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<br />2010年4月1日(木)<br /><br />われわれの年代は、戦後の興隆期をフルに味わった、恵まれた世代である。<br /><br />「寝る時間もないほど、苦労したがなぁ」<br /><br />「でも終わってみれば、愉しかったなぁ」<br /><br /><br />話は、戦争前後の苦労話に展開する。<br /><br />この時代の話になると、われわれ経験者でさえ忘れたことがボチボチある。<br /><br />戦争時代の貴重な記録をもっと残すべきではないだろうか。<br /><br />「いや残すことは大切だが、記録を書いた人と読む人との間に、ギャップが年々拡大し、戦争体験は簡単に伝承できない」<br /><br /><br />五人のうちで、一番苦労したのは誰だろうか。<br /><br />それは旅順で終戦を迎えたM君と言うことで、衆目が一致した。<br /><br /><br />彼は旅順工大予科に在学中終戦を迎えたが、その後二年近く帰国できなかった。<br /><br />その間街には、満洲人と中国からやって来た港湾労働者との摩擦が絶えず、悪い治安の中で生きる毎日は、どんなにたいへんなことだったろうか。<br /><br /><br />私も終戦に相前後して父を失い、母の病気、ハイパーインフレ、農地改革、円封鎖・新円切替と、今となれば貴重な社会の波風を経験した。<br /><br />家庭が破産したら最後は働けばいいと開き直っているうちに、好景気の到来や学校の授業料免除などの幸運に恵まれ、ハイパー空腹以外暗い思い出は残っていない。<br /><br /><br />一同、大なり小なり苦労しながら青少年時代を過ごしている。<br /><br />その苦労が心の肥やしとなって今の自分を形成し、最長期の日本を支える力となった。<br /><br /><br />今の子供や孫は、われわれのような苦労を経験することはほとんどないに等しい。<br /><br />おまけに国の経済は、破綻に瀕している。<br /><br />われわれを乗せた国と言う船は、沈みかけている。<br /><br />われわれは、国造りの過程で、社会から何を失ったのであろうか。<br /><br /><br />このような、自分たちの歩んできた道の分析が延々と続き、ご馳走の美味しさと相まって、つい杯を重ねてしまう。<br /><br />咲き競う花の見事さが、人生を見つめ直す機会を作ってくれている。<br /><br /><br />「残り少ない人生だが、楽しさに恵まれた今を感謝しよう」<br /><br />「若い時の苦労と比べれば、今はどんなに幸せか」<br /><br />「恵まれない国に比べれば、日本の生活はどんなに豊かか」<br /><br />「われわれにしか持っていない歴史観を、後世につなぐ努力は、怠ってはならない」<br /><br /><br />写真は「ソフィーさんのマイページ」(訪問54カ国、文章1,590件 写真6,770枚)をご覧ください。<br />http://4travel.jp/traveler/katase/<br /><br />エーゲ海クルーズやスイスの写真が美しい「片瀬貴文さんのマイページ」(文章625件 写真2,400枚)<br />http://4travel.jp/traveler/takafumi/<br /><br />ブログの作成日順に並んでいる「片瀬貴文の記録」(文章1,650件)<br />http://blog.alc.co.jp/d/2001114<br /><br />(片瀬貴文)<br />

醍醐の花見【04】爛漫の桜花の如く満開だった日本は・・・?

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2010/04/01 - 2010/04/01

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ソフィ

ソフィさん


2010年4月1日(木)

われわれの年代は、戦後の興隆期をフルに味わった、恵まれた世代である。

「寝る時間もないほど、苦労したがなぁ」

「でも終わってみれば、愉しかったなぁ」


話は、戦争前後の苦労話に展開する。

この時代の話になると、われわれ経験者でさえ忘れたことがボチボチある。

戦争時代の貴重な記録をもっと残すべきではないだろうか。

「いや残すことは大切だが、記録を書いた人と読む人との間に、ギャップが年々拡大し、戦争体験は簡単に伝承できない」


五人のうちで、一番苦労したのは誰だろうか。

それは旅順で終戦を迎えたM君と言うことで、衆目が一致した。


彼は旅順工大予科に在学中終戦を迎えたが、その後二年近く帰国できなかった。

その間街には、満洲人と中国からやって来た港湾労働者との摩擦が絶えず、悪い治安の中で生きる毎日は、どんなにたいへんなことだったろうか。


私も終戦に相前後して父を失い、母の病気、ハイパーインフレ、農地改革、円封鎖・新円切替と、今となれば貴重な社会の波風を経験した。

家庭が破産したら最後は働けばいいと開き直っているうちに、好景気の到来や学校の授業料免除などの幸運に恵まれ、ハイパー空腹以外暗い思い出は残っていない。


一同、大なり小なり苦労しながら青少年時代を過ごしている。

その苦労が心の肥やしとなって今の自分を形成し、最長期の日本を支える力となった。


今の子供や孫は、われわれのような苦労を経験することはほとんどないに等しい。

おまけに国の経済は、破綻に瀕している。

われわれを乗せた国と言う船は、沈みかけている。

われわれは、国造りの過程で、社会から何を失ったのであろうか。


このような、自分たちの歩んできた道の分析が延々と続き、ご馳走の美味しさと相まって、つい杯を重ねてしまう。

咲き競う花の見事さが、人生を見つめ直す機会を作ってくれている。


「残り少ない人生だが、楽しさに恵まれた今を感謝しよう」

「若い時の苦労と比べれば、今はどんなに幸せか」

「恵まれない国に比べれば、日本の生活はどんなに豊かか」

「われわれにしか持っていない歴史観を、後世につなぐ努力は、怠ってはならない」


写真は「ソフィーさんのマイページ」(訪問54カ国、文章1,590件 写真6,770枚)をご覧ください。
http://4travel.jp/traveler/katase/

エーゲ海クルーズやスイスの写真が美しい「片瀬貴文さんのマイページ」(文章625件 写真2,400枚)
http://4travel.jp/traveler/takafumi/

ブログの作成日順に並んでいる「片瀬貴文の記録」(文章1,650件)
http://blog.alc.co.jp/d/2001114

(片瀬貴文)

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  • 霊宝殿を背景に<br />爛漫たる桜花

    霊宝殿を背景に
    爛漫たる桜花

  • ぎっしりと密度の濃い<br />枝と桜花

    ぎっしりと密度の濃い
    枝と桜花

  • 破風の曲線と<br />しだれ桜のアンサンブル

    破風の曲線と
    しだれ桜のアンサンブル

  • 桜花の枝ぶりに<br />しばらく見とれる

    桜花の枝ぶりに
    しばらく見とれる

  • 仁王門と桜

    仁王門と桜

  • 崩れた土塀にも合う桜花

    崩れた土塀にも合う桜花

  • 土塀と桜花

    土塀と桜花

  • 醍醐寺<br />霊宝院の桜花

    醍醐寺
    霊宝院の桜花

  • すっぽりと桜に囲まれて<br />仁王門

    すっぽりと桜に囲まれて
    仁王門

  • 総門わきの桜は<br />一段と色目かしい

    総門わきの桜は
    一段と色目かしい

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