、責められるべき点がなかったわけでもない。その政府を「社会主義ではない」という一事をもって支持していたアメリカがベトナム人から反発されるのも理解できる。

歴史に「もし」はないけれど、アメリカが勝っていればこの国はどうなっていたんだろう？

【旅程】
2012年GW
■4月28日　成田発　ホーチミンシティ泊
■4月29日　ホーチミンシティ泊
□4月30日　シェムリアップ泊
□5月1日　シェムリアップ泊
□5月2日　ホーチミンシティ泊
■5月3日　ホーチミンシティ泊
□5月4日　ホーチミン発（機中泊）翌朝成田着

エリア ホーチミン(ベトナム)

• 旅行の満足度: 3.0
• 観光: 3.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.0
• ショッピング: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 15万円 - 20万円
• 旅行の手配内容: 個別手配

GWの旅行を決めたのは4月中旬になってから。
ANAの修行のため、ANA縛り（別に他のスターアライアンスの航空会社でも良いのですが）で、今から予約をできるところということでホーチミン行きの飛行機を予約。

ホーチミンと言えば、前に勤めていた会社の元同期が単身で駐在していたので一緒に遊んでもらいました！

ホーチミンに到着したのは夜の22時前。ホテルで友人と待ち合わせてクラブへGo！
いい年してやること若い！？

ホーチミンには合計4泊するのですが、最初の2泊はHotel Majestic。

コロニアル建築のホテルに泊まりたくて、場所がサイゴン川沿いと便利なこのホテルに決めた。

屋上にあるバーは遅くまで開いており、眺めも良いのでオススメです☆

さすがに建物は古いけど、インテリアにこんなレトロな電話が使われてたりと、なかなかステキ。

お部屋代は2泊で311米ドル。

安くはないけど、この値段で歴史ある建物に泊まれるなら悪くない。

翌朝、この日も駐在の友人に遊んでもらう。
その前にサイゴン川をちょっとお散歩してみる。

天気もまずまずで気持ち良さそうでしょ？

でも、川をよくみると結構汚い。^^;

川沿いの公園はゴミ箱がペンギン！
しかし、ゴミをエサ代わりに口に入れるって鳥好きとしてはやや抵抗があり。苦笑

遊覧船は魚。
ワンピース好きならパラティエを彷彿とさせられるのでは。

サイゴン川のクルーズは結局しなかったけど、こんな船での川下りはちょっと楽しいかも。

友人とはホテルのロビーで待ち合わせていたのでいったんホテルに戻ります。

ロビーはダークブラウンの木目調の内装。

さて、友人に連れられてタクシーに乗ってランチを食べに行ったのは、Minh Ducというお店。

友人は日本から誰かきてアテンドする度にベトナム料理が食べたいと言われ、またか〜ってなっているようで、すまなかった…笑

ここは外国人もちらちらいるけど、多くはベトナム人。ショーケースの中から食べたいものを指差しでオーダー♪

お昼からビールで乾杯☆

3人では食べきれないくらい友人がオーダーしてくれて、どれも美味しかったな。

満腹になったところで観光開始。

あまり見所の多くないホーチミン。
でも、ハノイほどではないけど、こんなアジア〜な光景に出会えたりして、それが楽しいかも。

ホーチミンで観光と言えばトップ3に入るであろうくらい名前があがる聖母マリア教会。

煉瓦作りの教会は中が暑くなりすぎないように、空気穴のような隙間が設けられている。熱帯のベトナムならでは。

聖母マリア教会の隣にある中央郵便局

この郵便局は駅のような雰囲気でなぜか旅情を誘う。

そう感じるのは、郵便局も人々の想いを託された手紙がここから旅立っていくという意味で「駅」と言えるからなのかもしれない。

ガイドブックによると、この中でコーラ風味のコーヒーが売っているとのことで、怖いもの見たさで飲んでみたいと思っていたのですが、自動販売機にも売店にも売ってなくて断念。残念なような、ホッとしたような。

