オーストリアの山を求めて一人旅Part5 (8月の雪のインスブルック)

2010/08/29 - 2010/08/30

これまでの旅程では天気予報は雨ながらも何とかもってくれていたのですが、6日目夜にしてついに本降りの雨が降ってきました。
明日はついに雨の中の観光だな、と覚悟を決めたのですが・・・時間が経つにつれ、信じがたいほどの好天に。しかも、昨夜の冷たい雨のおかげで山の頂上は雪景色！自分でも信じられないほどの幸運に恵まれました。

エリア インスブルック(オーストリア)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 4.0
• 交通: 2.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 高速・路線バス
• 航空会社: ANA オーストリア航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

ゼーフェルトのハイキングを終え、インスブルックに戻ってきました。この写真は駅に到着する直前のもの。こうしてみると、今更ながらに山で囲まれた街なんだなぁとしみじみ思います。

今日は何とか天気がもちましたが、もうこれからいつ崩れるか分かりません。天気がいいうちに一眼レフで写真を残しておきたいので、ハイキングの荷物を置いて着替えだけ済ませ、すぐに街歩きです。

凱旋門を今朝とは違う角度から。

朝は大慌てだったので、少し落ち着いてマクシミリアン通りを歩くことにします。

商店のサイン(看板?)が沢山あって、見ていると楽しい。

ちゃんとマクドナルドにも付いてる(笑)

マリアテレジア通りを抜けるとそこに見えてくるのは・・・

インスブルックの象徴とも言える、黄金の小屋根です。皇帝のマクシミリアン1世が、広場の行事を見物するために造ったのだそうな。

バルコニー部分のアップです。うーん、ズームレンズ持ってくればよかった。。

黄金の小屋根のほぼ真裏にある、大聖堂。

教会は19時まで開いていたので、中を見学させていただきました。

素晴らしい教会だったのですが、雰囲気があまりにも厳かでシャッター音を出すのが申し訳ない。。

州立劇場。夕日が当たってきれいです。

王宮です。外見はわりとシンプルですね。

時刻は19時、そろそろ夕食にしたいところですが、トイレにも行きたいし、着ている物が薄すぎて心もとない。というわけで、一度ホテルに戻って支度を整えて再出発です。

これは、旧市街とマリアテレジア通りの交わるあたりの写真です。

今日の夕飯は朝から目をつけていたテレジエン・ブロイ。自家製のビールが飲めるのがとても楽しみ。

入ってしばらくウェイトレスが来るのを待っていたのですが・・・こちらを気にかける様子もなく。こりゃ、カフェと同じように勝手に座れってことだなと思い、一番窓に近い4人掛けの席をゲット。まだ時間は早いので席に余裕がありましたが、あとからどんどん人は増えていき、ほぼ一杯になってました。
ちなみに、あとから来た人も入ってからどうしていいかわからない様子で、しばらく右往左往していました(笑)

メニューをもらったらドイツ語だったので、英語はある？と聞いたら、ドイツ語とイタリア語しかないとのこと。さすがイタリア国境に近い街。とはいえ、独・伊のみというのには驚愕です。

ならドイツ語を、ということでガイドブックのドイツ語単語集と首っ引きで解読。ウェイトレスは英語が堪能なので英語で聞いてみればいいのかもしれませんが、食材の名前って意外と英語でも分からないので。。。

まずはビールは外せない、ということで飲み物のページを見ると、ビールがなんと100ml単位で頼めるようで驚き！300mlだと物足りない、500mlだと多すぎな私は400mlをオーダー。100mlから500mlまでは、100ml単位で選べるんですよ(500mlの次は1リットル)。こんなの、初めて見た。
サーブされたビールを飲むと、なんともいい香りが口に広がりました。

オーストリアっぽい料理がないか探したのですが、イマイチよく分からず。唯一あった魚料理を単語集で調べたら、マスのムニエルのよう。マス料理はオーストリア名物だったはず、ということでオーダーしてみました。(ちょうどスペシャルオファーで14.9ユーロが9.99ユーロになってましたし)

パンとかも頼むべきだったかな？と思っていましたが、やってきたマスを見てびっくり。巨大です。お腹の中に入っているのは6分の1のレモンなのですが、それと大きさを比べてください。お芋も沢山付いていて、これとサラダ(これも相当の量)だけで十分。

