路面電車が活躍する街：富山　出張 in 富山　2011.10 vol.2

2011/10/21 - 2011/10/21

路面電車が今でも活躍している都市は全国の県庁所在都市を中心にありますが、富山市もその一つで、富山県第二の都市である高岡にも路面電車が走っています。

全国的に見ても路面電車自体はそれほど珍しくないのではと思います。ところが、路線を新たに新設した都市はかなり稀ではないかと思います。

富山市の路面電車の路線は最も長かった時期に比べると、いくつかの路線が廃止されています。ところが近年になって、既存の路面電車の路線の環状線化を行ったり、更には不採算だったＪＲの富山港線の路線を得て、新たにライトレールを新設しています。北陸新幹線の開業に伴って高架化するＪＲの路線の真下を北部のライトレールと南部の路面電車のレールを連結させる計画もあります。

驚くべきことに、今までのＪＲ富山港線の１日乗降者数が1,000〜2,000人台だったのが、4,000人台まで増やしており、マイカーからライトレールでの通勤に切り替えた人もいるそうです。完全に車社会である富山で鉄道利用者が増えたことは、とても凄いことだと思いました。

路面電車を活かした街づくりをしている富山の今後が楽しみです。

エリア 富山市(富山)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 私鉄

昔から富山市内を走っている路面電車。
どこまで行っても200円という料金制度が分かりやすくとても良いです。富山は富山駅から少し離れた西町や総曲輪通りが繁華街ですので、中学・高校生のころは路面電車に乗ってよく出掛けていました。

新しく出来たライトレールです。富山駅北口から北部エリアに路線が延びています。殆どの路線は元々のＪＲ富山港線を利用していますが、富山駅付近では路面を走っています。

ライトレールの停留場
線路が敷かれている場所には芝生が植えられています。環境性をアピールしているのでしょうか。

市電の停留所

八尾のおわら節とチンドンコンクールの絵が描かれていました。

ライトレールの路線と時刻表
路線は富山駅北口から岩瀬浜まで延びています。ライトレール沿線には高校がいくつかあり、競輪場もあるので利用者が見込めそうです。以前のＪＲ富山港線に比べ運行本数が多く、約15分おきに電車が走っています。また、周辺から乗客を呼び込める様にバス路線も開設しています。

富山駅北口の風景
広い道路の左側にライトレールの路線が敷かれています。

オーバードホール
富山駅北口の開発で建てられた建物。北口には北陸電力ビルや富山県で一番高いタワー111などがあります。南口に比べるとオフィス街のイメージがあります。

北陸電力ビルです。
北陸電力は北陸３県と岐阜県の飛騨地方を供給エリアにしていますが、北陸最大都市である金沢ではなく、富山に本店があります。電力会社は地域独占のためか、そのエリアで最も大きな会社の様に思います。

富山で一番高いビル
富山市の北口には富山で最も高いビルであるタワー１１１があります。所有者はＩＴ企業であるインテックグループです。

ビルの間に、北アルプスの剱岳が見えました。

ライトレールの車内
ライトレールは２両編成になっていて、中はゆったりとしています。段差無く乗れるバリアフリータイプです。日中は高齢者が多く、市内への買い物などの移動に用いられている様です。
運行は運転士の他に女性の車掌が乗車しており、車内アナウンスや顧客対応をしているのも特徴的です。

北陸新幹線の整備に伴う富山駅の改築工事

今、富山駅は北陸新幹線の工事を行っていますが、完成すると線路が高架になって線路の南北が行き来しやすくなります。

市電の路線整備
現在、南部の市街地と北部のライトレールは別々に運行していますが、富山駅の高架工事が終わると南北の路線が繋げられ、ライトレールを利用している北部の人達は市の中心部まで乗り換え無しに行くことができ、更に便利になります。

現在、地方都市では郊外のショッピングセンターに客足を奪われ、中心市街地がどんどん廃れていっています。富山市も例外ではなく、昔に比べ中心市街地の商業施設に活気が無くなっている様に感じます。

路面電車が中心市街地活性化のキッカケになれば良いなと感じています。