2010/01/27 - 2010/02/10
608位(同エリア1797件中)
namiさん
2010年1−2月に世界遺産を中心にベトナムをビザなし限界の15日で縦断しました。15日の旅程半ばの8日目は、ホイアンを起点の現地ツアーに参加して、世界遺産のミーソン遺跡を訪れます。とってもフレンドリーな、HaiAu ホテルのフロントお姉さんに昨日お願いしておいたツアーです。
行きはバス帰りは舟の、昼食までついた激安世界遺産ツアーで、同様ツアーは今回のベトナム縦断の旅では繰り返し現れてくる固有パターンです。
舟でホイアンに戻ってからは、昨日の続きで街を探索しましたが、それは旅行記を改めることにします。すみません、表紙の美女が出てくるのはそちらです。
- 航空会社
- アシアナ航空
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朝食を食べてホテルのフロント横のソファーで待つこと暫し、遅れもせずバスがやってきます。こんなに楽でいいのだろうか、そのうち隙を突いて世の中に反撃されるぞと心配になるくらい、とてもとても楽チンです。
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このツアー、乗り物、英語ガイド、食事みんな込みで8ドルです。
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本日のガイド。
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8時に出発して、一時間半ほどでミーソン遺跡入口です。橋の手前でバスをおりて、歩いて橋を渡ります。
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高いツアーはここからジープでさらに奥に行くようです。
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個人手配かもしれません。
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橋を渡ったところで、ガイドさんから入場券を受け取り再度バスに乗り込みます。どうも入場券を買うための降車だったようです。
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入場料6万ドンは別払いで、さすがに8ドルには含まれていません。約300円ですね。
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駐車場で下りて、先ずはレクチャーです。
ちょっと早口の癖のある英語でいまひとつの理解度でしたが、ともかく地図下のほうから歩き、グループBの遺跡から反時計回りにグループA、グループE、Fと廻るということは判りました。 -
参加者はだいたい同じような格好で半ズボンに半袖、スニーカーに両手は空けて、もう歩く気十分です。
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きつい道ではありませんが、けっこう歩きます。奥地に踏み込んでいくという感じです。
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グループB遺跡直前のレクチャー場所では我々は休憩無しです。写真は他のグループ。ここは風通しもよく気持ちの良いところなので、ちょっと休みたいところでした。
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ガイドさん歩くのが速すぎるの声も聞こえてくる、最初の目的地グループB遺跡の直近地点です。
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いよいよ遺跡が見えてきます。
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まず、重要なポイント。
ミーソンは世界遺産ですが大遺跡ではありません。
アンコールワットなどが持つ、誰もが感心する圧倒的規模とは無縁で、ミーソン遺跡の良さはもうすこし微妙なものです。 -
遺跡はこんな感じに植物に侵食され、あまり整備されてはいません。
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崩壊しつつある遺跡という感じです。
個人的な趣味として、屋根の上に草が生えていたりするのは好きなので、私はミーソン好きですが、遺跡にスペクタクルを期待する方の眼には、地味な遺跡と映るでしょう。 -
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この建物は多少スケール感があります。
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遺跡のひとつに入ります。中央の四角い空間に、リンガ−ヨニ台が祀られています。あるべきリンガは外されています。展示かもしくは他の意図で後代の誰かが外したのでしょう。
塔状の祠堂なので上部に大きな空間があり、天につながる装置であることがすぐ判ります。なかは暗く光源は入ってきた入口からの光だけです。自然に、この空間がその細い通り道で世界につながっていることも意識されます。祠堂の目的は、物の世界を超えて存在する天と現実界を結ぶことですから、大変理にかなった構造です。
観光客がいなくなると、空気が緊張し本来あった緻密に構成された宗教的パワーを感じることが出来ます。 -
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眼を引く点として、入口横げたの上に三角形の隙間があります。この空間はれんがを少しずつずらしながら造られています。
入口横げたはとても薄く、構造的にこの隙間がないと、上からの加重がけた中央にかかりぽきりと折れてしまうのでしょう。クメールもこの文明も、真性アーチ構造を発明できていませんから、苦肉の暫定技術という感じです。 -
外から見るとこうです。
外から見るとこの三角形の空間はさらに特徴的です。
リンガを祀る祠堂の入口としてあらためて見直すと、この入口の象徴的な意図を強く感じます。この入口はヨニですね。
そう思って全体を見直すと、この祠堂が大変よく理解できます。この祠堂に入るのは母なるものへの回帰、あるいは人になる前に属していた世界への回帰を象徴することになりますし、出てくるのは新しい世界に生まれ出るということと重なることになります。 -
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遺跡そのものを利用した小さな発掘品展示スペースがあります。ミーソンはこのあたりのチャンパ文明の遺跡ですが、4世紀ごろから始まり、現在残っている建築物も8世紀から13世紀の物だということです。クメール文明のアンコールワットは12世紀ぐらいですから、それより素朴な意匠が見られるかもしれません。
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これは、壁の展示です。愛すべき彫刻です。
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すべての哺乳類の遺伝子に書いてあると思われる、この像の持つ強力な魅力に抗しきれず正面からもう一枚。
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これも素晴らしい。