売店では廃品を利用したこんなカッコいいオブジェが売っていた、自転車のチェーンなどを使ってるんだけど、結構安くて欲しかったけど荷物に余裕がないし、あきらめる。。

郵便局から歩いてやってきたのは、統一会堂。南ベトナム政権時代の大統領官邸。

ここに北部ベトナム軍が無血入場し、14年半に及ぶベトナム戦争は終結する。1975年4月30日のことだ。

南ベトナムの最後の大統領としてズオン・バン・ミンが就任したのは終戦のたった一日前。穏健な人柄を買われて和平交渉の人材として期待されていたが、時既に遅しだった。

崩壊寸前の国の大統領になど、どんな想いで、どんな覚悟で就任を決意したのか想像することもできない。

コーヒーブレイクを入れるべく、パークハイアットの横にあるRefinaryというカフェへ。

入り口は少し分かりづらい。

名前の由来はここが元々阿片の精錬所だったことから。

トイレはキレイだし、コーヒーがすごく香りがあって美味しかった。結局、その後ここに3回来た。笑

クーラーが強いのと蚊がいるのが難点。

ハノイほどではないけど、ホーチミンもお風呂の椅子のオープンエアな食べもの屋さんが結構ある。

豚の丸焼き！
どうやって食べるんだろう？？

夕食にやって来たのはこんなオシャレなお店♪

ホーチミンはハノイよりも断然オシャレな店が多い。商業都市で外国人駐在員が多いからなのかも。

帰りに怪しげな（と言うか違法な）DVD屋に寄った。日本の最新のドラマ全話が2〜300円くらいで買えちゃうから激安。

ホーチミン滞在の後半2泊はパークハイアットに宿泊。

ここは2泊で670米ドル。朝食こみ。
パークハイアットにしては安い。

新しい建物だけど白いコロニアル風の外観。部屋はシックですごく快適だった。

駐在員の友人にお勧めホテルを聞いたところパークハイアットと即答されたのも頷ける。何から何まで良かった。

ホーチミンはあまり見所はないので翌日は現地発のクチトンネルとミトー行きの一日ツアーに参加することにした。

朝の出発で平日だったのでちょうど通勤ラッシュ。

そんな中、悠然と走っていく風船(^-^)

クチの入り口にあったひまわりはトゲトゲしていてまるでゴッホの絵のよう。

クチトンネルと言うのはクチ県な張り巡らせれた全長250キロにも及ぶ地下トンネル網。

フランス占領時代に作られ、ベトナム戦争時に南ベトナム解放民族戦線によって拡張された。

トンネルの入り口はこんな風に枯れ葉が敷き詰められ、一見すると分からない。

そしてあまりに小さな穴なので、体の大きなアメリカ人は例え入り口を発見しても中に入れなかったそう。

ちなみに少し広いトンネルに観光客も入ることができるが、中腰での移動で30mほどの距離だったけど、ものすごく疲れた。狭いところは這わないと進めないくらいせまく、こんなところに暮らしていたなんて想像を絶する。

ゲリラ戦の拠点になっていたこのジャングルにはアメリカ兵に対して仕掛けた数多くの罠があった。例えばこんな落とし穴。穴の底は針の山になっている。単純だけど、はまると恐ろしい罠。

クチトンネルの入り口では解説ビデオが流されている。英語版もあるんだけど、「鬼畜米兵を南ベトナム解放民族戦線の根気のある戦いで見事に撃破して国土と民族を守った」的な論調で、ちょっと衝撃だった。これを見るアメリカ人はどう思うんだろう？

ようやくベトナムにも経済成長の波が押し寄せてきたとは言え、お隣のタイと比べるとまだまだ全然後進国。賄賂渡さないと動かない腐敗した役人など問題点が目に付くこの国の現状を見るにつけ、北が勝ったのはベトナムにとって本当に良かったのか？疑問に感じる。

