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 増上寺には、二代秀忠公、六代家宣公、七代家継公、九代家重公、十二代家慶公、十四代家茂公の、六人の将軍の墓所がもうけられている。<br /> 徳川将軍家墓所には正面左に台徳院(二代秀忠)、奥から、有章院(七代家継)、惇徳院(九代家重)、慎徳院(十二代家慶)と並び、正面右に文昭院(六代家宣)の宝塔、奥から、昭徳院(十四代家茂)、静寛院(和宮、十四代正室)の宝塔、合祀塔(もとは月光院(六代家宣の側室)に在った)が対称に並んでいる。<br /> 墓所には各将軍とその正室と側室の墓ももうけられているが、その中では静寛院和宮と文昭院(六代家宣)の宝塔は青銅製で立派である。港区のボランティアの方に話しを聞くと、文昭院(六代家宣)の宝塔には葵の紋が入り、静寛院和宮の宝塔屋根には菊のご紋が付いている。御三卿の墓には葵の紋が入り、その正室には実家の家紋が入っているそうだが、将軍の正室では静寛院和宮の宝塔だけに実家の家紋が入っているがこれは明治になって建立されたからだそうだ。また、将軍の宝塔の屋根は四角であるが、正室の墓には2代、4代、‥、11代などが八角屋根になっている。石段の数も増上寺では4段であるが、寛永寺にある天璋院篤姫の墓の石段は7段あるそうだ。<br /> ボランティアの方が言うには、和宮は筋の通った聡明な方であったという。鳥羽・伏見の戦いが始まると軍艦で大坂から江戸に戻って寛永寺に蟄居謹慎し、朝廷への恭順の意を示した徳川慶喜は和宮に取り成しを頼んだ。しかし、和宮は最初に自分に詫び状を入れさせたそうだ。また、江戸城無血開城もNHK大河にあったような天璋院篤姫の手紙の以前に、和宮が実家の橋本家と岩倉具視宛に歎願書を書き土御門藤子に託した。こうした動きから江戸城無血開城に至ったという。<br /> このボランティアの方は墓に詳しく、慶喜は主義一貫した方だと言う。水戸に生まれ、尊王思想の中で育ったために、幕閣が一橋慶喜の将軍就任を望まなかったのは大政奉還されるのではないかと恐れていたからだと言う。大政奉還という考えは同時に色々な人が唱えたといい、何も坂本龍馬だけの考えではなく、龍馬がいなくても慶喜公なら大政奉還したという。薩長同盟も鎌倉にある島津家祖と毛利家祖の並んだ墓を見て龍馬がいなくてもと確信していたが、大政奉還さえも龍馬がいなくてもと言われ、それなら、龍馬は単なるグラバーの武器販売員だったのか?また、国内で、外国(英仏)を巻き込んだ戦さになることを避けるために、フランス公使レオン・ロッシュに近い小栗上野介を罷免し、勝海舟を登用したのもそのためだという。<br /> 慶喜は晩年、徳川宗家離れ、新たに徳川慶喜家を起こし、元将軍として寛永寺の谷中墓地に墓所を貰い、生前に小さな円墳の墓を造ったのは、神道で天皇と同じ円墳に葬られたかったからだという。優柔不断とされる慶喜公の一生は主義一貫した尊王主義で貫かれたものであったという。<br /> 徳川家の菩提寺が2つあり、浄土宗(増上寺)と天台宗(寛永寺)あることを尋ねると、どうもお江が関係しているという。お江は長男の家光よりも次男の忠長を溺愛していた。家康亡き後、天海上人から観音さまを頂く浅草寺が武家の棟梁たる徳川家の祈願寺としてはおかしいのではないか言われて寛永寺を建立した。家光は母親を嫌い、お江が亡くなった後はそうでもなかったのだが、秀忠が亡くなると弟忠長を追い詰め、自害に至らしめる。両親とは一緒の所には埋葬されたくなかった家光は自分の葬儀を寛永寺で行わせ、寛永寺を将軍家の菩提寺としてしまった。そのために菩提寺が2つになったのだという。<br /> 徳川将軍家墓所は無料公開日であったが、秋ほどは人出はなく、撮影禁止の立て札もなかった。おかげで、ボランティアの方も手持ち無沙汰のようで、1時間ほど話してくれた。<br />(表紙写真は徳川家霊廟の台徳院(2代秀忠)と崇源院(お江の方)の合祀宝塔)

