2012/04/29 - 2012/04/29
28位(同エリア102件中)
ころっつさん
カレンダー通りの出勤となる私の会社のゴールデンウイーク休暇は前半・後半に分かれています。天気がよさそうな前半休暇の中日に「しまね海洋館・アクアス」をメインに石見地方の海沿いを日帰り旅行しました。
その第2弾は、世界遺産・石見銀山から通じる「銀のみち」の終点にある温泉郷・温泉津のまちなみ巡りを中心とした旅記です。
- 交通手段
- 自家用車
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温泉津(ゆのつ)は難読地名としても知られています。今は合併して大田市となっていますが、かつての温泉津町では町長がいつも名刺を渡すと「おんせんつ」と呼ばれることから、難読地名の自治体を集めたサミットを開催し、知名度をあげようとしたこともある町です。まちなみ歩きの拠点となるのは港近くにある観光案内所「ゆうゆう館」で、ここには無料駐車場も設置されています。
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温泉津港はリアス式海岸となっており、山と入江が複雑な海岸線を形成しています。
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「ゆうゆう館」前からは、右に折れると温泉津の温泉街、左に行くと石見銀山の銀の積み出し港となった沖泊の集落につながっており、どちらも石見銀山の関連施設として世界遺産に登録されています。
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まずは右に折れ、温泉津温泉街を歩いて行きます。
温泉津は、石見銀山の外港として発展した温泉のある港町で、江戸時代以来の町割りを残しており、町屋・廻船問屋・温泉旅館・社寺等の伝統的建造物がよく残っています。温泉町としては唯一国の重要伝統的建造物群保存地区の選定を受けています。 -
路地に入ると、なまこ壁を持つ蔵と塀が立ち並んでいます。
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温泉津温泉街は、国の伝建地区としての指定だけではなく、銀積み出しの商都としても栄えたことから「石見銀山遺跡とその文化的景観」の一部として世界遺産にも登録されています。
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かつてはかなり鄙びた温泉街でしたが、世界遺産登録を契機に、昔ながらの和風温泉旅館が並ぶレトロな景観を見学するため、最近は多くの旅行者が訪れています。
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古くから温泉地として栄えていた温泉津ですが、銀山からの銀の積み出し、そして物資の運搬の港町として毛利時代に整備され、発展しました。
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湯治場の情緒が色濃く残る温泉街です。
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港から温泉街の山に向かって行った方にある旅館・長命館は共同浴場元湯の湯治宿で、重厚感を醸し出す木造3階建ての建物です。
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共同浴場「元湯」。1300年前から湧出する湯は、薬効の高さで知られ、この日も多くの人が訪れていました。
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和風建築が立ち並ぶ中、レトロな雰囲気を持つ木造の洋館もあります。
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洋館の屋根の部分には「温泉」の文字も掲げられています。内部は喫茶コーナーやギャラリーとなっており、共同浴場「薬師湯」のすぐ横にあります。
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共同浴場「薬師湯」。同じ共同浴場「元湯」のすぐそばにあるのですが、こちらの源泉は明治時代の浜田地震で湧出したことから「なまずの湯」との呼ばれています。日本温泉協会の天然温泉の審査で最高評価を受けたかけ流しの湯があふれる浴場です。
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男女別の入口の間に料金所がある昔ながらの銭湯スタイルを受け継ぐ建物構造です。
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近代化とは一線を画した情緒あふれる景観を持つ温泉街。夜の雰囲気もいいのでしょうね。
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赤い丸ポストが似合うまちなみです。石見銀山の世界遺産指定から5周年を祝う幟も随所に立ててあります。
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温泉せんべいを売るお土産屋さんもあります。
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この道が石見銀山に続くことを示す石造りの道しるべもあります。
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温泉街にある「龍御前神社」。由緒ありそうな神社で山の崖のところに巨岩が祀られています。ここでは週末を中心に、夜には石見神楽も上演されるようです。
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昭和時代に建てられたと思われる建物ですが、私の小さい頃にはたくさんあったこうした建物も今やどことなく郷愁を感じさせます。
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左の建物は唯一残る廻船問屋だった内藤家。内部は非公開なのですが、外部からも重厚な造りをうかがい知ることができます。
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観光案内所の駐車場から車に乗って5分ほどのところにある沖泊集落。