食べきれるか心配でしたが、すごく美味しくってしっかり完食！支払いのときに美味しかったよ、とウェイトレスにいうと、「よかった、残りの晩も楽しく過ごしてね」といってくれました。ものすごく忙しそうにくるくると働いていた彼女、すごく感じが良かった。それにしても、これで飲み物込み16ユーロ以下とはなんともお値打ち。いい夕食でした。

翌朝。5時ごろに一瞬目が覚めたとき、ものすごい雨音が聞こえました。ついに、今日は一日雨だな・・・天気予報では晴れマークも出てはいたんだけど、降水確率が高かったからなぁ。

7時に起きて外を見るとこんなかんじ。山は雲に隠れ、しとしとと雨が降り続いています。。

若干へこみつつ、昨日と同じくスーバーでヨーグルト、パン屋でサンドイッチを購入します。今回はチーズにしたけど、ハムのほうがおいしかったなぁ。でも、本当はハムとチーズの両方が入ってて欲しい。

今日は雨だから、市内観光だなぁ。インスブルックカードは24Hにするべきか48Hにすべきか・・・悩みつつ駅の案内所に行くと、9時を過ぎてるのにまだクローズのまま。じゃあ、歩いて旧市街近くのインフォメーションで購入するか・・・と思いつつ外に出ると、いつの間にか雨が止んでました。

そして・・・山の上は雪景色。

昨日の冷たい雨が山頂では雪に変わってたんですね。これが見れたのなら、雨も捨てたものじゃない？？

マリアテレジア通りは何回も通ったので、少し違うルートを歩いてみました。これは州立博物館。

COOP、BILLA、Hoferとスーパーが同じところに3件も並んでます。お土産購入できるかな？と思ってあとで立ち寄ってみたのですが、いずれも小規模でイマイチ。駅のスーパーのほうが品数が揃ってました。

さすがに旧市街のインフォメーションは開いていました。悩んだ末に24Hのインスブルックカードを購入。旧市街近辺だけだったら1日で見終わってしまうだろうから、明日はミュンヘンに早めに移動して観光したほうがいいかなと思ったので。

これが大きな失敗だったのですけど。。

もう一度外に出ると、かなり空が明るいし、雲も高くなったまま。ならば、今のうちに展望台に行ってしまえ！ということで急遽ハーフェレカーに行くためにフンバーブルクバーンの乗り場に急ぎます。

それにしても・・・まだ8月なのに、雪景色を見ることになるとは。でも、なんとも美しいなぁ。

フンガーブルクバーンの乗り場・・・これ？ケーブルカーのはずなんだけど、地下から出発？

一応チケット売り場の係員にインスブルックカードが有効か聞くと、そのチケットのまま使えて、頂上まで行って大丈夫だよ、とのこと。安心してホームに向かおうとしたのですが・・・ホームはどこ？目の前にあるのは通路だけ・・・

他に誰もいないので低い壁があるところでおどおどしていると、ケーブルカーがやってきました。

・・・なるほど、チケット売り場と同じフロアがホームなのね。電車が到着すると、低い壁が下がって、電車に乗れるようになりました。ドアが開閉するのはよくあるけど、壁が上下するタイプの安全柵を見るのは初めて。

しばらく地下を進んだ後、外に出ました。

いつの間にか、かなりいい天気になってる！これは期待できるかも。

山頂駅に到着！

山頂駅を外から見たところ。デザインがいいですねー。

大急ぎで次のロープウェイに乗り換え。ぐんぐんと高度を上げていきます。

更にロープウェイを乗り継いで。

駅舎を一歩出たら・・・一面の銀世界。

ちょっぴり掘ってみました。3〜5cmくらいは積もってる？？

インスブルックの市内が遥か遠くに。

8月に新雪の積もる場所に来ることになるとは。ものすごい風の中、雲と青空、雪と山が織り成す光景にただ溜息。自分の運のよさに感謝！

足元はさすがにつるつるで、山頂まで登るのは無理そう。トレッキングシューズだったら大丈夫だったろうなぁと思うと残念ですが、せめて市内とは反対側の風景は見ておきたいと、頑張ってちょっぴり登りました。
連なる山頂は全て雪に覆われ・・・美しい。

寒い寒いとは思ってましたが、手元の温度計を見るとなんと摂氏0度！いくら山頂とはいえ、8月なのに！避暑にも程があるってもんです(笑)