芝増上寺・徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)-2012年

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2012/01/15 - 2012/01/15

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 増上寺には、二代秀忠公、六代家宣公、七代家継公、九代家重公、十二代家慶公、十四代家茂公の、六人の将軍の墓所がもうけられている。
 徳川将軍家墓所には正面左に台徳院(二代秀忠)、奥から、有章院(七代家継)、惇徳院(九代家重)、慎徳院(十二代家慶)と並び、正面右に文昭院(六代家宣)の宝塔、奥から、昭徳院(十四代家茂)、静寛院(和宮、十四代正室)の宝塔、合祀塔(もとは月光院(六代家宣の側室)に在った)が対称に並んでいる。
 墓所には各将軍とその正室と側室の墓ももうけられているが、その中では静寛院和宮と文昭院(六代家宣)の宝塔は青銅製で立派である。港区のボランティアの方に話しを聞くと、文昭院(六代家宣)の宝塔には葵の紋が入り、静寛院和宮の宝塔屋根には菊のご紋が付いている。御三卿の墓には葵の紋が入り、その正室には実家の家紋が入っているそうだが、将軍の正室では静寛院和宮の宝塔だけに実家の家紋が入っているがこれは明治になって建立されたからだそうだ。また、将軍の宝塔の屋根は四角であるが、正室の墓には2代、4代、‥、11代などが八角屋根になっている。石段の数も増上寺では4段であるが、寛永寺にある天璋院篤姫の墓の石段は7段あるそうだ。
 ボランティアの方が言うには、和宮は筋の通った聡明な方であったという。鳥羽・伏見の戦いが始まると軍艦で大坂から江戸に戻って寛永寺に蟄居謹慎し、朝廷への恭順の意を示した徳川慶喜は和宮に取り成しを頼んだ。しかし、和宮は最初に自分に詫び状を入れさせたそうだ。また、江戸城無血開城もNHK大河にあったような天璋院篤姫の手紙の以前に、和宮が実家の橋本家と岩倉具視宛に歎願書を書き土御門藤子に託した。こうした動きから江戸城無血開城に至ったという。
 このボランティアの方は墓に詳しく、慶喜は主義一貫した方だと言う。水戸に生まれ、尊王思想の中で育ったために、幕閣が一橋慶喜の将軍就任を望まなかったのは大政奉還されるのではないかと恐れていたからだと言う。大政奉還という考えは同時に色々な人が唱えたといい、何も坂本龍馬だけの考えではなく、龍馬がいなくても慶喜公なら大政奉還したという。薩長同盟も鎌倉にある島津家祖と毛利家祖の並んだ墓を見て龍馬がいなくてもと確信していたが、大政奉還さえも龍馬がいなくてもと言われ、それなら、龍馬は単なるグラバーの武器販売員だったのか?また、国内で、外国(英仏)を巻き込んだ戦さになることを避けるために、フランス公使レオン・ロッシュに近い小栗上野介を罷免し、勝海舟を登用したのもそのためだという。
 慶喜は晩年、徳川宗家離れ、新たに徳川慶喜家を起こし、元将軍として寛永寺の谷中墓地に墓所を貰い、生前に小さな円墳の墓を造ったのは、神道で天皇と同じ円墳に葬られたかったからだという。優柔不断とされる慶喜公の一生は主義一貫した尊王主義で貫かれたものであったという。
 徳川家の菩提寺が2つあり、浄土宗(増上寺)と天台宗(寛永寺)あることを尋ねると、どうもお江が関係しているという。お江は長男の家光よりも次男の忠長を溺愛していた。家康亡き後、天海上人から観音さまを頂く浅草寺が武家の棟梁たる徳川家の祈願寺としてはおかしいのではないか言われて寛永寺を建立した。家光は母親を嫌い、お江が亡くなった後はそうでもなかったのだが、秀忠が亡くなると弟忠長を追い詰め、自害に至らしめる。両親とは一緒の所には埋葬されたくなかった家光は自分の葬儀を寛永寺で行わせ、寛永寺を将軍家の菩提寺としてしまった。そのために菩提寺が2つになったのだという。
 徳川将軍家墓所は無料公開日であったが、秋ほどは人出はなく、撮影禁止の立て札もなかった。おかげで、ボランティアの方も手持ち無沙汰のようで、1時間ほど話してくれた。
(表紙写真は徳川家霊廟の台徳院(2代秀忠)と崇源院(お江の方)の合祀宝塔)

