2011/09/25 - 2011/10/02
62位(同エリア82件中)
macoさん
4日目、この日はアンマン市内から北へ約50Kmのジュラシュへ。目的はもちろん、2000年前に造られたというジュラシュ遺跡である。アンマン市内のバスターミナルまでマヘルが着いて来てくれたが、彼は仕事があるためにヨルダンに来て2回目の単独行動となる。前日、近くのショッピングモールにウインドウショッピングには出たものの、遠出は初めてとなる。バスターミナルからアジュルン行きのバスに乗り込みジュラシュへ。
バスの車内では前列の男性2人がずっと会話を続けていた。見たところ特に知り合いというわけでもなさそうなのだが。アラブの人間はお喋りが好きなようだ。市内のタクシーでも運転手と乗客がしきりに喋っているところをよく見掛けたものだった。
午前中ということもあり、観光客の姿は少なくのんびと遺跡を巡る事が出来た。少し高い位置にある南劇場からは遺跡を一望でき、列柱通りは遺跡の中で一際、存在感を発揮していた。今でこそ、もちろん考古学的な見地からの価値はあるだろうが、観光客が集まる場所だが、当時、確かにここに人が住んでいたと思うとやはり歴史を感じられずにはいられない。そしてどれほどに美しかったであろうか。
列柱に巣をこしらえた小鳥、崩れた岩から顔を出すトカゲ。彼等の祖先はローマ人によって繁栄した当時のジュラシュをその目で観ていたのだろうか。
そんな思いに耽りつつも、僕はしきりにカメラのシャッターを切っていた。この風景を綺麗に切り取りたいと思ってのことであったが、あまりに夢中になるあまり、自らの脳裏に深く刻み付けることを忘れてしまった。写真は客観的に残るが、記憶は主観的に残る。それは時間の経過とともに細部はそぎ落とされもする。しかし、いくら色褪せようとも不思議と鮮度は保ったままなのである。
一通り散策し、遺跡近くの土産物をのぞく。後日行くぺトラもそうであるし、世界中のどこでも名所と呼ばれるところはきっと同じだと思うが、やはり観光客に慣れているし、擦れている。僕も盛んに声を掛けられた。日本人であることは彼等は百も承知だ。暇そうな3人組に声を掛けられる、「ナカムラ、ナカタ、スズキー」と。サッカー日本代表じゃないか。その中の1人にちょっと覗いてみろと促される。大体、向こうから声を掛けてくる時は注意しなければならないのだが、この時は特に警戒するでもなく店に入ってしまった。
「グッドプライス、グッドプライス」
と連呼する。どうせ吹っかけてくると予想はしていたし、言い訳ではなく確実にボっていることは途中で気が付いたが、彼の態度があまりに可笑しく、僕は授業料だと思って騙されることにした。いい鴨である僕との売買が成立してからはコーヒーを奢ってくれ、少し世間話をした。おそらくは悪い奴ではない。しかし、金が絡むと平気で人を欺く。帰りはタクシーを呼んでくれもした。白タクであるが。少し不安になったが、女性も乗っていたので平気だろうとその白タクに乗ってアンマン市内まで戻った。
この滞在中に抱いたヨルダン人の印象は、お喋りでよく言えば親切、悪く言えばお節介であった。バスの乗り場が分からなければ、教えてくれるし、運転手に目的地で降ろすように伝えてもくれる。当たり前のように世話を焼いてくれる。善意からくるものであり、そうした心遣いの源泉はイスラムの社会にあるのだろうか。
しかし、それとは裏腹に人を欺くのも全員ではないが彼等なのである。
翌日は南部を訪ねる予定だ。
- 旅行の満足度
- 3.0
- 観光
- 4.5
- ショッピング
- 1.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー 徒歩
- 航空会社
- エティハド航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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