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 祝、連載開始2周年!などと書くとちょっとした長編みたいですが、これでまだ8回目です。本誌の発刊ペースは、遅筆の言い訳にはまことに都合がよいものだなあと、いささか見当違いなありがたみを感じております。<br /><br /> ヴェルホヤンスクの2日目、朝食は以下のとおりでした。<br /><br />■2009年1月14日の朝食<br /><br />1.	米のミルク粥 (молочный рисовый)<br />2.	アラーディとキイチゴのヴァレーニエ (оладьи с малиновым вареньем)<br />3.	パン (хлеб)<br />4.	紅茶(ミルク+砂糖)、あるいはコーヒー<br /><br /><メニューの解説><br /><br /> お粥はロシアの朝食ではよくあるメニューです。甘く味付けされています。アラーディは聞き慣れない方も多いでしょう。これはロシアの丸いパン状の食べ物です。作り方によって見た目にもかなり違いがありますが、ヴェルホヤンスクのホテル「寒極」で出てきたものは、厚焼きのブリヌィのようなぺったんとしたものでした。ヴァレーニエとは、ベリー等の果物を甘く煮込んだもののことで、ジャムのようですが、さらりとしています。これもロシア語です。アラーディと合わせると大変美味!パンは、ふつうの白パン(バトン)をスライスしたもの、紅茶、コーヒーも、日本で見るものとほぼ同じものでした。<br /><br /> 今日も朝から楽しいヴェルホヤンスク観光の始まりです。まずはどこへ行きましょうか。はい、もちろん、学校です。(そう、また学校!)<br /><br /> ヴェルホヤンスクの学校は我々の宿舎であるホテル「寒極」のすぐ隣にあるので、徒歩であっという間に着きました。もっとも、小さな町ですから、どこであれ近いことには大差ありません。<br /><br /> 昨日もそうでしたが、学校の中は集中暖房(アタプレーニエ)が行き届いていて、一歩入るともうポッカポカです。廊下にはたくさんの教室が並んでいます。その中のひとつに入ると私達客人(サルダナさん、オオノさん、筆者の3人)は、横一列に腰掛けるよう促されました。何だろうと思う間もなく、そこへ3人の女子生徒が現れ、それぞれ私達の前に一人ずつ立ちました。来客をもてなす儀式のようです。彼女達は何かを語りかけながら、馬乳酒クムィス(кумыс)の入った木製の杯を順番に差し出します。1人目は英語で、2人目はフランス語で、3人目はヤクート語で。実は、その言葉の細かな内容は聞き漏らしてしまったのでわかりません。面目ないことですが、彼女達がびっくりするほど美しいドレスをまとっていたもので、注意を奪われてしまったのです。これは民族衣装の晴れ着だそうです。真っ白な、雪の女王のようで、それでいて3人とも違うデザインで、細部まで手の込んだ装飾が凝らされています。これはすごい。<br /><br /> 何がすごいって、このヴェルホヤンスクでこんな余裕たっぷりの文化的生活が営まれていることです。昨日、2つの博物館の本気っぷりに驚かされたばかりでしたが、それどころじゃない。この学校生活こそが、極限の地の文化の最先端をリードしているに違いありません。<br /><br /> 直感は当たりました。このあと、さまざまな授業風景を見学するうちに、この学校の教育環境は、ちょっとした都会の学校のそれにも劣らないばかりか、むしろ凌駕さえする水準だと判ってきたのです。<br /><br /> 10年生「а」クラスの生物の授業では、植物の講義中でした。7年生「б」クラスの地理の授業にもお邪魔しました。どちらの教室でもパソコンとプロジェクターをふんだんに駆使していて、生徒も活発にプレゼンテーションしています。現代においては、児童生徒がパソコンの操作に習熟している光景など、珍しくありません。こんなことに感心していてはかえって失礼でしょう。けれど、やっぱりショッキングでした。特別な町ヴェルホヤンスクまではるばるやって来たのに、さも当たり前の顔をして、ふつうのことをやって見せられると、一瞬、人生観がぐらついたような気になります。<br /><br /> 11年生「б」クラスは体育の授業中で、ちょうど男子生徒たちが、不思議なスポーツをしていました。ヤクート独自の競技だそうです。そのいくつかを実演してもらいました。

