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昭和36年当時1ドル=360円の時代に、山下清は自発的に欧州旅行を決断した。『僕は日本中ほとんど歩いてしまったので どうしても外国が見学したい』彼はスケッチブックをかばんに詰め、四十数日間の欧州旅行を実施。<br />ドイツ、スウエーデン、デンマーク、オランダ、イギリス、フランス、スイス、イタリア、エジプトなど短期間に十数カ国を周遊するハードスケジュールでした。<br />清の目に映った欧州は衝撃的なもので異国情緒があり、人々の姿、町並み、風景、そしてヨーロッパ文化がすべて新鮮で感動的なものであったに違いない。<br />放浪時代は、旅先で絵を描くことをしなかった清だが、ヨーロッパでは行く先々で観光地を訪れ、旅先でスケッチも行なった。旅行中は観光地以外も訪れ、美術館鑑賞なども行なっている。旅行の途中、パリから2時間ほど郊外にある小さな村オーベールにも立ち寄った。この村は巨匠ゴッホの眠る村で「日本のゴッホ」と称される清は、ここでゴッホの墓もスケッチしている。<br />帰国後の清は、現地でのスケッチをもとに、脳裏に焼き付けた風景を次々に作品に仕上げていった。<br />ヨーロッパを題材にした作品は貼絵のほか、素描や水彩画、陶器の絵付と様々な手法で描かれたが、このヨーロッパの作品群は、遠近法や点描画としての表現力、超人的な色彩感覚など、非の打ちどころのない秀作揃いであり、成熟した清の芸術性が如実に表われた、繊細でクオリテイの高い作品として仕上がっている。清の芸術性は、その完成度の高さから、この頃に頂点を極めたことが伺える。<br />このヨーロッパの一連の作品は、晩年の清の芸術的評価を決定的なものにするが、清は当時を振り返り『ヨーロッパやアフリカなど見て面白かったが やっぱり日本が一番住み良い事がわかった』と感想を述べています。

晴れの国 岡山(岡山デジタルミュージアム:裸の大将 山下清展?/欧州への旅)

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2010/09/16 - 2010/09/16

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comeva

comevaさん

昭和36年当時1ドル=360円の時代に、山下清は自発的に欧州旅行を決断した。『僕は日本中ほとんど歩いてしまったので どうしても外国が見学したい』彼はスケッチブックをかばんに詰め、四十数日間の欧州旅行を実施。
ドイツ、スウエーデン、デンマーク、オランダ、イギリス、フランス、スイス、イタリア、エジプトなど短期間に十数カ国を周遊するハードスケジュールでした。
清の目に映った欧州は衝撃的なもので異国情緒があり、人々の姿、町並み、風景、そしてヨーロッパ文化がすべて新鮮で感動的なものであったに違いない。
放浪時代は、旅先で絵を描くことをしなかった清だが、ヨーロッパでは行く先々で観光地を訪れ、旅先でスケッチも行なった。旅行中は観光地以外も訪れ、美術館鑑賞なども行なっている。旅行の途中、パリから2時間ほど郊外にある小さな村オーベールにも立ち寄った。この村は巨匠ゴッホの眠る村で「日本のゴッホ」と称される清は、ここでゴッホの墓もスケッチしている。
帰国後の清は、現地でのスケッチをもとに、脳裏に焼き付けた風景を次々に作品に仕上げていった。
ヨーロッパを題材にした作品は貼絵のほか、素描や水彩画、陶器の絵付と様々な手法で描かれたが、このヨーロッパの作品群は、遠近法や点描画としての表現力、超人的な色彩感覚など、非の打ちどころのない秀作揃いであり、成熟した清の芸術性が如実に表われた、繊細でクオリテイの高い作品として仕上がっている。清の芸術性は、その完成度の高さから、この頃に頂点を極めたことが伺える。
このヨーロッパの一連の作品は、晩年の清の芸術的評価を決定的なものにするが、清は当時を振り返り『ヨーロッパやアフリカなど見て面白かったが やっぱり日本が一番住み良い事がわかった』と感想を述べています。

  • ストックホルムの夜景 水彩画 1961年

    ストックホルムの夜景 水彩画 1961年

  • ストックホルムの市役所の庭 水彩画 1961年 <br /><br />『石の像は裸で パンツもはいていない 人間は裸になる事が出来ないくせに 石や銅の像になると男でも女でもパンツをはかない それをみんなで感心して見ているのはどう言う訳だろう』

    ストックホルムの市役所の庭 水彩画 1961年 

    『石の像は裸で パンツもはいていない 人間は裸になる事が出来ないくせに 石や銅の像になると男でも女でもパンツをはかない それをみんなで感心して見ているのはどう言う訳だろう』