南が勝っても政治的にはそこまでよくはならなかったかもしれないけど、西側諸国との関係がもっと早くに良くなっていただろうことを考えると、少なくとも経済的には今よりずっと良かったのではと思った。そんな見方をすると、この愛国心を煽るようなビデオはそんな考えや政府批判が広まるのを避けるための愛国教育の一環にも見える。どこかの大国のように。

なんとなくモヤモヤした気持ちが抜けないまま、次の目的地に向かう前に、まずはランチ。

左上の丸いのは生地を風船みたいに膨らませたものなんだけど、お餅みたいに柔らかくて美味しかった。魚料理もなかなか。

風船餅を揚げている様子

こちらが美味しかった魚料理

多分食べたのはこの子と同じ種類の子…

クチからミトーに向かう途中にあるこのレストランは観光客向けだけど、美味しかったな。

中庭があってサギがケースの中の食材を狙っていた。笑

ベトナムらしい風景。笠のおばちゃんと荷物詰め過ぎな自転車。

ベトナムのバイクの写真だけを集めた写真集が売っていたんだけど、買えば良かったな…

ミトーではメコンデルタの中洲の島を見学します。

ロイヤルゼリーが名物らしくセールスが結構あります。笑
私たちは遣い方わかんないからいらない、と何も買わず。

それより気になったのが、ハンモックに寝ていた超ヨボヨボなおじいさん…おじいさん、頼むから服を着てくれ…

さて、いろんな販売攻勢をものともせず、何も買わなかった私たち。少し移動して、手漕ぎボートに乗って水路を通ります。

この日は熱いと思ったら40度まで気温が上がったらしい…

GWって一番暑い時期らしい…

日差しが強くて、コントラストがくっきり。

その晩の夕食にはまた元同期が合流してくれて、パークハイアットのイタリアンにいくことに。

なぜベトナムでイタリアンかと言うと、元同期がベトナム料理に飽きてそうだったのと、ここがボリュームで1番美味しいイタリアンだと言っていたから。たくさんアテンドしてくれたお礼も兼ねて。

最初に頼んだ前菜のハムの盛り合わせはすごいボリュームでテンション上がる↑

東京のイタリアンと比べると、まぁ普通でコスパは悪いかな〜

夕食後に同じくパークハイアットの中にあるオシャレなバーに。地元のオシャレな金持ちそうな若者たちが結構いたな。

パークハイアットは堪能しまくり、スパも行きました。夫婦一緒に受けました。私はタイ古式マッサージを初めて受ける。

これが超良くて、以後タイ古式にはまる。笑
揉み返しが結構きたけど、すごく効いてる感じ。翌日とても楽になった。海外のスパって雰囲気やコスメは良いけど施術はイマイチなところが多いけど、珍しく施術に満足。

翌日、飛行機が午後なので、少し街を散策。ホテルの近くにあるオペラハウスもコロニアル建築で小さいながら存在感がある。

路上で将棋のようなボードゲームをしているおじさま方。

ベトナム最後の食事はPho Hoaのフォー♪

地元民にも旅行者にも人気のお店らしいです。

私は唐辛子とライムをたっぷり入れて食べるのが好き♪

好きなだけ入れられる香草も美味しい！

-----

ベトナムは今度くるときはもっと田舎を攻めたいな。

この旅行記へのコメント （4）

• ぺでぃまるさん 2012/10/13 00:28:37

  東洋のプチ・パリ

  kumさん、こんばんは〜
  いつ見てもアートなkumさんの旅行記、惹きつけられますね〜
  この写真なんてポストカードですよ！
  
  ベトナム戦争時に南ベトナム解放民族戦線によって拡張されたクチトンネル、辛い歴史を学ぶことができました。
  聖マリア教会はフォトジェニックだし、一方では完全に東南アジアの風景のバイクや道端のおじさん。
  
