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六郷満山の最後に訪れた寺は、九州一古い木造建築のある富貴寺です。(大分の国宝は2ヶ所の一つです。)<br /><br /> 富貴寺は平安時代に宇佐神宮大宮司の氏寺として開かれた由緒ある寺院です。中でも阿弥陀堂(いわゆる富貴寺大堂)は、宇治平等院鳳凰堂、平泉中尊寺金色堂と並ぶ日本三阿弥陀堂のひとつに数えられ、現存する九州最古の木造建築物であり、国宝指定されている、まさに『仏の里くにさき』を代表する文化財です。<br />富貴寺大堂とその中に収められている本尊の阿弥陀如来像は970丈にも及ぶ一本の榧の巨木から六郷満山寺院を開基したとされる仁聞菩薩の手によって造られた、と伝えられています。大堂内は極楽浄土の世界を描いた壁画が施されており、風化が激しいが、極彩色で描かれていたという調査結果から県立歴史博物館に忠実に再現されています。<br />他にも大堂の周囲には僧侶が修行のときに使用したとされる、梵字が刻みつけられた仁聞石や鎌倉時代の笠塔婆、室町時代の国東塔等があり、かつての富貴寺の繁栄ぶりを偲ぶことができます。また、春の梅や新緑、秋のイチョウ・モミジなど四季の彩りも印象的。<br /><br /><br /><br />六郷満山(ろくごうまんざん)文化は心に辿(たど)る道。<br />国東半島は「仏の里」と呼ばれている。<br />古代の宇佐で生まれた八幡信仰は、やがて古代仏教と融合して「神仏習合」が生れ全国に広まっていった。<br />国東半島にある六つの郷では、天台宗と結びつき、山間に多くの寺院を擁立して、独特の仏教文化を華ひらかせていった。<br />これが六郷満山文化といわれるものである。<br />豊後高田の山あいを訪ねれば、富貴寺大堂(国宝)、真木大堂(9体の仏像国重要文化財)、熊野磨崖仏(国重要文化財・史跡)などの見事な文化財から名もない石塔や野仏等に出会うことができる。<br />ここには六郷満山文化の息吹が満ちている。<br />さて「神仏習合」とは、神と仏との出会い。これは自然の中に神を見る信仰と、人間の生き方を求める仏の道が調和されているということ。<br />このことは、現代の「人と自然」との関わり、共生のあり方に通じるものがある。<br />

大分・歴史探訪紀行⑤!(九州一古い木造建築・富貴寺・阿弥陀堂)

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2011/07/23 - 2011/07/24

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風遊

風遊さん

六郷満山の最後に訪れた寺は、九州一古い木造建築のある富貴寺です。(大分の国宝は2ヶ所の一つです。)

 富貴寺は平安時代に宇佐神宮大宮司の氏寺として開かれた由緒ある寺院です。中でも阿弥陀堂(いわゆる富貴寺大堂)は、宇治平等院鳳凰堂、平泉中尊寺金色堂と並ぶ日本三阿弥陀堂のひとつに数えられ、現存する九州最古の木造建築物であり、国宝指定されている、まさに『仏の里くにさき』を代表する文化財です。
富貴寺大堂とその中に収められている本尊の阿弥陀如来像は970丈にも及ぶ一本の榧の巨木から六郷満山寺院を開基したとされる仁聞菩薩の手によって造られた、と伝えられています。大堂内は極楽浄土の世界を描いた壁画が施されており、風化が激しいが、極彩色で描かれていたという調査結果から県立歴史博物館に忠実に再現されています。
他にも大堂の周囲には僧侶が修行のときに使用したとされる、梵字が刻みつけられた仁聞石や鎌倉時代の笠塔婆、室町時代の国東塔等があり、かつての富貴寺の繁栄ぶりを偲ぶことができます。また、春の梅や新緑、秋のイチョウ・モミジなど四季の彩りも印象的。



六郷満山(ろくごうまんざん)文化は心に辿(たど)る道。
国東半島は「仏の里」と呼ばれている。
古代の宇佐で生まれた八幡信仰は、やがて古代仏教と融合して「神仏習合」が生れ全国に広まっていった。
国東半島にある六つの郷では、天台宗と結びつき、山間に多くの寺院を擁立して、独特の仏教文化を華ひらかせていった。
これが六郷満山文化といわれるものである。
豊後高田の山あいを訪ねれば、富貴寺大堂(国宝)、真木大堂(9体の仏像国重要文化財)、熊野磨崖仏(国重要文化財・史跡)などの見事な文化財から名もない石塔や野仏等に出会うことができる。
ここには六郷満山文化の息吹が満ちている。
さて「神仏習合」とは、神と仏との出会い。これは自然の中に神を見る信仰と、人間の生き方を求める仏の道が調和されているということ。
このことは、現代の「人と自然」との関わり、共生のあり方に通じるものがある。

同行者
一人旅
交通手段
自家用車

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  • 富貴寺山門<br />

    富貴寺山門

  • 山門をくぐり階段の向こうに、何か見たような建物が!

    山門をくぐり階段の向こうに、何か見たような建物が!

