1997/11/07 - 1997/11/07
224位(同エリア339件中)
北風さん
ボリビアの首都「ラパス」
「巨大な盆地にすり鉢状に家々がしがみついている街」
「光の壁が見れる場所」
「世界で一番高所のマクドナルドがある都市」
等々、様々な噂は耳にしていた。
訪れた旅行者が口々に「あそこはオモロイ!」というからにはそれなりの何かがあるのだろう。
ワクワクしていた。
もしかしたらマチュピチュに向かって歩いていた時以上かもしれない。
チチカカ湖名物の「トルーチャ」で腹を膨らませ、期待で胸を膨らませながら、ラパス行きのバスに飛び乗った!
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- 高速・路線バス
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旅日記
『ラパスへ』
「パラ・パ・ラパス!パラ・パ・ラパス!」
コパカバーナのバス停で、呼び込みの声が鳴り響いていた。
さすが首都行きのバスは、かなりのバス会社が出しているらしい。
が、しかし、パラ・パ・ラパスの「パラ」は英語で言う「For」だと思うが、次にくる「パ」って何?
外国での聞き間違いは時々命取りになる事がある。
ラパスに行くはずが、どこかの田舎町パラパスなんかに行った日にゃ目も当てられない。
何度も行き先を確認して乗り込んだが、聞く相手が南米ルール(いいかげん)で生きているのだから心配事は尽きない。
バスのドライバーは「夕方までには着くよ」と言っていた。
現在、バスの薄汚れた窓からは、何にもない荒野に沈む夕陽が映し出されている。
夕方とはどこの世界でも日が沈む前の事を指す言葉だったと思う。
つまり、これは、現在ペルーを抜く勢いで「首絞め強盗」のメッカになりつつあるHotな街に深夜に着く事を意味するのだが・・・ -
どれぐらいの時間が経ったのだろう?
月明かりに照らされた地平線の一端がボウッと光っていた。
電力不足のこの国で、あれほど豪勢に電気を使っている所は首都ラパス以外に考えられない。
既にバスの中で一夜を過ごす決意を固めていた時だけあって、あの光は自分の希望の光にも見えてきた。
バスが速度を落とす。
まるでそこだけ大地が陥没したかのような、巨大な盆地が目の前に広がる。
これは・・・
すごい!
光の渦がはるか下方の街の中心まで続いている。
バスはその渦の中心めがけて吸い込まれるように下り始めた。 -
旅日記
『ラパスで』
「グギャー、ギャッ、ギャッギャ」と、ものすごいエンジン・ブレーキを響かせて、バスはすり鉢の底に落ちていく。
フロントガラス越しに見える高層ビル群を見下ろしながら、運ちゃんがF1レーサー並みのポンピングブレーキを続けていた。
渾身の力を込めて座席の脇の肘掛を握る、そのまま前へずり落ちようとする身体を足で突っ張って支える。
まるでジェットコースターだ。唯一異なる点は、登りが無い事だけの気がする。
表現に誤りがあるわけではない。それ程この坂道は、常識はずれの傾斜を持っていた。
賭けてもいい、ドライバーがアクセルに足を乗せた事は一度も無い。
このままブレーキが焼け焦げる前に、無事底までたどり着けるんだろうか?
ラ・パス、標高4000mの高地に形成された世界で最も高所にある首都。(世界で一番高い所にあるマクドナルドもある)
ただでさえ富士山の1.5倍もの高さなのに、この街は平地が猫の額ほどしかなく、少し歩くとものすごい坂が目の前に立ち塞がる。
一言で言えば、山々に囲まれた小さな盆地に建てられた街が、予想を遥かに超えた成長を続け、とうとう切り立った崖の斜面を這い上がり始めた結果らしい。
そして現在も地方の貧困に追われた人々が、富を求めてすり鉢の縁を拡大し続けているらしい。
つまり、幸せと財布の薄さに比例して、空気さえ薄くなる更なる斜面の高所へと追いやられるわけだ。
空気も薄く水道も電気も無い山の上に住む人々が唯一手に入れられる物は、香港なんて目じゃない100万ドルの夜景だけかもしれない。
人々は光の渦が密集している底辺を見下ろして、「いつの日か・・」と夢を見ているのだろうか? -
旅日記
『ラパスとは』
アジア、ヨーロッパ、アフリカ、北米を旅した。
もはやたいがいの事には驚く事は無い俺の瞳孔が全開に見開かれている。
この街はおもしろい!
まるで巨大な蟻地獄の中に積み木細工の様な薄茶色の建物がびっしりと詰めこまれているかのようだ。
金持ちほど高い所に住みたがるというのは世界の常識みたいなもんだが、ここではきらびやかな街の中心は蟻地獄の底辺に位置していた。
南米一貧しいと言われる国にしては、丸の内のオフィス街顔負けの摩天楼がそびえる中心から、街並みはゆるやかに変化していく。
山の斜面にまでへばりつく家々まで来ると、そこは電気や水道さえ通っていない貧民街になるらしい。
しかもこの街は今でも肥大化しているとの事。
貧困を逃れ職を求める人々がボリビア各地から密集しその渦の端っこにぶら下がる。
水も電気もない掘っ立て小屋の中で、500mはあろうかという下方に集まる富の光を眺めながら、人々は明日への夢を見るとの事。 -
旅日記
『ラパスの日本人宿』
南米に入ってから、日本人宿を利用する回数が飛躍的に増えていた。
日本人の移民が多いこの大陸に日本人が経営する宿が多いのも理由の一つだが、何といっても同一民族、しかも日本人という世界中で最も馬鹿正直な民族の中ならば、ほとんど盗難の心配をしなくて済むのは助かる!
そして、富士山以上の高さにある街の坂道を30分ほど上った所にラパスの日本人宿「トキ・ゲストハウス」は建っていた。
高山病でバクバク高回転している心臓をおさえて、中に入ると、中米で出会ったジムニーで世界一周している渋谷さんと再会!
何日ぶりだろう?
そして、何ヶ国ぶりだろう? -
旅日記
『ボリビアの謎』
俺は、あのボリビアのおばちゃん達が非常に気になっている。
あのファッションは何だろう?
まず帽子が小さい。
どう考えてもあのデカイ頭には小さすぎる。
そして、何故スカートにはアコーデオン並みにダーツが入っているんだ?
しかも、どうして皆、エプロンらしき前掛けをつけているんだろう?
集大成は、あの巨大さだ。
南米一貧しいと言われる国の国民が、一体何を食えばあれほど太れるんだ?
このサイズは、バスに乗る時降りる時に非常に困る。
ドアに向かえばつっかえているし、席に座れば2人分だ。
更にどういうわけか、ほとんどのおばちゃんが子供を背負っている。
つまり、この方々は、巨大な正面の面積の更に上を行く奥行きを持っているわけだ。
誰かに聞いてみたい。
しかし、この国の方々はペルーとは正反対のむっつり顔が身上らしく、その口はその体重以上に重かった。
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