上海で京劇 & ワークショップを楽しむ

2010/07/25 - 2010/07/26

上海滞在中の目的の一つに京劇を見ることがありました。福州路に「逸夫舞台」という京劇専門の劇場があります。そこではほぼ毎日のように公演があり、比較的安価な料金で見ることができます。

今回は７月25日に京劇公演を見、そして翌日京劇俳優・严庆谷氏によるワークショップに参加し、京劇の素晴らしさを堪能することができました。

エリア 上海(中国)

福州路に面して「逸夫舞台」はあります。そんなに大きな劇場ではありませんが、京劇専門の劇場として毎日様々な演目が上演されています。

今回鑑賞した公演は、中国戯曲学院中国京劇流派班という流派によるもので、比較的若手のグループのようです。プログラムは２部構成で、「盗仙草」と「大保国・探皇陵・二選宮」というものです。
先ずは、「盗仙草」で、民間伝説「白蛇伝」から着想を得たストリーです。

白素貞に扮する魏娟です。白素貞は崑崙山に入り、芝仙草をを見つけようとし、二仙童（鶴童と鹿童）と遭遇し、戦いに挑み、彼らを破ります。

その戦いを表した場面です。二仙童の一人との戦いです。

こちらも同じく戦いの場面です。もう一人の二仙童との戦いを表しています。

白素貞を阻止しようとする二仙童と彼らの仲間たちです。京劇は動きに動と静があり、見ていて大変楽しいです。

舞台左右にはこのような電子掲示板による字幕があります。台詞がその都度映し出され、それらを理解できる一助となっています。

舞台右そでで伴奏している方々です。

第２部の「大保国・探皇陵・二選宮」の開始です。

この物語は「大探二」または「龍風閣」とも言われています。明時代を背景とした皇帝を取り巻く王妃と家心の物語のようですが、複雑であまり理解できませんでした。

ストリーはよく説明できないので、登場人物に焦点を当てた写真を載せてみました。

舞台が終了し、観客が皆立ち上がり、拍手をしています。ストリーはよくわかりませんでしたが、歌舞伎と同じように素晴らしい衣装、立ち居振る舞い、音楽等十分楽しむことができました。

次の日、同劇場で京劇に関するワークショップがありました。ロビーでは豪華な舞台衣装が展示され、間じかに見ることができ、大変興味深かったです。これは女性用の衣装です。

一方こちらは男性用の舞台衣装です。

衣装の下に見える履物はこんなに大きかったのですね。衣装といい、履物といい、かなり重いのではないかと思われますが、それにしても動きが大変軽やかなのには驚かされます。

これは頭にかぶるものです。かなり重たそうですね。

この日の講師は京劇俳優として、孫悟空から道化、進士役など幅広く活躍している著名な严庆谷氏です。

ワークショップ開催前に京劇特有の隈どりが希望者に行われました。

こんな小さな子供まで隈どりに参加していました。

隈どりが済んだ女性がまるで孫悟空になったような気分で、ホールを歩きまわっています。

開園時間が近づいてきたので、客席に向かいました。すでに舞台の上では、本日の準備が整っていました。

严庆谷氏の登場です。彼は日本に留学したことがあり、歌舞伎や狂言などについても大変くわしいです。

素顔で見る严庆谷氏は、はっらっとした若手俳優です。

前半は司会者とのトークです。もちろん私にはほんのわずかしか理解できませんでした。

トークの合間合間に孫悟空のしぐさを紹介してくださり、その独特な表情や動きに言葉は分からなくとも、大いに楽しむことができました。

後半は参加者の中から希望者を募り、京劇の名作「玉堂春」中の名セリフを詠唱する練習が行われました。

先ず女性２人が勇敢にも舞台に上がり、チャレンジしました。

その後男性群も加わり、严氏の指導のもとで、何度も練習し、その成果を披露しました。独特の声まわし、各章の最後の言葉を長く伸ばす手法等々手を取るように教えていました。

もうひとつ参加者を募って行われた練習は孫悟空の知恵棒を使う所作です。小さな子供まで参加しての練習でしたが、見ていると棒を振り回すだけかと思いきやそうではなく、なかなかむずかしそうでした。

この青年も参加者の一人ですが、棒を回すのは大変そうでした。

こんな小さな子供まで参加していました。女の子に孫悟空の知恵棒を振り回すしぐさの指導をしています。

小生はただ見ているだけでしたが、参加者の真剣なまなざしと彼らを指導した役者の姿に大いに感動させられました。