  • そうです、この度世界遺産に認定された、奥州の中尊寺金色堂に似てるな〜て階段をのぼりながら感じていました。<br /><br />

    そうです、この度世界遺産に認定された、奥州の中尊寺金色堂に似てるな〜て階段をのぼりながら感じていました。

  • 富貴寺・阿弥陀堂(富貴寺大堂)は、宇治平等院鳳凰堂、平泉中尊寺金色堂と並ぶ日本三阿弥陀堂のひとつに数えられ、現存する九州最古の木造建築物であり、国宝指定されている。<br /><br /> 富貴寺大堂の規模は、桁行三間に梁間四間。屋根は一重の宝形造で、大きく緩やかな美しいカーブを描いている。瓦葺きであるが、一般的な本瓦葺きではなく、先細りした形の丸瓦を使用した、より古い様式の行基葺きとなっている。正面三間と左右の手前二間、背面の中央一間には両開きの板戸がはめられ、建物の周囲には縁が巡らされている。柱は角柱だが、幅広く面取りされた大面取(おおめんとり)であり、これが平安時代の建物である事を裏付けている。面取りは古い時代であるほど広く、時代が下るにつれ細くなっていくのだ。柱の上には舟肘木(ふなひじき)が乗り、垂木は二重の繁垂木(しげだるき)。比較的簡素な外観ながら、安定感のある建造物となっている。<br /><br />

    富貴寺・阿弥陀堂(富貴寺大堂)は、宇治平等院鳳凰堂、平泉中尊寺金色堂と並ぶ日本三阿弥陀堂のひとつに数えられ、現存する九州最古の木造建築物であり、国宝指定されている。

     富貴寺大堂の規模は、桁行三間に梁間四間。屋根は一重の宝形造で、大きく緩やかな美しいカーブを描いている。瓦葺きであるが、一般的な本瓦葺きではなく、先細りした形の丸瓦を使用した、より古い様式の行基葺きとなっている。正面三間と左右の手前二間、背面の中央一間には両開きの板戸がはめられ、建物の周囲には縁が巡らされている。柱は角柱だが、幅広く面取りされた大面取(おおめんとり)であり、これが平安時代の建物である事を裏付けている。面取りは古い時代であるほど広く、時代が下るにつれ細くなっていくのだ。柱の上には舟肘木(ふなひじき)が乗り、垂木は二重の繁垂木(しげだるき)。比較的簡素な外観ながら、安定感のある建造物となっている。

  • 私ひとりに案内人が付いてくれて恐縮です。<br /><br />まずは外回りからの案内です。

    私ひとりに案内人が付いてくれて恐縮です。

    まずは外回りからの案内です。

  • 右の裏山に爆弾(焼夷弾)が落ち、阿弥陀堂の裏側は破損したそうです。<br /><br />(落とした飛行機は、広島に原爆を落としたB29で広島に落とした帰りにここにも、残りを落としたそうです。)

    右の裏山に爆弾(焼夷弾)が落ち、阿弥陀堂の裏側は破損したそうです。

    (落とした飛行機は、広島に原爆を落としたB29で広島に落とした帰りにここにも、残りを落としたそうです。)

  • 二層のひさしは珍しいそうです。長くすることで本堂を守ってるそうです。

    二層のひさしは珍しいそうです。長くすることで本堂を守ってるそうです。

  • 境内には,石塔が数基立っている。その中にはこの地方特有の様式が用いられているとして「国東塔」と命名された塔がある。

    境内には,石塔が数基立っている。その中にはこの地方特有の様式が用いられているとして「国東塔」と命名された塔がある。

  • 国東塔の上から三段目には穴があり、この穴に願いを込めて入れたとか。

    国東塔の上から三段目には穴があり、この穴に願いを込めて入れたとか。

  • 笠塔婆

    笠塔婆

  • こちらは臼杵石仏でもあった、地獄の裁判官、十王像です。

    こちらは臼杵石仏でもあった、地獄の裁判官、十王像です。

  • 阿弥陀堂<br /><br />堂内には,極楽浄土を夢想させる極彩色の阿弥陀浄土変相図が残されていて,日本四壁画の一つに数えられる。薬師浄土,釈迦浄土など四つの浄土が,東西南北にそれぞれ描き分けられているが,他にも内陣後壁に描かれた曼陀羅は,当麻曼陀羅の構成に類似していてるそうです。

    阿弥陀堂

    堂内には,極楽浄土を夢想させる極彩色の阿弥陀浄土変相図が残されていて,日本四壁画の一つに数えられる。薬師浄土,釈迦浄土など四つの浄土が,東西南北にそれぞれ描き分けられているが,他にも内陣後壁に描かれた曼陀羅は,当麻曼陀羅の構成に類似していてるそうです。

  • 後ろ髪を引かれる様なパワーがあります。

    後ろ髪を引かれる様なパワーがあります。

  • 山門の右にある本堂

    山門の右にある本堂

  • 有難うございます。また来ます。<br /><br />これから安心院(あじむ)院内の岳切渓谷に向かいます。

    有難うございます。また来ます。

    これから安心院(あじむ)院内の岳切渓谷に向かいます。

  • 道の駅・院内  <br />安心院(あじむ)にある道の駅。

    道の駅・院内  
    安心院(あじむ)にある道の駅。

  • ここ院内は石橋の町で、

    ここ院内は石橋の町で、

  • ここで食事休憩です。

    ここで食事休憩です。

  • 今回の旅の最大の目的地、岳切渓谷へ向かいます。

    今回の旅の最大の目的地、岳切渓谷へ向かいます。

  • 岳切渓谷に向かう途中にあった石橋

    岳切渓谷に向かう途中にあった石橋

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