  • 出入り口脇の文昭院殿(六代家宣)石燈籠。将軍一人が亡くなると約300基の石燈籠が大名家から奉納されたそうだ。

    出入り口脇の文昭院殿(六代家宣)石燈籠。将軍一人が亡くなると約300基の石燈籠が大名家から奉納されたそうだ。

  • 出入り口脇の文昭院殿石燈籠。

    出入り口脇の文昭院殿石燈籠。

  • 出入り口脇の文昭院殿石燈籠。

    出入り口脇の文昭院殿石燈籠。

  • 徳川家霊廟入り口の鋳抜門(港区有形文化財(建造物))。もとは六代家宣墓前にあったもの。 <br /><br />

    徳川家霊廟入り口の鋳抜門(港区有形文化財(建造物))。もとは六代家宣墓前にあったもの。

  • 「焼失前二代将軍秀忠公夫妻霊廟」。「お江の方 霊廟宝塔」、「秀忠公 霊廟宝塔」、「秀忠公 霊廟」の写真。

    「焼失前二代将軍秀忠公夫妻霊廟」。「お江の方 霊廟宝塔」、「秀忠公 霊廟宝塔」、「秀忠公 霊廟」の写真。

  • 「焼失前二代将軍秀忠公夫妻霊廟」。「お江の方 霊廟」の3枚の写真。

    「焼失前二代将軍秀忠公夫妻霊廟」。「お江の方 霊廟」の3枚の写真。

  • 合祀塔。 <br /><br />

    合祀塔。

  • 合祀塔。

    合祀塔。

  • 静寛院(皇女和宮)の宝塔。

    静寛院(皇女和宮)の宝塔。

  • 静寛院(皇女和宮)の宝塔。

    静寛院(皇女和宮)の宝塔。

  • 静寛院(皇女和宮)の宝塔。

    静寛院(皇女和宮)の宝塔。

  • 静寛院(皇女和宮)の宝塔。菊のご紋が見える。

    静寛院(皇女和宮)の宝塔。菊のご紋が見える。

  • 昭徳院(十四代家茂)の宝塔。

    昭徳院(十四代家茂)の宝塔。

  • 昭徳院(十四代家茂)の宝塔。

    昭徳院(十四代家茂)の宝塔。

  • 文昭院(六代家宣)と正室・天英院の合祀宝塔。

    文昭院(六代家宣)と正室・天英院の合祀宝塔。

  • 文昭院(六代家宣)と正室・天英院の合祀宝塔。

    文昭院(六代家宣)と正室・天英院の合祀宝塔。

  • 文昭院(六代家宣)と正室・天英院の合祀宝塔。

    文昭院(六代家宣)と正室・天英院の合祀宝塔。

  • 文昭院(六代家宣)と正室・天英院の合祀宝塔。葵の紋が見える。

    文昭院(六代家宣)と正室・天英院の合祀宝塔。葵の紋が見える。

  • 台徳院(二代秀忠)と崇源院(お江の方)の合祀宝塔。 <br /><br />

    台徳院(二代秀忠)と崇源院(お江の方)の合祀宝塔。

  • 台徳院(二代秀忠)と崇源院(お江の方)の合祀宝塔。 <br />

    台徳院(二代秀忠)と崇源院(お江の方)の合祀宝塔。

  • 台徳院(二代秀忠)と崇源院(お江の方)の合祀宝塔。 <br />

    台徳院(二代秀忠)と崇源院(お江の方)の合祀宝塔。

  • 台徳院(二代秀忠)と崇源院(お江の方)の合祀宝塔。 <br />

    台徳院(二代秀忠)と崇源院(お江の方)の合祀宝塔。

  • 台徳院(二代秀忠)と崇源院(お江の方)の合祀宝塔。 <br />

    台徳院(二代秀忠)と崇源院(お江の方)の合祀宝塔。

  • 有章院(七代家継)の宝塔。 <br /><br />

    有章院(七代家継)の宝塔。

  • 有章院(七代家継)の宝塔。 <br /><br />

    有章院(七代家継)の宝塔。

  • 惇徳院(九代家重)の宝塔。 <br /><br />

    惇徳院(九代家重)の宝塔。

  • 惇徳院(九代家重)の宝塔。 <br /><br />

    惇徳院(九代家重)の宝塔。

  • 惇徳院(九代家重)の宝塔。 <br /><br />

    惇徳院(九代家重)の宝塔。

  • 慎徳院(十二代家慶)の宝塔。 <br /><br />

    慎徳院(十二代家慶)の宝塔。

  • 慎徳院(十二代家慶)の宝塔。 <br /><br />

    慎徳院(十二代家慶)の宝塔。

  • 慎徳院(十二代家慶)の宝塔。 <br /><br />

    慎徳院(十二代家慶)の宝塔。

  • 徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)の後には東京タワー。

    徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)の後には東京タワー。

  • 徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)中央。

    徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)中央。

  • 徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)左側。

    徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)左側。

  • 徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)右側。

    徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)右側。

  • 徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)。

    徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)。

  • 徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)。

    徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)。

  • 徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)。 有章院(七代家継)の宝塔前の玉砂利で遊ぶ少女。 <br /><br />

    徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)。 有章院(七代家継)の宝塔前の玉砂利で遊ぶ少女。

  • 徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)。文昭院(六代家宣)と正室・天英院の合祀宝塔。と台徳院(二代秀忠)と崇源院(お江の方)の合祀宝塔。

    徳川家霊廟(徳川将軍家墓所)。文昭院(六代家宣)と正室・天英院の合祀宝塔。と台徳院(二代秀忠)と崇源院(お江の方)の合祀宝塔。

  • 鋳抜門

    鋳抜門

  • 鋳抜門内側の登り龍。

    鋳抜門内側の登り龍。

  • 鋳抜門内側の下り龍。

    鋳抜門内側の下り龍。

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