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愛嬌のあるガルーダ。
ガルーダはインド神話に出てくる人気の怪鳥です。この口のとがった子鬼は、ベトナムに続き行ったカンボジアのクメール遺跡でもあちこちに出没してました。
遺跡のそこかしこに祀られたリンガといい、このガルーダといいミーソンはチャンパ文明の遺跡ですが、隣国で敵対していたはずのクメール文明と同じように、ヒンドゥー文化が色濃い遺跡ですね。
ベトナムあたりは、インドシナというくらいで、インドと中国の間にあり、それら二つの古代巨大文化圏の影響を強く受けているのでしょう。 -
福耳の天翔る戦士。
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隅に展示されていた貫通力が高そうな米軍の不発弾。
チャンパ文明もビックリ、横げたの経年破壊を未然に防いだ設計者も想定外の脅威だったでしょう。 -
この最初の遺跡がメインなので、結構時間をかけてもいいと思います。人が多くて写真が思うように撮れなかったこともあり、私はガイドさんが次のおまけの遺跡に移動していった後も見て廻っていました。バス集合の時間は聞いていたので、同様に考えた人も何人かいました。この後ろの10人弱が私たちのツアーの最後の集団です。
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今見てきたミーソン遺跡グループBの遠景です。
森のなかの小さな遺跡です。
遺跡のあるのは盆地状の場所で、この写真の右のほうに聖なる山であるマハーバルヴァタを仰ぎ見る位置にあります。 -
グループA以降は遺跡というより遺跡跡という感じです。ベトナム戦争時の米国による爆撃の被害がかなりあったようです。誤爆というよりはベトナム側の軍事設備があったので正式に攻撃目標とされたということなのでしょう。
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所在無い様子の観光客。
アメリカ人旅行者のなかには、複雑な気持ちになった人もいたかもしれません。 -
祠堂の中心に祀られていた筈のリンガ-ヨニ台が残っています。レンガ造りの建物は完全に破壊されています。
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あらまあの図。
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1000年前と変わらずミーソンを見守る聖なる山、マハーバルヴァタ。
驚いたことに、ミーソンの地に立つとこの山、雲をまとい後光まで射して、ほんとに聖なる山だと判ります。古代人の感性はとても高いと思いました。チャンパ文明なかなか鋭い。 -
さらに少し歩いて、グループE,Fに移動します。
すでにツアーはばらけて、自由行動状態。なかなかゆるくて良い雰囲気です。 -
グループFの危ない遺跡。
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これも危ない。
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このあたり、そこここに爆撃跡の大穴がぼこぼこあります。大きなものは直径7メーター、深さ2メーターぐらいのクレーターになっています。
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帰り道に離れてポツンとあった遺跡。
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ミーソンはいろいろ考えさせられる世界遺産です。
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ミーソン遺跡を後にして、船着場にバスで移動します。
ミーソンを出て山を下りてきたら、天気が俄然良くなってきました。 -
バスを降りたところで見つけた、世界一美しい自転車。
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その横にいた世界最高レベルの姉弟。
弟を面倒見て、まことに感心なお姉ちゃん。 -
この姉ちゃんはとても感心なので、
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この後、幸せな人生を送ります。
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家々の間を抜けていきます。
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水辺に出ます。
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待っていると、
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舟が来る。
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乗り込むと、
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食事が出てくる。
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水までくれた!
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オートバイごと移動できる舟。
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水辺の村に寄り道します。
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滅多に物を買わない私ですが、この手前の木彫の存在感に負けて、買ってしまいました。
とても良いもので、今は私の机の横にあります。
何を入れるかは、今後考えていくつもりです。 -
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まあシビアに解釈すれば、帰る途中でお土産村に寄ったとも取れますが、とても楽しめましたし、うちにやって来る運命だった木彫りにも出会えたので、良い寄り道でした。
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さらに少し水の上を渡って、昨日、その前を通った市場の続きの船着場に到着です。前からぼんやり思っていたのですが、旅をしていて知ってるところに行き着くと、自分の知っている領域が面的に広がった感じで、これ大きな喜びです。
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午後2:30到着。
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このツアー、派手なところはないけれど、8時出発で正味6時間半、半日ちょっとで世界遺産ミーソン遺跡とホイアンの河くだりをじっくり楽しめ、その上いろいろ考える材料も貰えちゃう点で、お奨めです。
遺跡の規模は有体に言ってアンコールワット比較で2桁以上小さいんですが、十分楽しめました。さすがに世界遺産(つまりこの星の宝)の判断基準は、物量インパクトの驚かせだけじゃあないよ、という見識が感じられるよい見本だとも思います。
思いのほか写真が多くなったので、この後のホイアン散歩は旅行記を改めます。
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