祝世界遺産登録 杭州（1）

2011/09/03 - 2011/09/08

今年、中国の「杭州西湖文化景観」が世界遺産リストに正式に登録された。9年連続で中国は世界文化遺産への登録申請に成功。今や中国の世界遺産の数は41にも上り、世界第3位。

杭州は、『白蛇傳』の舞台ともなったところ。白素貞に会いにその地を台湾人の友人と訪れた。

この旅行記は杭州と烏鎮を尋ねた旅の初日分。

エリア 杭州(中国)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 友人
• 旅行の手配内容: 個別手配

自宅から台北松山空港まではタクシーで10分。
松山空港から杭州蕭山空港まではGE312でたったの70分。

飛び立ってすぐ機内食が配られ、離陸後30分もしないうちにトレーは片づけられた。1時間ちょっとの飛行なら機内食など出さなくてもいいと思うんだけどね。

8時15分の航空機で杭州へ向かい、昼前にはホテルにチェックイン。

今回の宿泊は杭州中山國際飯店。多くのホテルが立ち並ぶ平海路と中山中路が交わるところにあり、立地はいい。西湖へも十分徒歩で行ける。

中国へ行くのは、今回が4回目。1回目は平成2年のこと。当時は何でも安く感じたんだけど、ホテル代然り、食費然り、観光費然り、今回は何もかもが高く感じた。

チェックインを済ませ、まず向かったのは斷橋。ここは『白蛇傳』で白蛇の化身である白素貞と許仙が出会った場所。京劇では「遊湖」という場面。

その「遊湖」の音声ファイルを聴きながら、斷橋へと徒歩で向かう。ずっと会いたかった人に会う気分。

やがてうっすらとその姿を確認。蓮の花もまだ咲いていた。

これは任地であった杭州を白居易が離れる様子。

白居易というと、詩人のイメージが強いけど、役人が本業。中央役人であったにもかかわらず、自ら地方へ赴くことを希望し杭州へ。業績を多く残し、地元民に愛されたよう。

今でも、銅像と一緒に画像に収まろうとする人が多い。

斷橋に到着。

ここがあの斷橋か......。

既叫斷橋，怎麼沒有斷？

小青が白素貞に、「斷橋」というのに、なぜ橋がつながっているのかと尋ねたあの場面を想起する。

暑いこの時期に杭州を訪れたのは、これを見るためでもある。

斷橋を渡り、白堤を直進すると、もう一つの橋が出現。

この橋の名は錦帯橋。そう、岩国にある橋と同名。

錦帯橋を渡り、しばらく歩くと「平湖秋月」。

波のない平らな湖面、そして名月。

現代人にはのんびりと優雅に月を愛でる時間などないか......。

さらに前進すると、有名なレストラン「樓外樓」。

ここはあまり高い評価を受けていないようだ。

それを確かめるべく入店したけど、店内があまりにもうるさかったから......。

道をちょっと戻って東館に入店。

杭州の名物でもあり、この店の名物でもある東坡肉（18.8人民元）。

皮付きの豚バラ肉を、八角などの香辛料で煮込んだ料理。

これはおいしかった。台湾人である友人も満足。

でも、この程度のものなら台湾にもあるというのが共通した見解。

これは豆苗を炒めたもの（26人民元）。台湾でもよく食べているので注文してみた。

ところが......

塩辛い、塩辛すぎる！

毎日こんなのを食べていたら、間違いなく高血圧になる。

これは乾炸響鈴（32人民元）。

要は湯葉を揚げたもの。メニューには豚肉が入っていると書いてあったけど、ただの湯葉だった。始めのほうはおいしく感じたけど、冷めてくると、油っぽさが口に残った。

そして、杭州醤鴨（32人民元）。

んー、これも味が濃すぎる。酒のつまみにはいいんだろうけど。

ここはお茶までも金をとる。

杭州に来たから、龍井を注文。

これ一杯で12元（台湾ドルで約60元）。考えられない。

友人は、これなら伊藤園のティーバッグと変わらない味だと辛口評価。

以上の他に、米飯を注文（2人民元）。ご飯は高くない。

店内の様子。おそらく全員観光客。

白人さん一行が入店してきたけど、高すぎると言って出て行ってしまった。

ホントに高すぎるよね。

店を出てしばし歩くと、こんなものが出現。

これは内部がレストランになっている樓外樓の船だった。

チャーターすることにより利用できる。

西冷印社にも行ってみた。

ここは中国でもっとも古い全国的な金石篆刻の研究機関。

今は機能していない模様。

西冷印社を山肌に沿って登っていくと、西湖を眼下に見下ろせる。

孤山を下り（山と言うほどのものではないけど）、水辺沿いに歩くと、放鶴亭。

ここは北宋の詩人林甫の住まいがあったところ。同じく詩人であった秋瑾が「放鶴亭」と題する詩を残している。

一度相逢一度思
最多情處最情痴
孤山林下三千樹
耐得霜寒是此枝

裏手には林甫の墳墓。

林甫の性格がよくわかる詩「自作壽堂因書一絶以誌之」

湖上青山對結廬
墳前脩竹亦蕭疏
茂陵他日求遺稿
猶喜曾無封禪書

林甫は、孤山に庵を結び、隠居すること20年あまり。官職にも就かず、妻も娶らずに、詩を創作したり、絵を描いたりすることに没頭していた。梅を植え、鶴を飼っていたんだから、経済的な問題はなかったんだろうなと密かに羨む。

