
2009/09/16 - 2009/09/24
71位(同エリア890件中)
two_bridesさん
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仕事を早めに切り上げ、バッグパックを背負い颯爽とオフィスを出て成田に向かう。軽く夕飯を済ませると、前から乗ってみたかったジェットスターに乗り込む。夜は寝るだけだから、オプションの食事などは一切付けなかった。翌朝目を覚ますころには南半球、オーストラリアのケアンズにいた。一歩空港を出ると、ギラギラとした朝日に、青々とした植物が生い茂る山・・・ここはケアンズの街からは少し離れているんだな。それでも降り立ったこの地での一週間のバカンスに、ワクワクが止まらない。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 3.0
- ショッピング
- 2.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 観光バス 飛行機
- 航空会社
- ジェットスター航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
さっそく事前に調べて予約しておいたカンタス航空へトランスファー、お昼過ぎにはノーザンテリトリーのエアーズロック空港にいた。さきほどとは一遍、乾燥した赤土の荒野が広がる。ピストンバスでエアーズロックリゾートに向かう。ここはエアーズロックへの観光の拠点で、様々なホテルが集まっている。土産物屋やスーパーがあり、エリア内は無料のシャトルバスも運行されている。
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三日間お世話になるのはバッパーご用達のアウトバックパイオニア。ファミリータイプのコテージもあるが、数千円で泊まれるドミトリータイプの部屋が人気。ロッジ風のロビーでチェックインし、サンセットまでプールでゆっくりすることに。ここのプールはエアーズロックリゾートで一番の大きさだそう。シーズンオフ中で、広いプールは独り占め。木陰のリクライニングチェアに寝ころぶと、青空とユーカリの葉・・・砂漠の渇いた風は濡れたカラダには心地よく、旅の小説を片手ににウトウト・・・。
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少し日が陰るころ、ツアーのメンバーと共に一度目のサンセットを見に出かける。バスに乗り込んだ日本人は私だけ。現地ツアーは旅を安くする手の一つ。リゾートからもサンセットは見えるが、美しく見えるポイントに行くにはやはりツアーを申し込むのが一番。多くの人が集まるが、集合場所から少し離れれば一人の時間を楽しめる。砂漠のド真ん中に不自然にそびえる大きな赤い一枚岩が、グラデーションのように移り変わる背景の中で少しずつ自身の色を変化させる。その様が神秘的で、人間が手を加えていない芸術とはこのこと。シャンパンを片手に、この美しい風景の中に自分が存在していることに酔いしれた。
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翌朝、数時間前にお別れしたはずの太陽に「おはよう。」を伝えに、サンライズツアーに出かける。ポイントについた時、まだ辺りは真っ暗。熱いコーヒーとクラッカーのサービスがあり、折り畳みのイスに座り、日ノ出を待つ。みんな眠いはずなのに、なぜか興奮して話がはずむ。辺りが明るくなり始めると、自然と会話は止まり、全員が朝日の方向を見て、それぞれの思いを巡らせている。昨夜のグラデーションがよみがえり、今日も一日が始まる。朝日も美しいが、わたしはみんなが一日の始まりを大切に迎えようとしているこの時間を共にできたことがなによりうれしかった。
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一度リゾートに戻り支度を整えると、ここへ来た最大の目的「エアーズロックへの挑戦」に出かける。しかし登山できる確率は1/2。3度来て登れなかった人の話も聞いていた。とりあえずバスに乗り込む。入口に行くまで登れるかどうかがわからないのだ。バズで20分・・・岩が近づくにつれて、その巨大さに気付く。よく見ると、岩の斜面に小さな点の列が続いている。人だっ!運よく、この日はオープンしていて、先陣が登山開始していたのだ。帰りのバスの集合時間を伝えられ、入口において行かれる。そう、あとは自分次第。ガイドなどはおらず、みんな一目散に岩に飛びついている。
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登り始めてみて、これが一枚岩だということに改めて気づく、触った感触が土でもなく、砂でもなく、岩なのだ。よく急斜面を塗り固めている粒子の粗いコンクリートに似ている。用意してきた軍手が本当に役に立った。途中までは鎖の手すりがあるが、他は手で体制を確保しつつよじ登る必要がある。途中恐怖で足が進まなくなるが、長い列になっているために引き返すこともできず、頂上を目指すしかないのだ。
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約1時間半で頂上に到達。360度、見渡す限り、地平線まで赤土の平野が続いている。地球のおへそに立った達成感は不思議なことにあまり感じなかった。ずいぶん遠くまで来てしまったなーと、ふと思った。目指すところに登りつめて、周囲を見渡して、満足した気になっていても仕方がないんだってことを教えてもらった気がした。
