2009/01/12 - 2009/01/14
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JIC旅行センターさん
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サルダナさんにリクエストした行き先の2つ目は、郵便局です。世界で最も寒い町では、郵便物はどのように取り扱われているのでしょう。これまた、大いに興味をそそりますよね。ね?
郵便局は学校のすぐ向こう側にありました。小さな町なのでアナトリーさんのウアズに乗ったら、1分とかかりません。数百mの移動で着いてしまいました。郵便局の建物は、やはり木造で、周囲の家並みと調和した外観です。中は薄暗くて、暖かくて、なにやら居心地のいい感じ。郵便局というと、日本人のイメージではもっぱら蛍光灯に照らされた白色のオフィスですが、ここは白熱灯を使っているんですね。
郵便局でまずやってみたかったこと、それは日本へはがきを出すことです。ちょうど、いい絵はがきがありました。キシリャフの絵はがきです。キシリャフ(КИСИЛЯХ)とは、ヴェルホヤンスクからヤーナ川をしばらく下ったところの山上にある奇岩群のことです。このあたりの人々にとっては、それはそれは聖なる土地で、また、夏には子供たちがそろって登山したりする行楽地でもあるのだとか。しかし、そのような予備知識を持たぬ者にとっては、木も生えない殺風景な山肌に、やたらと岩が転がっているだけにしか見えないという、十二分にマニアックな被写体。これです。これこそ、ヴェルホヤンスクから日本へ送る絵はがきにふさわしい。
せっせと自分の大阪の住所を書いて、メッセージを書いて、さて切手を貼りましょう、という段階で、ちょっとしたハプニングがありました。このはがきを日本まで送りたいのですが、と局員の女性に差し出すと、何やら様子がおかしいのです。なんと、これまで日本行きの郵便物を取り扱ったことがないから、料金がわからないと言うではありませんか。大体、はがきの料金なんて、宛先が日本だろうがアルゼンチンだろうが、大した額でもないでしょう。適当に一番高い行き先の料金でいいですよ、と言ったのですが聞き入れてもらえず、まじめな局員さんが正しい料金を突き止めるまで、しばし待たされることになりました。
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待っている間、ふとカウンター奥の壁に目をやると、何やら大きな図面が貼り付けてあります。タイトルを読むと、СХЕМА ДОСТАВКИ…おっとこれは、郵便配達経路図だ!
しかしこれは、見れば見るほど面白い手書きの地図ですよ。ヴェルホヤンスクの街路がのびのびと描かれ、その両側には四角形で表された家々が並んでいます。そしてそれらを結びつけるおびただしい数の矢印。このまったく洗練されていないデザインから放たれる不思議な機能美の、絶妙なバランス!
その味わい深さに、ついついはしゃいでしまった私は、オオノ記者にせがんで何枚も写真を撮ってもらいました。というわけで、たぶん本邦初公開、ヴェルホヤンスクの郵便配達経路図(部分)です。お楽しみあれ。
図を見ていると、何気なく行き来していた表通りにも、ちゃんと名前があることがわかります。ホテルや学校、そしてこの郵便局も面しているヴェルホヤンスクのメインストリートは、ノヴゴロドフ通り(ул. Новгородова)というようです。そういえば、学校もノヴゴロドフ名称、でしたね。そして、図をよく見るとさらに意外な事実が発覚します。
ホテルと学校の目の前、単なる空き地だと思っていたところ、そこは実は湖だったのです。細長い形状の河跡湖で、名前もついています。なになにБАЙКАЛ…ええっ、バイカル湖だと!誰が知ろう、ヴェルホヤンスクにはバイカル湖があって、私たちはその湖畔のホテルに泊まっていたというわけです。しかしどうしてこんな名前がついたのでしょうか。郵便局員の女性に聞いても、アナトリーさんに聞いても、昔からそう呼ばれているからわからないよ、とのこと。
どうやら単なる遊び心でつけた名前じゃなくて、由緒ある地名みたいです。しかしこの町はまだまだ想像外のことがたくさん眠っていますね。郵便局に行かなかったら、きっとこの事実には気づかないままだったでしょう。地元の住民にとっては、当たり前すぎることで、誰もわざわざ教えてはくれなかったはずですから。
ところで、図の中には旗のような目立つ印がいくつかありますね。これは犬を飼っている家を示しているのだそうです。明らかに持ち歩けない壁掛サイズの地図にそんな印をつけて、果たして実用上意味があるのか、という疑問は口にしませんでしたが、実際どう使っているのでしょう。常々目に触れるようにしておいて、暗記の助けにしているのかもしれませんね。
おや、ようやく郵便料金の調べがついたようです。26ルーブル。だいたい80円くらいになるでしょうか、安いっ。でも、料金がわかったと思ったらすぐに次の問題が起こりました。今度はちょうどいい額の切手がないと言いだしたのです。どうしても、小額の切手をたくさん組みあわせて貼るしかない、と。ぺたぺた貼っていったら、大変です、宛先が覆い隠されてしまいそうですよ!
5ルーブル切手4枚に3ルーブル切手2枚、全部で7枚にもなりました。しかも、少額切手はなぜか1枚のサイズが妙に大きいのです。どうにかぎりぎり全部貼りましたが、はがき1つ投函するのにこんな騒ぎになるとは思いもしませんでした。 -
さて、そうこうするうちに、とっぷりと夜になりましたが、今日はホテルで夕食を摂りません。なぜなら今夜は町内の一般のご家庭を訪問して、食事をいただくことになっているからです。どうです、私たち、ヴェルホヤンスクに滞在してこれからやっと2晩目だというのに、ずいぶん中身の濃いプログラムが盛りだくさんだと思いませんか?では次回、その家庭の様子をご紹介いたします。つまり、連載はまだまだ続きますので、よろしくお願いいたします。
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