2012/06/02 - 2012/06/03
284位(同エリア1468件中)
紅い翼さん
【1泊2日の旅。坂本市街散策(所要約3時間半)】
もうまもなく梅雨入りとなりそうな6月初旬の休日。
新緑も美しい時期になってきている中、以前からいつかは行きたいなあと考えていた、仏教の母山である天台宗総本山の比叡山延暦寺へ登ってみることに。
1日目は、まずは比叡山延暦寺の門前町として栄えた坂本の街巡りへ。
穴太衆積みの石垣をめぐらした里坊が続く街並みや、その里坊に設けられた美しい庭園は、重要伝統的建造物群保存地区に指定されているのも納得の風情を醸し出していました…。
〔旅の1日目の行程〕
・JR東京駅 ~ JR京都駅 ~ JR比叡山坂本駅 ~ 坂本市街(公人屋敷(旧岡本邸) ~ 滋賀院門跡 ~ 慈眼堂 ~ 日吉東照宮 ~ 旧竹林院 ~ 日吉大社) ~ ケーブル坂本駅
〔旅の2日目前半の旅行記~東塔根本中堂から無動寺谷明王堂へ~〕
http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10678127/
〔旅の2日目後半の旅行記~深緑に包まれる横川の諸堂から荘厳な雰囲気漂う西塔へ~〕
http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10679029/
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 新幹線 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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金曜日は仕事で遅くなったので、少し遅めに出発。
東京駅10:20発の「のぞみ223号」に(何とかギリギリ)乗り込み、まずは東海道新幹線で京都まで移動します。
そういえば、この4月にも新幹線で京都へ桜を観に行ったっけ。
(http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10661369/) -
(さっそくであれですが…)東京駅で購入した「横濱オムライス弁当」で朝食兼昼食♪
長距離を走る電車に乗ると、ついつい駅弁に手が出てしまいます〜。
一気に食べ終えて少しまどろんでいると、もう京都に到着。。。 -
〔坂本市街〕
京都駅からはJR湖西線に乗り換え、13:00くらいに比叡山坂本駅に着きました。
比叡山坂本駅の改札口前に(少ないですが)コインロッカーがあったので、ここに荷物を預けてさっそく街歩きへ☆
駅前で、「若き日の最澄」像にお出迎えいただきました。比叡山坂本駅 駅
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比叡山に登るルートは他にもいくつかありますが、今回は比叡山の門前町として栄えた坂本の街を散策したかったので、東側から「坂本ケーブル」で行くことにしました。
特に里坊の建物と庭園、そして「穴太衆積みの石垣」が続く街並みが有名で、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。 -
少しずつ登り勾配となっている参道を歩いてゆきます。。。
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〔公人屋敷(旧岡本邸)〕
参道の途中でまず見つけたのが、延暦寺の僧侶で年貢や諸役を収納する寺務を務めていた「公人」と呼ばれる人々のお屋敷を保存公開した「公人屋敷」です(入館料100円)。比叡山延暦寺 寺・神社・教会
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それでは中にお邪魔してみましょうか。。。
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こちらが主屋の建物内です。
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小さいながらもお庭もありますね〜。
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敷地の奥には米蔵と馬屋も。
こういう建物が残っていると、当時のお役人の屋敷だったというのがイメージできます。 -
昔ながらの小さなお堂がお庭の隅に…。
この坂本が門前町として栄えたのも、全国からの寄進や寺領からの年貢を彼ら公人たちが取り仕切ったからだったのでしょう。
その当時の面影が残るお屋敷でした。 -
公人屋敷からまた参道を歩いてゆき、京阪電鉄坂本駅を越えたあたりに、坂本観光協会の観光案内所があります。
こちらにあった坂本全体の観光地図です。
日吉馬場を中心に里坊や神社などのスポットが点在していますね(時間内に廻りきれるかちょっと心配…)。坂本比叡山口駅 駅
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日吉馬場の入口に当たる大鳥居の前までやってきました。
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イチオシ
この馬場の左右に並ぶ里坊には、美しい「穴太衆積み」の石垣が今も残されています♪
穴太駅 駅
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大鳥居の手前で左に曲がると、坂本の老舗蕎麦屋として有名な「本家 鶴喜そば」さんのお店があります。
もうとっくにお昼時を過ぎているのに、たくさんのお客でにぎわっていました。
(今回は先ほど駅弁も食べたしスルーしました)手打蕎麦 鶴喜 グルメ・レストラン
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石垣の残る界隈を歩いてゆくと…。
滋賀院門跡 名所・史跡
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〔滋賀院門跡〕
やがて、滋賀院門跡の堂々とした勅使門が見えてきました。
この滋賀院門跡は比叡山延暦寺の里坊の1つで、江戸時代の末までは天台座主であった法親王が代々住まっておられたお寺です。 -
イチオシ
そして何といってもこの豪壮な穴太衆積みの石垣と白壁!