  確かに歴史に“If”は禁物ですが、もし南ベトナムが勝利したらどうなっていたのでしょうね？
  社会主義とは幸せなのでしょうか？ただただ暮らしている人が、笑顔でいられる社会を形成してほしいですね。
  
  　ぺでぃまる

  kumさん からの返信 2012/10/14 03:11:53

  RE: 東洋のプチ・パリ

  ぺでぃまるさん、こんばんは！
  いつも有り難うございます！！
  
  > この写真なんてポストカードですよ！
  
  ここは外国人の多いカフェで現地に住む日本人もよく来てるみたいです。少し分かりづらい場所とかヨーロッパ的なステキな雰囲気とかかなり気に入りました♪　何と言ってもベトナムコーヒーが香り高くて美味しいんですよ。
  
  確かに政治形態は共産主義でも民主主義でも王制でも何でもいいんですよね。その国にあった政治形態であれば。正直、民主主義が絶対正しいとは全く思えないし。
  
  でもベトナムは、ひたすらお金至上主義みたいなところがあって、公務員は賄賂渡さないと動いてくれないし、一般の人もお金のためにはたいていのことはするような風潮があって、なんだかあまり精神的な豊かさも感じられなかったんですよね。見所は結構ある国なんだと思うのですが、私がさほど魅力を感じないのは、そんなところに理由があるのかもと思いました。
  
  くむ

• fujickeyさん 2012/10/09 11:27:17

  コーヒー牛乳みたい。

  kumさん。
  こんにちは！
  
  kumさんが切り取る場面はどれもドラマチックですね〜
  お魚の調理前/調理後、とか。
  ハンモックで寝ていたおじぃさんは全裸、だったのですか?!
  表情がくつろいでいるっていうより、ちょっと苦しそうですよね。。
  
  パークハイアットの写真って、iphoneに映った景色を撮ったのですか？
  最初は｢へぇ〜こういう柄のケースがあるんだ｣なんて思っちゃいましたけどケースじゃないですよね。
  
  手漕ぎボートで行った水の色がコーヒー牛乳みたい(美味しそうではないけれど)気温が高いとやっぱりちょっと臭うのでしょうか･･･
  でも日陰？は綺麗な青空を映している。緑とのバランスがキレイですね〜
  
  クチトンネル、本で見たことあります。
  生き延びるために造られたトンネル。
  仕掛けられた罠とかどんな思いでその場所で生活をしていたのか････
  考えただけで苦しくなります。
  
  最後は食の話で(笑)
  私もフォーにたっぷりライムを入れるのが好きです!!
  ｢ご自由にどうぞ｣ってなっていると限度を越えて入れてしまいそうです。
  元の味がわからなくなっちゃうくらい…そうなったら美味しくなくなっちゃいそうですけど。
  
  fujickey
  

  kumさん からの返信 2012/10/14 03:00:32

  RE: コーヒー牛乳みたい。

  fujickeyさん、こんばんは！
  いつも有り難うございます！
  
  ハンモックのおじいさんは上半身裸です。さすがにマッパではありません。幸い。笑　あまりくつろいでないですよね〜。暑いからつらいのかなぁ。
  
  パークハイアットの写真はiphone（仕事用）に映った景色をiphone（プライベート用）で撮ってます。^^;　スパが終わった後でプールサイドで軽食がでるのですが、そのときに撮ったものです。そういえば建物の写真撮ってないなぁと思って。
  
  手こぎボート中は臭いは気にならなかったです。生活用水での汚れというよりは土砂の茶色なのかも。水面が静かなので水に映った木々がとてもキレイでした☆　が、日陰が少ないのが難点・・・
  
  フォーにライムをいれるのは美味しいですよね〜。
  でも酸っぱいのって前は好きではなかったので、こういう味が好きになってきたのって年とったからなのかって思ったり。苦笑
  
  kum