エクメネの最果てへ ―サハ共和国 冬の旅― (16)

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2009/01/12 - 2009/01/14

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JIC旅行センター

JIC旅行センターさん

 祝、連載開始2周年!などと書くとちょっとした長編みたいですが、これでまだ8回目です。本誌の発刊ペースは、遅筆の言い訳にはまことに都合がよいものだなあと、いささか見当違いなありがたみを感じております。

 ヴェルホヤンスクの2日目、朝食は以下のとおりでした。

■2009年1月14日の朝食

1. 米のミルク粥 (молочный рисовый)
2. アラーディとキイチゴのヴァレーニエ (оладьи с малиновым вареньем)
3. パン (хлеб)
4. 紅茶(ミルク+砂糖)、あるいはコーヒー

<メニューの解説>

 お粥はロシアの朝食ではよくあるメニューです。甘く味付けされています。アラーディは聞き慣れない方も多いでしょう。これはロシアの丸いパン状の食べ物です。作り方によって見た目にもかなり違いがありますが、ヴェルホヤンスクのホテル「寒極」で出てきたものは、厚焼きのブリヌィのようなぺったんとしたものでした。ヴァレーニエとは、ベリー等の果物を甘く煮込んだもののことで、ジャムのようですが、さらりとしています。これもロシア語です。アラーディと合わせると大変美味!パンは、ふつうの白パン(バトン)をスライスしたもの、紅茶、コーヒーも、日本で見るものとほぼ同じものでした。

 今日も朝から楽しいヴェルホヤンスク観光の始まりです。まずはどこへ行きましょうか。はい、もちろん、学校です。(そう、また学校!)

 ヴェルホヤンスクの学校は我々の宿舎であるホテル「寒極」のすぐ隣にあるので、徒歩であっという間に着きました。もっとも、小さな町ですから、どこであれ近いことには大差ありません。

 昨日もそうでしたが、学校の中は集中暖房(アタプレーニエ)が行き届いていて、一歩入るともうポッカポカです。廊下にはたくさんの教室が並んでいます。その中のひとつに入ると私達客人(サルダナさん、オオノさん、筆者の3人)は、横一列に腰掛けるよう促されました。何だろうと思う間もなく、そこへ3人の女子生徒が現れ、それぞれ私達の前に一人ずつ立ちました。来客をもてなす儀式のようです。彼女達は何かを語りかけながら、馬乳酒クムィス(кумыс)の入った木製の杯を順番に差し出します。1人目は英語で、2人目はフランス語で、3人目はヤクート語で。実は、その言葉の細かな内容は聞き漏らしてしまったのでわかりません。面目ないことですが、彼女達がびっくりするほど美しいドレスをまとっていたもので、注意を奪われてしまったのです。これは民族衣装の晴れ着だそうです。真っ白な、雪の女王のようで、それでいて3人とも違うデザインで、細部まで手の込んだ装飾が凝らされています。これはすごい。

 何がすごいって、このヴェルホヤンスクでこんな余裕たっぷりの文化的生活が営まれていることです。昨日、2つの博物館の本気っぷりに驚かされたばかりでしたが、それどころじゃない。この学校生活こそが、極限の地の文化の最先端をリードしているに違いありません。

 直感は当たりました。このあと、さまざまな授業風景を見学するうちに、この学校の教育環境は、ちょっとした都会の学校のそれにも劣らないばかりか、むしろ凌駕さえする水準だと判ってきたのです。

 10年生「а」クラスの生物の授業では、植物の講義中でした。7年生「б」クラスの地理の授業にもお邪魔しました。どちらの教室でもパソコンとプロジェクターをふんだんに駆使していて、生徒も活発にプレゼンテーションしています。現代においては、児童生徒がパソコンの操作に習熟している光景など、珍しくありません。こんなことに感心していてはかえって失礼でしょう。けれど、やっぱりショッキングでした。特別な町ヴェルホヤンスクまではるばるやって来たのに、さも当たり前の顔をして、ふつうのことをやって見せられると、一瞬、人生観がぐらついたような気になります。

 11年生「б」クラスは体育の授業中で、ちょうど男子生徒たちが、不思議なスポーツをしていました。ヤクート独自の競技だそうです。そのいくつかを実演してもらいました。

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