2010/05/28 - 2010/05/29
6728位(同エリア12030件中)
タケさん
2010年5月から6月にかけて、以前から訪ねたいと思っていた中国シルクロードの一部を旅してきた。
旅程はつぎのようである。
・ 行程:関空 ⇒ 上海・蘇州 ⇒ 西安 → 嘉峪関…敦煌…吐魯番(トルファン)…敦煌
⇒ 北京 ⇒ 関空 ( ⇒;航空便, →;列車, …;バス)
・ 期間:5月28日(金)~6月11日(金) *ビザ免除期間いっぱいの15日間
たまっていたマイレージを使った、ユースホステル利用のバックパッカー一人旅である。
利用航空便はスターアライアンス系列の「中国国際航空」で、当初の日程は早くから4月上旬を予定していた。ところが出発4日ほど前になって突然、窓口のANA担当者から「敦煌~北京間の4月の航空便が運航中止になった」との連絡があって延期したものである(理由は不明)。その後今回の出発前日の夜に再び連絡があり、「予定していた日の敦煌~北京間の航空便が運休になった」とのことだった(ANA担当者に尋ねても理由は分からないとのことだったが 、利用客が極端に少なかったのだろうか?)。仕方なく前日の便に振り替えたため、敦煌滞在が一日減って北京が一日増えるという結果となった。日本では考えられない出来事であり、さすが体制の異なる中国だなと苦笑させられた一幕(二幕?)だった。これからも同様なことが起こりかねない、という大きな不安を抱えながらの波乱に富むスタートとなった。
一方、知り合いの漢学者につけてもらったという当方の名前「羌(キョウ)」にちなむ民族がかつて敦煌周辺にも居住していたらしい、という情報にも大きな興味があった。
あいさつや簡単な中国語しか理解できないという旅であったが、延べ8,500kmにおよぶ旅程を順を追って振り返ってみたい。
- 旅行の満足度
- 5.0
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[行程図]
関空→上海・蘇州→西安→嘉峪関(カヨクカン)→敦煌→吐魯番(トルファン)→敦煌→北京→関空 -
[豫園内の龍壁]
5月28日(金)の早朝、10kg余りのバックパックを担いで関空へ向かった。航空チケットはE-チケットだったので不安だったが、中国国際航空のカウンターでは変更後の情報が入っており、新しいE-チケットを受け取ることが出来た。気になっていた中国入国後の航空便のリ・コンファーム(再確認)作業は不要とのことだった。
ほぼ予定時刻(9:25)に離陸したCA164便は、2時間30分後に長江(揚子江)のデルタに位置する小雨模様の上海浦東国際空港に到着。日本との時差は一時間遅れである(驚いたことに、日本の26倍はあるというあの広い国土に標準時はひとつしか無い―ロシアには9つもあるのに―)。気温19℃ということであるが、梅雨前なのか蒸し暑い。入国審査もスムーズで、預けたバックパックも難なく入手できた。
日本円を中国元に交換して、話題の「磁浮(磁気浮上式のリニアモーターカー)」乗り場に向かう 。7日間有効の往復乗車券(約1,120円)を購入して乗車。最大時速300kmあまり(時間帯によっては431kmとのこと)の揺れの無い快適な乗車で、30kmほどの距離を10分足らずで街中の地下鉄接続駅「龍陽路」に到着。2号線に乗り換えて5駅目の「陸家嘴」で下車(運賃約60円)。ここは金融関係の企業が集まっている地区で、すぐ駅前にある上海中銀大厦(中国銀行ビル)の43階の事務所に旧知の日本人代表者を訪ねる。久しぶりの再会でしばし談笑したが、現地職員を使って活躍している模様。彼から「西安から嘉峪関(カヨクカン)」間の列車の切符を受け取る(走行距離1,809kmの新空調快速 硬臥-2等寝台席-で約4,500円)。中国で列車の切符を入手するのは一苦労だと聞いていたので、前もって頼んでおいたものである。
さらに2駅地下鉄に乗って「人民広場駅」 で下車。南へ歩いて15分ほどの所にある予約済みのユースホステル(以下 YH)にチェックイン(1泊約910円)。14:00頃。2段ベッドで6人部屋の鍵付きのロッカーに荷物をおき、早速20分ほど東向きに歩いて「豫園(ヨエン)」へ向かう。ここは明代に創建された約2万m2におよぶという私庭園で、江南地域随一の古典庭園と言われる。園内には独特の大きく反りかえった屋根を持つ大小の楼閣や、リアルな龍が上をうねっている龍壁,遊廊等 中国の雰囲気を充分味わえる施設で溢れている。また庭内のあちこちには巨石や太湖から取り寄せたという奇妙な形をした白色の太湖石が配置されて、その造形美は観光客の絶好の撮影ポイントとなっている。2時間ほど園内の散策を楽しんでから、西側に隣接する「豫園商城」に出る。この辺りは往時「上海城」と呼ばれる城壁に囲まれた中国人居住区だった所で、伝統的な建築様式が数多く残っている。上海名物の小吃(シャオチー)が味わえる店や屋台が軒を連ねていて、多くの客(中国人が多い)が行列を成している。大型の小吃の真ん中にストローを刺したものを買って歩きながら飲んでみると、豚肉味の熱いスープが美味しい。飲み干した後に本体を食べるが結構お腹がふくれる 。 -
[賑やかな豫園商城]
すぐ近くにある九曲橋の中央に建つ伝統茶館楼閣を眺めながら、1kmほど北にある上海市を南北に流れる黄浦江沿いの中山路に向かう。外灘(ワイタン)と呼ばれるこの辺りには旧租界時代に建てられた欧米様式の重厚な石造建築物が隙間なく並んでいる 。堤防沿いの遊歩道を歩くと夕風が涼しい。夜になると一斉にライトアップされ、往時の繁栄振りの一端をうかがわせる。一方、対岸の浦東地区には現在の上海を象徴する東方明珠塔(テレビ塔)をも凌ぐ高さの超高層ビル群が林立し、なお建築中のものも数多く眺められる。上海万博会場もその一画を占めており、上海の驚くべき発展振りを表す光景となっている。ネオン煌めく観光遊覧船もあるが、外灘と浦東を10分ほどで結ぶ渡し船(片道約30円)に乗ると、それぞれの対岸の風景がまた違った趣で眺められて楽しい。YHに帰り着いたのは20時過ぎだった。洗面所には白地に青色の模様を描いた陶磁器製の洗面器が並んでいて、いかにも中国の宿舎という雰囲気を醸している。 -