獅子？犬？

みんな顔かたちが異なっていておもしろい。

友人がうちのくろねこ（犬／雑種）に似ていると言っていたので、記念に撮影。

島を一周する形で歩いて、錦帯橋が見えてきた。

バスに乗車。

なんと木製！

木製バスが去り行く様子。

バスでやってきたのは湖濱公園。

噴水ショーがやっていた。

遠くに雷峰塔（2日目に訪問）。

ここに白素貞は閉じ込められた。

乗船して人口島である小瀛洲へ向かう。

この時期はあちこちで蓮の花が見られる。

中央にある塔は、ほかにも2つ。

3つそろって、杭州のタクシー（緑色）のマークになっている。

おや、文旦。

台湾でもよく食べられる。特に中秋節のころ（まさに今！）。

とてもおいしい。

さっきも食べた。

絵のようだ......。

変な形の葉っぱを見つけた。

だいぶ陽が落ちてきた。

陽の沈んでいく画像を何枚撮ったことか......。

なかなかいいのが撮れない。

やはり本格的な機材を使わないと、感動する画像は撮れなさそう。

ま、このくらいのが撮れれば満足。

さて、夕食にしよう。

ここも有名な店、「知味觀」。

土曜の夜とあって満席状態。樓外樓と異なりこちらは地元の人が多そう。

名前は忘れたけど、おいしかった（18人民元）。

杭州炒飯（16人民元）

揚州炒飯は有名だけど、杭州炒飯というのもあったんだね。

松子鱸魚（68人民元）

これは実に美味！

ちゃんと食べやすく加工してあるのがにくい。

ただ、鱸魚には淡水魚特有の臭みがある。

小龍包（15人民元）

悪くはないんだけど、台北の鼎泰豐のほうがおいしい。

この店のは皮が厚すぎる。

台湾の中華料理って、戦後に中国各地の外省人、しかもトップクラスの料理人によりもたらされたから、レベルは高い。......と言われている。

パパイヤの入った蒸しまんじゅう（15人民元）

伝統的なお菓子。現代のようにさまざまなスイーツがないのであれば、喜んでたくさん食べたかもしれない。

ホテルへの帰り道、チョークで字を書くおじさんがいた。

すばらしい！

この日は朝早く起きた上に、一日中歩き回っていたので、早めに就寝。

旅の最後まで体力が持つかな？

この旅行記へのコメント （4）

• ちょびれさん 2011/09/27 19:28:02

  まるで絵画のような風景ですね〜

  小麦さん
  
  こんばんわ！
  
  遅ればせながら・・・杭州旅行にお邪魔しまーす。
  
  ３年前娘が上海にいるときに杭州日帰り旅をしたそうで、真冬のめちゃ寒い
  時期で大変だったみたいだけど〜
  ロンジン茶をお土産に持って帰りましたよ。
  
  確か・・・西湖に行くと美人になれる？とかいう話があったらしく〜藁にも
  すがる？娘は（行っとかないと！）と出かけたみたいです〜^^;
  
  夕暮れ時の風景、美しいですね〜
  何枚もシャッター切りたくなるのが解る！
  
  水辺の東屋に座って夕昏から月が昇るまでゆったりと眺めて過ごす・・
  そんな時間と心の余裕が欲しいですよね・・・
  
  地元のお料理はお口に合わなかった？
  杭州と上海料理の差は知らないのだけれど、上海の家庭料理をご馳走になった
  時に確かに味が濃いというか塩辛いとは思いましたね〜
  そういうものなのか？？？
  
  ゆったりと過ごされた杭州旅行の続編へまたお邪魔しますね！
  
  ちょびれ

  xiaomaiさん からの返信 2011/09/27 19:40:18

  RE: 杭州、美人多し

  ちょびれさん
  
  杭州は想像以上におもしろかったです。ただ、物価の高さには本当に驚かされました。安いと感じたのは、市内バスの料金ぐらいでした。
  
  料理については、高級店の味にはそれほどの驚きは覚えませんでしたね。とにかく味が濃いのです。杭州で食べた中では、庶民的な店のがもっとも口に合いました。これは同行した台湾の友人も同じです。庶民は庶民のものを食せよ......、ということなのでしょうか。
  
  西湖に行くと美人になる......というのは知りませんでした。でも、杭州は確かに美人が多かったです。スレンダーな体型に理知的な顔立ち。古都の女性という誇りも持っているようでした。
  
  今回の旅行記はアップが大幅に遅れています。帰台したのが9月8日なので、10月7日までにはすべてを完成させたいと思っているのですが......。
  
  お時間のあるときにまたおいでください。
  
  小麦☆

• ブルートレインさん 2011/09/11 00:48:59

  綺麗な夕日ですね。

  xiaomai さんへ
  
  　こんばんは、ブルートレインです。なかなか綺麗に撮れないとおっしゃって
  
  ますが、私が見る限りでは素晴らしい一枚です。
  
  　私は夕日と夜景が大好きで、海外に出かけた時は必ず展望台等を訪れますが
  
  、満足に夜景（夕日）が撮れたことはありません。
  
  　この一枚ですが、中国らしさが出ていて本当に素晴らしいと思いました。
  
  　又訪問させて頂きますね！！
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ブルートレイン

  xiaomaiさん からの返信 2011/09/11 11:27:48

  RE: ありがとうございます

  ブルートレインさん
  
  お褒めいただき、ありがとうございます。
  
  他の方が高機能機材を使っているのを見るたびに、自分も入手しようかと感じているのですが、それを十分に使いこなせないとも思っているので、購入に至っていません（まだデジカメがなかったころ、価格がちょっと高めの一眼レフを購入しましたが、数回使ってお蔵入りとなりました）。
  
  2日目以降の分も順次アップしますので、お時間のあるときにまたご来訪ください。
  
  xiaomai☆