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<br />2011年9月25日(日)<br /><br />さて、トラムに乗ろうとして、最初の課題は、切符を買うことだった。<br /><br />イタリアの市電やバスの切符は、だいたいタバコ屋に売られているだろうと考え、タバコ屋を探したが、駅内のものは日曜日とて、あいにく閉まっている。<br /><br />ちょっと困って周辺を見渡したら、駅舎から離れて駅前広場に、白い小屋が建っていて、行列が出来ていた。<br /><br /><br />「きっとあそこに行けば・・・」<br /><br />ゆっくりしか歩けない足を労わりながら、列に着く。<br /><br />それにしても、電車からバスまでを最短距離に結んでいるこの駅の設計は、一般の歩行者を重視したもので、なかなか優れている。<br /><br />かつて国鉄大阪駅の駅前設計で、私が基本理念として一般歩行者重視を言ったところ、余り賛同されなかった記憶がよみがえる。<br /><br /><br />暑さのためか、混雑のためか、小屋の中に一人しかいない切符売りのおじさんは、イタリア人にしては珍しく不機嫌だった。<br /><br />「一枚ください」と言ったら、<br /><br />「一枚でいいのかい」と念を押して、風に飛ばされないよう、その一枚の切符を大事そうに手渡してくれた。<br /><br />「当地の人は、切符を何枚か固め買いするのだなぁ」と、判る。<br /><br />切符は名刺大の、洒落たカラーデザインだった。<br /><br /><br />一枚の値段は1ユーロで、市内のトラムに限らずバスにも、使用開始以来75分以内なら、乗り放題だ。<br /><br />このシステムは非常に便利で、乗換ごとに新たな料金が発生する日本は、えらく不便で遅れている感じがする。<br /><br />ただし、乗車して直ぐに、車内の改札機で「今乗りましたよ」と、自己申告をしなければならない。<br /><br /><br />トラムのホームは、えらく細いが、道路の幅を削りながらの設計だから、仕方ないのだろう。<br /><br />ただし、椅子が置けない代わりに、立ったまま背もたれ出来る器具が取り付けられており、見慣れぬ設備に、少し進歩しているのかなと思う。<br /><br /><br />電車の時刻表は、よく目立つように、ホームに立っている丸い塔に張り付けられている。(写真参照)<br /><br />このトラムは、オープンに先立って、しばらく無料乗車期間を設け、市民に親しんでもらおうとした。<br /><br />公的交通機関は、作るだけでなく、利用者にいかに生活の一部として馴染んで貰うかが、成功のキーを握っている。<br /><br /><br />待ちながら、ホームに集まってくる人々を眺める。<br /><br />並行し、道を隔てて隣り合うくじ屋に集まっている人には、元気がなく失業者に見える者が多い。<br /><br /><br />トラムのホームの外側の段に腰掛けながら、肩を寄せ合って座り、ヒソヒソと何かしらを語り合っている。<br /><br />元気な人びとが寄り集う駅の直ぐ付近に、このようなゾーンがあることに、この町の深さを感じる。<br /><br /><br />(2011年11月09日 片瀬貴文)<br />

パドヴァ【4】パドヴァはわが豊中の半分強の人口なのに大きく見える(イタリアを夢見て【B15】)

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2011/09/25 - 2011/09/25

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ソフィ

ソフィさん


2011年9月25日(日)

さて、トラムに乗ろうとして、最初の課題は、切符を買うことだった。

イタリアの市電やバスの切符は、だいたいタバコ屋に売られているだろうと考え、タバコ屋を探したが、駅内のものは日曜日とて、あいにく閉まっている。

ちょっと困って周辺を見渡したら、駅舎から離れて駅前広場に、白い小屋が建っていて、行列が出来ていた。


「きっとあそこに行けば・・・」

ゆっくりしか歩けない足を労わりながら、列に着く。

それにしても、電車からバスまでを最短距離に結んでいるこの駅の設計は、一般の歩行者を重視したもので、なかなか優れている。

かつて国鉄大阪駅の駅前設計で、私が基本理念として一般歩行者重視を言ったところ、余り賛同されなかった記憶がよみがえる。


暑さのためか、混雑のためか、小屋の中に一人しかいない切符売りのおじさんは、イタリア人にしては珍しく不機嫌だった。

「一枚ください」と言ったら、

「一枚でいいのかい」と念を押して、風に飛ばされないよう、その一枚の切符を大事そうに手渡してくれた。

「当地の人は、切符を何枚か固め買いするのだなぁ」と、判る。

切符は名刺大の、洒落たカラーデザインだった。


一枚の値段は1ユーロで、市内のトラムに限らずバスにも、使用開始以来75分以内なら、乗り放題だ。

このシステムは非常に便利で、乗換ごとに新たな料金が発生する日本は、えらく不便で遅れている感じがする。

ただし、乗車して直ぐに、車内の改札機で「今乗りましたよ」と、自己申告をしなければならない。


トラムのホームは、えらく細いが、道路の幅を削りながらの設計だから、仕方ないのだろう。

ただし、椅子が置けない代わりに、立ったまま背もたれ出来る器具が取り付けられており、見慣れぬ設備に、少し進歩しているのかなと思う。


電車の時刻表は、よく目立つように、ホームに立っている丸い塔に張り付けられている。(写真参照)

このトラムは、オープンに先立って、しばらく無料乗車期間を設け、市民に親しんでもらおうとした。

公的交通機関は、作るだけでなく、利用者にいかに生活の一部として馴染んで貰うかが、成功のキーを握っている。


待ちながら、ホームに集まってくる人々を眺める。

並行し、道を隔てて隣り合うくじ屋に集まっている人には、元気がなく失業者に見える者が多い。


トラムのホームの外側の段に腰掛けながら、肩を寄せ合って座り、ヒソヒソと何かしらを語り合っている。

元気な人びとが寄り集う駅の直ぐ付近に、このようなゾーンがあることに、この町の深さを感じる。


(2011年11月09日 片瀬貴文)

旅行の満足度
2.5
観光
2.5
交通
3.5
同行者
一人旅
一人あたり費用
10万円 - 15万円
交通手段
鉄道

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