沖泊は、温泉津温泉街から狭いトンネルを抜けていくとある海に面した小さな集落です。入江の水深が深いことから、毛利氏の支配時代から石見銀山で産出した銀鉱石の積み出しに利用されていた港があったところです。 -
リアス式海岸の沖泊港は海が深く波が静かで、大型船の入港が容易だったため、主に16世紀前半の約40年間、銀の輸送や銀山で使われる物資補給のため大型船が出入りしていた港です。
江戸時代には北前船の寄港地にもなり、船をつなぎとめる「鼻ぐり岩」がたくさん残っており、中世の港の歴史的景観を留めています。 -
港のすぐ近く、集落入口には、航海安全を祈願するためのものでしょうか…歴史のありそうな神社が残っています。
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温泉津温泉街と一体となって歴史を作ってきた沖泊の集落は静寂を保っています。
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温泉津温泉街から少し離れた山側に「やきものの里」があります。長さ30mにも及ぶ15段の登り窯が残っており、温泉津焼の資料館も併設されています。
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近づいてみると巨大なのぼり窯であることがわかります。
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のぼり窯を覆う屋根は、中国地方に多い、赤味がかったベンガラが混じった石州瓦を載せて、段々状に連なっています。
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温泉津は江戸時代から瓦や陶器の生産が始められ、「やきものの里」近くには現在も窯元がいくつかあります。近くには草に覆われて、かつて使われていたのぼり窯の遺構があります。
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温泉津温泉街から国道9号を北上していくと、巨大なガラス張りの三角屋根が見えてきます。「仁摩サンドミュージアム」という建物です。
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近くに鳴り砂の海岸があることから、今は大田市と合併した旧仁万町がバブル時代にふるさと創生事業として、砂にちなんだ博物館を設置しました。
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入場料は700円なのですが、閉館となる午後5時を過ぎており、中に入ることはできませんでした。外観のみ見学します。
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ここには一年をかけて砂が落ちる、世界最大の砂時計があることで知られています。三角屋根のガラス越しに、その何分の1かのサイズのオブジェをのぞきます。実際のものは三角錐の屋根の上部に収まっているのですが、写真には上手く撮れませんでした…。
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この博物館には、砂をテーマにした様々な展示があるようです。
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段々状になった花壇には、ちょうど今が開花の時期となるツツジの花が美しく咲き誇っていました。
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この旅行記へのコメント (4)
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- 旅猫さん 2012/06/03 10:39:28
- 温泉津!
- ころっつさん、こんにちは〜
温泉津へも行かれたのですね!
懐かしいなぁ。
私が訪れたのは、もう6年前です。
とても風情のある街並みですよね。
共同浴場はどちらも泉質が素晴らしかったです。
沖泊は静かで良いところですよね。
穏やかな海を眺めていると、時間を忘れそうになります。
良かったら、当時の旅行記を読んでください。
http://4travel.jp/traveler/tabineko_j/album/10110928/
旅猫
- ころっつさん からの返信 2012/06/10 21:18:15
- RE: 温泉津!
- 旅猫さん、こんばんは。
いつもながら…お返事が遅くなり申し訳ありません。
共同浴場には今回入湯していませんが、次は宿泊でぜひ訪れたいと思いました。
旅猫さんの旅行記、見せていただきましたよ。私よりもコメント欄もしっかりしていて、随分丁寧な旅行記で感心いたしました。温泉津はやはり世界遺産になってから観光客が増えてきたようですね。
旅猫さんは、宿泊されて夜や朝に散策されていますね。そういう旅を次はしてみたいです。
沖泊は世界遺産になった今も訪れる人が少なく、穏やかな海がいいところですね。
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- morino296さん 2012/05/13 18:47:40
- 確かに難読ですね
- ころっつさん
こんにちは。
温泉津、確かに難読地名で、町長さんも大変だったことでしょうね。
温泉津温泉街、知らない人(私もそうです)が見たら、何か変な感じですよね。
温泉町としては唯一国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれているのも納得ですね。
石見銀山が世界遺産に登録されて、この温泉街も訪れる人が増えて良かったですね。
名湯のようですが、共同浴場も多く、気軽に温泉を楽しめるようですね。
温泉津焼の登り窯も、いいですね。
どんな焼き物なのか、興味がわきますね。
行ってみたい場所が、また、一つ増えました。
morino296
- ころっつさん からの返信 2012/05/17 07:04:59
- RE: 確かに難読ですね
- morino296さん、おはようございます。
言われてみたら「温泉津温泉街」って、確かに「ん?」という感じですね。
昔にも一度行ったことがあるのですが、石見銀山とともに世界遺産になって急に訪れる人が増えたなあ…という印象です。世界遺産のネームバリューってやっぱりすごいですね。
私は、次は日帰りではなく、泊まりで行ってみたいと思いました。
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