さすがに寒い・・・名残惜しいですけど、そろそろ戻りましょう。

おや・・・こんなところに日本製の除雪機！

まだしばらくロープウェイを運行する様子もなく・・・時刻表もありません。

係員のおじさん(おじいさん？)に次の電車の時刻を聞いたら、12分後とのこと。まだもう少し時間があるのでその場を離れようとすると、何故か手招きされ・・・丸い大きなパッケージに入ったチョコボールを差し出し、取りなさい、と。大喜びで一つ口に入れると、もっと取りなさいというので手にもう一個取ると、もっともっとといわれて全部で4つもいただいてしまいました。このチョコボール、ラムが沢山入っていてすごく美味しい！夏場じゃなかったら買って帰りたいくらい。おじさん、本当にありがとう！

ロープウェイを二つ乗り継ぎ、更にケーブルカーに乗り換えるところ。本格的に晴天になってきました。あれ？今日って一日中雨のつもりだったのに？？

いやー、本当にいい天気。これならスキージャンプ台にいったら楽しいかも？

予定変更、行ってみよう！

ジャンプ台に向かうサイトシーアバスは40分おきにしか来なくて、まだ時間がある。あいた時間に黄金の小屋根の下にあるマクシミリアン博物館に入ろうとすると、おばさんからいきなり声をかけられ、行くなという素振りをする。「何を言ってるのかわからない」というと、諦めてその場を立ち去りました。
不思議に思いつつ中に入ると・・・納得。指をこすり合わせてたのは、料金が高い＝価値に合わないってことだったんだ。つまらないからやめとけっていわれてたんだな。確かに内容が薄いし、オーディオガイドはくどいほどに説明が長い。見切りをつけて、さっさと出てきてしまいました。インスブルックカードで無料だったから良かったものの、正規の4ユーロ払ってたらがっくりだったな。

天気が良くなってあまりにも暑かったので、黄金の小屋根の向かいにあるジェラート屋に。1.5ユーロは高いなぁと思ったけど、この暑さには勝てない！
盛り付けるときにやたらに時間がかかってるなぁと思ったら、バラの形にスクープしてくれてました。可愛いなぁ、高いのは技術料込みだったのかな？

ジェラートを食べつつサイトシーアバスの停留所に向かったのですが・・・いつまで探しても見つかりません。時間が迫って慌てた私は、大急ぎで駅まで戻ることに！駅のほうが場所が分かりやすいはず、と思って戻ったのが大正解。ギリギリ間に合いました。

バスには日本語のオーディオガイドがあり、次のバス停やちょっとした市内案内を流しています。おかげで間違うことなくジャンプ台に到着。

バス停からジャンプ台への道には案内板がなくてちょっと迷ったのですが、地元の人が「あっちだよ」と教えてくれました。
というわけで、無事到着。

インスブルックカードを見せてチケットに引き換え、ジャンプ台の敷地に入ります。
スキーが何よりの趣味の私ですが、こんなに近くからジャンプ台を見たのは初めてかもしれません。

というより、こんなに大きな観客席が付いたジャンプ場、見たことないです。

いよいよジャンプ台に上ります。ジャンプ台には箱のような乗り物に乗って行きます。本当に、おもちゃみたいに小さいんですよ。

上りきって下を覗き込むと・・・相当角度があって怖い。。

あれ？でもジャンプ台はもっと上なんですね。ここはちょうどジャンプの助走コースの真下。

柱の部分をぐるっとまわると上に行くエレベータ発見。これが本当の頂上。

うわっ。絶景・・・

山から見たインスブルックも素敵でしたが、このジャンプ台から見た市街も美しい・・・

もう少し雲がなければ申し分ないのですが、贅沢は言ってられませんね。山に囲まれたインスブルック、最高の景色です。

ジャンプ台の真上には行けないのかな？と思ったら、展望台とは反対側にありました。うーん、聞いていたよりは角度が無いように見えるけど、一切ブレーキ無しで滑ることを考えると恐ろしいですね。。

それほどお腹は空いていなかったけど、折角なので展望レストランで遅い昼食をいただくことに。

トマトのクリームスープとパンを注文すると、パンは付いているとのこと。「ジンは入れるか？」と聞かれ、ジン？変なものを入れるなぁと思いつつ、折角なので入れてもらうことにしました。出てきたスープは母親の作るトマトスープに似てるけど、ホイップクリームが溶けると味がぐんと変わります。美味しくて、吹きっさらしの風で冷えたからだが温まる！温まるのは、暖房のせいも、ジンのせいもあるかも？