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下山するころには風が吹き始め、下まで降りると登山はクローズしていた。本当に運が良かった。帰りのバスまで、エアーズロックの周りを散策してみることにした。ここは登山禁止時のカバープランとして、二時間ほどの散策ツアーをしている。両方味わえてしまった私は本当にラッキーだった。周囲には草木が生え、鳥が飛ぶ姿も見られた。岩の表面には水の流れたような黒い跡が残り、この砂漠地帯にも雨が降ることが分かった。ただ、植物は見るからに水分を欲しており、小さな川は日上がり、随分と長い間雨に恵まれていないように思われた。
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エアーズロックの周りにはいくつかの撮影禁止箇所がある。エアーズロック自体がアボリジニたちの神聖な場所であるため、本当は踏み入れるべき場所ではないことは知っている。そこにわたしたちのエゴで、立ち入らせてもらっているのだから敬意を払わなければならない。そんなことを改めて考える出来事が起こった。わたしがカメラで空を撮影しようとしたところ、突然に風が吹き、砂埃を巻き上げ、小さな竜巻のようなものが目の前に現れた。急いで大事なカメラをしまおうしたところ、電源が切れず、シャッターが半開きのまま、誤って落としてしまった。突然のことにビックリしたが、あとで写真をチェックしていると、この時に取られた写真を見つけた。上下にレンズカバーの影がみられ、奥の岩の前に小さな看板が見える。「進入禁止」を表示していた。禁止エリアには注意して撮影していたが、やはり彼らの領域を荒らしてしまたことを申し訳なく思った。
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一度リゾートに戻りランチを済ませると、マウント・オルガ(〜風の谷〜)のツアーに出かけた。ここは風の谷のナウシカのモデルになったと噂されている場所で、ジブリ好きにはたまらない。36枚の岩で形成された岩群を抜け、風の谷を目指す。二時間のトレッキングに十分な水分を用意していったが、ところどころに給水ポイントもあった。巨大な岩の内側に入ると風が吹き始め、遠くから運ばれた種が芽吹き、様々な植物が生えていた。
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目的のヴューポイントに近づくにつれて、ゴぉーゴぉーとうなる風が荒々しく髪をかきあげ、口が渇く。ついに入り組んだ岩群の一番奥にたどり着いた。二つの岩の間から、周囲の風が勢い良く流れ込み、出口を探して一気に吹き抜ける。岩間からはぼんやりとその先の岩が見えた。それらも岩群の一部なのか・・。風の音でもはやガイドの声は届かず、自然のエネルギーを身体全体で取り込んだ。
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トレッキングからの帰り、バスに乗り込む直前に大粒の雨が降ってきた。雨はどんどん強くなり、二度目のサンセットはあきらめかけていた。そのままリゾートへ戻ろうとしていたところ、自分の目を疑った。そしてそのまま大声で、”Rainbow!!!”と叫んだ。バスの中の全員が窓の外を眺め、歓声が上がった。バスは途中の休憩地点で停車し、小雨になったところを狙い、全員で外へ出て、写真を撮ったり、雨の中をはしゃいでみたり、子どものように嬉しさや楽しさを爆発させた。バスに戻ると全員がずぶ濡れのまま、笑顔でシャンパンで乾杯した。この一瞬の間に訪れた出来事と、国籍や年齢や性別を越えた一体感は一生忘れないだろう。この旅で最高の思い出となった。
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翌日、早朝からキングスキャニオンのトレッキングへ出かけた、そろそろ旅の疲れも出てきたが、地平線からじりじりを上がるオレンジ色の太陽にはやはり見とれてしまった。到着までにオーストラリアンブレークファストを食べに砂漠の中の小さなレストランに寄るが、とても値段が高いので、リゾート内でマフィンやジュースを買っておいておくのがオススメ。レストランのお庭でピクニックできます。
三時間ほどで到着し、何キロにも続く岩の壁に向けてトレッキングに出発。赤土の世界には慣れてきたが、特にここは岩の隆起が激しく、見どころやビューポイントが多い。何億年も前からその景色を変えずにゆっくりと風化してきたことを思わせた。 -
岩の壁や地面の所々にアンモナイトの化石が埋っており、もしかしたら今自分が歩く道なき道を恐竜が歩いていたのではないかと想像して鳥肌が立った。
まるで都市が存在していたかのような地形のロストシティ、奇跡的にできた岩間の水たまり・エデンの園...人間が存在する前の遥か昔からずっとこの世界を見てきた岩たちは、その独特な地形からそう名付けられた。 -
人間はここで生き残ることができなかった。手を付けられずに済んだこの土地はゆっくりゆっくりと長い年月を過ごしてきた。かろうじて生き延びる植物たちは、少ない水分で身体を維持するために自らの枝を切り落とし、外的から身を守るために体内に毒を隠し持った。この赤土の大地に根を下ろすには、相当な覚悟と努力が必要だったに違いない。
生き急ぐ私たちの汗を、砂漠の乾いた風がさわやかに拭ってくれた。 -
アボリジニたちが大切にするこの土地に「ありがとう。」を言おう。青い空と赤土の大地を貫く道路は地平線まで続く。この道をどこまでも走りたい気持ちを抑えつつ、エアーズロック空港から離陸するフライトから見た砂漠の中の一本道を指でたどる。わたしの旅はまだまだ終わらない。
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この旅行記へのコメント (1)
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- れんこんさん 2017/05/25 13:30:29
- 撮影禁止箇所の写真は
- 上げない方がいいかと思います・・・
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