  • ストックホルムの市役所の庭 水彩画 1961年

    ストックホルムの市役所の庭 水彩画 1961年

  • コペンハーゲンの人魚像 水彩画 1961年<br /><br />『僕は 裸の像は後ろから見るのが好きなので この女の人魚のお尻が人間の形をしているのか魚の形をしているのか とても見たかったが 海の中に入らなければ見られないので どっちなのかわからない』

    コペンハーゲンの人魚像 水彩画 1961年

    『僕は 裸の像は後ろから見るのが好きなので この女の人魚のお尻が人間の形をしているのか魚の形をしているのか とても見たかったが 海の中に入らなければ見られないので どっちなのかわからない』

  • オランダの風車 水彩画 1961年<br /><br />『僕のように絵本でだけしかオランダを知らない人間がオランダを見物に来て 絵本に出ていた風車はどこにあるかと聞かれた時 無いと困るので 見物人に見せる為に風車を電気で動かしている 外は本物でも中身は偽物だと言われた』

    オランダの風車 水彩画 1961年

    『僕のように絵本でだけしかオランダを知らない人間がオランダを見物に来て 絵本に出ていた風車はどこにあるかと聞かれた時 無いと困るので 見物人に見せる為に風車を電気で動かしている 外は本物でも中身は偽物だと言われた』

  • ロンドン塔付近 水彩画 1961年

    ロンドン塔付近 水彩画 1961年

  • パリの凱旋門 ペン画 1961年

    パリの凱旋門 ペン画 1961年

  • パリのモンマルトル ペン画 1961年<br /><br />

    パリのモンマルトル ペン画 1961年

  • パリのノートルダム寺院 水彩画 1961年<br /><br />『外へ出て ノートルダムというお寺へ入ったので またお化けの見世物があるのかと思ったら ここは違う ステンドグラスを外の光を通して見るので ステンドグラスはみんな高い所にあるので 上ばかり見ているのでとても首が疲れる』

    パリのノートルダム寺院 水彩画 1961年

    『外へ出て ノートルダムというお寺へ入ったので またお化けの見世物があるのかと思ったら ここは違う ステンドグラスを外の光を通して見るので ステンドグラスはみんな高い所にあるので 上ばかり見ているのでとても首が疲れる』

  • パリのムーランルージュ 水彩画 1961年<br /><br />『どうして僕がこれをスケッチしたかと言うと 今までたくさんの絵描きがここを描いているので 僕も絵を描くのが仕事なので たくさんの絵描きの真似をした訳だ』

    パリのムーランルージュ 水彩画 1961年

    『どうして僕がこれをスケッチしたかと言うと 今までたくさんの絵描きがここを描いているので 僕も絵を描くのが仕事なので たくさんの絵描きの真似をした訳だ』

  • パリのエッフェル塔 水彩画 1961年<br /><br />『今までエッフェル塔は世界一高かったのに 東京タワーが出来て世界で二番目になってしまったので パリの人はがっかりしているのかと思ったら エッフェル塔というのは高いだけが自慢なのではなく エッフェル塔から見下ろしたパリの町の美しさを一番自慢しているので 塔のてっぺんは東京タワーより低くとも 眺めるところはずっと高かった』

    パリのエッフェル塔 水彩画 1961年

    『今までエッフェル塔は世界一高かったのに 東京タワーが出来て世界で二番目になってしまったので パリの人はがっかりしているのかと思ったら エッフェル塔というのは高いだけが自慢なのではなく エッフェル塔から見下ろしたパリの町の美しさを一番自慢しているので 塔のてっぺんは東京タワーより低くとも 眺めるところはずっと高かった』

  • ベニスのサンマルコ寺院 水彩画 1961年<br /><br />『このお寺の広場にはハトがたくさんいて 餌をやると何百羽というハトがやってきて僕の方や手にとまるので ハトが僕の周りを飛び回るとサンマルコの景色は何にも見えなくなって まるでハトの国にいるようだった』

    ベニスのサンマルコ寺院 水彩画 1961年

    『このお寺の広場にはハトがたくさんいて 餌をやると何百羽というハトがやってきて僕の方や手にとまるので ハトが僕の周りを飛び回るとサンマルコの景色は何にも見えなくなって まるでハトの国にいるようだった』

  • ベニスのゴンドラ風景 水彩画 1961年<br /><br />『僕らがゴンドラに乗って通ったのは 狭い方の水の道で 両側の家はみんな古くさく 千年も前からあるのだろうと思った 古い家の窓の所にパンツが干してあるので 僕はヨーロッパへ来てパンツが干してあるのを見るのは初めてなので 何だか懐かしいような気がした』

    ベニスのゴンドラ風景 水彩画 1961年

    『僕らがゴンドラに乗って通ったのは 狭い方の水の道で 両側の家はみんな古くさく 千年も前からあるのだろうと思った 古い家の窓の所にパンツが干してあるので 僕はヨーロッパへ来てパンツが干してあるのを見るのは初めてなので 何だか懐かしいような気がした』

  • スイスの町 ペン画 1961年

    スイスの町 ペン画 1961年

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