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数年前に、今はもう廃業してしまった Scenic Shattle という荷物コンテナーを曳いて走っていたミニバスで通り過ぎてから、この可愛い家が立ち並ぶちいさな町が、なぜか気になって惹かれるものがあったので2010年秋に、改めて訪れました。<br />川が海の近くで湖のようにひろがった所を港とした、人口1900人くらいの小さなまちです。なお、呼び名は「リヴァトン」で、リヴァートンでは通じませんでした。<br /><br />公共交通は月曜日から金曜日までは Riverton Freight &amp; Passenger Service という会社が、インヴァーカーギルとリヴァトンの間で1日2便、書類や小荷物と乗客を集配していることを i-siteで聞き、宿のオバサンが送迎依頼の電話をしてくれました。週末は運休です。<br />時間どおりに迎えに来てから、市内各所で書類や乗客をひろい集めてから、海岸の湿地帯を避けて大回りして内陸の牧場地帯を通ります。<br />Beyond the 40 degree といわれる南極暴風圏なので防風林が牧場をかこみ、畑はありません。<br /><br />約1時間で町の入り口にある3メートルほどの大きな貝殻のモニュメントをすぎると、その先から町になります。「町」の長さは約300mで、最初の交差点に Fish &amp; Chipsと Chicken &amp; Chipsが斜めむかいにあり、近くの公園には唯一の公衆トイレがあります。ここで帰りのバスの時間と落ち合い場所を打ち合わせてから散歩です。<br />「町」の終点左側には教会とスーパーマーケットがあり、右側には案内所兼土産・喫茶店、兼博物館があって、博物館はビデオ(有料)映写のあと展示を見てまわります。<br />展示は町の自然と歴史が中心で、簡単に言えば地質は2・3億年前の玄武岩溶岩で、歴史は19世紀の砂金ゴールドラッシュと捕鯨。現在は退職者にふさわしいまちということで、展示標本のスペルの間違いをなおしてあげたら、数ドルの小冊子を御礼にくれました。<br />高齢の婦人たちが元気よく働いていました。<br /><br />博物館の先には橋があって、対岸の右岸が新興住宅地です。川に面した斜面に小さなきれいな家が建っていて、すこし離れたところにボートやヨットがもやってありました。<br />この景色が素晴らしいので、橋のたもとに立派な展望台が作られていました。表紙の写真がそれです。<br />対岸、川の右岸にはモータロッジ・モーテルもあり、カフェもレストランもあるそうですが、その気になって探さないと見つからないようです。新築中の家が何軒もありました。<br /><br />町にもどって、貝細工の店で小物を買いました。Paua というこの地方の海にしかいない貝だそうで、アワビに似た貝殻を磨いて加工しています。以前、スチュアート島で「貝の身は日本などに売るが最近は貝殻が高く売れる」と言っていたのを思い出しました。中古品の店があったので、気に入った小さいコップを一つ買いました。ウイスキーのダブルの2杯、120mlの容量です。<br />1軒しかないカフェらしいカフェで、コーヒーを飲みました。<br /><br />何もないといえば本当に何もない河口のちいさな町ですが、住宅地は新築ブームだし、人口1900人のこの町の家賃が隣の人口50000人の「世界最南端の都会」でワールドカップのラグビーの試合も開催されるインヴァーカーギルの家賃の5割増しというのは不思議なことです。<br /><br />ファッショナブルな衣料品店もないし、高級レストランもないけれど、ここの住民はおそらく流行などからは一歩はなれていて、必要なものがあって、便利で文化的な生活ができれば、あとは自分らしく納得できる生活をすれば幸せだと考えているのかもしれません。<br />「もっと!もっと!」というコマーシャルにかきたてられた欲望をみなおして、景色のよい町に住み、小さなヨットで遊び、芝生と菜園の手入れをして、自己完結性の高い生活をすることを、納得して選択した人たちが多い町だと感じました。<br /><br />帰りには、貨客バスの運転手が「遠くから来た人だから」と町外れの岬まで無料で案内してくれました。本当は、1泊の予定だったのですが、宿を予約した日が日曜日だったので交通手段がなく、タクシーは片道200ドルもするので、金曜日に日帰りで訪れました。<br /><br />

NZ 南島サウスランド地方 小さな幸せの町・リバトン

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2010/10/22 - 2010/10/22

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ANZdrifter

ANZdrifterさん

数年前に、今はもう廃業してしまった Scenic Shattle という荷物コンテナーを曳いて走っていたミニバスで通り過ぎてから、この可愛い家が立ち並ぶちいさな町が、なぜか気になって惹かれるものがあったので2010年秋に、改めて訪れました。
川が海の近くで湖のようにひろがった所を港とした、人口1900人くらいの小さなまちです。なお、呼び名は「リヴァトン」で、リヴァートンでは通じませんでした。