穴太衆積みの石垣 名所・史跡
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作家の司馬遼太郎先生は、この滋賀院門跡の石垣について、
「それにしても、滋賀院の石垣こそ穴太衆の傑作のひとつではないかと思われる。ただ実用を超えて、権威の表現として組まれているあたり、こういう里坊に住むにはよほど神経を鈍感にしておく必要があるかもしれない。(『街道をゆく16〜叡山の諸道〜』)」
と褒め称えています。 -
たしかに間近で見てみると、その評価にも納得です。
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ではではお寺の中に入ってみましょう。
さすがに歴代天台座主の居所ということで、建物の中には延暦寺に関係するお宝がたくさん展示してあります。
(たとえば、延暦寺根本中堂「不滅の法灯」を灯してきた一代前の釣灯籠や、天台座主が使われる駕籠など。他にもみごとな襖絵や仏教関連の展示品もあります)。比叡山延暦寺 寺・神社・教会
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イチオシ
滋賀院門跡のご本尊である薬師如来にお詣りしたあとは、徳川三代将軍家光公の命で作庭されたという滋賀院門跡庭園(国指定名勝)を観賞。
滋賀院門跡 名所・史跡
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このお庭は、著名な小堀遠州の作庭と伝えられているそうです。
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こちらのお寺の方に、(個人で訪れたにもかかわらず)大変親切に建物内を案内していただきました。
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〔慈眼堂(じげんどう)〕
滋賀院門跡から外に出て、新緑に包まれた境内をさらに左奥の方へ進んでゆきます。。。 -
イチオシ
階段を登ると、数々の灯籠が並ぶ先には、江戸時代初期に徳川家に仕え、「黒衣の宰相」と称された天台宗の僧天海(慈眼大師)の廟所である慈眼堂がひっそりと佇んでいます。
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この滋賀院門跡は、元々は1615年に天海僧正がこの地に建立したお寺なので廟所があるのですね。
滋賀院門跡 名所・史跡
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さらに奥には慈眼大師をはじめとする供養塔も。
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緑の楓の葉が風に揺れて…。
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とても静かな空間にある清雅なお堂でした。
「このあとさらに石造のものを見るため、道を登って慈眼堂へゆき、歴代座主の墓所を見た。相変わらず人の気配はなく、苔の上に饅頭笠をかぶって堵列している石灯籠の列が美しかった。(司馬遼太郎『街道をゆく16〜叡山の諸道〜』)」 -
こちらも美麗な石垣が続く道を抜けて、次の目的地へ。
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〔日吉東照宮〕
慈眼堂からさらに山側に少し進むと、日吉東照宮の鳥居が見えてきます。
けっこう急な階段ですね…(神社仏閣巡りの宿命ですが)。 -
階段を登り切ると、東照宮の朱色の唐門と拝殿が見えてきます。
この日吉東照宮は、1623年に天海僧正によって創建され、現在は日吉大社の末社となっているそうです。 -
みごとな彫刻の数々が唐門を飾っています。
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こちらが拝殿で、この奥には石の間とご本殿が連なる権現造(国指定重要文化財)となっているそうです。
日光東照宮はいうまでもないですが、各地にある東照宮は今でも立派な建造物が保存されていますね〜。
(愛知・岡崎の滝山東照宮:http://4travel.jp/traveler/akaitsubasa/album/10642849/) -
境内はけっこうな高台にあるので、木々のすきまから琵琶湖を望むことができます(天気は曇り空であれですが…)。
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〔旧竹林院〕
日吉東照宮の鳥居前の道をまっすぐ北へ道なりに進み、日吉大社の前を右に曲がったすぐのところに、里坊の1つである旧竹林院(入園料310円)があります。 -
きれいに整えられたお花を眺めながら玄関へ進んでゆきます。
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まずは主屋へ。
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ここからみごとな庭園を観賞することができます!
この旧竹林院庭園は坂本の里坊庭園中最大の広さで、国の名勝にも指定されています。旧竹林院 寺・神社・教会
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縁側の赤い絨毯と緑に包まれたお庭のコントラストがよいですね〜。
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イチオシ
まるで1枚の絵画のようです☆
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ここまでずっと歩きっぱなしだったので、お抹茶をいただきながら(400円也)しばしの休憩…。
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そろそろお庭に出てみましょう!
