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徳川最後の将軍・慶喜は鳥羽伏見の戦いに敗れ、榎本武揚操船する幕府の軍艦「開陽丸」に乗船し、大阪天保山沖から品川・浜離宮に逃げ帰り、一旦はこの上野寛永寺に謹慎の身となった。<br /><br />旗本を中心とする将軍親衛隊はこの上野の地に彰義隊を結成し、新政府軍と対決することとなった。<br /><br />この時既に勝海舟と西郷隆盛との話し合いで、江戸城無血開城が取り決められていて、慶喜は既に将軍の座を引退し、水戸に蟄居し恭順に意を示していたが、近藤勇を初めとする新撰組残党、それにここ上野に立て篭もる彰義隊の一隊、東北雄藩連盟などなど、明治を迎える前夜、巷には尚多くの不穏の空気が満ちていた。<br /><br />明治を迎えるおよそ半年前、上野の森を囲んだ大村益次郎指揮の官軍兵は、四方八方からの総攻撃を行い、戦闘は僅か1日で終了した。<br /><br />スナイドル銃を初めとする官軍の新兵器の前には、槍、先込銃、刀の旧幕府軍装備では太刀打ちできよう筈もなかった。<br /><br />歴史に咲いたあだ花と言ってしまえば、この地に斃れた旧軍武士の心根も失くなってしまう。負けると分って敢えてその死地に飛び込む心情。規模の大小、違いはあるが、これから70年後の特攻隊の心情に通ずるものがあった。<br /><br />その彰義隊墓地の横には今や上野名物ともなっている西郷隆盛像が、愛犬「ツン」と連れ立って、遠く皇居(江戸城)の方角を向いている。明治の塑像家・高村光雲氏の傑作のひとつ。<br /><br />明治維新から150年、明治は遠くなりけり、ではなく、今も尚この身近な場所で彼等は歴史を見据えていた。

春の上野公園(5)上野彰義隊と西郷隆盛像。

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2010/03/17 - 2010/03/17

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ちゃお

ちゃおさん

徳川最後の将軍・慶喜は鳥羽伏見の戦いに敗れ、榎本武揚操船する幕府の軍艦「開陽丸」に乗船し、大阪天保山沖から品川・浜離宮に逃げ帰り、一旦はこの上野寛永寺に謹慎の身となった。

旗本を中心とする将軍親衛隊はこの上野の地に彰義隊を結成し、新政府軍と対決することとなった。

この時既に勝海舟と西郷隆盛との話し合いで、江戸城無血開城が取り決められていて、慶喜は既に将軍の座を引退し、水戸に蟄居し恭順に意を示していたが、近藤勇を初めとする新撰組残党、それにここ上野に立て篭もる彰義隊の一隊、東北雄藩連盟などなど、明治を迎える前夜、巷には尚多くの不穏の空気が満ちていた。

明治を迎えるおよそ半年前、上野の森を囲んだ大村益次郎指揮の官軍兵は、四方八方からの総攻撃を行い、戦闘は僅か1日で終了した。

スナイドル銃を初めとする官軍の新兵器の前には、槍、先込銃、刀の旧幕府軍装備では太刀打ちできよう筈もなかった。

歴史に咲いたあだ花と言ってしまえば、この地に斃れた旧軍武士の心根も失くなってしまう。負けると分って敢えてその死地に飛び込む心情。規模の大小、違いはあるが、これから70年後の特攻隊の心情に通ずるものがあった。

その彰義隊墓地の横には今や上野名物ともなっている西郷隆盛像が、愛犬「ツン」と連れ立って、遠く皇居(江戸城)の方角を向いている。明治の塑像家・高村光雲氏の傑作のひとつ。

明治維新から150年、明治は遠くなりけり、ではなく、今も尚この身近な場所で彼等は歴史を見据えていた。

  • 来週からの桜祭りを控え、人足早い桜見物客が公園を散策している。

    来週からの桜祭りを控え、人足早い桜見物客が公園を散策している。

  • 広小路出口横の西郷隆盛像の前には上野彰義隊の碑がある。

    広小路出口横の西郷隆盛像の前には上野彰義隊の碑がある。

  • 石碑は江戸末期、明治初期の三舟、山岡鉄舟の筆になるもの。

    石碑は江戸末期、明治初期の三舟、山岡鉄舟の筆になるもの。

  • 幕末の三筆。明治まで生き残った鉄舟とすれば、どんな思いでこの碑文を書いただろうか・・

    幕末の三筆。明治まで生き残った鉄舟とすれば、どんな思いでこの碑文を書いただろうか・・

  • 上野戦役に倒れた幕臣を悼む案内文。

    上野戦役に倒れた幕臣を悼む案内文。

  • この彰義隊の慰霊碑の前には、西郷隆盛像が愛犬「ツン」と一緒に西の方角、皇居を見据えている。

    この彰義隊の慰霊碑の前には、西郷隆盛像が愛犬「ツン」と一緒に西の方角、皇居を見据えている。

  • 彼も又10年後、負ける戦いを覚悟の上、薩摩城山にて50年の人生を閉じることになった。

    彼も又10年後、負ける戦いを覚悟の上、薩摩城山にて50年の人生を閉じることになった。

  • 「敬天愛人」。英雄は死して後、言葉を残した。

    「敬天愛人」。英雄は死して後、言葉を残した。

  • 明治は遠くなってしまったが、尚、身近な存在として、日本人の心の中に育まれている。

    明治は遠くなってしまったが、尚、身近な存在として、日本人の心の中に育まれている。

  • 遠い異国の地からやってきた大道芸人が、どこか遠くで、悲しげなインデオの曲を奏でている。

    遠い異国の地からやってきた大道芸人が、どこか遠くで、悲しげなインデオの曲を奏でている。

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