まだまだ天気はもっているので、更に郊外のアンブラス城にも行くことにしました。

このころには日差しがしっかり出て、フリースを着ていると暑いくらい。朝はあんなに寒かったのになぁ。

正直なところ市街から遠いこともあり、当初はまったく訪れる予定がなかったのですが、個人的には大ヒット。

まずは武器や防具の博物館。昔RPGにハマッていた私としては、ものすごく萌えます。

ヘルメットが完全に筒状態なんですが、視界はあるんでしょうか？

ちなみに、一般的にこの手の騎馬用のプレートメイルは転んだら自力で起き上がれないほどの重量があります。＜防具マニア？

ずらりと並んだアーマー。格好良くてますます萌えます。

武器防具のコレクションの次は、珍品コレクション。この珍品コレクションが、なんとも面白い！見たことが無いようなへんてこなお宝が沢山並んでいて、一つ一つ見ていると時間が経つのも忘れるほど。
例えばこれは超豪華貯金箱です。

一つ一つの展示に解説(英文)があるのですが、回りくどい内容が無く、ストレートに解説されているので本当に分かりやすい。他の博物館も見習って欲しいくらいです(笑)

ものすごく精密なジオラマ。

これ、拷問するときに声を上げないように口に入れるものだそうです。おそろしや。

日本のSamurai Armerもありました。

ここまでは城外にある建物の中の博物館。ここまで見終わってから、いよいよ城内に入ります。

これがスペイン大広間。椅子が沢山並んでいるのは、コンサートにも使われるためでしょうか？

この階段を上がって、更に見学は続きます。

これ、大公用のお風呂です(確か)。

中には立派な教会も。

儀礼用の盾ですね。

ここで見学は終了。本当に内容が濃くて面白かった！

あれれ？何故か敷地内にはクジャクがうろうろ・・・

再びサイトシーアバスに乗って駅に戻ってきました。

結果的には山に行ってもギリギリセーフな天候が一日中続きましたが、風が強かったことを考えると行かなくて正解だったかもしれませんね。何はともあれ、一日天気がもち、しかも雪景色のオマケつきだったのですから本当に運が良かった！

夕飯は昨日の醸造所レストランにもう一回行きたい気もしたけど、疲れてしまったのでスーパーのインビスで済ますことにします。
左はずっと気になってたハンバーグサンド。これを頼んだら、オマケにコーラが付いてきてしまいました。コーラ、全然飲まないんだけどなぁ。冷蔵庫も無いし。というわけで、もったいないけどチェックアウトのときに置いてきてしまいました。ごめんなさい！
さて、秀逸だったのはサラダ。というより、サラダにかけたバルサミコドレッシングが私のツボに命中です。本当に美味しい！お土産に沢山買って帰ろう！

さて、旅も明日が最終日。明日こそは間違いなく雨だろうな。。

というわけで、長くなったので後編はPart6で。

この旅行記へのコメント （2）

• デコさん 2010/10/10 06:18:39

  雪のインスブルック･*.･:☆'.･*.･:★'.･*.･:☆'.･*.･:★'.･*.･:☆'.･*.･:★

  たるとさん、おはようございます♪
  
  インスブルックの1日、素敵な一日になりましたね(~~)
  思っていたよりお天気が良くなってくれるとほんとにウキウキですものね。
  おまけに、真夏に雪景色が見られるなんて最高！
  私はアンブラス城へは、未だ行ったことがないので
  とても興味津々で見させていただけました(~~)
  ありがとうございました。
  続きも楽しみにしています(~~)
  
  デコ

  たるとさん からの返信 2010/10/10 08:14:28

  RE: 雪のインスブルック･*.･:☆'.･*.･:★'.･*.･:☆'.･*.･:★'.･*.･:☆'.･*.･:★

  デコさん、訪問ありがとうございます！
  
  私もまさか8月末に雪が降るなんて思いもしなくて、本当に驚きました。
  本当に、避暑を通り越してとんでもない寒さだったんですよ。
  この旅行記の翌日はいよいよ雨になるのですが、日中の最高気温が10度ほどでした(汗)
  
  デコさんは何度もインスブルックにいらしているので、
  アンブラス城にも行かれたことがあるのかなと思っていました。
  なかなか面白いので、次の機会には是非(^^
  
  また遊びに来てくださいね！