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http://sankei.jp.msn.com/world/asia/100704/asi1007042201002-n1.htm<br /><br />インドネシアは現在イスラム教徒の数が世界で一番多い国であるがブランバナン遺跡にはヒンズー教の遺跡が良い保存状態で保存されている。そしてバリ島にはヒンズー教の儀礼・風習が根強く残っている。<br /><br />http://4travel.jp/traveler/u-hayashima/album/10058177/<br /><br />以下はインドネシアにおけるヒンズー教に関する旅日記からの引用である。<br /><br />昼食後プランバナン遺跡の見学に出掛けた。ここにはシバ寺院群、セウ寺院群、ルンブン寺院群、プラオサン寺院群等の遺跡がありヒンズー教と仏教の聖なる建物があったところである。<br /><br />我々が訪れたのはこの中、8世紀から9世紀にかけてサンジャヤ王朝によって建てられたヒンズー教のシバ寺院群である。このシバ寺院群は大小237の寺院からなっているが現在修復が終わり復元された建物は16だけであり、残りの大部分の寺院は倒壊して瓦礫だけが元建っていた場所に集められて修復されるのを待っている。<br /><br />この建物群の中心になっているのは修復の終わったロロジョングラン寺院で高さ47m方形の底部の幅34mであり、上部は角錐状になっている。この建物の中心部の大きな部屋には高さ3mのシバ神の石像が安置されている小部屋には別身のシバ神石像、幸福を司るガネーシャ石像、世界を支配する女神ドゥールガ石像が安置されている。この建物の回廊の壁にはラーマーヤナ伝説の物語が浮き彫りで飾られていて四一の場面で構成されている。<br /><br /> ラーマーヤナとは古代インドの長編叙事詩で紀元前四世紀頃纏められた。その概要は北インド、アヨージャ国の王子ラーマの冒険を描いたもので、知・情・勇を兼ね備えたラーマと美しさ・優しさ・純情さ・貞潔に類のない妃シータは理想的な夫婦としてインド諸民族の敬愛の的であり、絵画や演劇の主題として伝承されてきたものである。<br /><br />ロロジョングラン寺院の北側には守りの神のヴイシヌ寺院、南側には創造神のプラーマ寺院が建っている。この三つの大きな建物の前にそれぞれナンディ寺院、ガルダ寺院、アンサ寺院が建っている。建物の飾りにはヒンズー教で尊ばれる「リンガ(男性器)とヨギ(女性器)」を象徴する塔がいくつも並んで建っていたりする。<br /><br />シバ寺院の前の広場はよく整備されてプランバナン公園となっており、市民の憩いの場になっているが、実際には土産物屋の屋台が軒を接して立ち並び、大人や子供の売り子達が屯していて、観光バスが到着するたびにどっと駆け寄り売り込みを始めるのである。<br /><br />七月から九月までの満月の夜にはインドネシア全域からよりすぐりの踊り子達がこの地へ集い、寺院群を背景としてラーマーヤナを上演するという。さぞかし素晴らしい光景であろうとしばらくその図を想像していた。<br /><br />バリ島へ飛ぶため三時半に起床した。バリ島で最初に強烈な印象を受けたのは、各民家の庭に明確に区画割りして設置されている「お社」のようなものである。最初墓場かなと思ったがよく見ると母屋の北東にあたる位置にかなり広い面積を占めて灯籠型の塔が4〜5個建っているのである。中に御神体でも安置してあるのかなと覗いてみたが偶像らしきものは何も飾られておらず供物が供えられているだけであった。<br /><br /> ヒンズー教寺院でよくみかける動物の形をした魔除けの像はこの「お社」への入口の門柱に彫刻されていたり柱の上に飾られている。ガイドに聞いてみるとこれはヒンズー教の神々を祭るための家庭の「お社」であり、満月の日やヒンズーの祭日には黒と白の元禄模様の布や赤、黄、緑、白の布や幟りで飾られるという。そしてこの「お社」の後方に母屋とおぼしき建物が建っている。田舎へ行く程母屋より「お社」の方が大きく立派な造りであるのをしばしば目撃した。<br /><br /> この「お社」にも格式のようなものがあって、屋根の造りだけとりあげてみても銅板葺き、コンクリート葺き、瓦葺き草葺き、トタン葺きとさまざまであり、その大きさも千差万別である。母屋より大きなものがあるかと思えば、団地サイズのお雛様セットの如くちいさく纏まって形だけ真似をしたと思われるものや、土地の有効利用の観点から編み出されたとおぼしき屋上に設置されているものまである。どうもヒンズー教のカースト制が「お社」の祭祀形式の中にはまだ残っているようである。<br /><br /> ガイドに確認してみるとカースト制は冠婚葬祭には厳然として残っているが職業の選択や進学についてはカースト制の制約は無くなっているということであった。そして市内の至る所にラーマーヤナに題材をとった人物像や動物像が誇らしげに飾られている。イスラム社会であるインドネシアにおいてここバリ島だけは例外的にヒンズー教の風俗習慣が根強く息づいているのである。 <br />