こちらは回遊式の庭園になっているので、ぐるっと一回りしてみることに。 -
(旧竹林院庭園①)
まずは庭園の奥の方を進みます。旧竹林院 寺・神社・教会
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(旧竹林院庭園②)
旧竹林院 寺・神社・教会
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(旧竹林院庭園③)
庭園内には茶室もありました。旧竹林院 寺・神社・教会
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(旧竹林院庭園④)
先ほどの主屋前まで出てきました。旧竹林院 寺・神社・教会
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(旧竹林院庭園⑤)
旧竹林院 寺・神社・教会
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(旧竹林院庭園⑥)
旧竹林院 寺・神社・教会
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(旧竹林院庭園⑦)
旧竹林院 寺・神社・教会
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ちょうど時間帯も良かったのか、あまり観光客もなくゆっくりお庭を楽しむことができました。。。
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〔日吉大社〕
滋賀院門跡と旧竹林院でゆっくり時間を使ったためか、比叡山に登る予定時間まであと少しとなってしまいました。
ただ、ここ坂本に来て日吉大社に参拝しないわけにはいかない、ということで、駆け足で廻ることに。 -
まずは大宮橋を渡り参道を西本宮の方へ。
このあたりは紅葉の季節もよさげですね〜。 -
山王鳥居をくぐり…。
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西本宮楼門(国指定重要文化財)へ到着。
さっそく中へ行きましょう。 -
こちらが西本宮の拝殿(国指定重要文化財)です。
この奥には「日吉造(ひえづくり)」で有名な国宝の本殿があるのですが、(急ぎであわてていたので)じっくり観ることができませんでした…。 -
イチオシ
そして今度は反対側の東本宮へ。
こちらもまた立派な楼門(国指定重要文化財)ですね〜。 -
門の中へ進むと、正面に東本宮とその左右にに摂社の樹下宮が鎮座しています。
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何かお詣りしたというよりは、広い境内を駆け抜けたといった感じになってしまいました…。
また次の機会を見つけてリベンジしないといけないですね。 -
日吉大社から(荷物を置いてある)比叡山坂本駅まで、参道を一気に下ってゆきます。
(およそ1.5キロほどはありますが、ずっとまっすぐの下りの道なので、思ったほど大変ではありませんでした) -
イチオシ
この里坊が集まっているあたりの道は、緑の木々と石垣と細い用水路が相まって、歩いていてとても気持ちがいいですね〜。
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〔ケーブル坂本駅〕
JR比叡山坂本駅でコインロッカーから荷物を取り出した後は、比叡山に登るために日吉神社のさらに奥にある、比叡山鉄道のケーブル坂本駅まで移動する必要があるのですが、さすがにもう歩くのは大変ということで、比叡山坂本駅から出ている路線バスで行くことに。 -
ケーブルカーの駅にしてはとてもレトロな感じがしますね。ここで山頂までの切符を購入(片道840円)し発車時間まで待つことに。
本当は、日吉大社をじっくり見て歩き、さらに(少し離れているのですが)戦国時代のこの地域の領主であった明智光秀公ゆかりのお寺である西教寺へも行きたかったのですが、ついつい時間配分が…。
それだけ坂本の街が魅力的だったということで、またの機会に期待しましょう。 -
(一応)予定どおり17:00発のケーブルカーに乗り込みます。さすがにこの時間から登る人はいないのか、完全に貸切状態でした。
それでは比叡山延暦寺へ向かいましょう。。。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 旅猫さん 2012/06/16 09:37:25
- 街道をゆく
- 紅い翼さん、おはようございます。
お立ち寄りいただきありがとうございます。
「新緑薫る比叡山延暦寺をゆく」を読ませていただいています。
司馬遼太郎氏の「街道を行く」は、私も読んでおります。
旅の前に読むと、イメージが掻き立てられて。
里坊の「穴太衆積み」の石垣が美しいですね。
滋賀院門跡のものは、確かに素晴らしい。
司馬遼太郎氏も訪れたとなると、興味があります。
境内の新緑も美しいし。
坂本にも東照宮があるのですね。
今年の冬に訪れた久能山の東照宮は修復されてピカピカでしたが、ここのは渋くて良いですね。
http://4travel.jp/traveler/tabineko_j/album/10647835/
旧竹林院のお庭も美しいですね。
さすが、国の名勝です。
日吉大社の社殿がこんなにも立派なものとは知りませんでした。
参道の新緑も素晴らしいですね。
ん〜、坂本の街、ちょっと訪れてみたくなりました。
旅猫
- 紅い翼さん からの返信 2012/06/19 00:29:37
- RE: 街道をゆく
- 旅猫さま
こんばんわ。いつもご訪問ありがとうございます。
> 司馬遼太郎氏の「街道を行く」は、私も読んでおります。
> 旅の前に読むと、イメージが掻き立てられて。
おっしゃるとおりですね〜。
私も旅行先が決まると、「街道をゆく」の関係する巻を読み直すとともに、その1冊だけ持ってでかけてます。
> ん〜、坂本の街、ちょっと訪れてみたくなりました。
最初坂本には「比叡山にのぼるついでにちょっと寄ってみようかな」くらいの気持ちでだったのですが、門前町としての歴史が積み重なっているというか、とても静かで趣きがある街でした〜。オススメします。
旅行記300冊突破おめでとうございます!
旅猫さまの旅行記って内容が多彩(街歩きに電車に花にお酒…そしてねこ)でステキですよね♪
これからも楽しみにしております。。。
紅い翼
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