2009/01/12 - 2009/01/12
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JIC旅行センターさん
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荷物を解いて人心地つくと早速1階の食堂で夕食です。では、この日いただいた食事メニューを紹介しましょう。
■冷たいメニュー
1. キョルチャフ(кёрчах)
2. フナの仲間、カラシの焼魚(караси печёные)
3. 馬肉のストロガニナ(строганина жеребятина)
4. 魚のストロガニナ(строганина рыбная)
いきなりわけのわからないメニューに面食らっている皆様、ちゃんとマニアックに説明いたしますのでご心配なく。
まずキョルチャフ。これは連載の第2回で紹介したので憶えておいでの方もいらっしゃるでしょう。クッキーくらいの大きさに凍らせたミルクのシャーベットです。サハ共和国ではたびたび食卓に上るデザートですが、口どけさわやかで、おいしい。いくらでも食べられます。
カラシという魚も、連載の第2回で少し紹介しましたね。そうです、あの全てが凍った市場で売られていた小さな魚たちです。ところでこのメニュー、焼いて食べるにもかかわらず、なぜか冷ましてあるのです。あったかい方がおいしいと思うんだけどなあ…。ちょっと小骨が多いですが、味は日本人にもなじみある、白身の焼魚でした。特にソースはなく、塩をつけて食べます。
さて、次はストロガニナ。連載7回目にしてようやく紹介いたしますが、これは冬のヤクート人のソウルフードと言ってもいいくらい、超重要な食べ物で、凍った魚や肉を薄く削ぎ切りにした料理です。
魚は特にチール(чир)が好んで用いられるようです。チール、これまた連載第2回で紹介しましたね。市場で「地獄の剣山」になっていたあの大きな魚です。あれを、凍ったままナイフで削って皿に盛り付ければ出来上がり。だから、カンナ屑のようにくるんと巻いた形をしています。少し塩をつけて口に入れると、半分融けながらシャリッとした食感が混ざり合います。刺身で生魚になじんでいる日本人には親しみやすい、大変おいしい料理ですよ。
一方、肉のストロガニナは馬肉が使われています。皆さん、肉と言えばどんな動物を思い浮かべますか?日本人なら牛、豚、鶏が筆頭でしょう。ところがヤクート人にとってそれは圧倒的に馬なんです。市場へ行っても馬、スーパーに行っても馬、どこへ行っても肉売り場では、巨大な馬肉の塊が売られているのが目立ちます。ヤクート人の方々は、この馬肉こそを主食とみなしていて、本当によく食べるんです。それこそ茶碗でご飯を食べるかのように。
サルダナさんは、かつて日本に留学していた頃、肉が高くて全然食べられず、大いに困ったのだそうです。さて、馬肉のストロガニナ、食べてみると凍った馬刺しそのものです。少しクセがあるので日本人には好みが分かれるかもしれません。
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■温かいメニュー
1. サラマート(саламат)
2. チールのウハー(уха из чира)
3. ウサギとキャベツの蒸し煮(заяц тушёный с капустой)
またまたよくわからないものが出てきましたね。サラマート。これは牛乳とチーズと小麦粉を火にかけて練り上げたものです。原料を見ればおわかりでしょう、つまりホワイトソースです。でも、特に何かにかけるものでもなく、スプーンですくって単独で食べます。うーん、こってり!
ウハーはご存知の方も多いでしょう、ロシア料理の魚のスープです。ただそこに使われている魚がチール、というあたりがヤクート風ですねー。魚がおいしいので、スープもいい味です。
ウサギとキャベツのメニューは、このヴェルホヤンスク近くで獲ったウサギを調理したもので、塩味ベースのシンプルな蒸し煮です。ウサギ肉、食べたことあるかたはご存知でしょう、骨と肉が入り組んでいて、食べるのが結構難しいんですよね。しかも、ここヴェルホヤンスクのウサギ肉は、野生で鍛え上げられた弾力たっぷりの筋肉、ナイフとフォークでしばし格闘することになりました。 -
■パン類
1. ヤクート風レペーシュキ(лепешки якутские)
2. ヤクート風ピロシキ(пирожки якутские)
3. 白パン(хлеб пшеничный)
レペーシュキとはロシアの平たいパンの一種です。ヤクート風は丸ボーロを大きくしたような形状をしていますが、材料は小麦粉のようです。形以外に、何をもってヤクート風と言ったものか、実はよくわかりません。すみません。
ピロシキはご存知ですね。具の入った揚げパンです。ただ、ヤクート風は平たい形をしていて、揚げるのではなくフライパンで焼いて作られているみたいです。ちょうどおやきのようなものですね。
白パンは、ごく普通の小麦粉パン(ロシアで言うところのバトン)でした。
以上で大体おわかりかと思いますが、ヤクート料理といのは、大別すると魚系、肉系メニューに分かれています。そして、何よりも素材勝負なのです。調理上、複雑な味付けがあまりされず、ちょっと塩をつけて食べるというスタイルが多いんですね。魚系メニューは、普段から豊富な魚介の味を楽しんでいる日本人にとって、きっと舌によく合うことでしょう。
一方、肉系メニューが素材勝負で出てくると、それはつまり、ケモノ感まるだしなワイルド料理となりがちです。うーん、ちょっとこっちは万人受けしないかもしれないなあ…。そうそう、気をつけなければならないのは量です。大抵の日本人には多すぎる量が出てきますので、まともに人数分注文すると食べきれなくなること間違いなし。モンゴル系の顔立ちをしていても、ヤクート人の胃袋は日本人のそれとずいぶん違うみたいですよ。
それでは、ヴェルホヤンスクの第1夜となりました。おやすみなさい。
<つづく>
※掲載写真は全て北海道新聞社の大能記者撮影
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