“復元帆船でアジア歴訪 インドネシア・マジャパヒト王朝の遺跡発掘へ支援呼びかけ”で回想したこと。

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2000/11/08 - 2000/11/08

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早島 潮

早島 潮さん

http://sankei.jp.msn.com/world/asia/100704/asi1007042201002-n1.htm

インドネシアは現在イスラム教徒の数が世界で一番多い国であるがブランバナン遺跡にはヒンズー教の遺跡が良い保存状態で保存されている。そしてバリ島にはヒンズー教の儀礼・風習が根強く残っている。

http://4travel.jp/traveler/u-hayashima/album/10058177/

以下はインドネシアにおけるヒンズー教に関する旅日記からの引用である。

昼食後プランバナン遺跡の見学に出掛けた。ここにはシバ寺院群、セウ寺院群、ルンブン寺院群、プラオサン寺院群等の遺跡がありヒンズー教と仏教の聖なる建物があったところである。

我々が訪れたのはこの中、8世紀から9世紀にかけてサンジャヤ王朝によって建てられたヒンズー教のシバ寺院群である。このシバ寺院群は大小237の寺院からなっているが現在修復が終わり復元された建物は16だけであり、残りの大部分の寺院は倒壊して瓦礫だけが元建っていた場所に集められて修復されるのを待っている。

この建物群の中心になっているのは修復の終わったロロジョングラン寺院で高さ47m方形の底部の幅34mであり、上部は角錐状になっている。この建物の中心部の大きな部屋には高さ3mのシバ神の石像が安置されている小部屋には別身のシバ神石像、幸福を司るガネーシャ石像、世界を支配する女神ドゥールガ石像が安置されている。この建物の回廊の壁にはラーマーヤナ伝説の物語が浮き彫りで飾られていて四一の場面で構成されている。

 ラーマーヤナとは古代インドの長編叙事詩で紀元前四世紀頃纏められた。その概要は北インド、アヨージャ国の王子ラーマの冒険を描いたもので、知・情・勇を兼ね備えたラーマと美しさ・優しさ・純情さ・貞潔に類のない妃シータは理想的な夫婦としてインド諸民族の敬愛の的であり、絵画や演劇の主題として伝承されてきたものである。

ロロジョングラン寺院の北側には守りの神のヴイシヌ寺院、南側には創造神のプラーマ寺院が建っている。この三つの大きな建物の前にそれぞれナンディ寺院、ガルダ寺院、アンサ寺院が建っている。建物の飾りにはヒンズー教で尊ばれる「リンガ(男性器)とヨギ(女性器)」を象徴する塔がいくつも並んで建っていたりする。

シバ寺院の前の広場はよく整備されてプランバナン公園となっており、市民の憩いの場になっているが、実際には土産物屋の屋台が軒を接して立ち並び、大人や子供の売り子達が屯していて、観光バスが到着するたびにどっと駆け寄り売り込みを始めるのである。

七月から九月までの満月の夜にはインドネシア全域からよりすぐりの踊り子達がこの地へ集い、寺院群を背景としてラーマーヤナを上演するという。さぞかし素晴らしい光景であろうとしばらくその図を想像していた。

バリ島へ飛ぶため三時半に起床した。バリ島で最初に強烈な印象を受けたのは、各民家の庭に明確に区画割りして設置されている「お社」のようなものである。最初墓場かなと思ったがよく見ると母屋の北東にあたる位置にかなり広い面積を占めて灯籠型の塔が4〜5個建っているのである。中に御神体でも安置してあるのかなと覗いてみたが偶像らしきものは何も飾られておらず供物が供えられているだけであった。

 ヒンズー教寺院でよくみかける動物の形をした魔除けの像はこの「お社」への入口の門柱に彫刻されていたり柱の上に飾られている。ガイドに聞いてみるとこれはヒンズー教の神々を祭るための家庭の「お社」であり、満月の日やヒンズーの祭日には黒と白の元禄模様の布や赤、黄、緑、白の布や幟りで飾られるという。そしてこの「お社」の後方に母屋とおぼしき建物が建っている。田舎へ行く程母屋より「お社」の方が大きく立派な造りであるのをしばしば目撃した。

 この「お社」にも格式のようなものがあって、屋根の造りだけとりあげてみても銅板葺き、コンクリート葺き、瓦葺き草葺き、トタン葺きとさまざまであり、その大きさも千差万別である。母屋より大きなものがあるかと思えば、団地サイズのお雛様セットの如くちいさく纏まって形だけ真似をしたと思われるものや、土地の有効利用の観点から編み出されたとおぼしき屋上に設置されているものまである。どうもヒンズー教のカースト制が「お社」の祭祀形式の中にはまだ残っているようである。

 ガイドに確認してみるとカースト制は冠婚葬祭には厳然として残っているが職業の選択や進学についてはカースト制の制約は無くなっているということであった。そして市内の至る所にラーマーヤナに題材をとった人物像や動物像が誇らしげに飾られている。イスラム社会であるインドネシアにおいてここバリ島だけは例外的にヒンズー教の風俗習慣が根強く息づいているのである。 

同行者
一人旅
交通手段
観光バス
旅行の手配内容
ツアー(添乗員同行あり)

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  • ヒンズー経の祭神<br /><br />日本で言えばお社あるいは神棚のような感覚

    ヒンズー経の祭神

    日本で言えばお社あるいは神棚のような感覚

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