[ライトアップされた旧租界 外灘]
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[留園(蘇州)]
翌日は蘇州への一日バスツアーに参加(中国人による日本語ガイド付き)。同行者は 、上海に仕事で滞在しているという日本人等4人だった。"♭ 上海・蘇州と汽車に乗り ♪♯"という歌があったが、中国語では汽車はバスのこと(ちなみに列車は火車という)。上海の西100kmほどに位置する蘇州へは高速道路が繋がっており、途中休憩を挟んで約2時間で到着。蘇州市の北側には無錫市があってともに太湖に面している。蘇州といえば庭園と運河で知られているが、先ずは蘇州四大名園のひとつ、明代に造園が始まり清代の庭園様式を今に伝えて世界遺産にも登録されている「留園(リュウエン)」を訪ねる。奇妙な形の太湖石が配置されている庭園の間を、種々のデザインの花窓や透かし彫りのある長い回廊で結ばれた楼閣が連なり、癒される空間となっている。また「留園法帖」と呼ばれる歴代の名書家の墨跡を廊壁の随所に見ることができる。 -
[留園の太湖石]
次いで、唐代の僧侶 寒山と拾得(ジットク)さらには 張継の漢詩「楓橋夜泊」で知られる寒山寺を訪れる。街中より少し離れた静かな所に建つ臨済宗の寺院である。
やや甘めの蘇州料理の昼食を摂って、精巧な技術と優美なデザインで蘇州名産となっているシルク工房を見学。蚕から絹糸をとるという今では中々見られない過程を見る。軽くて軟らかい本絹と化繊との違いを知る。つぎは中心部から北西5kmほどの所に移動して、春秋戦国時代の呉王闔閭(コウリョ)の墓陵「虎丘」を訪ねる。周りは市民の憩いの場となっているようで、多くの家族連れたちが散策している。ここには高さ47m八角7層の巨大な塔が聳えているが、地盤沈下で北西?南東方向に15°ほど傾いており(400年ほど前から傾き始めたとのこと)、"東洋のピサの斜塔"と呼ばれている。周辺を囲っている壁の水平な上端部と見比べると傾いているのがよく分かる 。東洋のベニスと称えられる蘇州は街中のいたる所に細い運河がはりめぐらされており、最後は舟に乗って岸辺で洗濯をする庶民の生活風景を眺めたり、いくつかの太鼓状の石橋をくぐったりして山塘街(サントウガイ)に至る。ここは両側にぎっしりと店舗の立ち並ぶ商店街で、土曜日ということもあって人,人,人でごった返している。色彩豊富な刺繍で見事に描かれた絵や飾り物等も展示・販売されている。蘇州は訪れてみて期待していたほどの感慨は無かったが、落ち着いた静かな街だった。近年郊外に工業団地が造られ、日系の企業も数多く進出しているという。残念ながら太湖には時間が無くて訪れることが出来なかった。
18時過ぎに上海のYHに帰着。 -
[留園にて-1]
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[留園にて-2]
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[留園にて-3]
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[運河にてー1]
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[運河にてー2]
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[運河にてー3]
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[運河にてー4]
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[運河にてー5]
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[運河にてー6]
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[運河にてー7]
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[山塘街の太鼓橋から眺める運河(蘇州)]
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[寒山寺にてー1]
唐代の僧侶 寒山と拾得(ジットク) それに張継の漢詩「楓橋夜泊」で知られる寒山寺は、蘇州の街中より少し離れた静かな所に建つ臨済宗の寺院。 -
[寒山寺にてー2]
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[寒山寺にてー3]
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[寒山寺にてー4]
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[蘇州の街中にてー1]
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[蘇州の街中にてー2]
昼食(少し甘め味)。 -
[蘇州の街中にてー2]
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[蘇州の街中にてー3]
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[シルク織りで造られた絵画]
精巧な技術と優美なデザインで蘇州名産となっている。
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