公共交通は月曜日から金曜日までは Riverton Freight & Passenger Service という会社が、インヴァーカーギルとリヴァトンの間で1日2便、書類や小荷物と乗客を集配していることを i-siteで聞き、宿のオバサンが送迎依頼の電話をしてくれました。週末は運休です。
時間どおりに迎えに来てから、市内各所で書類や乗客をひろい集めてから、海岸の湿地帯を避けて大回りして内陸の牧場地帯を通ります。
Beyond the 40 degree といわれる南極暴風圏なので防風林が牧場をかこみ、畑はありません。

約1時間で町の入り口にある3メートルほどの大きな貝殻のモニュメントをすぎると、その先から町になります。「町」の長さは約300mで、最初の交差点に Fish & Chipsと Chicken & Chipsが斜めむかいにあり、近くの公園には唯一の公衆トイレがあります。ここで帰りのバスの時間と落ち合い場所を打ち合わせてから散歩です。
「町」の終点左側には教会とスーパーマーケットがあり、右側には案内所兼土産・喫茶店、兼博物館があって、博物館はビデオ(有料)映写のあと展示を見てまわります。
展示は町の自然と歴史が中心で、簡単に言えば地質は2・3億年前の玄武岩溶岩で、歴史は19世紀の砂金ゴールドラッシュと捕鯨。現在は退職者にふさわしいまちということで、展示標本のスペルの間違いをなおしてあげたら、数ドルの小冊子を御礼にくれました。
高齢の婦人たちが元気よく働いていました。

博物館の先には橋があって、対岸の右岸が新興住宅地です。川に面した斜面に小さなきれいな家が建っていて、すこし離れたところにボートやヨットがもやってありました。
この景色が素晴らしいので、橋のたもとに立派な展望台が作られていました。表紙の写真がそれです。
対岸、川の右岸にはモータロッジ・モーテルもあり、カフェもレストランもあるそうですが、その気になって探さないと見つからないようです。新築中の家が何軒もありました。

町にもどって、貝細工の店で小物を買いました。Paua というこの地方の海にしかいない貝だそうで、アワビに似た貝殻を磨いて加工しています。以前、スチュアート島で「貝の身は日本などに売るが最近は貝殻が高く売れる」と言っていたのを思い出しました。中古品の店があったので、気に入った小さいコップを一つ買いました。ウイスキーのダブルの2杯、120mlの容量です。
1軒しかないカフェらしいカフェで、コーヒーを飲みました。

何もないといえば本当に何もない河口のちいさな町ですが、住宅地は新築ブームだし、人口1900人のこの町の家賃が隣の人口50000人の「世界最南端の都会」でワールドカップのラグビーの試合も開催されるインヴァーカーギルの家賃の5割増しというのは不思議なことです。

ファッショナブルな衣料品店もないし、高級レストランもないけれど、ここの住民はおそらく流行などからは一歩はなれていて、必要なものがあって、便利で文化的な生活ができれば、あとは自分らしく納得できる生活をすれば幸せだと考えているのかもしれません。
「もっと!もっと!」というコマーシャルにかきたてられた欲望をみなおして、景色のよい町に住み、小さなヨットで遊び、芝生と菜園の手入れをして、自己完結性の高い生活をすることを、納得して選択した人たちが多い町だと感じました。

帰りには、貨客バスの運転手が「遠くから来た人だから」と町外れの岬まで無料で案内してくれました。本当は、1泊の予定だったのですが、宿を予約した日が日曜日だったので交通手段がなく、タクシーは片道200ドルもするので、金曜日に日帰りで訪れました。

旅行の満足度
5.0
同行者
一人旅
交通手段
高速・路線バス
航空会社
ニュージーランド航空
旅行の手配内容
個別手配

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  • 防風林です

    防風林です

  • 背丈の倍以上もある貝殻のモニュメント

    背丈の倍以上もある貝殻のモニュメント

  • 町の入り口の交差点。<br />左のガソリンスタンドの先がフィッシュ&チップスで、ブラフ・オイスターのフライを買って帰りました。

    町の入り口の交差点。
    左のガソリンスタンドの先がフィッシュ&チップスで、ブラフ・オイスターのフライを買って帰りました。

  • 赤い建物がスーパーマーケット。その先に教会がある。<br />車の右に博物館がある。

    赤い建物がスーパーマーケット。その先に教会がある。
    車の右に博物館がある。

  • ヨットのある対岸の新興住宅地。

    ヨットのある対岸の新興住宅地。

  • ヨット、ボートのある風景。これがニュージランドのリビエラと呼ばれる由縁。

    ヨット、ボートのある風景。これがニュージランドのリビエラと呼ばれる由縁。

  • 対岸を眺めるための展望台が作られていた。<br />撮影者の後ろが博物館。

    対岸を眺めるための展望台が作られていた。
    撮影者の後ろが博物館。

  • パウアという貝細工・加工品の専門店。<br />店はこのように貝の内側の色に塗られている。

    パウアという貝細工・加工品の専門店。
    店はこのように貝の内側の色に塗られている。

  • 町に唯一のカフェらしいカフェ。

    町に唯一のカフェらしいカフェ。

  • 住宅地の道路の終点。玄武岩の岬は波が荒かった。

    住宅地の道路の終点。玄武岩の岬は波が荒かった。

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